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発明の名称 水素吸蔵合金粉末の製造方法およびその粉末を用いたNi−水素電池用負極
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−265801
公開日 平成10年(1998)10月6日
出願番号 特願平9−71503
出願日 平成9年(1997)3月25日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】椎名 彊
発明者 西川 俊一郎 / 圓尾 忠之 / 柳本 勝 / 木村 大助
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 水素吸蔵合金粉末を製造する方法において、水素吸蔵合金を溶解後、該溶湯にアルゴンガス等の不活性ガスを吹き付けることによって合金化した粉末に熱処理を施すことによって得た粉末または焼結体を大気中に暴露することなく、水中もしくはアルカリ溶液中に浸水させた後、酸液またはアルカリ溶液にて表面処理することを特徴とする水素吸蔵合金の製造方法。
【請求項2】 請求項1記載の方法により得られた水素吸蔵合金粉末を負極材料に用いた初期充放電特性に優れたNi−水素電池用負極。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素吸蔵合金粉末、特にニッケル水素電池の負極材料用のAB5型水素吸蔵合金粉末の製造方法およびこれを負極材料に用いた電池用負極に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ニッケルカドミウム電池に代わる二次電池としてニッケル水素電池が注目され、これに用いられる水素吸蔵合金粉末の研究が行われているが、中でもAB5型水素吸蔵合金粉末は電池用の負極材料として優れた特性を備えており、繁茂に利用されている。これは、例えばCe50%、La25%、Nd15%、残りPrなどからなるミッシュメタルMmと、例えばMn、Al、Co等を含むニッケル合金とを混合溶融したもので、例えば、Mm1.0Ni(5−x−y−z)MnxAlyCozのような型の金属間化合物である。これを鋳造材の粉砕や回転ドラムに接触させる急冷凝固薄帯の粉砕、ガスアトマイズなどの諸手法によって粉末化した後、シート状に成形して二次電池用負極として使用する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の諸粉末化方法のうち、鋳造材を粉砕する方法は材料の偏析などにより各粉末粒子の組成が均一にならず、二次電池に用いた場合の性能はガスアトマイズ法や急冷凝固薄帯の粉砕などで得た粉末に劣る。そして、ガスアトマイズ法によって得た粉末は形状が球状であるために、鋳造材や急冷薄帯を粉砕して得た粉末に比べて電池電極に組み入れた場合の充填密度が高く、同じ水素吸蔵特性を持つ粉末を電極に使用した場合でも、電極のエネルギー密度を高くすることができるため、他の製法によって製造した水素吸蔵合金を使用した場合より容量の大きい電池の製造が可能である。
【0004】而して、水素吸蔵合金粉末を二次電池に使用する場合に要求される性能は、水素の吸蔵量が大きいことと、水素の吸収・放出が迅速なこと、及び吸収・放出の反復による水素吸蔵量の低下が少ないことである。水素吸蔵量の大小は電池の容量に関係し、吸収・放出の速度は電池の放電効率や充電の際の電池内圧の上昇に関係し、水素吸蔵量の低下は二次電池としての寿命に関係する。上述の水素の吸蔵量の大きさ及び吸収・放出の速さは、合金粉末の表面の酸化物層に大きく影響される。ところが、上述の水素吸蔵合金粉末は希土類元素を多量に含むために酸化しやすく、アルゴンガスアトマイズにより粉末化した場合でも、雰囲気中のわずかな酸素分圧のために表面に酸化層ができ、その酸化層は鋳造材を粉砕して得た粉末に比べて厚い場合が多い。
【0005】このように大部分の表面が酸化層で覆われている粉末は、粉末が水素を吸蔵できる状態にするためには長時間かけて充放電を繰り返し、電池の容量を高めることが必要になり、生産性を著しく妨げる。そこで、電池の特性をより向上させると共に、生産性を上げる方法として、粉末を酸処理して粉末表面の酸化層を除くことが提案されている。上述の水素吸蔵量の低下は、充放電の繰り返しによって粉末粒子が必要以上に細かく破砕されることが原因である。このような破砕は、粒子内部のミクロ的な合金組成の不均一や、製造時の残留歪みなどが原因になって、水素吸収・放出する際の体積の膨張・収縮が一様に行なわれないことが一因となっている。そして破砕面から酸化が進行して水素吸蔵能力が次第に失われてゆくのである。
【0006】従って、電池の寿命を延ばすためには、粉末粒子の合金組成がミクロ的に均一で、かつ歪が残存していないことが条件になる。そのために、従来では鋳造・粉砕工程の途中に高温で長時間の熱処理が行なわれている。一方、ガスアトマイズ粉末の場合は鋳造材に比べて、合金組成がかなり均一で、歪の残存量も少なく、従って熱処理も鋳造材の場合よりも低い温度、短い時間で良好な組織の粉末になる。上述のような理由から、ガスアトマイズ法によって得た合金粉末を熱処理し、その粉末に酸処理を施す方法が電池用水素吸蔵合金の製造方法として最適である。しかしながら、さらに生産性を向上させるためには初期の充放電時間を短縮させる必要がある。
【0007】本発明者らはガスアトマイズ粉末を熱処理した後、大気に暴露させることなく水またはアルカリ溶液中に浸水させた後、酸溶液による表面処理を施した粉末と大気中に暴露させた粉末に同様の処理を施した場合を詳細に比較した結果、大気中に暴露することなく水またはアルカリ溶液中に浸水させた後酸処理を施した粉末の水素吸蔵速度が大幅に向上し、その粉末を電池に使用した場合の電気化学特性も熱処理後大気中に暴露した粉末に比較して顕著に向上することがわかった。また、大気に暴露させることなく水またはアルカリ溶液中に浸水させた状態で保存した粉末は長時間保持しても酸溶液による表面処理後の電池特性の劣化がなく、同効果を目的とした不活性雰囲気下での保存に比較して、簡単かつ低コスト化が可能となる。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の要旨とするところは、ガスアトマイズ法を用いて作製した粉末を熱処理し、大気中に暴露することなく水またはアルカリ溶液に浸水させた後、酸溶液によって表面処理することを特徴とする水素吸蔵合金粉末の製造方法および本発明による粉末と結着剤を混合することによってできたペーストをニッケルメッシュで包んだ後、加圧することにより作製したニッケル水素電池用負極である。
【0009】以下、本発明について詳細に説明する。ガスアトマイズ法により製造した粉末は鋳造材を粉砕した粉末に比較して表面上に酸化物および窒化物の強固な層を有しているが、不活性または還元雰囲気下で熱処理することによってこれらを除去もしくは拡散させ清浄な表面状態となる。このような熱処理後の粉末表面は非常に不安定であるため、大気中に暴露すると新たな酸化物または窒化物の相を形成し、酸またはアルカリ溶液による表面処理の効果を減少させるが、熱処理後大気に暴露することなく水またはアルカリ液中に浸水した粉末は熱処理後の清浄な粉末表面を維持し、酸による表面処理の効果を向上させることができる。これによって、電極にした際の粉末間の電気的接触が良好になり、初期の充放電特性に優れた粉末の作製が可能になる。
【0010】
【実施例】
(実施例1)Mm1.0Ni3.5Co0.7A10.3を構成するように配合した金属原料をアルミナルツボ中に収納し、高周波誘導によって溶解した後、Arガスアトマイズによって粉末化した。106μm以上の粉末をカットした後、Ar雰囲気下で1000℃×2時間の熱処理を施し、熱処理後の粉末焼結体を直ちに水中に浸水させた。さらにこの焼結体1kgを解砕後、pH1.0の塩酸溶液5リットルの中に入れ、溶液のpH変化がなくなるまで攪拌した。酸処理終了後の粉末を清浄した後、常温・高真空中で乾燥させ、表1に示す試料No1の水素吸蔵合金粉末を得た。
【0011】(実施例2)Mm1.0Ni3.5Co0.7A10.3を構成するように配合した金属原料をアルミナルツボ中に収納し、高周波誘導によって溶解した後、Arガスアトマイズによって粉末化した。106μm以上の粉末をカットした後、Ar雰囲気下で1000℃×2時間の熱処理を施し、熱処理後の焼結体を直ちにpH9.0のKOH溶液中に浸水させた。さらにこの焼結体1kgを解砕後、pH1.0の塩酸溶液5リットルの中に入れ、溶液のpH変化がなくなるまで攪拌した。酸処理終了後の粉末を洗浄した後、常温・高真空中で乾燥させ、表1に示す試料No2の水素吸蔵合金粉末を得た。
【0012】(実施例3)上記実施例1および2において熱処理後の焼結体を水およびアルカリ溶液中に浸水させた状態で、240時間保持した。さらにこの焼結体1kgを解砕後、pH1.0の塩酸溶液5リットルの中に入れ、溶液のpHの変化がなくなるまで攪拌した。酸処理終了後の粉末を洗浄した後、常温・高真空中で乾燥させ、表1に示す試料No3および4の水素吸蔵合金粉末を得た。
【0013】(比較例)Mm1.0Ni3.5Co0.7A10.3を構成するように配合した金属原料をアルミナルツボ中に収納し、高周波誘導によって溶解した後、Arガスアトマイズによって粉末化した。106μm以下に分級した後、Ar雰囲気下で1000℃×2時間の熱処理を施し、熱処理後の焼結体を大気中で30分保持した後、この焼結体1kgを解砕し、pH1.0の塩酸溶液5リットルの中に入れ、溶液のpH変化がなくなるまで攪拌した。酸処理終了後の粉末を洗浄した後、常温・高真空中で乾燥させ、表1に示す試料No5の水素吸蔵合金粉末を得た。
【0014】
【表1】

【0015】上述した実施例および比較例における初期吸蔵時間の測定には水素吸蔵特性測定用のジーベルツ装置を用い、試料1gを30ccの容器に入れ、80℃で30分間真空引きを行った後、20℃で保持して10気圧の水素ガスを封入した。この水素ガスの圧力が9気圧に減少するのに要する時間を初期水素吸蔵時間とした。表1に上記5方法によって作製した粉末の初期水素吸蔵時間を示す。熱処理後の粉末を大気暴露させた試料No5では他の試料に比較し水素圧力が9気圧になるまでの時間が長くなっており、熱処理後の粉末を酸で表面処理するまでに大気に暴露させたことで粉末の水素との反応が低下した。
【0016】さらに、上記作製した試料粉末1gに対して0.1gのポリテトラフルオロエチレンおよび1gのニッケル粉末を混合して、ペーストを作製する。このペーストをニッケルメッシュで包み500kg/cm2圧力で加圧し、電池負極とした。さらに上記負極電極より十分に容量の大きいニッケル正極を組み合わせてニッケル水素電池とした。尚、電池内圧は5気圧で電解液には30wt%KOHを使用した。作製した電池に40mA/g充電した後、200mA/gで0.9Vになるまで放電し放電特性を測定し、表1に示す。試料No1、2ともに大気暴露させた試料No5に比較して初期の放電特性が向上しており、熱処理後の清浄な粉末表面を維持できている。また、試料No3、4の初期放電特性が向上していることから熱処理後水中もしくはアルカリ溶液中で保存することで電気的に活性な粉末表面を維持することができる。
【0017】
【発明の効果】以上述べたように本発明によるガスアトマイズ粉末を熱処理後大気に暴露させることなく水中もしくはアルカリ溶液中に浸水させて保存し、酸によって表面処理することによって水素ガスとの初期反応速度を向上させることが可能となる。また、本発明粉末を電池の負極材料に用いた場合、初期放電特性に優れた電池の作製が可能になる等極めて優れた効果を奏するものである。




 

 


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