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発明の名称 マルエージング鋼の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−193038
公開日 平成10年(1998)7月28日
出願番号 特願平9−14445
出願日 平成9年(1997)1月10日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】横井 健至
発明者 堀 信弘 / 中村 秀樹 / 井 信博 / 片山 直樹
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 重量%で、C:0.03%以下、Si:0.10%以下、Mn:0.10%以下、P:0.01%以下、S:0.01%以下、Ni:10.0〜20.0%、Mo:3.0〜7.0%、Co:5.0〜15.0%、Al:0.05〜0.15%、Ti:0.2〜0.9%、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼を電気炉溶解−取鍋精錬−RH脱ガスの工程によって溶解・精錬し、最大断面積が490,000mm2 、鋼塊の高さと平均幅又は平均径の比が2.0〜4.0、重量で6t以下の鋼塊に造塊したことを特徴とする強度、靱性及び延性に優れたマルエージング鋼の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高強度でかつ優れた靱性や延性を必要とする金型、治工具並びにロール類、シャフト類等の構造部材に適用されるマルエージング鋼の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、実用化されているマルエージング鋼は、日本金属学会会報第14巻10号(1975)P.767に述べられているとおり、不純物抑制の点からVAR溶解等の特殊溶解が行われている。VAR溶解では溶解後の凝固速度が大きく、組織が緻密で、ミクロ偏析も少なく、靱性、延性が良好である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】VAR溶解を省略し、電気炉溶解−取鍋精錬−RH脱ガス−造塊の量産工程で製造すれば低コスト化が図られる。しかし、通常の造塊方法では特殊溶解ほど凝固速度が大きくないためTi、Mo等によりミクロ偏析が大きくなり、特に、Tiの偏析が顕著になる。マルエージング鋼は溶体化処理後時効処理を施して使用されるが、この前に1150〜1250℃の高温加熱をおこなっても、これらの偏析を軽減することは不可能であり、偏析が大きくなると靱性、延性の劣化が認められる。そこで本発明は、電気炉溶解−取鍋精錬−RH脱ガス−造塊の量産工程で強度、靱性及び延性に優れたマルエージングング鋼を製造する方法を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】重量%で、C:0.03%以下、Si:0.10%以下、Mn:0.10%以下、P:0.01%以下、S:0.01%以下、Ni:10.0〜20.0%、Mo:3.0〜7.0%、Co:5.0〜15.0%、Al:0.05〜0.15%、Ti:0.2〜0.9%、残部Feおよび不可避不純物とからなる鋼を電気炉溶解−取鍋精錬−RH脱ガスの工程によって溶解・精錬し、最大断面積が490,000mm2 、鋼塊の高さと平均幅又は平均径の比(以下、「高幅比」という。)が2.0〜4.0、重量で6t以下の鋼塊に造塊して、強度、靱性及び延性に優れたマルエージングング鋼を製造する方法。
【0005】次に本発明の成分限定について説明する。C、Si、Mn、P、Sはマルエージングング鋼では靱性、延性を低下させ、極力低く抑えるため、それぞれCの上限を0.03%、Siの上限を0.10%、Mnの上限を0.10%、Pの上限を0.01%、Sの上限を0.01%とした。
【0006】Niはマルエージングング鋼では靱性の良好なマルテンサイト相を得る元素であり、そのためには10.0%以上が必要であるが、20.0%を超えると残留オーステナイトを生成して強度低下が起こる。そこで下限を10.0%、上限を20.0%とした。
【0007】Moは時効硬化に必要な元素であり、そのためには3.0%以上が必要であるが、7.0%を超えると粗大析出物による脆化が起こる。そこで下限を3.0%、上限を7.0%とした。
【0008】Coは強度向上のために必要な元素であり、そのために5.0%以上必要であるが、15.0%を超えると脆化する。そこで下限を5.0%、上限を15.0%とした。
【0009】Alも時効硬化に必要な元素であり、そのためには0.05%以上が必要であるが、0.15%を超えると脆化する。そこで下限を0.05%、上限を0.15%とした。
【0010】Tiも時効硬化に必要な元素であり、そのためには0.2%以上が必要であるが、0.9%を超えると本発明の製造方法ではTiによる偏析により靱性、延性の低下が認められる。そこで下限を0.2%、上限を0.9%とした。
【0011】次に、鋼塊の重量、寸法、形状の限定理由について説明する。鋼塊重量が6tを超え、最大断面積が490,000mm2 を超えると凝固速度が遅くなり、ミクロ偏析が大きくなり、靱性、延性の劣化が認められるので、鋼塊重量は6t以下、鋼塊の最大断面積は490,000mm2 とした。また、同一重量の鋼塊では高幅比が大きいほうが、凝固速度が大きく、ミクロ偏析上有利なことから、高幅比を2.0以上とした。しかし、高幅比が4.0を超えると二次パイプ等の中心陷、それに関連する偏析の悪化が起きるので上限を4.0とした。
【0012】
【発明の実施の形態】重量%で、C:0.03%以下、Si:0.10%以下、Mn:0.10%以下、P:0.01%以下、S:0.01%以下、Ni:10.0〜20.0%、Mo:3.0〜7.0%、Co:5.0〜15.0%、Al:0.05〜0.15%、Ti:0.2〜0.9%、残部Feと不可避不純物とからなる鋼を電気炉溶解−取鍋精錬−RH脱ガス量産工程によって溶解・精錬を行う。なお、この場合、望ましくは、強度の維持のため、および、靱性、延性の向上を目的として、ミクロ偏析をできるだけ軽減させるためにTiを0.4〜0.7%に設定するほうが良い。このようにして用意した溶鋼を最大断面積490,000mm2 で高幅比が2.0〜4.0、重量で6t以下の鋼塊に造塊する。これらの鋼塊は、鍛練比で4以上、望ましくは、8以上にとって鍛造または熱間圧延され、溶体化処理・時効処理を施して使用する。
【0013】
【実施例】表1に示す化学成分を含有する鋼を溶製し、同表に示す鋼塊諸元からなる鋼塊を製造する。A、B、Cは本発明における鋼塊で、Dは本発明における工程により製造した鋼塊であるが、その鋼成分のうちTiが本発明における鋼成分と異なる。Eは本発明における鋼成分と同一の成分の鋼からなるが、鋼塊重量、鋼塊寸法、鋼塊形状などの鋼塊諸元が本発明のものと異なるものである。FはVAR溶解による従来例である。
【0014】
【表1】

【0015】これらの鋼塊を鍛造又は熱間圧延してそれぞれ供試材寸法の丸棒(mm)とし、これから試験片を採取して820℃に加熱後空冷し、500℃×4Hrの時効処理を行った後、引張試験、シャルピー衝撃試験、硬さ試験を行った。その結果を表2に示す。
【0016】
【表2】

【0017】本発明鋼のA〜Cは、図1の顕微鏡写真に示すようにミクロ偏析が小さいため、VAR溶解のFとほぼ同等の強度、靱性及び延性を持っているが、Dは本発明における鋼よりTi成分が高く図2の顕微鏡写真に示すようにミクロ偏析が大きいため、また、Eは本発明における鋼塊と重量、寸法、形状が異なるため、靱性、延性が低下している。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明における鋼成分および鋼塊諸元を規定することにより電気炉溶解−取鍋精錬−RH脱ガス造塊の量産工程を適用して鋼塊を製造して、従来のVAR溶解に劣らない、強度、靱性及び延性に優れたマルエージングング鋼が低コストで製造ができるようになる。




 

 


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