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発明の名称 水素吸蔵合金粉末の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−140201
公開日 平成10年(1998)5月26日
出願番号 特願平8−293005
出願日 平成8年(1996)11月5日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】椎名 彊
発明者 柳本 勝 / 木村 大助 / 圓尾 忠之 / 西川 俊一郎
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 ミッシュメタル・ニッケル系水素吸蔵合金粉末を溶解後、該溶湯にアルゴンガス等の不活性ガスを噴霧して製造したガスアトマイズ粉末を、窒素を1体積%以上含み、残りはアルゴン等の不活性ガスからなる雰囲気中で熱処理した後、酸溶液中で表面処理することを特徴とする水素吸蔵合金粉末の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素吸蔵合金粉末、特にニッケル水素電池用の負極材料用のAB5型水素吸蔵合金粉末の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ニッケルカドミウム電池に代わる二次電池としてニッケル水素電池が注目され、そのための水素吸蔵合金粉末が研究されているが、中でもAB5 型水素吸蔵合金粉末は電池用の負極材料として優れた特性を備えており広く利用されている。これは、例えばCe50%,La25%,Nd15%、残りPr等からなるミッシュメタルMmと、Ni、それにNiに置き替わる元素としてMn,Al,Coなどを混合したもので、例えば、Mm1.0 Ni(5−x−y−z)MnxAlyCozのような型の金属間化合物である。このニッケル水素電池用水素吸蔵合金粉末を製造する方法としては、鋳造材の粉砕や回転ドラムに接触させる急冷凝固薄帯の粉砕、アルゴンなどの不活性ガスアトマイズ等の諸手法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の諸粉末化方法のうち、鋳造材を粉砕する方法は材料の偏析などにより、各粒子の組成が均一にならず、二次電池に用いた場合の性能はガスアトマイズ法や急冷凝固薄帯の粉砕などで得た粉末に比べて劣る。そして、ガスアトマイズ法によって得た粉末は、粒子の形状が球状であるため、鋳造材や急冷薄帯を粉砕して得た粉末に比べて電池電極に組み入れた場合の充填密度が優れ、同じ水素吸蔵特性を持つ粉末を電極に使用した場合でも、電極の体積エネルギー密度を高くすることができ、容量の大きい電池の製造が可能である。
【0004】水素吸蔵合金粉末を二次電池に使用する場合に要求される性能は、水素の吸蔵量が大きいことと、水素の吸収・放出が迅速なこと、および吸収・放出の反復による水素吸蔵量の低下が少ないことである。水素吸蔵量の大小は電池の容量に関係し、吸収・放出の速度は電池の放電効率や充填の際の電池内圧に関係し、水素吸蔵量の低下は二次電池としての寿命に関係する。
【0005】上述の水素吸蔵量の大きさ及び吸収・放出の速さは、合金粉末の表面の酸化物層に大きく影響される。ところが、上述の水素吸蔵合金粉末は希土類元素を多量に含むために酸化されやすく、アルゴンのガスアトマイズにより粉末化した場合でも雰囲気中の僅かな酸素分圧のために表面に酸化層ができ、その酸化層は鋳造材を粉砕して得た粉末に比べて厚い場合が多い。
【0006】このように粒子の大部分の表面が酸化層で覆われている粉末は、粉末が水素吸蔵できる状態にする活性化工程が必要で、あるいは粉末を活性化せずにそのまま用いて電池を作製した場合は、長時間かけて充放電を繰り返し、電池の容量を高めることが必要になり、生産性を著しく妨げる。さらに粉末の酸化層の影響が大きい場合には、電池に組み立てても充放電が全く不可能な場合もあり得る。そこで、電池の特性をより向上させると共に、生産性を上げるための方法として、粉末を酸処理して粒子表面の酸化層を除くことが提案されている。
【0007】上述の水素吸蔵量の低下は、充放電の繰り返しによって粉末粒子が必要以上に細かく粉砕されることが原因である。このような粉砕は、粒子内部のミクロ的な合金組成の不均一や、鋳造時の残留歪などが原因になって、水素を吸収・放出する際の体積の膨張・収縮が一様に行われないことが一因となっている。そして破壊面から酸化が進行して水素吸蔵能力が次第に失われて行くのである。
【0008】従って、電池の寿命を延ばすためには、粉末粒子の合金組成がミクロ的に均一で、かゝる歪が残存していなことが条件になる。そのために、従来では鋳造・粉砕工程の途中に高温で長時間熱処理することが行われている。前述したようにミッシュメタル・ニッケル系水素吸蔵合金粉末は酸素と結合して容易に酸化物になる活性な元素を含有しているために、この熱処理をする際の雰囲気としては、真空やアルゴンなどの不活性ガスが選ばれる。
【0009】また、ガスアトマイズ粉末の場合は鋳造材に比べて、合金組成がかなり均一で、歪の残存量も少なく、従って熱処理も鋳造材の場合よりも低い温度、短い時間で良好な組織に粉末になる。上述のような理由によって、現在ではガスアトマイズによって得た合金粉末を熱処理し、その粉末を酸処理したものが電池用として最適な粉末であると考えられるが、さらに電池特性を向上させるためには電気化学反応をより促進させるべく、酸処理後のアトマイズ粉末の水素吸蔵速度を向上されることが望まれている。
【0010】本発明者らは、アルゴンガス等の不活性ガスを噴霧することによって製造したガスアトマイズ粉末を熱処理する際の雰囲気として、アルゴンガス中に窒素ガスを含有させた条件について種々検討した結果、窒素ガスを1体積%以上含む雰囲気で熱処理した後、酸処理して得られた粉末の水素吸蔵速度が大幅に向上し、その粉末を電極に使用した場合の電気化学特性も窒素を含まないガスで熱処理した後、酸処理した粉末に比べて顕著に向上することが判った。
【0011】
【課題を解決するための手段】その発明の要旨とするところは、ミッシュメタル・ニッケル系水素吸蔵合金粉末を溶解後、該溶湯にアルゴンガス等の不活性ガスを噴霧して製造したガスアトマイズ粉末を、窒素を1体積%以上含み、残りはアルゴン等の不活性ガスからなる雰囲気中で熱処理した後、酸溶液中で表面処理することを特徴とする水素吸蔵合金粉末の製造方法にある。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明する。本発明に係る窒素ガス含有量を1体積%以上に限定したのは、1体積%未満の混合比率では窒素ガス混合の効果が充分でなく、顕著な水素吸蔵速度向上が認められないためである。前述のミッシュメタル・ニッケル系水素吸蔵合金のアトマイズ粉末を熱処理する際に、窒素ガスを混合した不活性ガスを用いることにより、表面に窒化皮膜が形成される。この窒化皮膜の主成分の金属はミッシュメタルに含まれる希土類である。窒化皮膜を形成する希土類が優先的に極表面に集まるため、表面直下の金属元素は配合成分よりも希土類が欠乏した状態となり、結果的にNi,Co,Mn,Alなどの構成元素、特に希土類以外の主成分であるNiが多い状態になる。この粉末を酸処理して表面の窒化皮膜を除去することにより、表面直下にあるNiリッチ相が表面に露出する。
【0013】Niリッチ相は水素を水素吸蔵合金に取り込む際の触媒として機能することが指摘されており、前述のように製造した水素吸蔵合金アトマイズ粉末は水素吸蔵速度に優れ、さらにその粉末を電極に使用した場合の電気化学特性、特に水素吸蔵速度と深く関係している大電流での放電容量が窒素を含まない雰囲気で熱処理した粉末を酸処理した場合に比べて顕著に向上するのである。
【0014】
【実施例】Mm1.0 Ni3.5 Co0.7 Mn0.5 Al0.3 を構成するように配合した金属原料をアルミナルツボに収容し、誘導溶解で溶解した後、1500℃の溶湯を直径2mmのノズルを通して落下させ、これにアルゴンガスを吹き付けて急冷してアルゴンガスアトマイズ粉末を製造した。得られた粉末は全て目開き106μの篩で分級した後、鉄製容器に収容し、700℃の温度で2時間熱処理した。熱処理雰囲気として、100%アルゴン及びアルゴン中に0.5〜90体積%の窒素を混合したガス、及び100%窒素ガスを用いた。さらに熱処理粉末を粉末容量1に対してpH1の塩酸溶液容量5の溶液中に浸漬させて攪拌し、表面処理を行った。表面処理後、乾燥させて粉末試料について、水素ガスの初期吸蔵速度の測定及び電気化学特性の測定を行った。初期水素吸蔵速度の測定には水素吸蔵特性(PCT特性)を測定するジーベルツ装置を利用し、試料1gを容量30cm3 の容器に収納し、80℃に加熱して30分間真空吸引を行った後、20℃に保持して10気圧の水素ガスを封入し、水素ガス圧が9気圧まで加工するのに要した時間を求めた。
【0015】電気化学特性の測定は、乾燥した粉末試料1gに加えて、導電剤として粒径3μのNi粉末2g、結着剤としてPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)粉末0.2gを混合して直径20mmのダイでプレスしてコイン状にし、Niメッシュで挟んでNiの導電板をスポット溶接して負極を作製した。この負極を市販のNiCd電池から取り出したNiOOH/NiOH正極(容量1400mAh)と共にテフロン製の容器内に装着し、6規定のKOH溶液中に浸漬させて5気圧のアルゴンガスで封入したテスト電池を充電後50mAで放電し、放電容量を測定した。さらに同じテスト電池を充電後200mAで放電し、50mAで放電した際の放電容量に対する200mAで放電した際の放電容量の比率を算出し、高率放電率を求めた。その粉末特性測定結果を表1に示す。
【0016】
【表1】

【0017】表1に示すように、100%アルゴン及びアルゴン中に0.5〜90体積%の窒素を混合したガスによる熱処理雰囲気での比較例の場合と、1%窒素と99%アルゴン、50%窒素と50%アルゴン、70%窒素と30%アルゴン及び100%窒素の場合の本発明例と比較すると、従来例の初期水素吸蔵速度、0.6、0.5に対して本発明例の場合は、0.25〜0.3minと短く、また、放電容量も313〜314mAh/gと326〜328mAh/gとなり、その高率放電率は70〜71%に対して84〜87%と高い値を示している。このように、窒素ガスを1体積%以上含む雰囲気で熱処理した後、酸処理して得られた粉末の水素吸蔵速度は大幅に向上し、その粉末を電極に使用した場合の電気化学特性も窒素を含まないガスで熱処理した粉末に比べて顕著に向上することが判る。
【0018】
【発明の効果】以上述べたように、本発明により得られた粉末の水素吸蔵速度は大幅に向上すると共に、その粉末を電極に使用した場合の電気化学特性も窒素を含まないガスで熱処理した粉末に比べて極めて顕著に向上する、工業上優れた効果を奏する。




 

 


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