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発明の名称 廃棄物処分場における遮水シートの破損検出方法及び漏水防止方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−15517
公開日 平成10年(1998)1月20日
出願番号 特願平8−169967
出願日 平成8年(1996)6月28日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】一色 健輔 (外2名)
発明者 小谷 克己 / 黒岩 正夫
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 廃棄物処分場の底面に敷設された遮水シートの下方に沿いながら廃棄物処分場の外部まで延長配設されて地下水を周囲の水域に流出させる排水配管と、廃棄物処分場の内部に設けられて廃棄物から浸出した汚水を集積排出するための浸出水排水槽とを備えた廃棄物処分場において、前記遮水シートの破損箇所の有無を検出するための方法であって、前記排水配管には、前記廃棄物処分場の外部に位置する箇所に、垂直方向に異なる高さに開口する複数の放流開口を有する地下水排水管を、前記排水配管と連通させた状態で立設配置し、前記地下水排水管の前記放流開口を下方から閉塞して、前記地下水排水管内の水位を前記廃棄物処分場内の汚水の水位より上方に位置させ、これらの水位の水頭差による前記遮水シートの破損箇所を介した前記浸出水排水槽内の水位の上昇を検知して、前記遮水シートの破損箇所の有無を検出することを特徴とする廃棄物処分場における遮水シートの破損検出方法。
【請求項2】 廃棄物処分場の底面に敷設された遮水シートの下方に沿いながら廃棄物処分場の外部まで延長配設されて地下水を周囲の水域に流出させる排水配管と、廃棄物処分場の内部に設けられて廃棄物から浸出した汚水を集積排出するための浸出水排水槽とを備えた廃棄物処分場において、前記遮水シートの破損箇所の有無を検出するための方法であって、前記排水配管には、前記廃棄物処分場の外部に位置する箇所に、垂直方向に異なる高さに開口する複数の放流開口を有する地下水排水管を、前記排水配管と連通させた状態で立設配置し、下方に位置する前記放流開口を閉塞して上方に位置する前記放流開口から地下水を放流している状態から、下方に位置する前記放流開口を開放して当該下方の放流開口から地下水を放流し、前記地下水排水管内の水位の低下に伴う前記遮水シートの破損箇所を介した前記浸出水排水槽内の水位の低下を検知して、遮水シートの破損箇所の有無を検出することを特徴とする廃棄物処分場における遮水シートの破損検出方法。
【請求項3】 廃棄物処分場の底面に敷設された遮水シートの下方に沿いながら廃棄物処分場の外部まで延長配設されて地下水を周囲の水域に流出させる排水配管と、廃棄物処分場の内部に設けられて廃棄物から浸出した汚水を集積排出するための浸出水排水槽とを備えた廃棄物処分場において、前記遮水シートの破損箇所が検出された場合に当該破損箇所を介した廃棄物処分場の内部から周囲の地盤への汚水の漏出を防止するための方法であって、前記排水配管には、当該排水配管と連通して上方に延長する地下水を放出するための地下水排水管を廃棄物処分場の外部において立設配置し、該地下水排水管における水位を、前記浸出水排水槽内の水位よりも上方に保持して、これらの水位の水頭差により廃棄物処分場の内部に汚水を封じ込めることによって、前記破損箇所を介した汚水の漏出を防止することを特徴とする廃棄物処分場における漏水防止方法。
【請求項4】 前記地下水排水管には、垂直方向に異なる高さに開口するとともに開閉手段を備えた複数の放流開口を設け、該放流開口を下方に位置するものから順次閉塞して、前記地下水排水管内の地下水の水位を前記浸出水排水槽内の水位よりも上方に保持することを特徴とする請求項3に記載の廃棄物処分場における漏水防止方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、廃棄物処分場における漏水検出方法及び漏水防止方法に関し、特に、既設の廃棄物処分場において、遮水シートの破損箇所の有無を検出するための漏水検出方法、及び遮水シートの破損箇所が検出された場合に当該破損箇所を介した廃棄物処分場の内部から周囲の地盤への汚水の漏出を防止するための漏水防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】産業廃棄物や一般廃棄物を投棄するための施設である埋立型の廃棄物処分場として、谷沢型の処分場などの、例えば山間部に形成されている凹部を仕切るようにして盛土を行ったり、その他の整地を施して利用するものや、山間部や平野部等に新たに凹部を掘削形成して埋立処分場とするものなどが知られているが、このような廃棄物最終処分場では、処分場に投棄された廃棄物から浸出する浸出水すなわち汚水が、地中に浸透して周囲の地盤を汚染するのを防止するために、これらの処分場の底面部に遮水工を施工することが義務付けられている。
【0003】そして、このような遮水工としては、確実性、安全性、施工性、経済性等の観点から、主として、軟質の合成樹脂系あるいはゴム系の遮水シートを廃棄物処分場の底面部に敷設する方法が採用されている。また、かかる遮水工は、アスファルト被覆や合成繊維シートなどを用いて行われる場合もある。
【0004】一方、これらの遮水シートは、廃棄物中の突起物が突き刺さったり、その他の種々の要因によって破損する場合があり、このうような破損箇所を介して内部の貯留水が周囲の地盤に漏出し、周囲の環境に影響を与えることになるという問題を生じるおそれがある。
【0005】したがって、このような問題に対処すべく、廃棄物処分場を造成する際に、例えば遮水シートを二重に敷設してこれの構造を強化する方法や、例えば特開平6−63525号、特開平6−63526号等に示されるように、廃棄物処分場の底面に敷設される二重構造の遮水シートを水密な複数の区画に分割しておき、各区画を真空吸引し、漏水を検出することによって破損箇所を特定するとともに、特定された区画内に注入固化材を圧送注入することにより当該破損箇所の補修を行なうようにした方法等が提案されている。
【0006】また、本願出願人等の出願に係る特願平7−343670号には、敷設された遮水シートの表面に、仕切部材で縦横に仕切って区画された多数の注入材の充填空間を形成保持し、遮水シート上に配設した電気検知用端子により、破損箇所からの漏洩電流を検出して遮水シートの破損箇所を特定し、この破損箇所を含む区画に注入材を充填固化して当該破損箇所を補修するようにした方法が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の方法によれば、いずれも、廃棄物が投入される以前の当該廃棄物処分場を造成する段階で、上述のような破損防止あるいは破損箇所の検知・補修のための設備を設ける必要があるため、これらの設備が設けられていない、既に廃棄物が投入された後の既設の廃棄物処分場に対しては、有効な対策とはなり得ないという課題があった。
【0008】すなわち、例えば単に一重の遮水シートで遮水工が施工されている既設の廃棄物処分場において、地下水の汚染などにより遮水シートの破損が判明した場合には、投棄した廃棄物を一旦取り除いた後に破損箇所の検査、補修を行わなければならず、その作業に手間がかかるため、多大な施工コストと時間とを要することになるという問題がある。
【0009】一方、既設の廃棄物処分場では、通常、廃棄物処分場の周囲の地下水を逃がして、これを河川や湖沼、海等の所定の水域に放流するための排水配管が、遮水シートの下方に沿いながら廃棄物処分場の外部まで延長配設されているとともに、廃棄物処分場の内部には、廃棄物から浸出した汚水を集積排出するための浸出水排水槽が、必要不可欠な設備として設けられているのが一般的であるので、このような既存の設備を利用しつつ、敷設した遮水シートの破損箇所の有無を検出したり、破損箇所からの汚水の漏出を防止することができれば便宜である。
【0010】そこで、この発明は、このような従来の課題に着目してなされたもので、廃棄物処分場に一般的に設けられる設備を利用しつつ、簡易かつ容易に遮水シートの破損箇所の有無を検出することのできる廃棄物処分場における遮水シートの破損検出方法、及び破損箇所が検出された場合に、当該破損箇所からの汚水の漏出を容易に防止することのできる廃棄物処分場における漏水防止方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的を達成するためになされたもので、その要旨は、廃棄物処分場の底面に敷設された遮水シートの下方に沿いながら廃棄物処分場の外部まで延長配設されて地下水を周囲の水域に流出させる排水配管と、廃棄物処分場の内部に設けられて廃棄物から浸出した汚水を集積排出するための浸出水排水槽とを備えた廃棄物処分場において、前記遮水シートの破損箇所の有無を検出するための方法であって、前記排水配管には、前記廃棄物処分場の外部に位置する箇所に、垂直方向に異なる高さに開口する複数の放流開口を有する地下水排水管を、前記排水配管と連通させた状態で立設配置し、前記地下水排水管の前記放流開口を下方から閉塞して、前記地下水排水管内の水位を前記廃棄物処分場内の汚水の水位より上方に位置させ、これらの水位の水頭差による前記遮水シートの破損箇所を介した前記浸出水排水槽内の水位の上昇を検知して、前記遮水シートの破損箇所の有無を検出することを特徴とする廃棄物処分場における遮水シートの破損検出方法にある。
【0012】また、この発明の他の要旨は、廃棄物処分場の底面に敷設された遮水シートの下方に沿いながら廃棄物処分場の外部まで延長配設されて地下水を周囲の水域に流出させる排水配管と、廃棄物処分場の内部に設けられて廃棄物から浸出した汚水を集積排出するための浸出水排水槽とを備えた廃棄物処分場において、前記遮水シートの破損箇所の有無を検出するための方法であって、前記排水配管には、前記廃棄物処分場の外部に位置する箇所に、垂直方向に異なる高さに開口する複数の放流開口を有する地下水排水管を、前記排水配管と連通させた状態で立設配置し、下方に位置する前記放流開口を閉塞して上方に位置する前記放流開口から地下水を放流している状態から、下方に位置する前記放流開口を開放して当該下方の放流開口から地下水を放流し、前記地下水排水管内の水位の低下に伴う前記遮水シートの破損箇所を介した前記浸出水排水槽内の水位の低下を検知して、遮水シートの破損箇所の有無を検出することを特徴とする廃棄物処分場における遮水シートの破損検出方法にある。
【0013】さらに、この発明の他の要旨は、廃棄物処分場の底面に敷設された遮水シートの下方に沿いながら廃棄物処分場の外部まで延長配設されて地下水を周囲の水域に流出させる排水配管と、廃棄物処分場の内部に設けられて廃棄物から浸出した汚水を集積排出するための浸出水排水槽とを備えた廃棄物処分場において、前記遮水シートの破損箇所が検出された場合に当該破損箇所を介した廃棄物処分場の内部から周囲の地盤への汚水の漏出を防止するための方法であって、前記排水配管には、当該排水配管と連通して上方に延長する地下水を放出するための地下水排水管を廃棄物処分場の外部において立設配置し、該地下水排水管における水位を、前記浸出水排水槽内の水位よりも上方に保持して、これらの水位の水頭差により廃棄物処分場の内部に汚水を封じ込めることによって、前記破損箇所を介した汚水の漏出を防止することを特徴とする廃棄物処分場における漏水防止方法にある。
【0014】さらにまた、この発明の漏水防止方法によれば、前記地下水排水管には、垂直方向に異なる高さに開口するとともに、例えば開閉コック等の開閉手段を備えた複数の放流開口を設け、該放流開口を下方に位置するものから順次閉塞して、前記地下水排水管内の地下水の水位を前記浸出水排水槽内の水位よりも上方に保持するようにすることが好ましい。
【0015】そして、この発明の廃棄物処分場における遮水シートの破損検出方法によれば、廃棄物処分場において、周囲の地下水を流下放出させるために設けられている排水配管に対して、複数の放流開口を有する地下水排水管を設置するだけの簡易な構成によって、容易に実施することができる。
【0016】すなわち、このようにして設置した地下水排水管の放流開口を、例えば各放出開口に設けた開閉コック等を閉じることなどにより、下方に位置する放流開口から順次上方に向かって閉塞してゆけば、これに伴って地下水排水管内における水位が順次上昇して行くことになり、やがて地下水の放出される水位が、廃棄物処分場内に配置された浸出水排水槽内の浸出水の水位を超えることになる。
【0017】そして、このような地下水の放出水位が浸出水排水槽内の水位を越えている状態を保持しておけば、これらの間の水頭差によって、遮水シートに破損箇所がある場合には、当該破損箇所を介して地下水が浸出水排水槽内に流入してゆくことになり、これによって当該浸出水排水槽内の水位が上昇することになる。
【0018】したがって、浸出水排水槽内におけるこのような水位の上昇を検知することにより、遮水シートの破損箇所の有無が容易に検出されることになる。
【0019】なお、上記地下水排水管に開口形成される放流開口は、浸出水排水槽内の水位を挟んで少なくとも2箇所以上に設けておけば、この発明を実施することができる。
【0020】また、この発明の他の遮水シートの破損検出方法によれば、下方に位置する放流開口を閉塞して上方に位置する放流開口から地下水を放流している状態から、当該下方に位置する放流開口を開放してここから地下水を放流するようにすれば、地下水排水管内の水位が低下してゆくので、やがてこの水位が、浸出水排水槽内の水位よりも下方に位置するか、あるいはさらに下方に位置するようになる。
【0021】すなわち、浸出水排水槽内の水位を上方とする、地下水排水管内の水位との間の水頭差が増加して行くことにより、この水頭差によって、遮水シートに破損箇所がある場合には、当該破損箇所を介して処理場内の汚水が処理場の外部に漏出し、浸出水排水槽内の水位が下降してゆくことになる。
【0022】したがって、浸出水排水槽内におけるこのような水位の下降を検知することにより、遮水シートの破損箇所の有無が容易に検出されることになる。
【0023】なお、この場合、排水配管に沿って流下する地下水には、破損箇所を介して漏出し流入してきた汚水が含まれることになることから、汚水による地下水の水質の汚濁を検査することによっても、遮水シートの破損箇所の有無が容易に検出されることになる。
【0024】一方、この発明の廃棄物処分場における漏水防止方法によれば、廃棄物処分場において、周囲の地下水を流下放出させるために設けられている排水配管に対して、これと連通する地下水排水管を立設配置するだけの簡易な構成によって、容易に実施することができる。
【0025】すなわち、排水配管を流下してきた地下水は地下水排水管に流入し貯留されることになるが、この貯留された地下水の放出量や浸出水排水槽から汲み上げられる汚水の排出量を調節することによって、地下水排水管の内部における水位が、浸出水排水槽内の水位よりも常時上方に位置するように制御すれば、これらの間の水頭差により、水圧を負荷して廃棄物処分場の内部に汚水を封じ込めることができ、これによって、破損箇所を介した汚水の漏出が容易に防止されることになる。
【0026】なお、地下水排水管内の水位の調節は、例えばこれの内部に設けた貯留水放流用の排水ポンプを駆動するとともに、この排水ポンプによる放流量を制御することによって容易に行うこともできるが、地下水排水管に、例えば開閉コック等の開閉手段を備えた放流開口を垂直方向に異なる高さに複数設け、これらの放流開口のうち下方に位置するものを閉塞して、浸出水排水槽内の水位より上方に位置する放流開口からのみ地下水を放流するようにすれば、地下水排水管から地下水を自然に放流させながら、地下水排水管内の水位と浸出水排水槽内の水位との間の所定の水頭差を容易に保持することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好ましい実施の形態すなわち実施例について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、いわゆる谷沢型の既設の廃棄物処分場10に対して、この発明の一実施例にかかる遮水シートの破損検出方法及び漏水防止方法を適用した一例を示すものである。
【0028】すなわち、この実施例の廃棄物処分場10は、谷や沢として自然に形成されている凹部の下流側を盛土構造物としてのダム11によって仕切るとともに、内部や周囲の地盤を整地して造成されたものである。
【0029】また、この実施例の廃棄物処分場10によれば、これの周辺の地盤は、不透水層等の透水性の低い地盤によって構成され、またこれの下流側を締切るダム11は、この透水性の低い地盤上に、遮水性の高い土砂材料を用いてアースダムとして造成されていることにより、廃棄物処分場10の底部あるいは周囲の地盤は、全体的に遮水性に富んだ構造となっている。
【0030】さらに、この実施例の廃棄物処分場10には、廃棄物13から浸出する汚水が周囲の地盤に流出するのを防止するための遮水工として、遮水シート12が、廃棄物処分場10の底部あるいは周囲の地盤を覆うようにして敷設施工されている。
【0031】すなわち、かかる遮水工は、図2にも拡大して示すように、底部や周囲の地盤に、例えば砂質土等の透水性に富んだ土砂材料や不織布等を下地材14として所定の厚さに敷き均して下地処理を行った後、これの上面に遮水シート12を敷設し、さらに敷設した遮水シート12を覆うようにして保護砂や不織布等からなる保護マット15を所定の厚さで積層することによって構成されている。なお、この保護マット15は、廃棄物処分場10に投棄された廃棄物13が遮水シート12と接触すことにより、当該遮水シート12が破損するのを防止すべく、遮水シート12と廃棄物13との間に介装するようにして設けられるものである。
【0032】なお、遮水シート12は、例えば軟質の合成樹脂系あるいはゴム系のシート部材を用いて製作されるもので、一枚ものとして広大な廃棄物処分場10の全底面領域を一度に覆うことは困難なため、施工に適した所定の大きさの単位遮水シートを、敷設作業現場において、例えば熱溶着や接着剤を介した圧着により、その端部を重ね合わせて接合し、廃棄物処分場10の底面を覆い得る大きさに一体化した状態で敷設されることになる。
【0033】さらに、この実施例の廃棄物処分場10には、遮水シート12の下方に沿った処分場の底部に溝17を形成し、この溝17に沿って、例えば有孔管からなる排水配管16を、周囲を玉砂利や砕石等の防護材18により覆われた状態で布設することにより、不透水層内の亀裂等を介して流入して来る地下水を排出するための、地下水排水工が施されている。
【0034】すなわち、このようにして遮水シート12の下方に沿って配設された排水配管16は、ダム11の底部を貫通して廃棄物処分場10の外部に延長し、先端の開口から地下水を河川等の周囲の水域に放流排出することができるようになっている。
【0035】一方、遮水シート12の上方には、例えば不織布等によって周囲を覆われた有孔管等からなる浸出水排水管19が、遮水シート12の上面の保護マット15中に埋設されて、遮水シート12に沿って延長配設されているとともに、その先端が、廃棄物処分場10の最深部分において立設配置された浸出水排水槽20に開口連通して、廃棄物13から浸出する浸出水すなわち汚水をこの浸出水排水槽20に流下貯留するようになっている。
【0036】また、この浸出水排水槽20は、例えばPCコンクリート管等からなる円筒形状の貯留槽であって、最深部分の地盤上に形成した基礎底版21上から遮水シート12を貫通して、廃棄物13を投入した後の地上に至る高さまで立設延長しているとともに、この浸出水排水槽20の内部には、例えば渦巻き型の高揚程の排水ポンプが設置されており、貯留された汚水を適宜汲み上げて処理施設等に給送することができるようになっている。
【0037】なお、この実施例では、上述の遮水シート12、排水配管16、浸出水排水管19、浸出水排水槽20等の設備は、既設の廃棄物処分場10の一般的な設備として既に設けられているものであって、このような設備を有する廃棄物処分場10に対して、廃棄物13が、既に投入埋設されていることになる。
【0038】また、遮水シート12に対する浸出水排水槽20の貫通部分においては、接着剤や熱溶着その他の接続手段を用いることにより、遮水シート12と浸出水排水槽20の外周部分とが強固に密着接続されており、これによって遮水シート12による遮水性が強固に保持されている。
【0039】そして、この実施例の遮水シートの破損検出方法及び漏水防止方法を実施するには、このような既存の設備に加えて、廃棄物処分場10の外部に延長する排水配管16の放流口と連通接続するようにして、地下水排水管22を新たに立設設置する。
【0040】すなわち、この地下水排水管22は、例えばPCコンクリート管等からなる前記浸出水排水槽20と略同様の高さを有する円筒体であって、これの下流側の側面には、垂直方向に異なる高さに、複数の放流開口23が開口形成されているとともに、各放流開口23には、開閉コック24が設けられていて、これを開放することにより、当該放流開口23から、地下水排水管22に流入して貯留されている地下水を、下流の河川等に放流することができ、また、これを閉塞することにより、当該放流開口23からの放流を遮断することができるようになっている。
【0041】したがって、下方に位置するものから順次放流開口23を閉塞しゆけば、当該閉塞した放流開口23の直上に位置する放流開口23のみから地下水を放流させることができ、これによって、地下水排水管22内の水位を、地下水を自然放流させながら、選択された特定の放流開口23が位置する高さに、任意かつ容易に調節保持することができるようになっている。
【0042】なお、この地下水排水管22は、クレーンを用いて円筒体を吊り下げたり型枠の組立後にコンクリートを打設する等の公知の種々の構築方法を用いて、底面地盤上に設けた基礎底版25上に容易に構築設置することができる。
【0043】そして、この発明の実施例にかかる遮水シート12の破損検出方法及び漏水防止方法によれば、以下のようにして、遮水シート12の破損の有無を検知し、また遮水シート12の破損が確認された場合には、当該破損箇所からの汚水の漏水を防止することになる。
【0044】すなわち、地下水排水管22の放流開口23を下方から順次閉塞して、地下水排水管22内の水位を、廃棄物処分場10内の汚水の水位である浸出水排水槽20の水位よりも上方に位置させる。
【0045】そして、このようにして、地下水排水管22からの地下水の放出水位が、浸出水排水槽20内の水位を超えているような状態を保持しておけば、これらの水位の間には水頭差が常時生じていることになる。
【0046】したがって、遮水シート12に破損箇所がある場合には、この水頭差により、当該破損箇所を介して地下水が浸出水排水槽20内に流入し、当該浸出水排水槽20内の水位が上昇することになるため、このような浸出水排水槽20内における水位の上昇を検知することにより、遮水シート12の破損箇所の有無が容易に検出されることになる。
【0047】一方、地下水排水管22内の水位が、浸出水排水槽20内の汚水の水位より高く保持されている状態から、閉塞している開閉コック24を上方から順次開放してゆけば、地下水排水管22内の水位が徐々に低下してゆき、浸出水排水槽20内の汚水の水位よりも下方に位置するようになるとともに、引き続き下方の開閉コック24を開放してゆことにより、さらに下方に低下してゆくことになる。
【0048】したがって、浸出水排水槽20と地下水排水管22との間には、浸出水排水槽20の水位を上方とする水頭差が生じるとともに、この水頭差が増大してゆくので、この水頭差によって、遮水シート12に破損箇所がある場合には、当該破損箇所を介して汚水が廃棄物処分場10の外部に漏出して、浸出水排水槽20内の水位が下降してゆくことになるため、浸出水排水槽20内におけるこのような水位の下降を検知することにより、遮水シート12の破損箇所の有無が容易に検出されることになる。
【0049】また、この場合、排水配管に沿って流下する地下水には、破損箇所を介して漏出してきた汚水が排水配管に流入して、この汚水が含まれていることになることから、地下水排水管22内に流下してきた地下水の水質の汚濁状況を検査することによっても、遮水シート12の破損箇所の有無が容易に検出されることになる。
【0050】なお、このような検出作業中、浸出水排水槽20内に設置した排水ポンプは、その駆動を停止しておく。
【0051】そして、このようにして遮水シート12の破損が検出されたら、今度は、下方に位置する放流開口23の開閉コック24を閉塞して、地下水排水管22内の水位を高い位置に保持するとともに、浸出水排水槽20内に設置した排水ポンプを駆動することにより、浸出水排水槽20内の水位を地下水排水管22における地下水の放出水位よりも僅かに下方に保持するようにする。
【0052】このように、地下水排水管22内の水位が浸出水排水槽20内の水位よりも所定量上方に位置するように制御すれば、これらの間の水頭差によって、遮水シート12には、底部及び周囲の地盤から廃棄物処分場10の内方に向う水圧が常時負荷されていることになり、これによって、汚水が廃棄物処分場10の内部に封じ込められて、破損箇所を介した汚水の漏出が容易に防止されることになる。
【0053】すなわち、この実施例によれば、漏水検知システムや漏水箇所の補修システムを有していない既設の廃棄物処分場に対しても、新たに地下水排水管22を設けるだけの簡易な構成により、一般に設けられている設備を利用しつつ、容易に遮水シートの破損箇所の有無を検出することができ、また、破損箇所が検出された場合に、当該破損箇所からの汚水の漏出を容易に防止することができることになる。
【0054】なお、この発明は、上記実施例の実施の態様のものに限定されるものではなく、各請求項に記載された構成の範囲内において、種々変更して採用することができる。すなわち、例えば、この発明は、漏水検知システムや漏水箇所の補修システムを有していない廃棄物処分場に限定されることなく、これらのシステムを備えている廃棄物処分場に対しても採用することができるとともに、新たに設けられる廃棄物処分場や谷沢型以外の廃棄物処分場に対しても用いることができる。
【0055】また、この発明を実施するには、地下水排水管に開口形成される放流開口は、浸出水排水槽内の水位を挟んで少なくとも2箇所以上に設けておけばよく、また地下水排水管内の水位は、排水ポンプ等を用いて内部の地下水を汲み上げることによって調整制御することもできる。
【0056】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、この発明の廃棄物処分場における遮水シートの破損検出方法及び漏水防止方法によれば、廃棄物処分場の外側に地下水排水管を設けるだけの簡易な構成により、地下水排水管内の水位と廃棄物処分場内に設けられている浸出水排水槽内の水位との間の水頭差を利用しつつ、特に、漏水検知システムや漏水箇所の補修システムを有していない既設の廃棄物処分場に対しても、一般的な設備を利用しつつ、容易に遮水シートの破損箇所の有無を検出することができるとともに、破損箇所が検出された場合に、当該破損箇所からの汚水の漏出を容易に防止することができる。




 

 


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