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発明の名称 オーステナイト系及びフェライト系ステンレス鋼の大径リング製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−277692
公開日 平成10年(1998)10月20日
出願番号 特願平9−102770
出願日 平成9年(1997)4月3日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】横井 健至
発明者 那須 竜二 / 長井 昌也
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 オーステナイト系及びフェライト系ステンレス鋼において、2000t以下の中型プレス機にて押出された鋼管を母材として冷間ローリング加工により外径面あるいは内径面に円周方向の溝などが成形されるリングに熱処理を施した後、サイジングし、その後ショットブラストあるいは酸洗をすることによりJISG3447(ステンレス鋼サニタリー管)及びJISG3214(圧力容器用ステンレス鋼鍛鋼品)の区分C−1を満足し、且つ冷間引抜並の寸法精度を有する継目無しで外径寸法145mm以上の大径リングを得ることを特徴とするステンレス鋼の大径リング製造方法。
【請求項2】 請求項1の方法により製造されたJISG3447(ステンレス鋼サニタリー管)及びJISG3214(圧力容器用ステンレス鋼鍛鋼品)の区分C−1を満足し、且つ冷間引抜並の寸法精度を有する継目無しで外径寸法145mm以上の大径リング。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はオーステナイト系及びフェライト系ステンレス鋼の継目無し大径リングの製造に関する。
【0002】
【従来の技術】オーステナイト系及びフェライト系ステンレス鋼等の高合金の継目無し鋼管はユージンセジェルネ式熱間押出法のプレス機にて押出され熱処理を施し製造される。また寸法精度の高い鋼管の要求に対しては冷間引抜、冷間圧伸等の加工が加えられた後、熱処理を施し製造される。
【0003】大径リングはこれらの方式にて製造された大径鋼管を帯鋸等の切断機により切断されて客先へ供給される。
【0004】熱間加工仕上げで出荷される場合、外径寸法145mm以上の大径リングを得るためには2000tを越えるプレス機の存在が必要となる。1250t、2000t、3100tのプレス機の製造可能最大外径寸法はそれぞれ1250tで70mm、2000tで145mmそして3100tで230mmに熱間での変形抵抗と押出比によって決まる押出力により制限される。
【0005】冷間加工仕上げで出荷される場合で、大径で寸法精度の高い鋼管を得るためには希望の寸法より大径の鋼管から外径と肉厚の減少を伴う冷間引抜あるいは冷間圧伸にて製造される。このため外径寸法145mm以上の鋼管を得るためには大型の冷間引抜機の存在が必要不可欠となる。冷間圧伸に関しては現在、外径寸法145mm以上の大型設備は存在しない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】大径の鋼管を得るためには2000tを超える大型プレス機が、また寸法精度の高い鋼管を得るためには大型冷間引抜機が必要となるため、まとまった量が必要になり少量生産はコスト高になる。
【0007】本発明ではコストを低く抑え、かつ少量多品種生産に適したオーステナイト系及びフェライト系ステンレス鋼の大径リング製造方法及びその製造方法により製造した大径リングを得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】2000t以下の中型プレス機にて押出された外径寸法145mmまでの母材となるオーステナイト系及びフェライト系ステンレス鋼からなる鋼管を必要数のみ帯鋸あるいは突切切断し、リングを得た後、切断により生じてリングに付着しているバリをショットブラストして除去し、冷間ローリング加工により拡管して成形して大径リングとする。
【0009】冷間ローリングは所定の寸法に拡管して仕上げていくため、同一母材から外径、内径が異なる多品種のリングが製造可能になる点に特徴を有する。また冷間ローリング装置のローリング工具である主ロールあるいはマンドレルの形状を変化させることによって外径面あるいは内径面に円周上に溝などの加工が可能であることも特徴の一つである。
【0010】この加工によりオーステナイト系ステンレス鋼では硬化するだけでなく磁性を持つ(すなわち透磁率が増加する)ことになる。フェライト系ステンレス鋼の場合は加工前から磁性を持っているため、ここでは磁性は問題にならない。しかし、このままの場合、最終部品への旋削加工時に硬すぎて旋削できないという欠点を持つ。さらにオーステナイト系ステンレス鋼の場合、冷間ローリングのままでは一般耐食性は悪くなり、また応力腐蝕を発生しやすくなるという欠点を持つことになる。
【0011】この冷間ローリングによって加工硬化し、磁性を帯びたリングに熱処理を実施することにより、切削加工を容易にするための硬さとし、また優れた耐食性を得る。
【0012】さらに上記熱処理により歪んだ外径寸法と真円度を改善するためサイジングプレス機にてサイジングを実施する。その後、熱処理によるスケール除去を目的としてショットブラストあるいは酸洗を実施する。
【0013】寸法精度については外径寸法精度±0.2〜0.3mm、内径寸法精度±0.4〜0.9mm、そして幅寸法精度は±0.3〜0.5mmが可能となる。なお一般には外径寸法145mm以上の押出ししたままの鋼管切断では、外径寸法公差±0.9mm以上、内径寸法公差±1.0mm以上となり精度は非常に高い。ここで冷間ローリング加工装置について簡単に説明する。当該冷間ローリング装置は図1(a)に示す如く所定のリング幅に符合する周溝2を有するマンドレル1と、そのマンドレルに周接してマンドレルを軸回転可能にする受けロール3と、所定のリング幅に符合する周溝5を有し、上記受けロール3の回転軸と平行な軸の周りに回転する主ロール4よりなる。そして図1(b)に示すごとく素材6にマンドレル1を挿通し、それが素材6の内面に接するようにし、更に主ロール4を回転させながら素材6の外周面に押し当てる。こうして図1(b)に示すごとく、マンドレル1と主ロール4の軸回転と押圧作用により輪状部の肉厚が薄くなりその結果全体が拡径する。この拡径が進行され図1(c)に示すごとく、あらかじめ所定の位置に設置されたサイザー7に拡径された素材6の外周面が当たるとサイザー7に関連して設置された近接スイッチ8が働き、主ロール4が後退してその押圧作用が停止する。このようにして所定のリングが得られる。
【0014】次にサイジング装置について簡単に説明する。当該サイジング装置は図2に示すごとくサイジングパンチ9とサイジングケース10よりなる。サイジングパンチ9とサイジングケース10の間に素材11が送り込まれた後、直線稼働するサイジングパンチ9により素材11は固定されているサイジングケース10の内側に挿入される。サイジングケース10には傾斜角度のついたサイジング部12、平行部であるベアリング部13と排出される部分である逃げ部14により構成されいる。そこで素材11は挿入される経過とともに外径寸法は縮径され、ベアリング部13によって希望のリングの外径寸法を得ることになる。なおベアリング部13の寸法は、希望のリングの外径寸法より約0.3mmから0.5mm程度小さくなっているが、これはスプリングバック(弾性変形)を加味したうえで決定される。
【0015】
【発明の実施の形態】重量%で、C:0.08%以下、Si:1.00%以下、Mn:2.00%以下、P:0.040%以下、S:0.030%以下、Ni:8.00〜11.00%、Cr:18.00〜20.00%を含むオーステナイト系ステンレス鋼の代表鋼種であるSUS304において、2000tの中型プレス機で押出された鋼管を帯鋸かあるいは突切で切断してリングとする。このリングをショットブラストにより切断バリを除去した後、拡管率1.2〜1.8で冷間ローリング加工を実施する。そして1070℃に加熱した後、急冷する固溶化熱処理を実施しサイジングにより真円度、外径寸法を整えた後、固溶化熱処理によるスケールを除去するため、ショットブラストを実施し大径リングを得る。
【0016】
【実施例】オーステナイト系ステンレス鋼のなかで代表的なSUS304を対象に2000tプレス機にて外径寸法120mm、内径寸法95mmの鋼管を製造し、帯鋸にて幅寸法29mmに切断後、ショットブラストにより切断バリを除去し、素材とした。この素材を下記に示す式で定義する外径拡管率1.1〜1.45に冷間ローリングした。
外径拡管率=冷間ローリング後の外径寸法/素材の外径寸法なお、表1に冷間ローリング後の寸法を示す。
【0017】
【表1】

【0018】そして、1070℃の高温から急冷した固溶化熱処理を施し、サイジングを実施した。
【0019】次に素材を所定の拡管率に冷間ローリングしたリングの硬さと透磁率の違いを図3と図4にそれぞれ示す。なお硬さの測定はリングを軸方向に切断し、その断面を外径面から内径面にかけてビッカース硬さ測定機により測定している。また透磁率の測定は硬さ測定と同じ位置で透磁率測定機により測定している。以下の硬さ及び透磁率の測定はこれらに従う。これより1.14程度の拡管率でも300HV以上に硬化してしまっており、また透磁率が高くなっていることにより磁性を帯びているのが確認される。
【0020】次に固溶化熱処理後の硬さ、透磁率を図5と図6にそれぞれ示す。これより硬さ200HV以下で安定しており、また透磁率は母材並に改善されている。
【0021】次に固溶化熱処理前後の真円度の変化を図7に示す。図中のSTとは固溶化熱処理を意味する。拡管率の増加に比例して真円度も悪化している。
【0022】次に固溶化熱処理後のサイジングによる真円度の変化を図8に示す。このデータは素材を外径寸法110mm、内径寸法90mm、幅寸法90mmに製造し、これを拡管率1.20〜1.22で冷間加工を施したリングをサイジングした時の真円度変化である。これは当然製造方法は上記と同じである。このデータによると真円度は熱処理後0.27mm〜1.53mmであったにかかわらず、サイジングにより0.04mm〜0.12mmに改善されている。
【0023】なお寸法精度については、外径寸法精度±0.2mm〜0.3mm、内径寸法精度±0.4mm〜0.5mm、そして幅寸法精度は±0.3mm〜0.5mmが可能である。
【0024】サイジング後の硬さは、図9に示すように196HV(換算187HB)以下でありJISG3447及びJISG3214の区分C−1を満足している。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、コストが高く、少量多品種生産が困難である2000tを超える大型プレス機や大型冷間引抜機を使用せず、中型プレス機で押出された鋼管を素材として外径寸法145mm以上で寸法精度の高い大径リングを冷間ローリング加工により拡管して成形して得ることができ、また少量多品種生産に適す。




 

 


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