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テーパ溝加工用エンドミル - 日立ツール株式会社
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発明の名称 テーパ溝加工用エンドミル
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−225813
公開日 平成10年(1998)8月25日
出願番号 特願平9−67535
出願日 平成9年(1997)2月10日
代理人
発明者 井本 武志
要約 目的
テ−パ溝加工用エンドミルにおいて、深い溝であっても切削性を阻害することなく利用が可能な優れたテ−パ溝加工用エンドミルを提供することを目的とする。

構成
テ−パ溝加工用エンドミルにおいて、外周切れ刃の任意の位置の軸断面における心厚が該位置における外周切れ刃の直径の80%以上であって、前記切削刃部とシャンクとの間に、切削刃部と略同等のテーパ角で、かつ切削刃部との連接部分においては切削刃部の直径の90%〜98%の値となる円錐体の一部からなる首部を設けることにより構成する。
特許請求の範囲
【請求項1】 複数のねじれた外周切れ刃を先細のテ−パ状にし、その先端に底刃を連設した切削刃部と、前記切削刃部の他端にシャンクとを備えたテ−パ溝加工用エンドミルにおいて、外周切れ刃の任意の位置の軸断面における心厚が、該位置における外周切れ刃の直径の80%以上であって、前記切削刃部とシャンクとの間に、切削刃部と略同等のテーパ角で、かつ切削刃部との連接部分においては切削刃部の直径の90%〜98%の値となる、円錐体の一部からなる首部を設けたことを特徴とするテ−パ溝加工用エンドミル。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂製品、アルミニウムダイキャスト製品等のリブ溝やキャビティ部のテ−パ状断面の溝を成形する金型加工用のエンドミルに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に樹脂金型、ダイキャスト金型のリブ成形部分であるテ−パ状断面溝等を切削加工する場合、テーパエンドミルが用いられる。しかし通常形状のテーパエンドミルは小径でかつ刃長の長いことを必要とするテーパ溝加工においては、切れ刃の剛性ないし強度が十分でなく、満足できない場合が多かった。これを改良したものに例えば実開平2−3317号に示されているテ−パ溝加工用エンドミル(以下、従来品という)があり、これは図1に示すように多角形の断面をもち、多角形の各頂点が軸線方向に作る稜が先細のテ−パ角をもつ本体と、その先端に底刃と外周刃とを連設したテーパエンドミルであって、テ−パ溝を加工する位置にわずかに切り込んで切削送りをかけ、これを繰返しながら切り込みを深くして溝を彫り込んでいくものである。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら従来品においては、切削する溝の深さが深くなるほど溝幅拡張の役割を担う本体のテーパ部分が長い範囲にわたって被加工物と接触し、抵抗が増して損傷を生じる。また、本体の切削性は期待できないため、溝幅方向の追い込み切削ができないという問題があった。本発明の目的は、上述の問題を解決するためになされたものであり、従来のテーパエンドミルを改良して本体とシャンクとの間に首部を設け、かつその形状を工夫することにより、従来品以上に深い溝であっても切削性を阻害することなく、利用が可能な優れたテ−パ溝加工用エンドミルを提供するものである。
【0004】
【問題点を解決するための手段】上述の目的に沿うこの発明は前述問題点を解決するために、複数のねじれた外周切れ刃を先細のテ−パ状にし、その先端に底刃を連設した切削刃部と、該切削刃部の他端にシャンクとを備えたテ−パ溝加工用エンドミルにおいて、外周切れ刃の任意の位置の軸断面における心厚が、該位置における外周切れ刃の直径の80%以上であって、前記切削刃部とシャンクとの間に、切削刃部と略同等のテーパ角で、かつ切削刃部との連接部分においては切削刃部の直径の90%〜98%の値となる、円錐体の一部からなる首部を設けたものである。
【0005】
【作用】本発明においては、外周切れ刃の任意の位置の軸断面における心厚が、該位置における外周切れ刃の直径の80%以上としたから、切れ刃強度が確保でき、切削性のよいねじれ刃の効果と相俟って溝の彫り込み、溝幅の拡幅に適する。さらに切削刃部とシャンクとの間に、切削刃部と略同等のテーパ角で、かつ切削刃部との連接部分においては切削刃部の直径の90%〜98%の値となる、円錐体の一部からなる首部を設けたから、深く切り込んでも切削刃部本体の稜の長さ以上は被加工物と接触しないため、抵抗が過大になることがなく、首部に相当する長さを深く切削することができる。また、首部の直径は切削刃部の直径よりわずかに細いが、断面が円形であれば断面積は刃溝をもつ場合より大きくなることがあり、顕著な強度の低下はない。したがって、刃溝の最深部が円錐体の一部からなる首部に残ることがあっても本発明を構成する。さらに首部は切削刃部と略同等のテーパ角であるから、切削中に曲げ応力がもっとも大きくなる首部のシャンク側端では首部直径が最大になり、強度を維持することができる。
【0006】本発明品を用いて深いテーパ溝を加工する場合は、まず従来品を用いて先端径の8〜10倍位を彫り込み、そののち本発明品を用いて深さ方向に次ぎ足し切削を行なう。従って、先きの従来品による溝加工は、その溝幅を本発明品による削り代を見込んで決めておく。継ぎ目部分の段差が目立たなくなったら切削を終えるが、実際には数値設定をしておくのがよい。万一段差を生じた場合は溝幅方向に追い込み切削を行なえば容易に修正することができる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図2〜3は本発明の一実施例である4刃の外周切れ刃をもつテーパエンドミルである。切削刃部3は先端に向かって徐々に細くなるように形成されている。心厚は該当位置の直径の83%を目標とした。底刃2は外周切れ刃1に連なって親刃と子刃が対称に設けられている。切削刃部3の大端径側には切削刃部3と同じテーパ角の円錐体の一部からなる首部5がある。その延長にはシャンク4があって、図示しない回転切削機械主軸の先端にチャックを介して着脱自在に取り付けられて軸心まわりに矢印で示す方向に回転させられる。ここで先端の切削刃部3の小端径は2mm、本体基端までの長さは35mm、シャンクを含めた全長は70mmである。外周切れ刃1のねじれ角は右方向に20°、同、軸方向長さは15mmであって、首部5の長さは20mmである。また首部5は外周切れ刃1と同じ片角1°で円形断面を有し、切削刃部3との連接部において直径で0.2mmの段差を設けている。従って連接部における断面積は、切削刃部3よりも首部5の方が凡そ2.5%大きくなる。
【0008】これを用いて深さ32mmのリブ溝を加工した。まず先端径2.5mmのエンドミルを用いて深さ18mmのテ−パ溝を切削し、次いで本発明品に交換して切削を継続した。このときテーパ角は片角1°であるから、先きの切削で上端の幅を2.5mmにして、これに繋げれば32mm深さが得られるのである。なお、溝深さを変えずに段差修正をするときは、溝幅方向に追い込み切削をすればよい。 このようにして従来不可能とされた深溝であっても、切削による成形が可能となったのである。なお図4〜5は、刃溝の最深部が円錐体の一部からなる首部に残った場合を示す。
【0009】
【発明の効果】本発明によれば、本体とシャンクとの間に首部を設け、かつその形状を工夫することにより、極めて深い溝であっても切削性を阻害することなく、従来品と組み合わせて利用が可能な優れたテ−パ溝加工用エンドミルを得ることができたのである。




 

 


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