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発明の名称 ボ−ルエンドミル
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−80815
公開日 平成10年(1998)3月31日
出願番号 特願平8−255486
出願日 平成8年(1996)9月5日
代理人
発明者 吉年 成恭
要約 目的
金型などの3次元曲面加工に用いる高硬度材切削に適するボ−ルエンドミルを提供する。

構成
ボ−ル刃の円弧中心から放射方向の断面におけるすくい角が、外周切れ刃近傍においては負の値に、ノ−ズ近傍においては0または正の値とすることにより構成する。
特許請求の範囲
【請求項1】 ねじれを有する複数の外周切れ刃と、これに連接する略1/4円の円弧状のボ−ル刃とからなるソリッドのボ−ルエンドミルにおいて、該ボ−ル刃の円弧中心から放射方向の断面におけるすくい角が、外周切れ刃近傍においては負の値に、ノ−ズ近傍においては0または正の値にしたことを特徴とするボ−ルエンドミル。
【請求項2】 請求項1記載のボ−ルエンドミルにおいて、該ボ−ル刃の円弧中心から放射方向の断面におけるすくい角が、工具端面視において外周切れ刃と工具軸心とを結ぶ線分に対して回転方向前方に最も突出した位置を基準として、これより外周切れ刃に近い部分においては−2°〜−20°とし、工具軸心に近い部分においては0°〜+10°である部分をもつようにしたことを特徴とするボ−ルエンドミル。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として工作機械で用いるボ−ルエンドミルに関する。
【0002】
【従来の技術】金型などの3次元曲面加工に用いるボ−ルエンドミルにおいて、近年、予め焼入れした高硬度金型材を直接ボ−ルエンドミル切削するニ−ズが増している。この要求を満たすために超硬合金を素材としたボ−ルエンドミルが普及し、高硬度材切削と同時に高速切削化にも効果を顕している。図1に示す従来のボ−ルエンドミルは、ボ−ル刃部のすくい角を切れ味を良くする目的で正の値にしたものである。(以下、従来例1と略称する。)これを改良したものとして図2に示すボ−ル刃部のすくい角を負の値にしたものがある。例えば、特開平6−218612号に示されたボ−ルエンドミルは、ボ−ル刃中心部のすくい角を−20°〜−40°に、外周部のすくい角を−15°〜−35°とし、それぞれ特定の逃げ角と組み合わせてものである。(以下、従来例2と略称する。)
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】しかし、すくい角を負の値にすることは、切れ味の鈍化により切削時の切れ刃にかかる抵抗が増え、切削点における切削熱の発生が過大となり、切れ刃の熱摩耗を惹起して工具寿命を短くする。ボ−ルエンドミルは回転中心近傍にも切れ刃をもっているが、この部分は工具回転数に関係なく切削速度が0に近づくため、送り速度による擦り現象のみが強調され局部摩耗が大きくなり切削性を阻害する原因となっている。従って、ボ−ル刃のすくい角を負の値にすることは、この部分において切削性の阻害要因が重畳されることになり、高硬度材の切削において効果は期待できないという問題があった。
【0004】
【本発明の目的】本発明は、以上の問題を解消するためになされたものであり、特に金型の3次元曲面加工のように、予め焼入れした高硬度材を切削してなおチッピングが少なく、長寿命を得るボ−ルエンドミルを提供するものである。
【0005】
【問題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達成するために、ねじれを有する複数の外周切れ刃と、これに連接する略1/4円の円弧状のボ−ル刃とからなるソリッドのボ−ルエンドミルにおいて、該ボ−ル刃の円弧中心から放射方向の断面におけるすくい角が、外周切れ刃近傍においては負の値に、ノ−ズ近傍においては0または正の値にしたことを特徴とするボ−ルエンドミル。該ボ−ル刃の円弧中心から放射方向の断面におけるすくい角が、工具端面視において外周切れ刃と工具軸心とを結ぶ線分に対して回転方向前方に最も突出した位置を基準として、これより外周切れ刃に近い部分においては−2°〜−20°とし、工具軸心に近い部分においては0°〜+10°である部分をもつように構成したものである。
【0006】
【作用】3次元曲面を切削するボ−ルエンドミルは、切削送り方向が一定でないためどの方向に対しても切削性が保障されていなければならない。水平方向に切削する場合は、切れ刃先端の回転中心部分すなわちノ−ズ部分の切削が主となり、ノ−ズに擦り摩耗が生じやすく摩擦による発熱を伴う。また急傾斜面の場合はボ−ル刃の外周部分が切削し、この部分は切削速度が大きいから、十分な切れ刃強度を保持していないとチッピングや熱損傷が激しく、性能を損なう。これらは切れ刃の切削性とともに切り屑排出性にも係わる現象である。ボ−ル刃部において切り屑が生成される方向は、ほぼボ−ル刃から放射線上を円弧中心に向かう方向となる。ノ−ズ付近のすくい角が負の値であると大きな切削抵抗を受けるとともに、ノ−ズ付近は切れ刃強度を保持する必要から刃溝深さが浅いため切り屑が急激に曲げられることになり、むだな力や熱の発生をもたらす。一方、外周切れ刃に近い部分においては、ねじれ刃の効果が作用し、すくい角が負の値であっても切り屑は工具軸側に方向を変えて排出される。従って、むだな力や熱の負担が少なく、むしろ刃先強度が大きくなる負の値の方が長寿命化に役立つ。
【0007】ここで、切り屑の流れは外周切れ刃の刃溝深さまたはエンドミルの心厚の影響を受ける。ねじれ刃のボ−ルエンドミルのボ−ル刃は、端面視において外周切れ刃と工具軸心とを結ぶ線分に対して必ず回転方向前方に突出する。最も突出する部分は通常外周切れ刃の刃溝深さが最も深くなる部分に近く、すなわちこの部分から外周側はボ−ル刃が工具軸方向に開放されているため切り屑排除には都合がよい。一方これより軸心側は前出のように切れ刃強度を保持する必要から刃溝深さが浅くなり、刃溝を確保するにはすくい角は大きくすることが望ましい。これらを考慮して、回転方向前方に最も突出した位置を基準として、これより外周切れ刃に近い部分においては負の値、好ましくは−2°〜−20°として切れ刃強度を強化し、工具軸心に近い部分においては負とならない値、好ましくは0°〜+10°である部分をもつようにして切り屑排除に便宜を与え、切削性を高めるのである。
【0008】ここで、すくい角は切削性と切れ刃強度を勘案して決められるものであって、外周切れ刃に近い部分においてはねじれ角とのバランスから−20°までの範囲で選べばよく、工具軸心に近い部分においては、とく軸心近くでは刃溝深さが浅くすくい角は0に近づかざるを得ないから、+10°が限度として変化させればよい。なお、ノ−ズ部分のすくい角が負の値であると、エンドミルを軸方向に突き上げる力が働くため、軸方向の振動が励起され切削した仕上面が劣化する。本発明は、この振動も軽減され高速切削に適する特性を有するのである。
【0009】
【実施例】図3、図4は本発明の一実施例であり、本発明例1として超微粒子超硬合金製の直径10mm、刃長15mm、全長100mm、刃数2枚刃、ねじれ角30°のボ−ルエンドミルにおいて、工具軸心に近い部分のすくい角を0°、外周切れ刃に近い部分のすくい角を−15°にしたものである。更に、本発明例2として、工具軸心に近い部分のすくい角を最大+3°、外周切れ刃に近い部分のすくい角を−10°にしたものを製作した。また、図5はすくい角の変化を示したもので、本発明例1は上記構成をとることにより実線aのように変化し、同様に、本発明例2は破線b、また、図1に示した従来例1は細線d、e、図2に示した従来例2は細線cの位置にある。上記の工具をマシニングセンタを用いて3次元切削に供した。被削材には硬さ42HRCに調質したSKD61材を選び、回転数6000rpm、送り速度2000mm/min、切り込み0.3mmで、凹曲面を走査倣い切削を行なった。高硬度被削材の曲面切削にもかかわらず、本発明例1〜3のボ−ル刃の切れ刃摩耗はチッピングや刃欠けなどの異常損傷がなく、正常な摩耗形態であった。比較に供した従来例1のボ−ルエンドミルは、特に外周切れ刃に近い部分においてチッピングを生じ、早期に工具寿命に至った。また、従来例2のものはチッピングは認められないものの、工具軸心に近い部分においてすくい角が負であることによる切削性低下の影響を受け、切削面はこすり摩耗に起因する激しいむしれ状を呈した。
【0010】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、特に金型などの3次元曲面加工に用いる高硬度材用のボ−ルエンドミルにおいて改善がなされた結果、ノ−ズ付近のむだな力や熱の発生による工具摩耗を軽減し、外周切れ刃付近では切り屑排出性がよく、切れ刃強度が高くてチッピングが少なく、工具寿命が長いという優れた効果を顕すボ−ルエンドミルが得られたのである。




 

 


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