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発明の名称 表面被覆切削工具
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−15709
公開日 平成10年(1998)1月20日
出願番号 特願平8−191386
出願日 平成8年(1996)7月1日
代理人
発明者 植田 広志 / 井上 洋明
要約 目的
耐欠損性を向上させ耐塑性変形性も維持した工具を提供する。

構成
基体はZrおよび/またはHfを0.05〜0.5重量%含み、該基体の表層部にヴィッカース硬さが該基体の十分内部のヴィッカース硬さの70〜90%である表面軟化層を有し、該硬質皮膜を構成する被覆層の内、該基体に接する第1層をTiNとして構成する。
特許請求の範囲
【請求項1】 超硬合金の基体表面に2層以上の多層からなる硬質皮膜を被覆した表面被覆切削工具において、該基体はZrおよび/またはHfを0.05〜0.5重量%含み、該基体の表層部がヴィッカース硬さで該基体の十分内部のヴィッカース硬さの70〜90%である表面軟化層であるとともに該Zrおよび/またはHfがB−1型固溶体相及び/又は結合相中に溶け込み、該硬質皮膜の該基体に接する第1層をTiNとしたことを特徴とする表面被覆切削工具。
【請求項2】 請求項1に記載の表面被覆切削工具において、該第1層の厚さが0.2〜1.2μmであることを特徴とする表面被覆切削工具。
【請求項3】 請求項1または2に記載の表面被覆切削工具において、該表面軟化層の厚さが5〜25μmであることを特徴とする表面被覆切削工具。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、切削工具に適した被覆超硬合金に関し、耐欠損性、耐摩耗性に優れた表面被覆超硬合金に関するものである。
【0002】
【従来の技術】切削加工の高能率化の為、超硬合金にCVD法による硬質被膜を被覆した工具が広く用いられている。この種の工具の刃先の耐欠損性を向上させるために結合相富化層、表面軟化層、脱β層等と呼ばれる改質層を基体表面に設けた工具も、例えば特開平8−1411号公報に示されるように、広く実用に供されている。さらに高温での合金強度を向上する、ためにZrやHf等を基体に添加することが、例えば特開平6−93473号公報に示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記技術によって提供される工具は、長時間の断続切削を含む高速切削に耐えるため切削加工の高能率化、無人化に好まれて採用されてきた。しかし、近年のニアネットシェイプの技術の進歩により部品素材の形状は益々複雑なものとなってきている。従って、切削工具にかかる衝撃力、衝撃回数は増加の一途をたどっており、工具の欠損が深刻な問題となっている。しかしながら、高温における基体の耐塑性変形性を改善するために少量のZrおよび/またはHfを基体に添加した場合、添加しない場合と比較して高速断続切削時に刃先に欠損を生じやすくなる。本発明の目的は、このような現状に鑑み更に耐欠損性を向上させつつ、更に耐塑性変形性も向上させる工具を提供することです。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は従来の工具の、基体の硬さおよび硬質皮膜の内、基体に接する第1層の関係に着目し、切削試験を検討した結果、次の知見を得た。基体表層部の硬さを適切に調整し、さらに、硬質皮膜の第1層をTiNとし、TiN層の厚さを適切に設定することで耐欠損性は向上し、しかも、Zr/Hf等の添加による切削時の高温における刃先の耐塑性変形性も維持できる。本発明はこれらの知見に基づいてなされたもので、次の構成を有する。基体はZrおよび/またはHfを0.05〜0.5重量%含み、該基体の表層部にヴィッカース硬さが該基体の十分内部のヴィッカース硬さの70〜90%である表面軟化層を有し、該硬質皮膜を構成する被覆層の内、該基体に接する第1層をTiNとする。好ましくは第1層を厚さ0.2〜1.2μmのTiNとし、該表面軟化層の厚さを5〜25μmとする。
【0005】
【作用】基体に、Zrおよび/またはHfを0.05〜0.5重量%添加した超硬合金を用いる。Zrおよび/またはHfを添加することにより、それらは大部分が超硬合金のB−1型固溶体相、結合相中に溶け込み、特に、切削中の切削熱の影響がでる刃先の塑性変形を防ぐのに効果がある。0.05重量%未満では効果が薄く、0.5重量%を越えると合金が脆化するのでこの添加量の範囲とした。但し、Zrおよび/またはHfを添加すると、切削中の衝撃によって刃先が欠けやすくなる傾向が見られるので、基体表層部と第1層は以下のようにしてこれを補う必要がある。基体の表層部にヴィッカース硬さが該基体の十分内部のヴィッカース硬さの70〜90%であり、この基体表層部中には、Zrおよび/またはHfが固溶及び/または分散しており、及びB−1型固溶体相を分散、減少及び/又はゼロとすることにより、耐欠損性を補うことが出来る。更に、その厚さを5〜25μmとする事により刃先に耐塑性変形性と靱性が付与される。
【0006】一般に、表面被覆超硬工具の使用においては、その使用目的により超硬基体のグレードを変えるので、本発明では表面軟化層の硬さを基体の十分内部の硬さとの相対値で規定したが、通常、基体の十分内部のヴィッカース硬さは1400〜1700程度である。表面軟化層のヴィッカース硬さが70%未満である場合および厚さが25μmを越える場合では切削時に刃先が塑性変形し工具が寿命となってしまう。ヴィッカース硬さが90%を越える場合および厚さが5μm未満の場合では靱性が不十分であり欠けやすくなる。尚、以上のヴィッカース硬さはいずれも室温にて測定した値である。
【0007】次いで、硬質皮膜を構成する被覆層は、基体に接する第1層をTiNとする。各チタン化合物をヴィッカース硬さで比較するとTiCは3300〜3800、TiCNは2300〜2800であるのに対しTiNは1800〜2200と軟らかく、衝撃に対して適度な緩衝作用を有しZr、Hf添加の欠点を補う。また、比較的低温で成膜できるので、基体成分の拡散が少なく基体と第1層の界面に脱炭層が発生するのを防ぐ、基体と皮膜との熱膨張率の差に起因する応力の発生が少ない、等の効果もある。第1層の厚さは0.2〜1.2μmがよく、この程度の厚さであれば第1層の変形が問題になることはない。0.2μm未満では緩衝作用が不足するばかりでなく、基体からの鉄属金属の拡散のため、第2層以降の膜質を劣化させる恐れがある。1.2μmを越えるとTiNの粒子が粗大化し第2層以降の結晶形態に悪影響を与える場合がある。
【0008】第1層に接する第2層として、特に推奨できるのはTiCNである。このTiCN層は、MT−CVD法を用いて柱状結晶に成長させる。TiCNは、チタン化合物の中でTiNとTiCの中間の硬さを持ち、同一の結晶構造であり、TiNに接する被膜として好ましい。TiCN膜の柱状結晶においては切削中の力が1つの粒子に粒界を介さずに伝わるため、垂直方向の力に非常に強いものとなる。また、摩耗に関しては、方向性の無い粒状の結晶では結晶粒子が粒界より脱落することにより摩耗が進行するが、垂直方向に長い柱状晶では脱落することがなく、耐摩耗性に対して優れている。第3層以降の層構造については工具の用途に応じてTiC、TiN、Al23等を適宜用いればよい。以下、本願発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
【0009】
【実施例】本発明例1として、Zrを2.0重量%含み、ヴィッカース硬さが基体の十分内部において1550、表面軟化層において1350、表面軟化層の厚さが15μmであるCNMG120408形状の超硬合金の表面に、公知のCVD法により第1層TiNを0.3μm成膜、アセトニトリルを用いたMT−CVD法により第2層TiCNを6.0μm成膜、第3層にCVD法でTiCを1.0μm成膜、第4層CVD法でアルミナを1.5μm成膜、最外層にCVD法でTiNを0.5μm成膜した。比較例2として、表面軟化層が無い以外は本発明例1と同様の超硬基体を用い、同一の被膜を被覆した。本発明例3としてZrを0.25重量%含み、ヴィッカース硬さが基体の十分内部において1530、表面軟化層において1220、表面軟化層の厚さが15μmであるCNMG120408形状の超硬合金の表面に公知のCVD法により第1層TiNを0.3μm成膜、アセトニトリルを用いたMT−CVD法により第2層TiCNを10.0μm成膜、第3層にCVD法でTiCを1.0μm成膜、第4層にCVD法でアルミナを1.0μm成膜、最外層にCVD法でTiNを0.5μm成膜した。比較例4として、Zrを含まないこと以外は本発明例3と同様の組成でありヴィッカース硬さが基体の十分内部において1520、表面軟化層において1200、表面軟化層の厚さが15μmであるCNMG120408形状の超硬基体に本発明例1と同様の皮膜を被覆した。比較例5は表面軟化層の無いこと以外は本発明例3と同様とした。比較例6は第1層のTiNをTiCに変えた以外は本発明例3と同様とした。
【0010】以上のチップを用いて切削試験を行った。まず、耐摩耗性の評価をテスト1、2の旋削で行った。工具のフランク摩耗が0.3mmに達するまでの時間を評価した。テスト1の条件は、被削材:S45C、切削速度:200m/min、送り:0.3mm/rev、切り込み:2.0mm、湿式切削とした。結果は、本発明例1は55分、比較例2は48分、本発明例3は65分、比較例4は47分、比較例5は、67分、比較例6は66分であった。S45C切削の場合、本発明例1とZrを添加した比較例2との間で、寿命に対して大きな差は見られない。表面軟化層によって、耐摩耗性の劣化、耐塑性変形性の劣化は認められず、Zr添加の効果が確認された。それに対してZr添加の無い比較例4は寿命が短くなっている。
【0011】テスト2の条件は、被削材:FCD70、切削速度:150m/min、送り:0.3mm/rev、切り込み:2.0mm、湿式切削とした。結果は、本発明例1は、22分、比較例2は20分、本発明例3は27分、比較例4は21分、比較例5は28分、比較例6は28分であった。FCD70の切削の場合もS45Cと同様の傾向が見られた。特に、Zr添加の効果は本発明例1で確認された。
【0012】次に、耐欠損性をテスト3、4の断続切削によって評価した。工具が欠損に至るまでの衝撃回数によって評価した。但し衝撃回数は1000回を上限とした。各工具それぞれ4コーナーについて試験した。テスト3の条件は被削材:4つ溝付SCM435丸棒、切削速度:150m/min、送り:0.2mm/rev、切り込み:2.0mm、乾式切削とした。結果は、本発明例1は、1000回以上、1000回以上、800回、1000回以上であった。比較例2は、630回、820回、770回、670回であった。テスト4の条件は、被削材:4つ溝付SCM435、切削速度:150m/min、送り:0.3mm/rev、切り込み:2.0mm、乾式切削とした。結果は、本発明品3は1000回以上、1000回以上、800回、1000回以上、比較例4は1000回以上、1000回以上、1000回以上、920回、比較例5は230回、540回、310回、720回、比較例6は900回、740回、150回、720回であった。本発明例1、3は表面軟化層の無い比較例2、4、5よりも確実に耐欠損性が向上していることが分かる。また、比較例6は比較例4、5と較べて耐久衝撃回数のバラツキが大きく、欠損状態も微小である点で異なっていた。
【0013】
【発明の効果】本発明品は従来の工具と較べて更に耐欠損性が向上しており、塑性変形に起因する摩耗も少なく、高速断続切削において良好な寿命を示すので、複雑な形状の被削材の切削の高能率化、無人化に適するものである。




 

 


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