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発明の名称 表面被覆超硬工具
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−15708
公開日 平成10年(1998)1月20日
出願番号 特願平8−191385
出願日 平成8年(1996)7月1日
代理人
発明者 植田 広志 / 井上 洋明
要約 目的
表面被覆超硬工具の色調に着目し、TiNの輝きのある黄金色のチップを提供する事を目的とする。

構成
超硬合金に硬質皮膜を形成してなる表面被覆超硬工具において、最外層をTiNで被覆し、かつ、その色調、すなわち色度a*(赤方向)が0〜3.0、色度b*(黄方向)が30〜40、明度L* が59〜67、により構成する。
特許請求の範囲
【請求項1】 超硬合金に硬質皮膜を形成してなる表面被覆超硬工具において、最外層をTiNで被覆し、かつ、その色調が(1)色度a*(赤方向)が0〜3、(2)色度b*(黄方向)が30〜40、(3)明度L* が59〜67、の範囲にあることを特徴とする表面被覆超硬工具。
【請求項2】 請求項1記載の表面被覆超硬工具において、最外層のTiN層の厚さを0.2〜2μmとしたことを特徴とする表面被覆超硬工具。
【請求項3】 超硬合金に硬質皮膜を形成してなる表面被覆超硬工具において、最外層をTiCNで被覆し、かつ、その色調が(1)色度a*(赤方向)が30〜50、(2)色度b*(黄方向)が20〜40、(3)明度L* が59〜67、の範囲にあることを特徴とする表面被覆超硬工具。
【請求項4】 請求項3記載の表面被覆超硬工具において、最外層のTiCN層の厚さを0.2〜2μmとしたことを特徴とする表面被覆超硬工具。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、旋削用に使用するスローアウェイチップに関し、特に最外層にTiN又はTiCNを被覆したチップに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に実用化されている旋削用のスローアウェイチップには最外層にTiNを被覆し色調を黄金色として見栄えをよくし、工具の種類の識別性を高め、使用・未使用コーナの識別を容易に判断できるようにしたチップがある。(例として、特公昭52−5406号公報)
また、TiN層を最外層とした場合には、長所として、TiCに比較し摩擦係数が小さく、軟らかいためクッション効果を持ちチッピング・欠損をおこしにくくし、化学的に安定であるため溶着等をおこしにくくなるが、その反面、硬さが低いため耐摩耗性が劣化し、アルミナに比較し酸化性に劣る等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そのため、本発明者らは最外層TiNまたはTiCNに関し、工具としての最適な特性を検討した結果、上記TiNを例として説明すると、膜質としては緻密で粒度の細かな膜でも十分に上記長所として挙げた特性を発揮することが出来、また膜厚は薄いほうが良く、更に、短所として挙げた耐摩耗性・耐酸化性は下層の酸化アルミニウム膜やTiC等の膜により十分カバーされているためTiNの膜厚は薄くて十分であることが分かった。しかしながら、TiN層を薄くしていくとTiN層の下の層(以下、TiN下層と云う)の影響がTiN層自体に影響し、TiN層自体が粒度の荒い膜となったり、表面の凹凸が大きな膜となり化粧被覆としての意味が無くなってしまうため、TiN下層の表面状態を制御し、ひいてはTiN層の色調を制御することを課題とする。
【0004】
【発明の目的】本発明は、上記課題を鑑みてなされたもので、色調に着目し、TiNの輝くような黄金色を得るためTiN下層を平滑な面とし、TiN層を微細で緻密な膜とするとともに、色度・明度にて計数化し、輝きのある黄金色のチップを提供する事を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】そのため、超硬合金に硬質皮膜を形成してなる表面被覆超硬工具において、最外層をTiNで被覆し、かつ、その色調、すなわち色度a*(赤方向)が0〜3、色度b*(黄方向)が30〜40、明度L* が59〜67、の範囲にあり、また、TiCN膜を使用した場合には、色度a*(赤方向)が30〜50、色度b*(黄方向)が20〜40、明度L* が59〜67、の範囲としたものである。また、TiN又はTiCN層の厚さとしては0.2〜2μmとした。上記色調を計数化するためJIS Z8729に基づき、様々なスローアウェイチップを測定し、またその色調をより識別性の高い輝くような色とするため成膜のパラメーターや、皮膜の層構造、基体の表面状態等を検討した。
【0006】本発明者らは、まず、色調の問題は単に最外層TiNのみの改善では解決できるものではなく、その理由として、TiN下層の表面状態に影響されTiNの色調が変化することを見いだした。次に、そのTiN下層の表面状態に着目し、TiN下層の粗い粒子が膜中に分散しているような場合、色度a*(赤方向)の値が大きく(=赤味が強い)、色度b*(黄方向)の値が大きく(=黄色味が強い)、明度L* の値が大きく(=明るい色調)となっており、改善を要する色調であることが分かった。
【0007】
【作用】上記課題を解決するため、まず、TiN下層の表面状態を最も良い状態とするため、TiN下層の表面をエピタキシャル成長させた一様な粒子に成膜した場合、そのチップはきれいな黄金色を呈することが分かった。また、TiN下層に粗い粒子が膜中に分散しているような場合であっても、そのまま最外層を成膜するのではなく、粒状の層を1つ設け、その上にTiN層を成膜することにより、下層の影響を減じる事が出来、色調を改善でき、きれいな黄金色を呈することが分かった。
【0008】以下に、数値限定した理由を説明する。最外層をTiNで被覆し、かつ、その色調、すなわち色度a*(赤方向)を0〜3とした理由は、0を下回ると(赤方向のマイナス方向は緑色)寒色系となり、3を越えると暖色系が強くなりすぎるため0〜3とした。色度b*(黄方向)を30〜40とした理由は、30を下回ると(黄色方向のマイナス方向は青色)寒色系となり、40を越えると黄色味が強くなりすぎるため30〜40とした。明度L* を59〜67とした理由は、59を下回ると(白方向のマイナス方向は黒色)黒みが強くなり、67を越えると白色が強くなりすぎるため59〜67とした。更に、TiN層の厚さを0.2〜2μmとしたのは、0.2μm未満では十分な色調を付与する事が出来ず、2μmを越えると厚みが増すごとにTiN粒子そのものが成長し粗粒化して明度が劣化するため0.2〜2μmの範囲とした。
【0009】また、同様に最外層をTiCNで被覆した場合には、色度a*(赤方向)が30〜50とした理由は、30を下回ると(赤方向のマイナス方向は緑色)寒色系が強くなり、50を越えると暖色系が強くなりすぎるため30〜50とした。色度b*(黄方向)が20〜40とした理由は、20を下回ると(黄色方向のマイナス方向は青色)寒色系となり、40を越えると黄色味が強くなりすぎるため20〜40とした。明度L* を59〜67とした理由は、59を下回ると(白方向のマイナス方向は黒色)黒みが強くなり、67を越えると白色が強くなりすぎるため59〜67とした。以下、実施例に基づき本願発明を詳細に説明する。
【0010】
【実施例】
実施例1原料粉末としてWC、Co、TiC、TiCN、TaC等を用意し、JISM20相当の組成となるように所定量を配合後、ボールミルにて湿式混合、乾燥、圧粉成形、焼結、研削加工の各工程を経てCNMG120408型の切削用チップを製作した。所定サイズに加工した後、CVD装置にセットし、公知の方法で内層としてTiN、中間層としてTiCN、外層としてAl23、最外層としてTiNを0.5μmそれぞれ設けた。このときの成膜パラメーターを調整し、特に外層のアルミナの成膜を、その下の層であるTiC膜の(200)面とエピタキシャル成長させ、アルミナ層が一様な粒子に成膜した場合、そのチップを分光測色計で色度・明度を測定した結果、色度a* 1.7、色度b* 35.7、明度L* 62.4であり、美しい黄金色のチップが得られた。
【0011】実施例2TiN下層の影響を見るため、比較例として、パラメーター、特に外層のアルミナの成膜を高温で粒状に成長させ、アルミナ層に粗い粒子が膜中に分散しているような場合、TiN下層の表面が荒れており、実施例1と同様な最外層TiNを設けても、色度a* 1.6、色度b* 41、明度L* 71となり、くすんだ金色をていしていた。
【0012】実施例3次に、TiNの成膜パラメーターの影響を見るため、TiN蒸着時間を変化させ、TiN膜の厚さによる色調の変化を測定した。その結果、TiN層の厚さが0.2μm未満では、TiN下層の影響が有り、特に下層に黒色のTiCがある場合には明度L* 47となり、全体に黒ずんだ色調となった。また同様にTiN層の厚さを0.5μmとした場合には、特に下層に黒色のTiCがある場合でも明度L* 62となり、全体に美しい黄金色のチップが得られた。またTiN層の厚さを2μmとした場合には、明度L* 63となり、全体に美しい黄金色のチップが得られた。更にTiN層の厚さを厚くし3μmとした場合には、明度L* 58となり、全体に鈍い黄金色のチップとなった。
【0013】実施例4次に、実施例1と同様な方法で最外層のみをTiCNに変えて成膜した。そのチップを分光測色計で色度・明度を測定した結果、色度a* 40、色度b* 25、明度L* 65.1であり、輝きのある赤みがかった色調のチップが得られた。
【0014】実施例5次に、TiN下層にTiCN膜を一定時間蒸着し、続いてTiNを0.5μm蒸着した。そのチップの色調を測定した。その結果、TiCN層を間に設けることにより、TiN蒸着時のTiN下層の影響が少なくなり明度L* 62となり、全体に美しい黄金色のチップが得られた。
【0015】
【発明の効果】本願発明のTiN、TiCNを最外層とすることにより、チップ全体を明度の高い黄金色や赤っぽい色調のチップとする事ができ、使用・未使用のコーナーの識別にとどまらず、工具としての切削においても優れた性能を有するチップとすることが出来た。




 

 


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