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発明の名称 混合装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−249179
公開日 平成10年(1998)9月22日
出願番号 特願平9−82373
出願日 平成9年(1997)3月14日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】岡澤 英世 (外1名)
発明者 西田 昭三 / 藤山 優一郎
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 重質油等の液体とその重質油を気化させる触媒等の粒体とを混合する装置において、前記粒体を、重力方向に沿って延在する複数の配管に均等に分配する粒体分配器を設け、その粒体分配器の下方に、前記複数の配管が上部をそれぞれ貫通して内部上方まで延出し、これら配管から粒体が内部を落下する混合器を設け、該混合器の内部であって各配管の下方に、配管から落下する粒体を径方向外方に分散させる分散板を配設し、かつ、混合器内の複数の配管の外周部に、それら配管から落下する粒体群の外周近傍であってその周方向全域から重力方向下方に向けて前記液体を噴射して、分散板により分散した粒体と噴射された液体とを衝突させる液体供給部を設けたことを特徴とする混合装置。
【請求項2】 重質油等の流体とその重質油を気化させる触媒等の粒体とを混合する装置において、前記粒体を、重力方向に沿って延在する複数の配管に均等に分配する粒体分配器を設け、その粒体分配器の下方に、前記複数の配管が上部をそれぞれ貫通して内部上方まで延出し、これら配管から粒体が内部を落下する混合器を設け、該混合器の内部であって各配管の下方に、配管から落下する粒体を径方向外方に分散させる分散板を配設し、かつ、混合器の内部に、配管から落下する粒体群の外周にその周方向全域に亙って前記流体を噴射する液体供給部を設けたことを特徴とする混合装置。
【請求項3】 前記流体供給部が、スチーム、空気等の噴射媒体を用いて液体を噴射する噴射器である請求項1乃至2のいずれか1項に記載の装置。
【請求項4】 前記粒体が、300℃以上の高温であると共に、前記流体供給部に、噴射される流体への高温粒体の熱影響を防止すべく流体供給部を囲繞するように断熱手段を設けた請求項1乃至3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】 前記混合器の内部であって前記分散板の下方に、それら分散板から分散して下方に落下する粒体をさらに分散させる分散板を少なくとも粒体の落下密度が多い箇所にそれぞれ設けた請求項1乃至4のいずれか1項に記載の装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は重質油等の流体とその重質油を気化させる触媒等の高温の粒体とを混合する混合装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】粒子状の固体を触媒または熱媒体とし、反応物と接触させる反応系は古くから知られている。このような反応系の内の一つである流動床式反応器の中には例えば濃厚流動層(気泡流動層)を用いるもの、高速移動層(高速流動層)を用いるものがある。このうち、固体と気体の接触時間を短くする必要のある反応(短接触時間反応)には高速移動層が用いられている。現在、重質油等を原料油としてガソリンを製造する流動接触分解装置においてはライザーと呼ばれる上昇流型高速移動層反応器が主流となって用いられている。この反応器は触媒性能の向上に伴い接触時間を短くすることが可能であり、これによってガソリン等の好ましい生成物の選択性が上がり、好ましくない過分解反応を抑制することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年においてはガソリンのさらなる選択性の向上あるいは軽質オレフィンの選択性の向上が要求要望されるようになり、上昇流型高速移動層反応器の特性である触媒の逆混合現象が、これらの選択性向上に悪影響を及ぼしていることから、逆混合現象が発生しない下降流型高速移動層反応器が検討され始めている。既存の上昇流型高速移動層反応器を持つ、重質油等を原料油としてガソリンを製造している流動接触分解装置における接触反応時間は数秒であるが、軽質オレフィンを指向する場合の接触反応時間は0.1〜1.5秒程度に短くする必要がある。このような短接触時間反応を行うには反応器入口において原料油と触媒の迅速な混合・気化が不可欠となる。さらに、反応時間の短縮に伴う転化率の低下を補うために触媒循環量の増加が余儀なくされる。このような背景から反応器入口において原料油と触媒の迅速な混合・気化が行え、しかも既存の上昇流型高速移動層反応器を持つ、重質油等を原料油としてガソリンを製造している流動接触分解装置の触媒循環量(cat/oil比5〜8)の数倍の触媒循環量を可能とする原料油・触媒供給混合装置が要望されている。そこで、本発明は、このような実情に鑑みなされたものであり、その目的は、液体と固体粒子からなる粒体を迅速に均一混合することが可能となる混合装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するために、本発明の混合装置は、重質油等の液体とその重質油を気化させる触媒等の粒体とを混合する装置において、前記粒体を、重力方向に沿って延在する複数の配管に均等に分配する粒体分配器を設け、その粒体分配器の下方に、前記複数の配管が上部をそれぞれ貫通して内部上方まで延出し、これら配管から粒体が内部を落下する混合器を設け、この混合器の内部であって各配管の下方に、配管から落下する粒体を径方向外方に分散させる分散板を配設し、かつ、混合器内の複数の配管の外周部に、それら配管から落下する粒体群の外周近傍であってその周方向全域から重力方向下方に向けて前記液体を噴射して、分散板により分散した粒体と噴射された液体とを衝突させる液体供給部を設けたものである。
【0005】また、本発明の混合装置は、重質油等の流体とその重質油を気化させる触媒等の粒体とを混合する装置において、前記粒体を、重力方向に沿って延在する複数の配管に均等に分配する粒体分配器を設け、その粒体分配器の下方に、前記複数の配管が上部をそれぞれ貫通して内部上方まで延出し、これら配管から粒体が内部を落下する混合器を設け、この混合器の内部であって各配管の下方に、配管から落下する粒体を径方向外方に分散させる分散板を配設し、かつ、混合器の内部に、配管から落下する粒体群の外周にその周方向全域に亙って前記流体を噴射する液体供給部を設けたものである。
【0006】前記流体供給部が、スチーム、空気等の噴射媒体を用いて液体を噴射する噴射器であることが好ましい。また前記液体が、300℃以上の高温であると共に、前記流体供給部に、噴射される流体への高温粒体の熱影響を防止すべく流体供給部を囲繞するように断熱手段を設けることが好ましい。さらに前記混合器の内部であって前記分散板の下方に、それら分散板から分散して下方に落下する粒体をさらに分散させる分散板を少なくとも粒体の落下密度が多い箇所にそれぞれ設けることが好ましい。
【0007】ところで、短接触時間反応を行うには反応器入口において例えば原料油と粒体(触媒)の迅速な均一混合・気化が不可欠である。そのためには原料油を微細な液滴(噴霧体)とすること、および触媒である固体粒子群から成る粒体の均一分散を行うことが前提条件となる。次に噴霧体と均一混合が行われなければならない。この均一混合を行うには広い空間があれば可能となるが限られた空間内においては十分には行えない。このため、それに代わる手段を得るために研究開発した結果、次のような結論に至った。すなわち、噴射ノズル等によりある程度の液滴の微細化を行い、次にこの噴射体を粒体に衝突させ、その衝撃力によりさらなる微細化を行い、同時に粒体との均一混合を行うことである。
【0008】したがって、流体が複数の配管に均等に分配され、これら配管から落下する粒体が分散板により分散し、この分散した粒体と噴射された液体とが衝突し、液体がさらに微細化されるので、効率よく固液接触を行え、粒体と液体との混合を迅速にほぼ均一に行うことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。図1において、1は重質油等の流体とその重質油を気化させる触媒等の粒体とを混合させる混合装置を示す。この混合装置1は、前記粒体を、重力方向に沿って延在する複数の配管2に均等に分配する粒体分配器3を設け、その粒体分配器3の下方に、前記複数の配管2が上部をそれぞれ貫通して内部上方まで延出し、これら配管2から粒体が内部を落下する混合器4を設け、この混合器4の内部であって配管2の下方に、前記配管2から落下する粒体を径方向外方に分散させる分散板5を配設し、かつ、混合器4内に重質油等の原料油などの流体を噴射して粒体と液体とを混合させる突させる流体供給部6を設けて主になるものである。
【0010】粒体分配器3は、前記複数の配管(スタンドパイプ)2に均等に粒体を分布することができるならばどのように構成してもよく、例えば図1に示す例では流動層を利用するものである。粒体分配器3を構成する流動層炉(触媒等量供給室)7は、竪型の横断面円形状、多角形状、矩形状等に形成され、図示例では円筒状に形成され、この内部下方に多孔板型分散器、パイプグリッド型分散器等の分散器例えば多孔板8が設けられている。流動層炉7の側壁には、高温の粒体(例えば固体粒子径が1〜500μmの高温(450〜700℃)のシリカアルミナ触媒粒子)を流動層用分散板8上に供給するための供給管9が接続されている。流動層炉7の下部には、流動ガス供給管10が接続されており、スチーム、空気、不活性ガス等の流動ガスが多孔板8を介して炉7内に供給され、粒体が流動化して粒体の流動層11が形成される。流動層炉7の底部には、重力方向に沿って延在する複数の配管2が貫通し、これら配管2の先端が多孔板8をさらに貫通して流動層炉7の内部中央まで延出している。これら配管2の数は特に限定しないが、好ましくは3〜30本がよく、さらに好ましくは3〜7本が望ましい。配管2の配置は、流動層炉7内にほぼ均等に配置するようにする。例えば、図2に示すように、配管2が7本の場合は6本を円周方向に所定の間隔(60°)をおいて配置してその中心に残りの1本を配置する。配管2の径(直径)は粒体の供給量等により任意に決まるが、反応管12の直径及び配管2の数が一定である条件において粒体の供給量が多い場合には径を大きくし、逆に少ない場合には小さくすることは勿論のことである。触媒の循環量のcat/oil比は5〜50が好ましく、より好ましくは20〜30である。cat/oil比が5未満であると、例えば触媒と原料油の接触時間が短く、つまり反応を十分に行えず、50を越えると圧力損失、エーロージョン等の問題を生じることがある。
【0011】流動層炉7の下方には混合器4が配設され、この混合器4の上部を前記複数の配管2がそれぞれ貫通して配管2の下端が内部上方まで延出し、混合器4内の上方から下部に流体が落下するようになっている。混合器(原料触媒混合室)4は、例えば竪型の円筒状に形成され、その下部に混合器4と同径の反応管(垂直下降流反応管)12が接続されている。混合器4内の中央部であって各配管2の下方には、配管2から落下する粒体を径方向外方に分散させる分散板5がそれぞれ設けられている。これら分散板5は、同一水平面上に配置され、落下する粒体を径方向外方に分散させるものならばどんなものでもよく、例えば、配管2下端の径と同じかまたはそれ以上の径の円板、中央部が外周縁部よりも下方に窪んだ円板、皿状の円板、円錐体等である。また、これら分散板5の下方には、分散板5から分散して下方に落下する粒体をさらに分散させる分散板13が複数同一水平面上に設けられている。これら分散板13の配置は、少なくとも粒体の落下密度が多い箇所に設けるようにする。例えば、上方の分散板5の間に相当する位置に設けるようにする。これら下方の分散板13は上方の分散板5と同じものでも異なるものでもよい。分散板5、13の段数は図示例では2段に設置したが、この段数は特に限定しないが、段数があまり多くなると混合効率が上がるが逆に圧力損失が大きくなるので、好ましくは1〜5段にするのが望ましい。
【0012】混合器4内の配管2の外周部には、重質油等の原料油などの流体を噴射する流体供給部6が設けられている。流体供給部6は、流体を配管2から落下する粒体群(例えば円柱状流体群)の外周全域を囲繞するように噴射するものであり、このように噴射されるならばどのように構成してもよい。この噴射角度は0°(水平方向に平行)〜90°(重力方向下方)であり、図1の例では90°で、図4では0°である。すなわち、図1に示す流体供給部6は、それら配管2から落下する粒体の外周近傍であってその周方向全域から重力方向下方に向けて液体を噴射して、分散板5、13により分散した粒体と噴射液体とを衝突させるように構成されている。
【0013】図4に示す流体供給部6は、噴射角度が0°すなわち水平面に平行に噴射され、流体例えば液体の噴射を噴霧媒体(気体、スチーム等)を用いて行うものであり、いわゆる媒体噴霧方式の噴射ノズルの一例を示している。この流体供給部6には、図4に示すように、断熱手段14も備えられている。混合器4内の上部の配管2の間および配管2と混合器内壁との間には、重力方向に沿って積層するように、上から断熱スチームトレイ15、噴霧スチームトレイ16、原料油トレイ17、断熱噴霧スチームトレイ18が設けられている。前記複数の配管2はこれらトレイ15、16、17、18を貫通した構造となっている。これら配管2の外周には、配管2を囲繞するように軸方向に沿って円筒状の空間(クリアランス)19が設けられ、この空間19の上方が断熱スチームトレイ15と連通し、配管2の外周を配管2に沿って下向きに断熱用のスチームが流れて、高温の配管2と原料油との断熱が行われるようになっている。断熱噴霧スチームトレイ18の下方(配管2下端部より下方でもある位置)には、水平方向に延在する断熱用の仕切板20が設けられ、この仕切板20は配管2の下端の下方に臨むように形成されている。つまり、この仕切板20は、配管2に相当する部分に円状の開口部(配管2からの粒体が通過し得る開口部)が設けられた円板である。この仕切板20と断熱噴霧スチームトレイ18との間にクリアランス21が設けられ、このクリアランス21を断熱噴霧スチームトレイ18からのスチームが径方向内方に流れて、高温の混合器4内と原料油との断熱が行われるようになっている。この断熱と前記断熱とで断熱手段14が構成されている。この断熱手段14は、原料油を高温の配管2等から断熱することができるならばどのように構成してもよい。
【0014】前記配管2の外周に設けられたクリアランス19の外周には、クリアランス19を囲繞するように軸方向に沿って円筒状の原料油(液体)の噴霧室22が設けられている。この噴霧室22の上部は、噴霧スチームトレイ16に連通し、噴霧室22内を上方から下方に高速に噴霧媒体であるスチームが流れるようになっている。噴霧室22の原料油トレイ17との側壁には、多数の噴射ノズル(噴射孔)23が設けられ、原料油トレイ17から原料油が噴霧室22に噴射されてスチームと混合し、これが前記断熱用の仕切板21に衝突して原料油は噴霧体となり、この噴霧体が配管2からの粒体の外周にその周方向全域に亙って水平方向に平行に噴霧されるようになっている。噴霧体の噴霧角度は、0°(水平方向に平行)〜90°(重力方向下方)であり、好ましくは0°〜45°がよく、仕切板21の角度を変更することにより変えられる。図示例では噴霧角度は、0°である。また、噴射ノズル23は、図5に示すように、噴霧室全体に原料油が噴霧されるように側壁にその周方向に所定の間隔をおいて複数配設されるもので、その数は噴霧室22全体に原料油が噴霧されるならば任意に決められる。この噴射ノズル23の段数、すなわち高さ方向に所定の間隔をおいて設ける段数(図示例では2段)は特に限定しないが、好ましくは1〜6段で、より好ましくは1〜3である。
【0015】さて、この混合装置1を用いて原料油(重質油)と高温(450〜700℃)のシリカアルミナ触媒粒子とを混合する場合について述べる。触媒粒子は供給管9から連続的に流動層炉7内の多孔板8上に供給され、そこで流動ガスにより流動化されて触媒粒子の流動層11が形成される。このように流動層11が形成されることにより、一部分に過剰の粒子が供給されても、流動化するうちに少ない部分に粒子が分散して、水平方向の粒子密度が均一化される。流動層11の層高が高くなると、粒子の一部が配管2の上端を越えてその周方向全域からそれぞれの配管2内に溢流する。このように、粒子の水平方向の密度が均一になり、この状態で流動層11の層高が上がると、各配管2にはほぼ等量の粒子がそれぞれ流入するので、複数の配管2にほぼ均一に粒子が分配されることになる。
【0016】配管2に入った粒子は管2内を下方へと落下移動し、そして配管2の下端開口部から混合器4内に至る。混合器4内では、配管2からの粒子がその下方に落下する。この落下は連続的に行われるため、粒子の量にもよるがほぼ円柱状になって落下し、落下した粒子のほとんど全部が分散板5上にぶつかり、径方向外方に分散する。例えば、分散板5が円板や皿の場合には、図4に点線で示すように、分散板5上に例えば20度前後の安息角を持つ山(円錐状)となり、この上に粒子が落下すると粒子がその山の斜面を径方向外方に移動する。また、分散板5として中央部が外周縁部よりも下方に窪んだ円板や皿等を用いると、分散板の中央に溜まった触媒粒子が落下してくる触媒のクッションになり落下の衝撃がやわらかくなるので、エロージョンに対して有利となる。このように、複数の配管2から粒子を落下させ、各配管に対応する分散板5でそれら粒子を径方向外方に分散するので、粒子の分散を良好に行える。
【0017】一方、原料油は流体供給部6から、図1に示す場合には、配管2から落下する粒体群の外周近傍であってその周方向全域から重力方向下方に向けて噴射される。この際、流体供給部6には図4に示すように断熱手段14が備えられているため、噴射される原料油が高温(450〜700℃)の触媒粒子の熱から断熱されるので、原料油はコーキングすることなく噴射される。このように、落下する粒子群の外周を囲繞するように原料油が噴射されることにより、粒子が分散板5にぶつかって径方向外方に分散して重質油と衝突し、この衝突により重質油がさらに微細化して飛び散るので、原料油の分散が良好になる。これにより、粒子と原料油の混合を迅速にほぼ均一に行える。また、粒子と原料油との接触効率も向上し、原料油の気化も十分に行える。さらに、分散板5、13が複数段設けられていると、再び粒子が分散すると共に、この分散した粒子と重質油とが衝突(接触)するので、粒子と重質油との接触効率がさらに良くなると共に、より一層粒子と重質油の混合が良好になる。そして、この混合体が反応管12内を下方に移動する。
【0018】また、流体供給部6が図4に示すように構成されている場合には、噴霧スチームトレイ16からのスチームが噴霧室22内の上方に流入し、その内部を上方から下方に高速に流れると共に、原料油が原料油トレイ17を介して噴射ノズル23から噴霧室22に噴射されてスチームと混合し、これが断熱用の仕切板21に衝突して原料油が噴霧体となる。この噴霧体が断熱・噴霧スチームトレイ18からのスチームと共に配管2からの粒体の外周にその周方向全域に亙って水平方向に平行に噴霧される。すなわち、配管2から落下する触媒粒子群(円柱状粒子)に対して、落下方向と直角に原料油が噴霧される。噴霧された原料油は粒子と衝突して微細化し、落下する粒子群の外周近傍に飛び散り、下方に落下する。そして、粒子が分散板5により径方向外方に分散して、微細化した原料油と衝突し、さらに原料油が微細化して飛び散るので、一層原料油の分散が良好になる。また、粒子と重質油の接触効率も一層向上する。さらに、原料油と共に気体(スチーム)が噴射されると、このスチームが粒子の拡散を促進するため、より一層粒子の分散状態が良好になる。
【0019】したがって、触媒粒子を複数の配管2に均等に分配し、これら配管2から落下する粒子を分散板5により分散させると共に、この分散した粒子と原料油が衝突して原料油が微細化して飛び散るので、粒子と原料油の混合を迅速にほぼ均一に行うことができると共に、効率よく触媒粒子と原料油が接触する。また、触媒粒子を複数の配管2に均等に分配し、各配管2の粒子を分散して粒子と重質油の混合を行い、粒子と原料油の混合が迅速にほぼ均一に行われるので、粒体の割合が大きい場合(粒体重量/液体重量が最大50まで)にも適用することが可能となる。さらに、短接触時間反応をより短時間で行えると共に、反応の均一化も図れるので、例えば接触反応時間を0.1〜1.5秒程度に短くすることが可能となる。これにより、ガソリンを製造する際にはさらに一層好ましくない過分解反応の抑制を図れ、より品質のよいガソリンを製造することが可能となる。これによって、本発明の混合装置は既存の上昇流型高速移動層反応器を持つ、重質油等を原料油としてガソリンを製造している流動接触分解装置の触媒循環量(cat/oil比5〜8)の数倍の触媒循環量のcat/oil比50までを可能とする。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
【0021】(実施例1)混合装置は図4に示す形態のものを用い、透明塩ビで製作した。その主要寸法を表1に示す。
【0022】
【表1】

【0023】粒体には、重質油からガソリンを製造する流動接触分解装置に使用されている触媒を用いた。この触媒の平均粒径は63ミクロン、カサ比重は0.85g/cm3である。また、ノズルから噴射する流体は原料油の代わりに常温の空気を用いた。実験条件は実装置において600℃の触媒に原料油を噴射して混合・気化が完了した瞬間で、反応はまだ起こっていない状況を想定して設定した。この設定に基づく実験条件は触媒供給量が50kg/minから350kg/min、空気供給量は20m3/hから120m3/hまで変化させた。さらに空気は2段目および3段目、4段目の3ヶ所から注入し、それらの割合を種々変化させた。混合状態の観察はビデオ撮影および目視により行った。その結果を以下に示す。
(1)触媒等量供給室(分配器)からの触媒は7本のスタンドパイプ(配管)にほぼ均等に流れることを確認した。
(2)トレイからの空気を供給しないで触媒等量供給室の分散用空気のみで触媒を落下させても2段の分散板の効果により、かなり良好な分散状態が得られた。
(3)トレイからの全空気供給量は多いほど分散状態は良くなる。
(4)全空気供給量一定においては4段目トレイから水平方向に噴射する空気量の割合を増加すると、それに伴い混合状態は良くなる。
【0024】(実施例2)混合装置は図4に示す形態の二次元モデルを用い、透明塩ビで製作した。各部の寸法を実施例1のものと同一であるが厚みは1cmである。触媒供給量および空気供給量は実施例1とのモデルの断面積比から実施例1の1/15とした。混合状態の観察は実施例1と同様にビデオ撮影および目視により行った。その結果を以下に示す。
(1)触媒等量供給室からの触媒は7本のスタンドパイプにほぼ均等に流れることは実施例1と同様であった。但し、触媒等量供給室の流動層の液面からスタンドパイプに流れ込んだ触媒は触媒量が少ない場合にはスタンドパイプの外側に多く流れる傾向を示した。
(2)トレイからの空気を供給しないで触媒等量供給室の分散用空気にみで触媒を落下させた場合には2段の分散板の効果はあるものの分散状態は十分ではなかった。トレイからの空気供給量を増加すると、それに伴い混合状態は非常に良くなる。
(3)全空気供給量一定においては4段目トレイから水平方向に噴出する空気量の割合を増加すると、実施例1と同様に混合状態は良くなる。
(4)スタンドパイプからの触媒は分散板の上に落下するが、落下した触媒は分散板に20度前後の安息角を持つ山型を形成する。本モデルの分散板は浅い皿型であり皿の内部に溜まった触媒はスタンドパイプから落下してくる触媒のクッションになっており衝撃がやわらいでいることが確認された。この現象はエロージョンに対して有利となる。
【0025】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、液体と固体粒子からなる粒体を迅速に均一混合することができる。




 

 


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