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発明の名称 表面被覆超硬製切削工具
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−15710
公開日 平成10年(1998)1月20日
出願番号 特願平8−195551
出願日 平成8年(1996)7月5日
代理人
発明者 植田 広志 / 井上 洋明
要約 目的
被覆超硬製切削工具を構成する被覆層の密着性・耐摩耗性を向上させることを目的とする。

構成
被覆超硬製切削工具において、基体と接する層を厚さ0.1〜1.2μmのTiN層で構成し、かつ、前記TiN層と接する層をTiCN層とし、前記TiCN層はX線回折において(422)面に最高ピーク強度を有する構成とすることにより、被覆層間の密着性・耐摩耗性向上をはかる。
特許請求の範囲
【請求項1】 表面被覆超硬製切削工具において、基体と接する層を厚さ0.1〜1.2μmのTiN層で構成し、かつ、前記TiN層と接する層をTiCN層とし、前記TiCN層はX線回折において(422)面に最高ピーク強度を有することを特徴とする被覆層間の密着性・耐摩耗性に優れた表面被覆超硬製切削工具。
【請求項2】 請求項1に記載の表面被覆超硬製切削工具において前記基体中に含まれるZrおよび/またはHfの量が重量パーセントで0.05%以上0.26%未満であることを特徴とする表面被覆超硬製切削工具。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、硬質被覆層の耐摩耗性が従来のそれと比して一段と向上した表面被覆超硬製切削工具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に炭化タングステン(以下、WCで示す)基超硬合金や炭窒化チタン(以下、TiCNで示す)基サーメットなどの超硬基体の表面に、化学蒸着法にて、Tiの炭化物、窒化物、炭窒化物、および炭窒酸化物、並びに酸化アルミニウム(以下、それぞれTiC、TiN、TiCN、TiCNO、およびAl23で示す)のうちの1種の単層または2種以上の複層からなる硬質被覆層を、0.5〜20μmの平均層厚で形成してなる表面被覆超硬製切削工具が知られており(例として特開平6−158325号)、これが各種鋼などの連続切削や断続切削に広く用いられていることも知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の切削加工のCAM化はめざましく、かつ省力化、高能率化に対する要求も強く、これに伴ない切削工具には使用寿命の一段の延命化が求められているが、上記の従来表面被覆超硬製切削工具の場合、これを構成する硬質被覆層の耐摩耗性が十分でないために、これらの要求に満足に対応することができないのが現状である。そこで、上述の観点から、上記の従来表面被覆超硬製切削工具に着目すると、その特徴である(422)面に最高ピーク強度が現われるTiCN層は耐摩耗性の観点からは良好であるが、使用初期に剥離等を起しやすく寿命が不安定となるなどの欠点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】そのため、硬質被覆層の基体及び層間の密着性向上をはかるべく、基体と接する第1層を厚さ0.1〜1.2μmのTiN層とし、前記TiN層と接するTiCN層を公知のMT−CVD法で成膜すると、X線回折による観察では(422)面に最高ピーク強度が現われるようになり、この(422)面に最高ピーク強度が現われるTiCN層が存在する硬質被覆層はすぐれた耐摩耗性とTiN層との密着性を示すようになるという研究結果を得たのである。更に、上記硬質被覆層の耐摩耗性を最大限活かすためには使用する基体が重要であり、特に高能率化のため高切削速度の諸元を選ぶ場合には基体の高温における耐塑性変形性を改善しないと上記硬質被覆層が塑性変形、破損、剥離してしまうことがわかった。そしてその改善のためにはZrおよび/またはHfを基体に少量添加することが極めて有効であるという知見を得たのである。
【0005】本発明は、上述の研究結果にもとづいてなされたものであって、表面被覆超硬製切削工具において、硬質被覆層を構成する層の内、基体と接する第1層を厚さ0.1〜1.2μmのTiNで構成し、第1層と接する第2層をX線回折において(422)面に最高ピーク強度を示すTiCN層で構成することにより硬質被覆層の密着性・耐摩耗性向上をはかった表面被覆超硬製切削工具に特徴を有するものである。更に、上記の表面被覆超硬製切削工具において基体中に含まれるZrおよび/またはHfの量を重量パーセントで0.05%以上0.26%未満として耐摩耗性向上をはかった表面被覆超硬製切削工具に特徴を有するものである。
【0006】
【作用】X線回折において(422)面に最高ピーク強度が現われるTiCN層は、TiCN結晶の異方性によるものである点は明らかである。基体と接する第1層として設けられるTiN層は、第1層と接するように第2層として設けるTiCN層をX線回折において(422)面に最高ピーク強度が現われるものとする上で重要な役割を果たしている。即ち、前記TiN層の厚さを1.2μm以下とし、第2層を公知のMT−CVD法で形成すれば、第2層は(422)面に最高ピーク強度が現われるTiCN層となるが、前記TiN層の厚さを1.2μmより大とすれば、第2層の形成にMT−CVD法を用いても(220)面に最高ピークが現われるTiCN層となり耐摩耗性が劣る。又、前記TiN層の厚さを0.1μm未満とした場合は基体中成分の被覆層中への拡散量が多く、TiCN層の膜質を劣化させ耐摩耗性が低下するので第1層のTiN層は0.1μm以上の厚さが必要である。
【0007】更に好ましくは、上記第2層の耐摩耗性を最大限活かすためにZrおよび/またはHfを基体に少量添加することが極めて有効である。Zrおよび/またはHfはB−1型固溶体および/または結合相中に固溶および/または分散し高温での合金強度を高め被覆超硬合金の耐塑性変形性を向上させる。従って、高速切削においても硬質被覆層を下から確実に支えることができ、硬質被覆層の変形、破損、剥離を防ぎ、摩耗を正常なものとすることができる。Zrおよび/またはHfの添加量は0.05%以上0.26%未満とする。0.05%未満では効果が充分ではなく、0.26%以上では基体の焼結性が悪く、巣が出来やすいからである。尚、Zrおよび/またはHfは金属の形で添加する他、炭化物、窒化物等化合物の形で添加しても良い。つぎに、この発明の切削工具を実施例により具体的に説明する。
【0008】
【実施例】
実施例1基体として6%Co−0.18%ZrC−WCの組成およびCNMG432の形状を有するWC基超硬合金基体を用意した。尚、0.18%のZrCは0.16%のZrに相当する。この基体の表面に通常の化学蒸着装置を用い、以下に示す平均層厚の硬質被覆層を形成することにより本発明表面被覆超硬製切削工具(以下、本発明例という)1〜3および比較表面被覆超硬製切削工具(以下、比較例という)4、5をそれぞれ製造した。
【0009】本発明例1として、第1層に厚さ0.1μmのTiN層、第2層に公知のMT−CVD法で厚さ8μmのTiCN層を設けた。本発明例2として、第1層に厚さ0.6μmのTiN層、第2層に公知のMT−CVD法で厚さ8μmのTiCN層を設けた。本発明例3として、第1層に厚さ1.2μmのTiN層、第2層に公知のMT−CVD法で厚さ8μmのTiCN層を設けた。本発明例1〜3において、TiCN層のX線回折における最高ピーク強度は(422)面に現われた。比較例4として、第1層に厚さ1.4μmのTiN層を第2層に公知のMT−CVD法で厚さ8μmのTiCN層を設けた。本例では、TiCN層のX線回折における最高ピーク強度は(220)面に現われた。比較例5として、第1層に厚さ0.6μmのTiN層を第2層に(HT−CVDで)厚さ8μmのTiCN層を設けた。本例では、TiCN層のX線回折における最高ピーク強度は(220)面に現われた。
【0010】本発明例1〜3及び比較例4、5を用いて、テスト1として次の諸元で切削試験を行った。被削材:SNCM439(硬さ:HB280)の丸棒、切削速度:180m/min、送り:0.3mm、切込み:1.5mm、の諸元で鋼の乾式連続切削試験を行ない、切刃の逃げ面摩幅が0.3mmに至るまでの切削時間を測定した。その結果、本発明例1は28分、本発明例2は31分、本発明例3は32分であったのに対し、比較例4は10分、比較例5は7分であった。以上の結果からも明らかなように、第1層が厚さ0.1〜1.2μmのTiN層でありかつ、第2層のTiCNが(422)面にX線回折における最高ピーク強度を有する場合、剥離が生ぜず、すぐれた耐摩耗性を示した。
【0011】実施例2本発明例6としてJIS M20相当(6.5%Co−2.2%TiC−3.5%TaC−残WC)の組成、およびCNMG432の形状を有する超硬合金基体に本発明例2と同様の硬質被覆層を設けた。本発明例7は、ZrCを0.06%添加した以外は本発明例6と同様とした。尚、0.06%のZrCは0.05%のZrに相当する。本発明例8はZrCを0.22%添加した以外は本発明例6と同様とした。尚、0.22%のZrCは0.19%のZrに相当する。本発明例9はZrCを0.30%添加した以外は本発明例6と同様とした。尚、0.34%のZrCは0.27%のZrに相当する。
【0012】次に、本発明例6〜9のチップについて、次の諸元で切削試験を行った。被削材:S53C丸棒、切削速度:220m/min、送り:0.4mm/rev、切り込み:2mm、湿式にて一定時間(30分間)の切削を行った後、チップの逃げ面の摩耗幅を工具顕微鏡にて測定した。その結果は、本発明例6は0.25mm、本発明例7は0.20mm、本発明例8は0.18mm、本発明例9は0.17mmであった。Zrを添加した効果は明らかである。
【0013】さらに、被削材:4つ溝付き・SCM435丸棒、切削速度:150m/min、送り:0.3mm/rev、切り込み:2mm、湿式にて30秒間の断続切削を行った。これを10コーナについて行い、欠損、チッピングしたコーナ数を調べた。その結果は、本発明例6は0/10コーナ、本発明例7は0/10コーナ、本発明例8は0/10コーナ、本発明例9は2/10コーナであった。
【0014】そのため、試料6〜9を研削後、鏡面に仕上げて光学顕微鏡にて200倍の倍率で有孔度を観察し、CIS規格で評価した。結果は本発明6〜8はA04、本発明例9はA08であった。よって、本発明6〜8においては断続切削においても欠損は見られず、本発明例9においてのみ欠損が生じた。これは本発明例9は他の試料と比較して巣が多く、有孔度がA08であることに起因したものである。尚、本発明の範囲は本実施例によって制限されるものではなく、特に第2層に続いてTiC、TiN、Al23などの層を設け、多層被覆とすることは何ら差しつかえない。
【0015】
【効果】本発明による切削工具は、優れた耐摩耗性を有すTiCN層の密着性を高めることにより、長期に渡って安定した性能を示すので、切削加工の省力化に特に適したものである。




 

 


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