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発明の名称 被覆型部材
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−323724
公開日 平成10年(1998)12月8日
出願番号 特願平9−154407
出願日 平成9年(1997)5月28日
代理人
発明者 植田 広志
要約 目的
すぐれた耐摩耗性と耐欠損性を有し、摩耗形態も平滑で肌荒れが起こりにくく、長期にわたって高精度を維持する被覆型部材を提供することを目的とする。

構成
被覆型部材において、その硬質被覆層は金属元素として少なくともTiを含む炭窒化物層を一層以上有し、前記炭窒化物層の断面組織が柱状晶を示すことを特徴とする被覆型部材。また、前記柱状晶の粒径を柱状晶の上部と下部で粒径の比を1〜1.3と差を少なくすることにより構成する。
特許請求の範囲
【請求項1】 硬質被覆層を被覆した被覆型部材において、前記硬質被覆層は金属元素として少なくともTiを含む炭窒化物層を一層以上有し、前記炭窒化物層の断面組織が柱状晶を示すたすことを特徴とする被覆型部材。
【請求項2】 請求項1記載の被覆型部材において、前記炭窒化物層の上端から内部に向かって前記炭窒化物層の厚さの1/5の距離の位置における柱状結晶粒の水平方向の平均粒径d1と、前記炭窒化物層の下端から内部に向かって前記炭窒化物層の厚さの2/5の距離の位置における柱状結晶粒の水平方向の平均粒径d2の比、d1/d2が1≦d1/d2≦1.3を満たすことを特徴とする被覆型部材。
【請求項3】 請求項1乃至2に記載の被覆型部材において、前記炭窒化物層の塩素含有量が0.01〜0.7wt%であることを特徴とする被覆型部材。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、型材、特に打ち抜き用のパンチに適した型材に関し、特に型材に被覆して被打ち抜き材との化学的反応を減少させた被覆型部材に関する。
【0002】
【従来の技術】リードフレームにICをマウントする工程には従来より各種の超硬合金製パンチ、ダイが使用されている。特にリードフレームの打ち抜き加工用のパンチやダイ、およびタイバーカットパンチ、ダイには超硬合金を使用するのが一般的である。近年、ICチップの多ピン化に伴いリードフレームのパターンはファイン化し、その材料も薄くかつ硬いものへと変化してきている。これに対応して打ち抜き用のパンチ、ダイの材料も薄く、折損せず、かつ耐摩耗性に優れたものが求められている。WC基超硬合金にCBN等を被覆した型部材として特開平7−272983号公報に記載のものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の技術には次のような課題がある。即ち、被覆処理を高周波プラズマ化学蒸着法(以下、PCVD法と略称する。)、マイクロ波CVD法(以下、MCVD法と略称する。)等で行った場合、基体のエッジ部、コーナー部に熱が集中し均一な膜厚を実現しにくい。また、各種PVDで行った場合には被膜の堆積に方向性があるため目的の面への被覆が困難な場合が多い。このことは上述の年々進むパターンのファイン化への対応を困難なものにし、パンチ、ダイスの製作上の課題となっている。さらに、被覆層の膜質に関してCBNは耐摩耗性に優れるものの剥離しやすい、量産が困難である、などの課題を有している。本願発明はこれらの課題を解決した上で、さらに十分な耐摩耗性を有する型部材を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本願発明者らは最適な被覆方法及び膜質について検討した結果以下の構成を有する被覆型部材とすることにより解決した。第1に、膜質に関して検討した結果、金属元素として少なくともTiを含み、その炭窒化物層を一層以上含む被覆層とすることにより十分な硬さと低い摩擦係数とし、また、その前記炭窒化物層を、前記炭窒化物層の上端から内部に向かって前記炭窒化物層の厚さの1/5の距離の位置における柱状結晶粒の水平方向の平均粒径d1と、前記炭窒化物層の下端から内部に向かって前記炭窒化物層の厚さの2/5の距離の位置における柱状結晶粒の水平方向の平均粒径d2の比、d1/d2が1≦d1/d2≦1.3とすることにより、パンチに作用する軸方向の負荷に対して脱落・チッピング・欠損等を生じにくい被覆層とする。
【0005】さらに、前記炭窒化物層の前記炭窒化物層を比較的低温の化学蒸着法(以下、CVD法と略称する。)700〜950℃の温度で形成するため、前記炭窒化物層の塩素含有量を0.01〜0.7wt%とやや多い残留であるが、通常のCVDコーティング皮膜には原料物質から混入する塩素はほとんど含まれないが、結晶粒子の粗大化を抑制するようコーティング条件を変更すると、皮膜中の塩素が増加する傾向がみられる。通常の使用上、特に問題にならない量とした。
【0006】
【作用】上記構成をとることにより、まず金属元素として少なくともTiを含む炭窒化物層を一層以上含む被覆層とした理由は、このような被覆層が型部材として十分な硬さと靱性を持っているからである。被覆層の断面組織が柱状晶を示す層を一層以上設けるとした理由は、柱状晶は粒子の脱落を起こしにくく、均一に摩耗するので、パンチ、ダイスとして使用したときに表面の肌荒れを起こしにくく、また長時間にわたり高精度を維持できるからである。また、被覆層の成膜速度が速いためあらかじめ厚く被覆しておき被覆後に研磨加工等によって仕上げる工程をとる場合にも能率がよい。
【0007】前記炭窒化物層の粒径d1とd2の比を1≦d1/d2≦1.3としたのは、前記炭窒化物層の垂直方向に長い粒子では、使用中の負荷が1つの粒子に粒界を介さずに伝わるため、軸方向の力に非常に強いものとなる。また、摩耗に関しては、方向性の無い粒子では粒子が、粒界より脱落することにより摩耗が進行するが、軸方向に長い粒子では、脱落することがなく、耐摩耗性に対して優れている。これらが柱状晶の前記炭窒化物層を採用する大きな理由であるが、本発明では特に柱状晶粒子のテーパー形状に留意し、柱状晶の上部と下部で粒径に差が少なくd1/d2が1に近いものとした。このようにすることで断続切削において、皮膜に発生するクラックは垂直方向に入り、基体表面と平行なクラックは従来のものと比べて非常に入りにくい。基体表面と平行なクラックは、皮膜の破壊、剥離につながり、これは即ち工具寿命を大幅に縮める。
【0008】また、この時の前記炭窒化物層の粒径としてはd1が1.5μm以下の場合に、特に耐摩耗性に優れている。d1が1.5μmより大では1つの粒子が大きくなりすぎ、切削時の力を多くの粒界で分散して受け止めることが出来ず、皮膜が破壊しやすくなる。d1を1.5μm以下とすれば皮膜が破壊しにくくなる上に、たとえ破壊が起こっても微細な結晶粒故に大規模な結晶粒の脱落が起こりにくくなるため、摩耗の進行が不安定になりにくい利点がある。より好ましくはd1を1.2μm以下とする。しかし、d1が小さすぎる場合は柱状晶の効果が現れにくくなるのでd1は0.2μm以上が必要である。より好ましくはd1を0.5μm以上とする。尚、平均粒径d1及びd2の評価は、電子顕微鏡により撮影された皮膜の破面の一定視野の写真の中にみられる粒子の数を数えることによって行われる。d1は前記炭窒化物層の上端の界面から前記炭窒化物層膜厚の1/5の距離の位置において測定する。例えば、この位置に引いた基体表面と水平な10μmの線分上に20本の粒子がある場合、水平方向の平均粒径は0.5μmとなる。同様に、d2は前記炭窒化物層の下端の界面から前記炭窒化物層膜厚の2/5の距離の位置において測定する。
【0009】次にCVD法は複雑な形状の部材に対してもガス成分を対流させて行うため膜厚のばらつきが少ない均一な膜が得られるので、型部材等の被覆方法として最適である。また、部材内での温度むらも極めて小であることから、膜厚のばらつき、粒度等のムラが少ない均一な膜が得られる。特にCVD法に中でも、金属元素として少なくともTiを含む炭窒化物層はシアン基を有する化合物などを原料ガスとして用いることにより比較的低温(700〜950℃の温度)で形成・被覆できるので、部材の寸法の狂いも少ない。また、被覆層の成膜速度が速いため、部材が加熱される時間が短くて済み、精度の維持に有利である。
【0010】通常のCVDコーティング皮膜には原料物質から混入する塩素はほとんど含まれないが、結晶粒子の粗大化を抑制するようコーティング条件を変更すると、皮膜中の塩素が増加する傾向がみられる。塩素が過度に含まれると皮膜の耐摩耗性が劣化するが、0.7wt%以下であるならば通常の使用上、特に問題にならない。特に耐摩耗性を重視し長寿命を狙う場合には0.1wt%以下とすることが望ましい。以下に実施例によって具体的に説明する。
【0011】
【実施例】まず、市販のWC、Co、Crなどの原料より、通常の粉末冶金法で超硬合金部材JIS V4相当を作成し、これを所定の形状に加工した。次に、表1に示した被覆層を設けリードフレーム打ち抜きパンチを得た。表1には、その被覆方法、結晶形状をまとめて記載した。尚、柱状晶の粒径は前記記載の方法で測定し結果、本発明例5の膜厚10μmでは、粒径比d1/d2=1.2であり、本発明例1〜4のそれよりも薄い膜厚では1.1前後であった。
【0012】
【表1】

【0013】尚、本発明例5には被覆後、仕上げ研磨加工を施した。比較のため、比較例7は被覆なしのものを、比較例8は前記炭窒化物層を有しないものをそれぞれ用意した。比較例8は蒸着温度が高いため被覆後の寸法の狂いが他よりも大きく、良品は3個中1個であった。これらを用いてリードフレーム材の打ち抜き試験を行った。50000ショット終了後の各試料の状態と加工可能数を表2に示す。
【0014】
【表2】

【0015】本発明例はすぐれた耐摩耗性を示し120,000から250,000ショットが可能であった。本発明例はいずれにおいても柱状晶としているので粒子脱落は認められず、正常な摩耗形態を示した。本発明例1〜3は、Ti又はTiの一部を他の元素に置き換えたので、添加する元素の特徴により耐溶着性が改善されたので寿命がやや延びている。また、膜厚を厚くし、仕上げ研磨加工した本発明例5は加工可能数が延びるとともに、表面肌荒れが特に小で平滑な摩耗面を呈した。更に、本発明例6においては最外層として低摩擦係数の被覆層を設けたため、表面肌荒れが特に小で平滑な摩耗面を呈した。それに対して、比較例の加工可能数は50,000から70,000ショットであった。比較例7は被覆なしであるので摩耗が早いのは当然であるが超硬合金の硬質相脱落による表面肌荒れが見受けられた。比較例8は被覆してあるもののTiCN層が粒状結晶のため、やはり粒子脱落による表面肌荒れ、摩耗が観察された。
【0016】
【発明の効果】本願発明品はすぐれた耐摩耗性と耐欠損性を有し、摩耗形態も平滑で肌荒れが起こりにくく、長期にわたって高精度を維持する型部材である。また、その製造方法は、型部材の精度を維持しつつ高速で被覆層を形成するものである。




 

 


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