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発明の名称 表面被覆超硬工具
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−15711
公開日 平成10年(1998)1月20日
出願番号 特願平8−195554
出願日 平成8年(1996)7月5日
代理人
発明者 植田 広志 / 井上 洋明
要約 目的
本願発明はTiCN膜の縦長成長結晶組織、結晶粒径に着目し、層間剥離やチッピングが少なく耐摩耗性に優れた表面被覆超硬工具を提供することを目的とする。

構成
基体と接する第1層がTiの炭窒化物、窒化物の何れか1種以上からなり、第2層はTiCN層からなり、第3層以降は硬質皮膜からなる多層で構成され、その全膜厚が9〜23μmからなる表面被覆超硬工具であって、前記第2層のTiCN層が、膜厚を全膜厚に対して60%以上で、第2層の粒子の水平方向の平均粒径が0.3〜1.2μmであり、垂直方向の平均粒径が水平方向の平均粒径の2.5倍以上とすることにより構成する。
特許請求の範囲
【請求項1】 基体と接する第1層がTiの炭窒化物、窒化物の何れか1種以上からなり、第2層はTiCNからなり、第3層以降は硬質皮膜からなる多層で構成され、かつ、その全膜厚が8〜23μmからなる表面被覆超硬工具であって、前記第2層の膜厚を全膜厚に対して60%以上で、かつ、その粒子の水平方向の平均粒径が0.3〜1.2μmであり、垂直方向の平均粒径が水平方向の平均粒径の2.5倍以上であることを特徴とする表面被覆超硬工具。
【請求項2】 請求項1に記載の表面被覆超硬工具において、第1層が0.2〜1.5μmのTiNからなることを特徴とする表面被覆超硬工具。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、強靭かつ耐摩耗性に優れた被膜を形成した表面被覆超硬工具に関する。
【0002】
【従来の技術】切削加工の高能率化を目的として超硬合金、サーメットを基体とし、CVD法により硬質皮膜を成膜した工具が広く用いられている。皮膜としては、TiC、TiN、TiCN、Al23などの多層が市販されている。特に、旋削用に使用されている工具の中では、皮膜の粒子を特定の形状として、特に縦長状の粒子を形成することにより、(例えば、特開平8−1411号公報)層間剥離やチッピングが少なく耐摩耗性に優れているという例が有る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本願発明は、従来行われているTiCN膜の縦長成長結晶組織に比較し、その形成、結晶粒径に着目し、特に縦長形状のアスペクト比や、第1層・第2層間の密着性、第3層との密着性を改善し、更には、耐摩耗性を第2層で支えるためその層厚等を特定することにより、層間剥離やチッピングが少なく耐摩耗性に優れた表面被覆超硬工具とする事にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】そのため、本願発明においては、基体と接する第1層がTiの炭窒化物、窒化物の何れか1種以上からなり、第2層はTiCN層からなり、第3層以降は硬質皮膜からなる多層で構成され、かつ、その全膜厚が8〜23μmからなる表面被覆超硬工具であって、前記第2層のTiCN層が、膜厚を全膜厚に対して60%以上で、かつ、第2層の粒子の水平方向の平均粒径が0.3〜1.2μmであり、垂直方向の平均粒径が水平方向の平均粒径の2.5倍以上であることを特徴とするものである。また、更に第1層が0.2〜1.5μmのTiNからなり、皮膜の全膜厚が8〜23μmであることにより優れた耐摩耗性、耐欠損性が実現される。
【0005】
【作用】第2層のTiCN層については、層を構成するTiCN粒子の粒径、形状により切削時の寿命が左右される。その理由として、垂直方向に長いTiCN粒子においては、切削中の力が1つの粒子に粒界を介さずに伝わるため、垂直方向の力に対し非常に強いものとなるためである。また摩耗に関して、方向性の無い粒子においては粒子が粒界より脱落することにより摩耗が進行するが、垂直方向に長い粒子では脱落することがなく耐摩耗性に対して優れているためである。更に、断続切削では、被膜に発生するクラックは垂直方向に入り、水平方向と平行なクラックは一般の球状粒子と比べて非常に入りにくい。そのため、水平方向と平行なクラックは被膜の破壊、剥離につながり、これは寿命に大きく影響を与える。
【0006】以下、数値限定をした理由について説明する。全膜厚を8から23μmとしたのは、8μm未満では十分な耐摩耗性を付与できず、23μmを越えると皮膜の剥離が生じやすく実用性に乏しいからである。第2層のTiCN層の膜厚を全膜厚に対して60%以上とした理由は、60%未満では相対的に第2層の厚さが全膜厚にたいして薄くなるため十分な耐摩耗性を付与することが出来ず60%以上とした。また、上限を設けなかったのは、一般に耐酸化性をより高めるため酸化アルミニウム等の被覆が行われているが、本願発明においても同様であり、その膜厚等の影響により変化するため特に設けなかったが好ましくは90%程度が限度と考えられる。
【0007】平均粒径の評価は、電子顕微鏡により撮影された被膜の破面の1定の視野の中にみられる粒子の数を数え、例えば水平方向の10μm線分上に25本の粒子がある場合、水平方向の平均粒径は0.4μmとした。更に、この1つ1つの粒子の水平方向と垂直方向の粒径を測定し、垂直方向の平均粒径を求め、垂直方向の平均粒径が水平方向の平均粒径の2.5倍以上(上記の例では1.0μm以上)あることが必要である。水平方向の平均粒径が0.3〜1.2μmとしたのは、0.3μm未満では、垂直方向に長い粒子の特徴が現れるためには粒子が小さすぎ、1.2μmを越えては1つの粒子が大きくなりすぎ、切削時の力を多くの粒界で分散して受け止めることが出来ず、被膜が破壊しやすくなるため0.3〜1.2μmとした。更に、垂直方向の平均粒径が水平方向の平均粒径の2.5倍以上としたのは、2.5倍未満では球状の粒子との差が現れず、特徴が現れないためである。
【0008】また、基体となる超硬合金又はサーメットに接する第1層はTiNであることが好ましく、0.2〜1.5μmの厚さがよい。特にTiNは第1層に用いると第2層の成膜時の基体からの炭素の拡散を防止するバリヤー効果に優れ、基体と第1層間に形成される脱炭層を低減する等の作用があるためである。更に基体からの金属成分の拡散を防ぎTiCNの劣化を防ぐ効果もある。この効果はTiCNの結晶形状を問題とする本発明においては特に重要な効果である。またその厚さは0.2〜1.5μm程度で十分である。以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。
【0009】
【実施例】各試料共通の基体として、通常の粉末冶金法で製作した超硬合金(ISO M20相当品)のCNMG120408型スローアウェイチップを用意した。本発明例1として基体表面に公知のCVD法により第1層TiNを0.3μm成膜し、有機CN化合物を用いたMT−CVD法により成膜温度880℃で第2層TiCNを6.0μm成膜し、第3層に公知のCVD法でTiCを1.0μm成膜後、同様に第4層Al23を1.5μm、第5層TiNを0.5μm成膜した。全膜厚にしめる第2層の厚さの比率は65%である。比較例2は第2層としてTiCNを4μm成膜した以外は本発明例1と同様とした。全膜厚にしめる第2層の厚さの比率は55%である。比較例3は第2層をHT−CVD法で6μm成膜した以外は本発明例1と同様とした。比較例4は第2層の成膜時に本発明例1の場合よりも温度を100℃下げて成膜した以外は本発明例1と同様とした。比較例5は第2層の成膜時に比較例3の場合よりも温度を30℃上げて成膜した以外は比較例3と同様とした。本発明例6は第1層のTiNを設けなかった以外は本発明例1と同様とした。全膜厚にしめるTiCN層の厚さの比率は67%である。本発明例7は第1層TiNを1.6μm、第4層Al23を1.1μm、第5層TiNを0.2μmとし、第2層の成膜温度を本発明例1の場合よりも50℃下げた以外は本発明例1と同様とした。全膜厚にしめる第2層の厚さの比率は61%である。
【0010】以上の7種のスローアウェイチップを用いてその破面を作成し、電子顕微鏡により観察した。その破面の写真より第2層の平均粒径を測定した。まず、本発明例1は水平方向平均粒径が0.71μmであり垂直方向平均粒径はその6.9倍であった。以下同様に、比較例2は0.69μm、5.0倍、比較例3は1.5μm、3.1倍、比較例4は0.20μm、16倍、比較例5は1.5μm、2.4倍、本発明例6は0.70μm、7.0倍、本発明例7は1.1μm、3.2倍であった。
【0011】これらを用いて以下の2種類の切削試験を行った。切削試験1は被削材:S45C、切削速度:200m/min、送り:0.3mm/rev、切込み:2.0mm、湿式切削であり、切削試験2は、被削材:SCM435で4つ溝入り、切削速度:150m/min、送り:0.2mm/rev、切り込み:2.0mm、乾式切削である。切削試験1についてはチップの逃げ面摩耗幅が0.3mmとなるまでの切削時間で評価した。切削試験2は断続切削による耐欠損性の試験であり、各チップの4コーナーについて試験を行い欠損までの平均の衝撃回数で評価した。但し、試験は衝撃回数1000回までとした。
【0012】切削試験1の結果は本発明例1が46分、比較例2が32分、比較例3が30分、比較例4は約5分で剥離、比較例5が30分、本発明例6が45分、本発明例7が45分であった。本発明例は全てほぼ同様の結果になったのに対し比較例4は初期において皮膜が剥離し、他の比較例は本発明例の2/3程度の時間しか切削できないことがわっかた。切削試験2の結果は、本発明例1では3コーナーが1000回の衝撃に耐え、残り1コーナーも800回に耐えた。比較例2は3コーナーが1000回、他は850回であった。比較例3では1000回まで耐えたコーナーは無く、4コーナーの平均で550回であった。比較例4はいずれのコーナーにおいても試験開始直後に皮膜が剥離してしまった。比較例5では1000回まで耐えたコーナーは無く、4コーナーの平均で525回であった。本発明例6では4コーナーの平均で875回、本発明例7も同様に900回であった。本発明例1は耐摩耗性、耐欠損性がともに優れており、本発明例6、7は耐欠損性が若干落ちるものの耐摩耗性が優れていることがわかった。比較例2は耐欠損性はよいが耐摩耗性が非常に劣る。他の比較例は耐摩耗性、耐欠損性の双方において劣っている。
【0013】
【発明の効果】以上の結果より明らかなように、本発明品は耐摩耗性、耐欠損性の両方に優れ、断続切削を含む長時間の切削加工に耐えるものであるので、切削加工の高能率化に特に効果を発揮するものである。




 

 


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