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発明の名称 有機液体混合物の分離方法および装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−180046
公開日 平成10年(1998)7月7日
出願番号 特願平9−306515
出願日 平成9年(1997)10月21日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】伴 俊光
発明者 峯岸 進一 / 藤井 能成
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 有機液体混合物から、分離膜を用いて有機液体成分を分離する方法において、分離膜の二次側に掃引ガスを、膜面における線速度が0.5〜10m/秒の範囲になるように循環させ、二次側で有機液体成分をトラップを用いて捕集することを特徴とする、有機液体混合物の分離方法。
【請求項2】 有機液体混合物がパラフィン系炭化水素、オレフィン系炭化水素、ナフテン系炭化水素、芳香族系炭化水素のうち、いずれか2つ以上の炭化水素成分を含んでいる、請求項1の有機液体混合物の分離方法。
【請求項3】 有機液体混合物がナフサ、ガソリン、灯油、軽油のいずれかである、請求項1または2の有機液体混合物の分離方法。
【請求項4】 複数のトラップを掃引ガスの循環回路に並設し、トラップの切換により連続的に運転する、請求項1ないし3のいずれかに記載の有機液体混合物の分離方法。
【請求項5】 二次側の系内圧力が0.1〜5atm の範囲にある、請求項1ないし4のいずれかに記載の有機液体混合物の分離方法。
【請求項6】 分離膜の一次側に有機液体混合物の循環回路、二次側に掃引ガスの循環回路を備え、該掃引ガスの循環回路に、掃引ガスの分離膜の膜面における線速度を0.5〜10m/秒の範囲に制御する手段と、掃引ガス中の有機液体成分を捕集する手段とを有することを特徴とする、有機液体混合物の分離装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、膜蒸留法または浸透気化法によって有機液体混合物を分離またはその組成を変化させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】膜分離技術は、食品工業や医療分野、海水淡水化や超純水生成分野等の水処理分野等をはじめとして様々な分野で利用されているが、これまで特に水系を中心に発達し、工業化されてきた。膜分離技術は、省資源・省エネルギーおよび低環境負荷技術として注目されている分離技術であり、この膜分離技術を非水系分野、例えば石油精製プロセスや石油化学工業分野へ適用することが近年研究され始めている。
【0003】石油精製プロセスや石油化学工業分野における分離は、蒸留法を主体とする既存の分離技術を組み合せて行われているが、省資源・省エネルギーおよび低環境負荷の観点から、より有利な分離技術を開発し適用することが求められている。このような背景から、省資源・省エネルギーおよび低環境負荷技術として注目されている膜分離法を石油精製プロセスや石油化学工業分野の技術として開発し実用化することが求められている。
【0004】分離膜を用いて有機液体混合物を分離するプロセスとして、従来より膜蒸留法や浸透気化法が知られている。これらの方法は、膜の一次側に処理すべき混合液体を供給し、透過しやすい物質を膜の二次側に蒸気として優先的に透過させる方法である。この方法は、従来簡単な方法では分離できなかった液体混合物、例えば共沸混合物や沸点が近接した比揮発度の小さい混合物を分離または濃縮する効果的で省エネルギー的な方法として注目されている。
【0005】この膜蒸留法や浸透気化法では、二次側の膜表面の透過蒸気の圧力を下げることによって透過が促進されると考えられ、現状では、二次側を真空ポンプで減圧にするか、または二次側膜表面に窒素等の不活性ガスや液体を掃引して膜透過を実現している。工業的プロセスとしては、特開昭58−95523号公報等に開示されているように、多くの場合二次側を減圧に保持する方法が検討されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、二次側を減圧にして透過成分を除去する方法では、透過成分の一部が分離装置の系外へ放出される可能性があり、石油精製プロセスや石油化学工業分野では低環境負荷の観点から問題がある。また、工業技術的には通常の真空ポンプで大容量の装置を高真空度に保持することは非常に困難であり、またエネルギー的にも極めて不利である。
【0007】そこで本発明の課題は、上記のような従来技術の欠点を改善するために、環境的にも、エネルギー的にも有利に有機液体を分離することができる方法および装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明の有機液体混合物の分離方法は、有機液体混合物から、分離膜を用いて有機液体成分を分離する方法において、分離膜の二次側に掃引ガスを、膜面における線速度が0.5〜10m/秒の範囲になるように循環させ、二次側で有機液体成分をコールドトラップを用いて捕集することを特徴とする方法からなる。
【0009】また、本発明に係る有機液体混合物の分離装置は、分離膜の一次側に有機液体混合物の循環回路、二次側に掃引ガスの循環回路を備え、該掃引ガスの循環回路に、掃引ガスの分離膜の膜面における線速度を0.5〜10m/秒の範囲に制御する手段と、掃引ガス中の有機液体成分を捕集する手段とを有することを特徴とするものからなる。
【0010】このような方法および装置においては、循環される掃引ガスの膜面における線速度が最適な範囲内の速度とされ、分離された有機液体成分が掃引ガスの循環回路からコールドトラップを用いて回路系外に排出される。したがって、分離膜の二次側をそれ程高い真空度にすることなく、かつ、分離された成分が不必要に分離装置の系外に放出されることなく、効率のよい分離が可能となる。その結果、石油精製プロセスや石油化学工業分野に工業的に適用することが可能となり、環境的にも有利な方法および装置を提供できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の望ましい実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施態様に係る有機液体混合物の分離装置の概略構成を示している。図中、4は分離膜4aを内蔵した分離膜モジュールを示しており、その一次側に有機液体混合物の循環回路が設けられている。該循環回路中、1は有機液体混合物の供給液槽、2はその循環ポンプ、3は加温装置を示している。分離膜4aの二次側には掃引ガスの循環回路が設けられ、該循環回路中、5はトラップ手段としてのコールドトラップ、6は掃引ガス槽、7と8は圧力調節弁、9は掃引ガス循環用ポンプを示している。コールドラップ5は複数(図示例では2つ)設けられており、切換弁12によって切換使用可能となっている。
【0012】このような構成を有する装置を用いて、有機液体混合物からの有機液体成分の分離は次のように行われる。有機液体混合物を供給液槽1に貯え、循環ポンプ2により加温装置3で供給液の温度を所定の温度に調節した後、分離膜モジュール4に供給し、リターン回路11から元の供給液槽1に戻し、有機液体混合物を循環させる。
【0013】分離膜モジュール4(分離膜4a)の二次側では、掃引ガスを膜面における線速度が0.5〜10m/秒、好ましくは1〜5m/秒となるように制御し供給回路10を介して供給し、透過蒸気をコールドトラップ5に導く。コールドトラップ5で透過蒸気を凝縮させて捕集した後、掃引ガス槽6に導くが、もし、掃引ガスの循環系内に不純物が蓄積されれば圧力調節弁8によって系外に排出される。また、掃引ガスの補充は圧力調節弁7で行われる。
【0014】掃引ガス循用ポンプ9は、掃引ガスの膜面における線速度を0.5〜10m/秒の速度で送気できさえすれば、どのようなタイプのポンプでもかまわないが、掃引ガスの循環流量と変動範囲、吸い込み側および吐き出し側の温度、圧力条件、設置場所や騒音規制等を考慮して決めるべきである。膜面における掃引ガスの線速度が速いほど濃度分極の影響を低減でき、分離性能が高くなると考えられるが、一方、配管の圧力損失が大きくなり、大容量のポンプが必要となることや高い能力のコールドトラップが要求されるなど不利な点も出てくる。これらを種々検討した結果、掃引ガスの膜面線速度は0.5〜10m/秒の速度が好ましいことがわかった。また、ポンプの位置は、分離膜モジュールの上流側、下流側いずれに設置してもかまわないが、分離膜モジュールの二次側が減圧されるように設置する方法が分離性能を向上させるため好ましい。
【0015】上記掃引ガスの膜面における線速度は、掃引ガス槽6内の圧力を、圧力調節弁7、8によって制御することで達成できる。この二次側の圧力は、上述の膜面線速度と併せて検討した結果、0.1〜5atm 、さらに好ましくは0.6〜1.2atm が良いことがわかった。掃引ガスの膜面における線速度は、掃引ガスの流量を掃引ガスが流れる流路の断面積で除して求められる。
【0016】また、掃引ガスとしては、特に限定されるものではないが、有機液体成分や膜成分とは顕著な反応性を有しないことが好ましく、不活性ガスが好適である。不活性ガスとしては乾燥窒素ガス、乾燥空気、乾燥アルゴンガス等を用いることができるが、安全性と経済性の観点から乾燥窒素ガスが好ましい。
【0017】本発明において、とくに対象となる有機液体混合物は、たとえば、パラフィン系炭化水素、オレフィン系炭化水素、ナフテン系炭化水素、芳香族系炭化水素のうち、いずれか2つ以上の炭化水素成分を含むものである。また、硫黄化合物、窒素化合物、酸素化合物、金属化合物などの非炭化水素成分を含んでいても差し支えない。このような有機液体混合物の例として、ナフサ、ガソリン、灯油、軽油などの石油留分が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0018】ここで、パラフィン系炭化水素とは、Cn 2n+2の分子式の飽和鎖状化合物で、分枝のないn-パラフィンと枝分かれしたイソパラフィンとがあり、具体的には、例えば、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、n-オクタン、n-ノナン、n-デカン、n-ウンデカン、n-ドデカン、2-メチルブタン、2,2-ジメチルプロパンなどが挙げられる。オレフィン系炭化水素とは、二重結合を有する炭化水素で、二重結合1個の場合はCn 2nの一般式で示される鎖状炭化水素であり、具体的には、例えば、1-ペンテン、 1- ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、 1- ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセンなどが挙げられる。ナフテン系炭化水素とは、1分子中に少なくとも1個の飽和環を含む炭化水素で、炭素数5個のシクロペンタンと、炭素数6個のシクロヘキサンが最も基本となる環状化合物であり、一般式はCn 2nである。芳香族系炭化水素とは、1分子中に少なくとも1個の芳香族環を含む炭化水素のことで、具体的には、例えば、ベンゼンやベンゼンに側鎖のついたトルエン、キシレンなどの単環化合物である。
【0019】有機液体混合物の温度は、分離膜モジュール4の前に置く加温装置3で所定の温度に調節することができ、分離膜4aの透過速度、掃引ガスの膜面線速度、コールドトラップ5の能力、膜の耐熱性等を考慮して、分離性能が高くなるように設定する。
【0020】分離膜モジュール4は、膜蒸留法用あるいは浸透気化法用であれば、何ら制約されるものではない。すなわち、分離膜の形態は平膜、管状膜、中空糸膜等のいずれの形状のものでもよく、さらに分離膜モジュールの形態も平板型、スパイラル型、プリーツ型、管状型、中空糸型等いずれの形態でも本発明に用いることができる。
【0021】分離膜の素材についても、有機液体混合物に対して耐久性のある有機高分子であれば特に限定されない。このような高分子素材としては、たとえば、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリフェニレンスルフォン、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド等を用いることができる。
【0022】コールドトラップ5は、装置の規模が小さい場合には、ドライアイス寒剤または液体窒素で冷却することもできるが、工業レベルにおいては冷却温度を任意に設定できる冷却器を用いることが好ましい。特に限定されるものではないが、冷却温度は(透過成分の融点+5℃)より低いことが好ましい。また、図示の如く、複数のコールドトラップ5を切換式にして連続的に運転できることが好ましい。あるいは、複数のコールドトラップ5を直列、多段に接続し、各段の冷却温度を徐々に下げていく方式も経済的であり採用できる。また、捕集された分離液体が連続的に取り出されるような配管がなされていてもよいし、コンセントレータのような方式を採用してもよい。
【0023】
【実施例】以下に、より具体的な実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
【0024】実施例1架橋シリコーンを含浸したポリアクリロニトリル中空糸膜を約20cmの長さに切り、20本を束ねてガラス製のミニモジュールに挿入し、有効膜面積 3.8×10-3m2の膜蒸留用モジュールを作製した。このモジュールを使って、ベンゼンとn−ヘプタンを10:90のモル比で混合した有機液体混合物の分離実験を行なった。有機液体混合物はガラス製供給液槽1から液体クロマトグラフ用ポンプ2で分離膜モジュール4に供給され、中空糸膜の内側に膜面線速度0.2m/秒の速さで流した。有機液体混合物は供給液槽の恒温装置と加温装置3で約55℃に温調した。そして、リターン回路11から供給液槽に戻し、循環させた。中空糸膜の外側には乾燥窒素ガスを往復式圧縮機9で送気し、膜面線速度を1m/秒とした。膜を透過した蒸気を含む窒素ガスは、液体窒素のコールドトラップ5で透過蒸気を凝縮回収した後、掃引ガス槽6を経て、再び分離膜モジュール4に戻した。この透過液成分の濃度をガスクロマトグラフィーで測定したところ、ベンゼンのモル濃度が24mol%であった。分離係数は2.8で、膜透過速度は3.3kg/(m2・hr)であった。
【0025】比較例1実施例1において透過蒸気を凝縮回収した後の乾燥窒素ガスを分離膜モジュール4に戻さないで分離実験を行うこと以外全く同様な実験を行った。分離係数は2.4、膜透過速度は2.1kg/(m2・hr)であった。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の有機液体混合物の分離方法および装置によれば、透過成分を系外へ放出することなく回収できるため、特に石油精製プロセスや石油化学工業分野では低環境負荷の観点から有利になる。また、膜透過量も多くなり、エネルギー的にも極めて有利な方法で有機液体混合物を工業的に効率よく分離できる。




 

 


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