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発明の名称 ニッケル水素電池用水素吸蔵合金粉末
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−53801
公開日 平成10年(1998)2月24日
出願番号 特願平8−210775
出願日 平成8年(1996)8月9日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】椎名 彊
発明者 柳本 勝 / 木村 大助 / 西川 俊一郎 / 圓尾 忠之
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 ニッケル水素電池用水素吸蔵合金粉末において、ガスアトマイズ粉末を50〜300μで分級し、分級粒度よりも粗い粉末を粉砕して分級粒度以下の粉末にしたガスアトマイズ粉砕粉末と分級粒度以下のガスアトマイズ粉末とが混合されていることを特徴とするニッケル水素電池用水素吸蔵合金粉末。
【請求項2】 ガスアトマイズ粉砕粉末及びガスアトマイズ粉末は熱処理されていることを特徴とする請求項第1項記載のニッケル水素電池用水素吸蔵合金粉末。
【請求項3】 ガスアトマイズ粉砕粉末及びガスアトマイズ粉末は熱処理された後、酸やアルカリの溶液で表面処理されていることを特徴とする請求項第1項記載のニッケル水素電池用水素吸蔵合金粉末。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素吸蔵合金粉末、特にニッケル水素電池用の負極材料用のAB5型水素吸蔵合金粉末に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ニッケルカドミウム電池に代わる二次電池としてニッケル水素電池が注目され、そのための水素吸蔵合金粉末が研究されているが、中でもAB5 型水素吸蔵合金粉末は電池用の負極材料として優れた特性を備えて、利用されている。これは、例えばCe50%、La25%、Nd15%、残りPrなどからなるミッシュメタルMmと、例えばMn、Al、Co等を含むニッケル合金とを混合溶融したもので、例えば、Mm1.0 Ni(5−x−y−z)Mnx Aly Cozのような型の金属間化合物である。従来はこれを鋳造材の粉砕や回転ドラムに接触させる急冷凝固薄帯の粉砕、アルゴンなどの不活性ガスアトマイズ等の諸手法によって粉末化していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の諸粉末化方法のうち、鋳造材を粉砕する方法は材料の偏析などにより各粉末粒子の組成が均一にならず、二次電池に用いた場合の性能はガスアトマイズ法や急冷凝固薄帯の粉砕などで得た粉末に劣る。そして、ガスアトマイズ法によって得た粉末は粒子の形状が球状であるために、鋳造材や急冷薄帯を粉砕して得た粉末に比べて電池電極に組み入れた場合の充填密度が優れ、同じ水素吸蔵特性を持つ粉末を電極に使用した場合でも、電極のエネルギー密度を高くすることができ、容量の大きい電池の製造が可能であると共に、急冷薄帯法よりも大量生産に適しており、コスト的にも有利に製造できる利点がある。
【0004】しかし、粒子が球状であることは同時に、電池電極中に充填した際の電気的接触を保つことに技術的課題があり、接触が不完全な場合は充填密度が高く、偏析がなく安定した特性を発揮できるというアトマイズ粉末のメリットが充分に発揮できないという問題点があった。この課題の解決法として、アトマイズ粉末と鋳造粉砕法で得られた粉末とを混合して、充填密度が高いというアトマイズ粉末のメリットと電気的接触が安定しているという鋳造粉砕粉末のメリットを両立させることが考えられる。しかし、このように製造方法が異なる粉末を混合した場合、偏析が大きく特性的に安定しないという鋳造粉砕粉のデメリットが残るため、経済的で効果的な解決方法が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述したような問題を解消すべく、発明者らは鋭意開発を進めた結果、水素吸蔵アトマイズ合金粉末を所望の粒度で分級し、分級でふるいに残った粗い粒度の粉末を粉砕してふるいを通った細かい粒度の粉末と混合して、アトマイズ粉末の安定した特性を維持しながら、球状粉末特有の問題である電極内の電気的接触を改善すると共に、経済的なメリットを併せて得る水素吸蔵合金粉末を提供することを見い出した。
【0006】その発明の要旨とするところは、(1)ニッケル水素電池用水素吸蔵合金粉末において、ガスアトマイズ粉末を50〜300μで分級し、分級粒度よりも粗い粉末を粉砕して分級粒度以下の粉末にしたガスアトマイズ粉砕粉末と分級粒度以下のガスアトマイズ粉末とが混合されていることを特徴とするニッケル水素電池用水素吸蔵合金粉末。
(2)ガスアトマイズ粉砕粉末及びガスアトマイズ粉末は熱処理されていることを特徴とする前記(1)記載のニッケル水素電池用水素吸蔵合金粉末。
(3)ガスアトマイズ粉砕粉末及びガスアトマイズ粉末は熱処理された後、酸やアルカリの溶液で表面処理されていることを特徴とする前記(1)記載のニッケル水素電池用水素吸蔵合金粉末にある。
【0007】以下、本発明について詳細に説明する。通常、ふるい分けする粒度は電池の電極設計によって異なるが、通常の電池の正極と負極の極板ギャップが最大300μ程度であることからして、粉砕せずに使用できるアトマイズ粉末の最大直径は300μであり、また経済的な観点からは粉砕する粉末をできるだけ少なくする方が有利であることや微粉末を多くしすぎると充填密度が減少する傾向があるため、ふるい分けする際の最小ふるい分け直径は50μ程度が適当である。
【0008】
【発明の実施の形態】ふるいを通った細かい粉末は前述の通り、球状で充填密度が高く、偏析が少なく特性が安定しているというガスアトマイズのメリットをそのまま発揮する粉末である。またふるい残った粗い粉末を粉砕した粉末は、鋳造粉砕粉末と同様に不規則形状になり、球状粉末と混合することによって球状粉末の電気的接触を効果的に改善するという役割を果たす。ここで、粉砕した粉末も元は急冷法であるガスアトマイズで製造された粉末であるため、偏析が少なく安定した特性を発揮するというメリットはそのまま発揮され、鋳造粉砕粉末とアトマイズ粉末とを混合したときのような不安定要因はみられない。
【0009】さらにふるい残ったアトマイズ粉末の粗粉末を粉砕して使用するため、従来のアトマイズ粉末を使用して電極を作る工程では使用できずにリターンとして再溶解に使用したり廃却処分にしていた粗粉末も同時に使用できるようになり、経済的に大きな効果がある。このように、アトマイズされた粉末をふるい分け後、粗粉末を粉砕してふるいを通った粉末と混合することにより、高い充填密度と安定した電気的接触を両立させることができると共に、コスト的に有利なガスアトマイズ粉末のメリットをさらに優位にすることが可能になった。
【0010】
【実施例】
(実施例1)Mm1.0 Ni3.4 Co0.8 Mn0.6 Al0.2 を構成するように配合した金属原料をアルミナ坩堝に収容し、誘導溶解炉で溶解し、1500℃の溶湯を直径3mmのアルミナノズルを通して落下させ、これにアルゴンガスを吹き付けることによってガスアトマイズ粉末を製造した。この粉末を目開き150μのふるいで分級し、ふるいを通った微粉末とふるいに残った粗粉末とに分けた。ふるいに残った粉末とふるいを通った粉末との重量比は25対75であった。ふるいに残った粗粉末は粉末と同重量の直径10mmのメノウ製ボール及び粉末容積の5倍の純水と共にメノウ製のポットに収容し、遊星型ボールミルで30分間粉砕処理を施した。粉砕後の粉末は全て目開き150μのふるいを通過し、良好に粉砕されていた。粉砕した粉末と先にふるった微粉末とをV型混合機に投入して混合した。
【0011】表1に示す本発明に係る混合粉末Aを500g取り、タップ充填機にセットして100回タッピングした後の容積を測定して充填密度を測定した。比較のために目開き150μを通ったガスアトマイズ微粉末(粉砕なし)Bとふるいに残ったガスアトマイズ粉末を粉砕して目開き150μのふるいを通過した粉末C、さらに小型の誘導溶解炉で溶解・鋳造した後遊星型ボールミルで微粉砕した目開き150μを通る鋳造粉砕粉末Dについても充填密度を測定した。さらに、これらの粉末の電気化学特性を測定するために混合粉末1gに加えて導電剤として粒径3μのNi粉末(0.5及び2g)、結着剤としてPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)粉末0.2gを混合して直径20mmのダイでプレスしてコイン状にし、Niメッシュで挟んでNiの導電板をスポット溶接して負極を作製した。この負極を市販のNiCd電池から取り出したNiOOH/NiOH正極(容量1400mAh)と共にテフロン製のセル内に装着し、6規定のKOH溶液中に浸漬させて5気圧のアルゴンガスで封入したテスト電池の放電容量を測定した。
【0012】
【表1】

【0013】(実施例2)実施例1と同様にして製作したアルゴンガスアトマイズ水素吸蔵合金粉末を目開き200μのふるいで分級し、ふるいを通った微粉末とふるいに残った粗粉末とに分けた。ふるいに残った粉末とふるいを通った粉末との重量比は20対80であった。それぞれの粉末について軟鋼性の容器に収納し、700℃のアルゴンガス雰囲気中で5時間熱処理を行った後、粗粉末については実施例1と同様の条件で粉砕して目開き200μを通る粉砕粉末を作製した。粉砕した粉末と先にふるった微粉末とをV型混合機に投入して混合した。表2に示す本発明に係る混合粉末A及び比較材として上記と同様の熱処理を施した目開き200μを通ったガスアトマイズ微粉末(粉砕なし)B、ふるいに残ったガスアトマイズ粉末を粉砕して目開き200μのふるいを通過した粉末C、さらに小型の誘導溶解炉で溶解・鋳造した後遊星型ボールミルで微粉砕した目開き200μを通る鋳造粉砕粉末Dについて実施例1と同じ条件でテスト電池を作製し、放電容量を測定した。
【0014】
【表2】

【0015】(実施例3)実施例1と同様にして製作したアルゴンガスアトマイズ水素吸蔵合金粉末を目開き100μのふるいで分級し、ふるいを通った微粉末とふるいに残った粗粉末とに分けた。ふるいに残った粉末とふるいを通った粉末との重量比は30対70であった。それぞれの粉末について軟鋼性の容器に収納し、700℃のアルゴンガス雰囲気中で5時間熱処理を行った後、粗粉末については実施例1と同様の条件で粉砕して目開き100μを通る粉砕粉末を作製した。粉砕した粉末と先にふるった微粉末とをV型混合機に投入して混合した。さらにこの混合粉末とpH=1.0に調整した粉末の容量の5倍の塩酸溶液と共にビーカーに入れてpH=6.5になるまで攪拌しながら表面処理を行った。この表面処理後の表3に示す本発明に係る混合粉末A及び上記と同様の熱処理、表面処理を施した目開き100μを通ったガスアトマイズ微粉末(粉砕なし)B、ふるいに残ったガスアトマイズ粉末を粉砕して目開き100μのふるいを通過した粉末C、さらに小型の誘導溶解炉で溶解・鋳造した後遊星型ボールミルで微粉砕した目開き100μを通る鋳造粉砕粉末Dについて実施例1と同じ条件でテスト電池を作製し、放電容量を測定した。
【0016】
【表3】

【0017】実施例1において、本発明粉末Aの充填密度は球状であるガスアトマイズ微粉末Bと同等の高い充填密度であり、ガスアトマイズ粉末を粉砕したものCや鋳造粉砕粉末Dに比べて15%以上高い密度を示した。さらに実施例1から3のいずれの場合においても本発明粉末は導電剤であるNi粉末の混合量を減少させた電極においても、Ni粉末を多量に加えた場合と同等の極めて良好な放電容量を示し、その放電容量は球状ガスアトマイズ微粉末にNi粉末を多量に加えた場合と同等である。
【0018】一方、比較材であるガスアトマイズ微粉末Bは導電剤であるNi粉末が多い場合は良好な放電容量を示すが、Ni粉末を減らした場合は電気的接触が減少し、放電容量も減少する。ガスアトマイズ粉末を粉砕したものCや鋳造粉砕粉末DはNi粉末を減少させても電気的接触が良好なため放電容量はNi粉末が多い場合と同等の放電容量を示すが、鋳造粉砕粉末はガスアトマイズ粉末に比べて組織的な不均一性があり、ガスアトマイズ粉末に比べて低い値である。 以上の結果の通り、本発明によって、球状ガスアトマイズ粉末と同等の極めて高い充填密度を維持しながら、さらに球状粉末の課題であった電気的接触が不利な状況下における放電容量を改善できた。
【0019】
【発明の効果】以上述べたように、本発明による混合したアトマイズ粉末を用いることにより、極めて安定した特性が図られると共に、経済的にも極めて有利な製造方法を提供することにある。




 

 


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