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発明の名称 メタノール合成用流動触媒の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−272360
公開日 平成10年(1998)10月13日
出願番号 特願平9−77687
出願日 平成9年(1997)3月28日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 保
発明者 久和 正昭 / 中村 忠士 / 辻 欣哉 / 山上 浩司 / 小沢 義久 / 渡辺 利康 / 山田 元 / 引田 覚
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 銅,亜鉛及びジルコニウム化合物を主成分とするメタノール合成用流動触媒を製造するに当たり、各触媒成分と共に、その固形分に対し、0.1〜5重量%のペクチン質を含有するスラリー組成物を造粒することを特徴とするメタノール合成用流動触媒の製造方法。
【請求項2】 メタノール合成用流動触媒が、各金属化合物の酸化物基準で、ジルコニウム30〜70重量%を含有するものである請求項1記載のメタノール合成用流動触媒の製造方法。
【請求項3】 メタノール合成用流動触媒が、さらにマグネシウム及び/又はアルミニウム化合物を含有するものである請求項1又は2記載のメタノール合成用流動触媒の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メタノール合成用流動触媒の製造方法の改良に関し、さらに詳しくは、触媒の強度及び生産性を高め、かつ高い質のエネルギーが回収できるメタノール合成反応条件下で使用しうる耐熱性に優れたメタノール合成用流動触媒を、効率よく製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、メタノール合成プロセスにおいては、大型化と、低コスト化を促進するためのエネルギー原単位の低減を目的とした技術改良が行われている。このようなメタノール合成プロセスの技術改良の一つとして、流動触媒を用いた合成反応の開発が行われており、例えば特開昭60−84142号公報,特開昭60−106534号公報,特開昭60−122040号公報,特開昭63−209754公報,特開昭63−31541公報,特開平7−39756公報などにメタノール合成用流動触媒及びその製造方法が開示されている。一方、流動層触媒反応器は、反応熱の速やかな移動を促進して反応熱の回収効率を高めるので、メタノール合成の反応率を高くすることができる上、反応装置の大型化に有利であるとともに、反応熱を有効に回収してエネルギー原単位を低減することができるなどの長所を有している。このような流動層触媒反応器に用いられる触媒は、活性,強度及び耐熱性に優れた性能が要求される。また、大型装置で使用するために触媒量が大量となることから、触媒の生産性も極めて重要な因子となる。
【0003】流動触媒は、通常球状の粉末であるので、これを得るための造粒方法として、噴霧乾燥法や油中滴下法などが採用される。このような流動触媒の製造においては、触媒成分(以下、原料ケーキということがある)をスラリー化して造粒原料とするが、この造粒用のスラリーの性状は、一般にその構成成分や組成及び調製法などにより左右される。流動触媒の強度は、造粒の際の諸条件によって大きく影響され、したがって、特に原料ケーキのスラリー化工程におけるスラリーの性状、すなわちスラリー濃度,スラリー流動性などの制御が重要である。一般に、スラリー濃度(固形分濃度)が高いほど、耐摩耗性が良く、強度の優れた触媒となり、また時間当たりの生産性が高く、工業的な点からも優れた触媒となる。したがって、このような条件を満たすための触媒開発が積極的に行われている。このように、スラリー濃度は高いほど有利である一方、スラリー濃度が高くなれば、その流動性が乏しくなり、噴霧乾燥時の操作性、すなわちスラリー移送などが円滑にできず、触媒の生産性が低下するという好ましくない事態を招来する。したがって、高スラリー濃度下での流動性の改善が要求されることとなる。このような改善として、例えば特開平7−39756号公報において、触媒成分に微量のナトリウムを添加することが提案されている。
【0004】一方、前述したように、流動層触媒反応器においては、反応熱の回収率が高く、反応熱を有効に回収することができ、この反応熱の有効回収により、エネルギー原単位の低減が図られる。このような反応熱を回収する場合、通常スチームとして回収され、そして回収されたスチームは、エネルギー源として、種々の方面に使用される。したがって、この回収スチームは、温度が高いほど有利、即ち圧力の高いスチームほど有利であることは云うまでもない。このように、高いエネルギーのスチームを回収するために、流動層触媒反応器では、必然的に反応温度を高く保って運転が行われる。したがって、この流動層触媒反応器に用いられる触媒は、高い温度で使用されるので、活性,耐摩耗性はもとより、耐熱性に優れることが強く要求される。そして、この耐熱性は、耐久性を左右する重要な因子でもある。しかしながら、前記特開平7−39756号公報で提案されているように、ナトリムを添加するスラリー性状の改質法で調製された触媒では、触媒の強度及び生産性の改善はみられるものの、高い質のエネルギーが回収できる合成反応条件下では、性能的に必ずしも充分でないことが判明した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような状況下で、スラリー性状を改善して、強度及び生産性が高く、かつ高い質のエネルギーが回収できるメタノール合成反応条件下でも好適に使用しうる耐熱性に優れたメタノール合成用流動触媒を効率よく製造する方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、スラリー性状の改善について鋭意研究を重ねた結果、スラリー調製の際に、ペクチン質を特定の割合で添加することにより、スラリー性状が改善され、前記目的を達成しうることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。すなわち、本発明は、銅,亜鉛及びジルコニウム化合物を主成分とするメタノール合成用流動触媒を製造するに当たり、各触媒成分と共に、その固形分に対し、0.1〜5重量%のペクチン質を含有するスラリー組成物を造粒することを特徴とするメタノール合成用流動触媒の製造方法を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の方法で得られる流動触媒は、銅,亜鉛及びジルコニウム化合物を主成分とし、必要に応じ、マグネシウム及び/又はアルミニウム化合物を含有してなり、一酸化炭素及び/又は二酸化炭素と水素を主成分とする合成ガスからのメタノール合成用の流動触媒である。本発明の方法は、上記触媒の調製における造粒工程で用いられるスラリーに、ペクチン質を添加することを特徴とするものであって、このペクチン質は、自然界の高等植物中に存在する多糖類であり、工業的にはカンキツ類の果皮、リンゴカスなどから抽出して製造されている。このものは、水に分散させると負に荷電した親水コロイドとなることが知られており、そして、周囲の状況によっては複雑な動きをすることも知られている。このペクチン質は多糖類、すなわち、炭水化物誘導体であることから、メタノール合成反応に悪影響を及ぼす元素は含まれていない。
【0008】本発明においては、流動触媒の造粒時のスラリー調製で、このようなペクチン質を添加することにより、スラリー性状が改善されるとともに、得られる触媒の耐熱性が向上する。本発明における原料ケーキの調製法及び造粒法については特に制限はなく、従来のメタノール合成用流動触媒の調製において用いられている方法を適用することができる。すなわち、通常は、まず触媒成分の沈殿反応により原料ケーキを製造し、これに前記のようにペクチン質を添加してスラリー化し、次いでこのスラリーを噴霧乾燥などにより、造粒することによって、流動触媒が得られる。本発明においては、原料ケーキの主成分である銅,亜鉛及びジルコニウム化合物の割合については特に制限はないが、例えば銅と亜鉛との割合は、原子比で0.5:1〜20:1の範囲が好ましく、特に0.8:1〜15:1の範囲が好ましい。また、触媒成分中のジルコニウムの含有量は、各金属化合物の酸化物基準で、30〜70重量%の範囲が好ましい。なお、必要に応じ、副成分として、アルミニウム,ホウ素,クロム,マグネシウム,ケイ素などの化合物を含有させることができるが、これらの中で、アルミニウム及び/又はマグネシウム化合物を含有させるのが好ましい。アルミニウム化合物を含有させる場合には、その含有量は、各金属化合物の酸化物基準で、0.5〜10重量%の範囲が好ましく、特に1〜5重量%の範囲が好ましい。マグネシウム化合物を含有させる場合には、その含有量は、マグネシウム原子が、亜鉛とマグネシウム原子との合計量に対して、10〜60%の範囲になるような量が好ましい。
【0009】このような原料ケーキをスラリー化する際に、スラリー性状改質剤として添加されるペクチン質は、その由来については特に制限はなく、種々の天然物から抽出、製造されたペクチンをそのまま使用することができる。その添加量は、スラリー中の原料ケーキの固形分に対して0.1〜5重量%の範囲である。この量が0.1重量%未満ではスラリー性状の改善効果及び触媒の耐熱性向上効果が充分に発揮されず、本発明の目的が達せられない。一方5重量%を超えるとその量の割には効果の向上がみられず、むしろ耐熱性が低下する傾向がみられ、また経済的にも不利となる。スラリー性状の改善効果、触媒の耐熱性向上効果及び経済性のバランスなどの面から、このペクチン質の特に好ましい添加量は、スラリー中の原料ケーキの固形分に対して、0.2〜4重量%の範囲である。このように、ペクチン質の添加により、ナトリウム系のようなアルカリを使用することなく、スラリーの粘性が低下し、そのため造粒に適したスラリー濃度が高い場合には、スラリー濃度を約5重量%以上高くすることができる。本発明においては、このスラリーの濃度は、通常15〜30重量%の範囲である。このようにして、性状の改質されたスラリーを造粒して得られる触媒は、流動触媒として不適な粒径20μm以下の微粉の含有量が減少し、触媒の生産性が向上するとともに、耐摩耗性が向上するだけでなく、特に従来のアルカリ添加触媒に比べて耐熱性が向上する。
【0010】このようにして調製された造粒物は、そのままでも使用できるが、通常、焼成処理を施してから使用する。この焼成処理は、一般に空気雰囲気下、250〜500℃程度の温度で行われる。この際、添加したペクチン質は酸化除去されるが、添加量が多く、酸化反応熱の発生が多く予想される場合、焼成目標温度までゆっくり昇温させたり、目標温度より低い温度で、いったん保持するなどして、ゆっくり酸化させ、急激な酸化反応が生起しないようにするのが望ましい。このようにして焼成した触媒は、通常還元処理したのち、メタノール合成に使用される。この還元処理方法としては特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。本発明の方法により得られた流動触媒を用いて、メタノールを合成する際の反応条件としては、原料ガス中の水素の濃度,一酸化炭素や二酸化炭素の濃度、触媒中の銅の含有量などに応じて、適宜選定されるが、一般的には、反応圧力は20〜300kg/cm2 程度、好ましくは30〜200kg/cm2 であり、反応温度は150〜350℃程度、好ましくは200〜300℃である。また、ガス時空間速度(GHSV)は1000〜80000hr-1程度であり、触媒粒子が充分に流動するようなガス線速度とすることが肝要である。本発明の方法で得られた流動触媒は、気相流動層反応器のみでなく、液相流動層反応器においても用いることができる。また、この触媒は、粒子形状を変えることにより、固定床用触媒としても用いることができ、さらに、他の反応、例えば液相水素添加反応やメタノールの改質反応などにも用いることができる。
【0011】
【実施例】次に、本発明を実施例、比較例及び試験例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によりなんら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例における触媒製造では、イオン交換水を用いた。また、スラリー濃度(固形分濃度)は、赤外線水分計で水分を測定し、固形分濃度を求めた。
実施例1硝酸銅(3水塩)62kgを水390リットルに溶解し、40℃に保持した。次に炭酸水素アンモニウム44.6kgを水460リットルに溶解し、40℃としたのち、攪拌下に、上記硝酸銅溶液を加えて、銅スラリーを調製した。一方、塩基性炭酸亜鉛を300℃にて熱分解して得られた酸化亜鉛7kgを水100リットルに加えて調製した酸化亜鉛スラリー(温度40℃)を、前記銅スラリーに加え、二酸化炭素ガスを1.5m3 /hrの流速で2時間吹込んだ。この際、液温40℃で60分間経過後、80℃に昇温して30分間保持した。反応終了後、50℃まで冷却したのち、この銅−亜鉛化合物スラリーに、アルミナゾル(Al2 310重量%含有)16kgを水100リットルに分散したスラリーを添加して、銅−亜鉛−アルミニウム化合物スラリーを調製した。
【0012】この銅−亜鉛−アルミニウム化合物スラリーに、オキシ硝酸ジルコニル水溶液(ZrO2 25重量%含有)110kgを水240リットルに溶解した液(液温40℃)と、炭酸水素アンモニウム38.8kgを水500リットルに溶解した液(液温40℃)を攪拌下に同時に添加して、温度40℃で30分間保持した。次いで、その温度にて、マグネシウム原子が、マグネシウムと亜鉛原子との合計量の33.5%になるように、硝酸マグネシクムと炭酸ナトリウムとから調製された塩基性炭酸マグネシウムスラリーを添加して30分間保持した。その後、ろ過、洗浄して、銅−亜鉛−ジルコニウム−アルミニウム−マグネシウム化合物からなる原料ケーキ約210kgを得た。この原料ケーキの水分は69重量%であった。なお、このケーキの固形分中のナトリウム及びアンモニア分の含有量は、それぞれ0.002重量%及び0.008重量%であった。この原料ケーキ20kgに、ペクチン(レモン由来)を固形分に対し1.0重量%になるように添加して噴霧乾燥器に供給可能なスラリーを調製した。このスラリー濃度(固形分濃度)は20.5重量%であった。このスラリーを噴霧乾燥して、平均粒径60μmの球状粉末を得た。これを380℃で焼成した。これを触媒Aとする。
【0013】実施例2実施例1において、ペクチンの添加量を固形分に対して0.2重量%とした以外は、実施例1と同様にして実施した。これを触媒Bとする。なお、ペクチンを添加して調製したスラリーの濃度(固形分濃度)は17.1重量%であった。
実施例3実施例1において、ペクチンの添加量を固形分に対して0.5重量%とした以外は、実施例1と同様にして実施した。これを触媒Cとする。なお、ペクチンを添加して調製したスラリーの濃度(固形分濃度)は20.0重量%であった。
実施例4実施例1において、ペクチンの添加量を固形分に対して4.0重量%とした以外は、実施例1と同様にして実施した。これを触媒Dとする。なお、ペクチンを添加して調製したスラリーの濃度(固形分濃度)は20.8重量%であった。
比較例1実施例1において、ペクチンを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして実施した。これを触媒Eとする。なお、この際のスラリー濃度(固形分濃度)は14.0重量%であった。
【0014】実施例5特開平7−39756号公報の実施例1に準拠して、原料ケーキ調製した。硝酸銅(3水塩)62kgを水390リットルに溶解し、40℃に保持した。次に炭酸ナトリウム28.7kgを水460リットルに溶解し、40℃としたのち、攪拌下に、上記硝酸銅溶液を加えて、銅スラリーを調製した。一方、塩基性炭酸亜鉛を300℃にて熱分解して得られた酸化亜鉛7kgを水100リットルに加えて調製した酸化亜鉛スラリーを前記銅スラリーに加え、二酸化炭素ガスを1.5m3 /hrの流速で2時間吹込んだ。この際、液温40℃で60分間経過後、70℃に昇温して30分間保持した。反応終了後、50℃まで冷却したのち、この銅−亜鉛化合物スラリーに、オキシ硝酸ジルコニル水溶液(ZrO2 25重量%含有)110kgを水240リットルに溶解した液(液温50℃)と炭酸ナトリウム24.8kgを水500リットルに溶解した液(液温50℃)を攪拌下に添加して、その温度で30分間保持した。その後、ろ過、洗浄して銅−亜鉛−ジルコニウム化合物から成るケーキを得た。このケーキの水分は68.2重量%であった。このケーキを使用して、特開平7−39756号公報の実施例5に準じ、下記のようにして銅,亜鉛,ジルコニウム及びアルミニウムから成る触媒を調製した。上記ケーキを使用して、スラリーを調製する際に、アルミナゾル(日産化学社製、#200)を、触媒中のアルミニウムの含有量が、各金属化合物の酸化物基準で2.5重量%になるように、またペクチンをケーキの固形分に対して1.0重量%となるように、それぞれ加えて、噴霧乾燥機に供給可能なスラリーを調製した。この際のスラリー濃度(固形分濃度)は27.5重量%であった。次に、このスラリーを、実施例1と同様に処理して、触媒を調製した。これ触媒Fとする。
【0015】比較例2特開平7−39756号公報の実施例5に準じて、触媒を調製した。すなわち、本発明の実施例5で得られたケーキを使用して、スラリーを調製した。このスラリーの調製に際し、アルミナゾル(日産化学社製、#200)と水酸化ナトリウムを、それぞれ、触媒中のアルミニウム含有量が各金属化合物の酸化物基準で2.5重量%、ナトリウムの含有量が各金属化合物の酸化物基準で0.4重量%となるように加えた。この際のスラリー濃度(固形分濃度)は27.0重量%であった。これを触媒Gとする。
比較例3特開平7−39756号公報の比較例1に準じて、銅−亜鉛−ジルコニウム化合物からなるケーキを調製した。このケーキ中のナトリウム含有量は、各金属化合物の酸化物基準で0.008重量%であった。このケーキ使用して、ペクチンを添加しなかった以外は、本発明の実施例5と同様にして、アルミナゾルを添加し、銅−亜鉛−ジルコニウム−アルミニウム化合物からなる噴霧乾燥機に供給可能なスラリーを調製した。このスラリーの濃度(固形分濃度)は13.0重量%であった。次に、このものを実施例1と同様に処理して触媒を調製した。これを触媒Hとする。
【0016】試験例1〜8活性試験実施例1〜5及び比較例1〜3で調製した触媒A〜Hそれぞれ100ミリリットルを、下部に焼結金属製フィルターを備えた内径30mmのステンレス鋼製反応器に充填した。この反応器下部のフィルターを通して窒素ガスを導入し、140℃に保持した。次いで、窒素ガスを徐々に水素ガスに置き換え、全部置き換えたのち、240℃に昇温し、3時間保持して触媒の還元を行った。その後、降温し、水素67.3モル%、一酸化炭素24.1モル%、二酸化炭素6.6モル%、メタン1.5モル%及び窒素0.5モル%からなる合成ガスに切り換え、活性試験を行った。反応条件は次のとおりである。
反応温度260℃反応圧力70kg/cm2ガス時空間速度(GHSV)20000hr-1また、ここで、触媒寿命(耐熱性)を知るために、反応温度を360℃に昇温し、10時間メタノール合成を行ったのち、再び反応温度を260℃としたときの触媒活性、及び再び反応温度を360℃に昇温し、10時間メタノール合成を行ったのち(計20時間)、再び反応温度を260℃としたときの触媒活性を測定した。それぞれにおける反応管出口ガス中のメタノール濃度を第1表に示す。
【0017】
【表1】

【0018】試験例9〜16摩耗試験下部にフィルターを備えた内径25mmのガラス製反応器に、実施例1〜5及び比較例1〜3で得た触媒A〜Hそれぞれ100ミリリットルを充填し、反応器下部のフィルターを通して窒素ガス導入し140℃に保持した。次いで、窒素ガスを徐々に水素ガスに置き換え、全量置き換えたのち、240℃に昇温し、3時間保持して還元を行った。還元終了後、降温し窒素ガスで置換して、摩耗試験のための試料とした。次に、この試料を、直径0.4mmの小穴の開いたステンレス鋼板を備え、窒素ガスで置換された内径27mmの内厚ガラス管に50g充填した。ガラス管上部には、触媒粉末が飛散しないように、円筒ろ紙を備えた排気管を挿入した。下部の小穴より、窒素ガスを510リットル/hrの速度で1時間噴出させたのち、窒素ガスを止めて、微量の空気を徐々に15時間流しながら、触媒を酸化した。
【0019】酸化終了後、触媒を全量取り出し、音波式ハンドシフター(筒井理化器械製SW−20型)により、粒度分布を測定し、次式により摩耗速度を求めた。
AR(−20)=〔(A−B)/C〕×100(重量%・hr-1
AR(−44)=〔(F−G)/H〕×100(重量%・hr-1
AR(−20)=20μm以下の粒子割合の変化より求めた摩耗速度(重量%・hr-1
AR(−44)=44μm以下の粒子割合の変化より求めた摩耗速度(重量%・hr-1
A:摩耗試験後に回収された酸化触媒粒子中に占める20μm以下の粒子の割合(重量%)
B:摩耗試験用触媒粒子中に占める20μm以下の粒子の割合(重量%)
C:摩耗試験用触媒粒子中に占める20μmを超える粒子の割合(重量%)
F:摩耗試験後に回収された酸化触媒粒子中に占める44μm以下の粒子の割合(重量%)
G:摩耗試験用触媒粒子中に占める44μm以下の粒子の割合(重量%)
H:摩耗試験用触媒粒子中に占める44μmを超える粒子の割合(重量%)
以上による摩耗試験結果を第2表に示す。
【0020】
【表2】

【0021】
【発明の効果】本発明の方法によれば、触媒造粒時のスラリーの性状が改善され、触媒の生産性が高められるとともに、強度が高く、かつ耐熱性に優れるメタノール合成用触媒が効率よく得られる。この触媒は、高い質のエネルギーが回収できるメタノール合成反応条件下でも好適に使用することができる。したがって、本発明の方法は、実用上、その工業的意義が大きい。




 

 


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