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発明の名称 水素吸蔵合金粉末の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−310801
公開日 平成10年(1998)11月24日
出願番号 特願平9−118480
出願日 平成9年(1997)5月8日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】椎名 彊
発明者 木村 大助 / 柳本 勝 / 西川 俊一郎 / 圓尾 忠之
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 ミッシュメタル・ニッケル系水素吸蔵合金アトマイズ粉末に酸を用いた表面処理を施した後、処理液を加圧式濾過機で加圧濾過して排出し、洗浄液で合金粉末を洗浄することを特徴とする水素吸蔵合金粉末の製造方法。
【請求項2】 0.5気圧以上で加圧濾過することを特徴とする請求項1記載の水素吸蔵合金粉末の製造方法。
【請求項3】 表面処理後の処理液の排出を0.5気圧以上の加圧濾過で行なうことによって、合金粉末に対する残液重量割合を8%以下に抑えることを特徴とする請求項1または2記載の水素吸蔵合金粉末の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素吸蔵合金粉末、特にニッケル水素二次電池用の負極材料用のAB5 型水素吸蔵合金粉末の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ニッケルカドミウム電池に代わる二次電池としてニッケル水素二次電池が注目され、そのための水素吸蔵合金粉末が研究されているが、中でもAB5 型水素吸蔵合金粉末は二次電池用の負極材料として優れた特性を備えており広く利用されている。これは、例えばCe50%、La25%、Nd15%、残りPr等からなるミッシュメタルMmと、Ni、それにNiに置き替わる元素としてMn、Al、Co、などを混合したもので、例えば、Mm1.0Ni(5−x−y−z)MnxAlyCozのような型の金属間化合物である。このニッケル水素二次電池用水素吸蔵合金粉末の作製方法としては鋳造材、または回転ドラム上に溶湯を落下させて作製した急冷薄帯の粉砕及びガスアトマイズ法等の諸手法が知られている。このような手法で得られた粉末に熱処理を施した後、汎用の湿式ミキサーを用いて酸による表面処理を施す。表面処理終了後、粉末を沈降させて処理液と分離し、上澄み液である処理液を吸引ポンプなどで排出する。その後純水等の洗浄液を投入して粉末と洗浄液を数分攪拌した後、粉末を沈降させて上澄み液を排出する。この洗浄手順を数回繰り返して表面処理後の粉末洗浄を行なっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来方法である吸引ポンプによる上澄み液の排出は、上澄み液を完全に吸引ポンプで排出できたとしても合金粉末の隙間に残液が存在するため、合金粉末に対する処理液及び洗浄液の重量割合は約12%になる。しかし、実際には粉末上部の上澄み液量が減少していくとポンプの吸引力によって合金粉末が巻き上げられ上澄み液と一緒に合金粉末をも排出するため、完全に上澄み液を排出することは不可能である。したがって、吸引ポンプによる上澄み液排出の限界は沈降した粉末上部から50mm程度となることが実状である。この時の上澄み液を排出した後の合金粉末に対する残液の重量割合は約25%となる。
【0004】以上の理由のため、従来方法では処理液排出後の合金粉末中にはかなりの処理液が残存することになる。この処理液には表面処理中に生成した不純物が含まれており、処理液の排出が不完全なため不純物が粉末表面上に付着して合金粉末と水素との反応性を低下させる。また不純物は水素を吸収しないため、水素吸蔵合金中に不純物が混在することによって水素吸蔵量の低下を招く。したがって、従来方法で得られた粉末をニッケル水素二次電池として使用した場合、電池容量及び活性化度等に悪影響を与える場合があった。また不純物の粉末表面上の付着や合金中の混在も均一でないため、性能的な品質にもバラツキを生じていた。
【0005】またこの処理液は、処理液排出後の粉末洗浄に使用する純水等の洗浄水と反応して二次的な不純物ができる。この不純物も合金粉末と水素との反応性及び合金粉末の水素吸蔵量を低下させ、ニッケル水素二次電池として使用した場合、電池容量及び活性化度に悪影響を与え、品質にもバラツキを生じていた。本発明が解決しようとする課題は、処理液排出後の合金粉末に対する残液の重量割合を低く抑えることによって、電池特性に与える処理液中の不純物及び処理液と洗浄液との反応物の悪影響を受けなくすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の課題を解決するための手段は、加圧式濾過機を用いて処理液を加圧濾過すること、また使用する水素吸蔵合金粉末は球状のガスアトマイズ粉末であることを特徴とする。鋳造材及び回転ドラム上に溶湯を落下させて作製する急冷薄帯リボンの粉砕粉は、その形状が不定形で粉末同士が線及び面接触を起こして処理液が濾過される空隙が非常に少なくなるため、本発明である加圧濾過を行なうことが困難である。球状のガスアトマイズ粉末は粉末同士が点接触のため、処理液の濾過を良好に行なうことが可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】表面処理後の水素吸蔵合金アトマイズ粉末と処理液を一緒に吸引ポンプ等で加圧式濾過機に運搬した後、濾過機内に圧力を加えて処理液を濾過する。処理液は0.5気圧以上で加圧濾過して排出し、その後洗浄液で2回洗浄を行なった。洗浄液の排出も処理液と同様の加圧濾過で行なった。加圧力を0.5気圧以上にする理由は、合金粉末に対する残液の重量割合が8%以下に抑えられ、処理液中及び処理液と洗浄液の反応物が減少して電池容量及び活性化度を向上させるためである。一方、加圧力が0.5気圧未満の場合は処理液の濾過が不十分となり長時間加圧しても残液重量割合が8%以下に下がらず、電池容量及び活性化度の特性に悪影響を与える。
【0008】
【実施例】
(実施例1)Mm1.0Ni3.5Co0.7Mn0.5A10.3を構成するように配合した金属原料を溶解して、該溶湯に不活性ガスを噴射してガスアトマイズ粉末を作製して、温度800℃、3時間保持の熱処理を施した。熱処理後の焼結したアトマイズ粉末3kgを純水5lと混合して湿式ミキサーの攪拌によって解砕した後、塩酸100ml投入して、pH値が安定するまで混合攪拌を行なった。表面処理が終了した後、合金粉末と処理液を一緒に加圧式濾過機に移して0.1〜5気圧の間の加圧力で処理液の濾過を行なった。次に洗浄液として純水を5l投入し、処理液と同様に濾過を行ない洗浄回数は2回とした。
【0009】(比較例1)Mm1.0Ni3.5Co0.7Mn0.5A10.3を構成するように配合した金属原料を溶解して、該溶湯に不活性ガスを噴射してガスアトマイズ粉末を作製して、温度800℃、3時間保持の熱処理を施した。熱処理後の焼結したアトマイズ粉末3kgを純水5lと混合して湿式ミキサーの攪拌によって解砕した後、塩酸100ml投入して、pH値が安定するまで混合攪拌を行なった。熱処理後の焼結したアトマイズ粉末3kgを純水5lと混合して湿式ミキサーの攪拌によって解砕した後、塩酸100ml投入して、pH値が安定するまで混合攪拌を行なった。表面処理が終了した後、湿式ミキサーを停止させて粉末を沈降させ上澄み液を吸引ポンプで排出した。その後、純水を用いた洗浄を5回行なった。
【0010】(比較例2)Mm1.0Ni3.5Co0.7Mn0.5A10.3を構成するように配合した金属原料を溶解、冷却して鋳造材を作製、粉砕して鋳造粉砕粉とした。作製した鋳造粉砕粉を本実施例と同様の方法で熱処理及び表面処理を施し、加圧力5気圧で処理液の濾過を行ない洗浄回数は2回とした。
【0011】(比較例3)Mm1.0Ni3.5Co0.7Mn0.5A10.3を構成するように配合した金属原料を溶解、該溶湯を回転ドラム上に落下させて急冷薄帯を作製、粉砕して薄帯粉砕粉とした。作製した薄帯粉砕粉を本実施例と同様の方法で熱処理及び表面処理を施し、加圧力5気圧で処理液の濾過を行ない洗浄回数は2回とした。
【0012】本実施例及び比較例で作製した水素吸蔵合金粉末を真空乾燥させた後、合金粉末1g、ポリテトラフルオロエチレン0.1g、Ni粉末1gを混合して圧力500kg/cm2 を加えて、円盤状に押し固めてニッケル水素電池の負極材料とした。正極材料には市販品と同様のニッケル正極板を用いた。これらの水素吸蔵合金アトマイズ粉末とニッケル正極板をそれぞれ二次電池の負極と正極として、30wt%KOH水溶液が浸っている電池用容器に組み込んで、簡易型のニッケル水素二次電池を作製した。
【0013】作製した簡易型ニッケル水素二次電池を400mAh/gに充電後、50mAの電流で電圧が0.9Vに低下するまで放電した全容量を電池容量として測定した。また電池容量に対して200mAの大電流で電圧が0.9Vに低下するまで放電できる容量の割合を活性化度として測定した。表1に本実施例及び比較例で作製した粉末の詳細及び処理液排出後の合金粉末に対する残液の重量割合を示す。表2に本実施例及び比較例で作製した合金粉末を簡易型ニッケル水素二次電池に組み込んで測定した電池容量及び活性化度の結果を示す。
【0014】
【表1】

【0015】
【表2】

【0016】以上の結果、No1〜5の水素吸蔵合金アトマイズ粉末は表面処理後の処理液が0.5気圧以上の加圧によって良好に濾過され、合金粉末に対する残液重量割合を8%以下に抑えることが可能であることがわかった。このためNo7の従来粉末よりも電池容量及び活性化度は向上した。またNo6の加圧力が0.3気圧の場合、処理液の濾過が不十分なため、電池容量及び活性化度はNo1〜5の合金粉末ほど向上しなかった。No8、9の粉砕粉は5気圧で加圧濾過を行なっても、処理液が良好に濾過されず合金粉末に対する残液重量割合が11%以上となり、本実施例のNo1〜5の合金粉末より電池容量及び活性化度は低下した。
【0017】
【発明の効果】以上述べたように、本発明による水素吸蔵合金アトマイズ粉末は従来の合金粉末より電池容量及び活性化度が向上し、また洗浄回数も大幅に減少することが可能となった。




 

 


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