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発明の名称 排ガス浄化用触媒
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−328566
公開日 平成10年(1998)12月15日
出願番号 特願平10−85865
出願日 平成10年(1998)3月31日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】大川 宏
発明者 平山 洋 / 福井 雅幸 / 曽布川 英夫
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 担体基材と、該担体基材表面に形成されPt及びPdの少なくとも1種を担持した第1コート層と、該第1コート層表面に形成されRhを担持した第2コート層と、を有する排ガス浄化用触媒であって、前記第2コート層は比表面積が50〜100m2 /gのθ−アルミナを主成分とすることを特徴とする排ガス浄化用触媒。
【請求項2】 前記排ガス浄化用触媒において、少なくとも前記第2コート層には、前記担体基材の排ガス入口側端面から排ガス出口側に向かう該担体基材全長の1/6〜1/3の部分にPt及びPdの少なくとも1種が高濃度に担持されていることを特徴とする請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
【請求項3】 前記第2コート層には前記担体基材の容積1リットル当たり0.3〜1.5gのRhが担持されていることを特徴とする請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車などの内燃機関から排出される排ガスを浄化する排ガス浄化用触媒に関し、さらに詳しくは耐久性の向上した排ガス浄化用触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より自動車の排ガス浄化用触媒として、理論空燃比(ストイキ)において排ガス中のCO及びHCの酸化とNOx の還元とを同時に行って浄化する三元触媒が用いられている。このような三元触媒としては、例えばコーディエライトなどからなる耐熱性基材にγ−アルミナからなるコート層を形成し、そのコート層に白金(Pt)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)などの触媒貴金属を担持させたものが広く知られている。また、酸素吸蔵能をもつセリア(セリウム酸化物)を併用し、排ガスの空燃比変動に対するウィンドウ幅を広くした三元触媒も知られている。
【0003】触媒貴金属のうちPt及びPdは主としてCO及びHCの酸化浄化に寄与し、Rhは主としてNOx の還元浄化に寄与するとともに、RhにはPtのシンタリングを防止する作用がある。したがってPtとRhとを併用することにより、シンタリングによる活性点の減少により活性が低下するという不具合が抑制され、耐熱性が向上することがわかっている。したがって三元触媒では、PtとRhとを併用することが望ましいことが知られている。
【0004】ところが、近年のエンジン性能の向上と高速走行の増加に伴い、排ガス温度が著しく上昇している。そのため、使用時の排ガス浄化用触媒の温度も従来に比べてかなり上昇し、Rhを共存させてもPtのシンタリングを抑制することが困難となっている。このようになる原因は、高温時のリーン雰囲気においてRhがコート層のγ−アルミナ中に固溶し、これにより活性が低下するとともにPtのシンタリングを抑制する作用も低下するためであることが明らかとなった。
【0005】したがって今日、三元触媒の900℃以上の高温耐久性が強く要請されており、そのためには触媒貴金属のシンタリングによる触媒の劣化を抑制することが重要な課題である。またRhは資源的にきわめて希少であり、Rhを効率よく活用するとともに、その劣化を抑制して耐熱性を高めることが望まれている。そこでコート層を二層構造とし、触媒貴金属を分離担持した排ガス浄化用触媒が提案されている。例えば特開昭63−197546号公報には、下層にRh以外の貴金属を担持した第1アルミナコート層を形成し、その上層にRhを担持しかつ粒径5000Å以下のジルコニア超微粉を10〜50重量%含有する第2アルミナコート層を形成した排ガス浄化用触媒が提案されている。
【0006】このジルコニア超微粉の添加により、Rhがジルコニアに予め担持されているため、高温雰囲気でRhがアルミナと反応してアルミナ結晶中にRhが拡散して失活するのが抑制され、耐久性に優れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが排ガスの温度が900℃以上の高温下においては、ジルコニア自体が耐熱性に不足するためにジルコニアがシンタリングし、それに伴いRhもシンタリングする。またRhの一部はγ−アルミナと反応してアルミナ結晶中にRhが固溶し、性能低下が著しいという問題があった。
【0008】本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、コート層を二層構造として触媒貴金属を分離担持した排ガス浄化用触媒において、900℃以上の高温雰囲気においてもRhとアルミナとの反応による触媒浄化性能の低下を抑制でき、耐熱性の向上した排ガス浄化用触媒とすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求項1に記載の排ガス浄化用触媒の特徴は、担体基材と、担体基材表面に形成されPt及びPdの少なくとも1種を担持した第1コート層と、第1コート層表面に形成されRhを担持した第2コート層と、を有する排ガス浄化用触媒であって、第2コート層は比表面積が50〜100m2 /gのθ−アルミナを主成分とすることにある。
【0010】また上記触媒をさらに改良する請求項2に記載の排ガス浄化用触媒の特徴は、請求項1に記載の排ガス浄化用触媒において、少なくとも第2コート層には、担体基材の排ガス入口側端面から排ガス出口側に向かう担体基材全長の1/6〜1/3の部分にPt及びPdの少なくとも1種が高濃度に担持されていることにある。
【0011】また上記触媒をさらに改良する請求項3に記載の排ガス浄化用触媒の特徴は、請求項1に記載の排ガス浄化用触媒において、第2コート層には担体基材の容積1リットル当たり0.3〜1.5gのRhが担持されていることにある。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の排ガス浄化用触媒では、Pt及びPdの少なくとも1種が内層の第1コート層に担持され、Rhが外層の第2コート層に担持されていることを主たる特徴としている。Rhは比表面積が50〜100m2 /gのθ−アルミナを主成分とする第2コート層に担持されている。このθ−アルミナはγ−アルミナに比べて900〜1000℃の温度に対しても安定であるため、アルミナ結晶中にRhが固溶しにくくなり、さらにはアルミナの相変化や粒成長に伴うRhのシンタリングが抑制される。これにより高温時にもRhの活性が充分に維持されると考えられ、本発明の排ガス浄化用触媒は浄化性能の耐久性に優れている。
【0013】担体基材としてはハニカム形状あるいはペレット形状のものを用いることができ、その材質としては、コーディエライトなどの耐熱性無機酸化物、金属箔の平板と波板を重ねて巻回したメタル担体などを用いることができる。担体基材表面にコートされた第1コート層は、γ−アルミナなどの高比表面積担体を主体とすることができる。これにより第1コート層に担持するPt、Pdの分散性を高くすることができる。他にシリカ、チタニア、ジルコニア、シリカ−アルミナなどを含有してもよい。
【0014】上記第1コート層には、セリアを含有することが好ましい。セリアの酸素ストアレージ能により、排ガスのリッチ・リーンの雰囲気変動が緩和されるため、浄化性能が一層向上する。また第1コート層にセリアを含む場合、セリアとジルコニアとの複合酸化物(固溶体)として含むことが好ましい。これによりセリアの酸素ストアレージ能が一層向上するとともに、酸素ストアレージ能の安定性が一層高まる。
【0015】第1コート層には、Pt及びPdの少なくとも1種が担持されている。Ptの場合には、その担持量は担体基材容積1リットル当たり1.0g/L以上とすることが好ましい。またPdの場合には、担体基材容積1リットル当たり3.0g/L以上とすることが好ましい。担持量がこの範囲より少ないと、HC及びCOの浄化性能が低下する。上限は特に制限されないが、多くなるにつれて効果が飽和しコストが上昇する。
【0016】第1コート層にPt及びPdの少なくとも1種の触媒貴金属を担持するには、例えばアルミナ粉末に含浸・乾固法で触媒貴金属を担持し、それを担体基材にコートしてもよいし、アルミナ粉末などから担体基材表面に第1コート層を形成し、それを触媒貴金属溶液中に浸漬して担持することもできる。なお、第1コート層にPdを含む場合、第1コート層にはさらにBaを含むことが望ましい。これによりPdのシンタリングが抑制され耐熱性が向上する。
【0017】第1コート層表面に形成された第2コート層は、主として比表面積が50〜100m2 /gのθ−アルミナを含む担体とRhから形成されている。θ−アルミナの比表面積が50m2 /gより小さいとRhの分散性(活性点)が低下し、100m2 /gより大きくなるとアルミナの粒成長(シンタリング)が促進される。このθ−アルミナは、γ−アルミナ(La、Baなどの添加物を含む)を1050〜1200℃で熱処理することにより調製することができる。
【0018】請求項3に記載したように、第2コート層には担体基材の容積1リットル当たり0.3〜1.5gのRhが担持されていることが望ましい。これにより浄化性能が飛躍的に向上する。Rhの担持量が0.3g/Lより少ないと耐久性が低くなる。第2コート層に担持されたRhの担持量が多くなるにつれて浄化性能の向上の度合いが大きくなるが、担持量が1.5g/Lを超えるとその効果が飽和しコストが増大してしまう。0.6〜1.0g/Lの範囲が特に望ましい。
【0019】Rhを担持した第2コート層を形成するには、θ−アルミナ粉末に含浸・乾固法などでRhを担持し、それをスラリー化して第1コート層表面にコートする方法がある。また貴金属を担持しない第2コート層を形成し、それを貴金属化合物水溶液に浸漬して焼成することで貴金属を担持することもできる。なお、後者の場合には、その貴金属は第1コート層にも担持される。
【0020】第1コート層と第2コート層のコート量は、担体基材の容積1リットル当たり第コート層が100〜180g/L、第2コート層が50〜70g/Lの範囲とするのが望ましい。合計のコート量が250g/Lを超えると、ハニカム担体のセルがアルミナコートにより目詰まりしたり、排ガスの通気抵抗が増大するため好ましくない。またそれぞれのコート量が上記範囲より少ないと、二層構造が形成されなかったり、触媒貴金属の担持密度が高くなり過ぎて粒成長し易くなり浄化性能が低下してしまう。
【0021】ところで、エンジンの始動時など排ガス温度が低い場合には、特開平6−205983号公報に記載されているように、触媒入口側に貴金属を高濃度で担持することが有効である。この技術は本願発明にも適用でき、触媒入口側にPt及びPdの少なくとも1種を高濃度で担持することにより、排ガス温度が低い場合の浄化性能が格段に向上する。
【0022】しかしPt及びPdの少なくとも1種を高濃度で担持すると、高温下で使用された場合に一層シンタリングし易くなるという不具合がある。そこで請求項2に記載したように、少なくとも第2コート層には、担体基材の排ガス入口側から排ガス出口側に向かう担体基材全長の1/6〜1/3の部分にPt及びPdの少なくとも1種が高濃度に担持されている構成とすることが望ましい。
【0023】すなわち請求項2に記載の発明の触媒では、HC及びCOの酸化活性に優れるPt及びPdの少なくとも1種が、触媒入口側に高濃度で担持されているため、エンジンの始動時など排ガス温度の低い場合にも高い浄化性能を示す。そして、この時の反応熱により排ガス及び触媒が加熱されるため、触媒の下流側も早期に温度が上昇し浄化反応に加わるので、加速度的にHC,CO及びNOx の浄化反応が進行し高い浄化性能が得られる。
【0024】ここでPt及びPdの少なくとも1種が触媒入口側に高濃度で担持されていると、高温下で使用された場合にPt及びPdの少なくとも1種にシンタリングが生じるおそれがある。しかし第2コート層はθ−アルミナを主成分としているため、γ−アルミナに比べてPt及びPdが担持されにくい。そのためPt及びPdを担持する際に、Pt及びPdの少なくとも1種は第2コート層だけでなく徐々に第1コート層へも担持される。これによりPt及びPdのコート層厚さ方向の担持分布が均一となるためシンタリングが生じにくい。これにより低温活性が長期間に渡って維持される。
【0025】なおPt及びPdの少なくとも1種が高濃度に担持される部分が、担体基材全長の1/6より少ないと高濃度担持した効果が小さく、1/3を超えても効果が飽和するとともにコストが高騰する。
【0026】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1)図1及び図2に本実施例の排ガス浄化用触媒の構成を示す。この排ガス浄化用触媒は、ハニカム形状の担体基材1と、担体基材1表面にコートされた第1アルミナコート層2と、第1アルミナコート層2表面にコートされた第2アルミナコート層3とから構成されている。
【0027】第1アルミナコート層2は、γ−アルミナと、セリア−ジルコニア複合酸化物とからなる担体と、この担体に担持されたPd20とから構成されている。また第2アルミナコート層3は、θ−アルミナからなる担体と、この担体に担持されたRh30とから構成されている。以下、この排ガス浄化用触媒の製造方法を説明し、構成の詳細な説明に代える。なお以下の「部」は重量部を意味する。
【0028】<第1アルミナコート層の形成>3.5重量%のLaを含むγ−アルミナ粉末(比表面積200m2 /g)を100部と、セリアとジルコニアの複合酸化物粉末(モル比Ce/Zr=1/1)を60部と、濃度40重量%の硝酸アルミニウム水溶液を60部と、無定形アルミナ水和物を3部と、純水100部とを混合・攪拌してスラリーを調製した。
【0029】このスラリーに容積1リットルのセラミック製ハニカム担体基材1を浸漬し、引き上げた後余分なスラリーを吹き飛ばし、250℃で1時間乾燥しさらに600℃で1時間焼成して、ハニカム担体基材1表面にコート層を形成した。コート層は、ハニカム担体基材1リットル当たり140g形成された。その後、所定濃度の硝酸パラジウム水溶液に1時間浸漬し、引き上げた後250℃で1時間乾燥し、ハニカム担体基材1の1リットル当たり5gのPd20を担持した第1アルミナコート層2を形成した。
【0030】<第2アルミナコート層の形成>3.5重量%のLaを含むγ−アルミナ粉末(比表面積200m2 /g)に対して、電気炉にて1100℃で5時間加熱する熱処理を行い、θ−アルミナを主成分とし一部γ−アルミナを含むθ−アルミナ粉末(比表面積100m2 /g)を調製した。
【0031】このθ−アルミナ粉末を所定濃度の硝酸ロジウム水溶液に1時間浸漬し、250℃で1時間乾燥してRhを担持して、Rh担持θ−アルミナ粉末を調製した。Rhの担持量は0.5重量%である。次に、このRh担持θ−アルミナ粉末を40部と、濃度40重量%の硝酸アルミニウム水溶液を30部と、無定形アルミナ水和物を2部と、純水20部とを混合・攪拌してスラリーを調製した。
【0032】このスラリーに第1アルミナコート層2が形成されたハニカム担体基材1を浸漬し、引き上げた後余分なスラリーを吹き飛ばし、250℃で1時間乾燥しさらに600℃で1時間焼成して、第1アルミナコート層2表面に第2アルミナコート層3を形成した。第2アルミナコート層3はハニカム担体基材1の1リットル当たり60g形成され、Rhの担持量はハニカム担体基材1の1リットル当たり0.3gである。
【0033】(実施例2)電気炉における熱処理時の温度を1200℃としたこと以外は実施例1と同様にして、θ−アルミナを主成分とし一部α−アルミナを含むθ−アルミナ粉末(比表面積50m2 /g)を調製した。そして実施例1と同様のPdを担持する第1アルミナコート層が形成されたハニカム担体基材を用い、上記θ−アルミナ粉末を用いたこと以外は実施例1と同様にしてRhを担持した第2アルミナコート層を形成した。
【0034】(実施例3)硝酸パラジウム水溶液の代わりにジニトロジアンミン白金硝酸水溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ハニカム担体基材の1リットル当たり1.5gのPtを担持した第1アルミナコート層を形成し、さらに実施例1と同様にしてRhを担持した第2アルミナコート層を形成した。
【0035】(実施例4)図3に本実施例の排ガス浄化用触媒の構成を示す。この排ガス浄化用触媒では、第1アルミナコート層2にはPd20が担持され、第2アルミナコート層3にはRh30とPd31とが担持されている。3.5重量%のLaを含むγ−アルミナ粉末(比表面積200m2 /g)を100部と、セリアとジルコニアの複合酸化物粉末(モル比Ce/Zr=1/1)を60部と、濃度40重量%の硝酸アルミニウム水溶液を60部と、無定形アルミナ水和物を3部と、純水100部とを混合・攪拌してスラリーを調製した。
【0036】このスラリーに容積1リットルのセラミックス製ハニカム担体基材を浸漬し、引き上げた後余分なスラリーを吹き飛ばし、250℃で1時間乾燥しさらに600℃で1時間焼成して、ハニカム担体基材1表面にコート層を形成した。コート層は、ハニカム担体基材1の1リットル当たり140g形成された。次に、このコート層をもつハニカム担体基材1表面に、実施例1と同様にしてRh30を担持した第2アルミナコート層3を形成した。その後所定濃度の硝酸パラジウム水溶液に1時間浸漬し、250℃で1時間乾燥して、第2アルミナコート層3にさらにPd31を担持するとともに、その下層のコート層にもPd20を担持して第1アルミナコート層2を形成した。Pdの担持量は、第1アルミナコート層2及び第2アルミナコート層3の合計で、ハニカム担体基材1の1リットル当たり5gである。
【0037】(実施例5)3.5重量%のLaを含むγ−アルミナ粉末(比表面積200m2 /g)を100部と、セリアとジルコニアの複合酸化物粉末(モル比Ce/Zr=1/1)を60部と、濃度40重量%の硝酸アルミニウム水溶液を60部と、無定形アルミナ水和物を3部と、純水100部とを混合・攪拌してスラリーを調製した。
【0038】このスラリーに容積1リットルのセラミックス製ハニカム担体基材を浸漬し、引き上げた後余分なスラリーを吹き飛ばし、250℃で1時間乾燥しさらに600℃で1時間焼成して、ハニカム担体基材表面にコート層を形成した。コート層は、ハニカム担体基材1リットル当たり140g形成された。次に、このコート層をもつハニカム担体基材表面に、実施例1と同様にしてRhを担持した第2アルミナコート層を形成した。その後所定濃度のジニトロジアンミン白金硝酸水溶液に1時間浸漬し、250℃で1時間乾燥して、第2アルミナコート層にさらにPtを担持するとともに、その下層のコート層にもPtを担持して第1アルミナコート層を形成した。Ptの担持量は、第1アルミナコート層及び第2アルミナコート層の合計で、ハニカム担体基材1リットル当たり1.5gである。
【0039】(実施例6)硝酸パラジウム水溶液の代わりにジニトロジアンミン白金硝酸水溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ハニカム担体基材の1リットル当たり1.5gのPtを担持した。さらにθ−アルミナ粉末へのRh担持量を1.0重量%としたこと以外は実施例1と同様にして、Rhを担持した第2アルミナコート層を形成した。Rh担持量はハニカム担体基材1の1リットル当たり0.6gである。
【0040】(実施例7)硝酸パラジウム水溶液の代わりにジニトロジアンミン白金硝酸水溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ハニカム担体基材の1リットル当たり1.5gのPtを担持した。さらにθ−アルミナ粉末へのRh担持量を1.7重量%としたこと以外は実施例1と同様にして、Rhを担持した第2アルミナコート層を形成した。Rh担持量はハニカム担体基材1の1リットル当たり1.0gである。
【0041】(比較例1)電気炉における熱処理時の温度を1000℃としたこと以外は実施例1と同様にして、γ−アルミナを主成分とし一部θ−アルミナを含むγ−アルミナ粉末(比表面積150m2 /g)を調製した。そして実施例1と同様のPdを担持する第1アルミナコート層が形成されたハニカム担体基材を用い、θ−アルミナ粉末の代わりに上記γ−アルミナ粉末を用いたこと以外は実施例1と同様にしてRhを担持した第2アルミナコート層を形成した。
【0042】(比較例2)電気炉における熱処理時の温度を1300℃としたこと以外は実施例1と同様にして、α−アルミナ粉末(比表面積5m2 /g)を調製した。そして実施例1と同様のPdを担持する第1アルミナコート層が形成されたハニカム担体基材を用い、θ−アルミナ粉末の代わりに上記α−アルミナ粉末を用いたこと以外は実施例1と同様にしてRhを担持した第2アルミナコート層を形成した。
【0043】(比較例3)ジルコニア粉末を所定濃度の硝酸ロジウム水溶液に1時間浸漬し、250℃で1時間乾燥してRhを担持して、Rh担持ジルコニア粉末を調製した。Rhの担持量は2重量%である。次に、このRh担持ジルコニア粉末を15部と、γ−アルミナ粉末を40部と、濃度40重量%の硝酸アルミニウム水溶液を30部と、無定形アルミナ水和物を2部と、純水20部とを混合・攪拌してスラリーを調製した。
【0044】このスラリーに実施例1と同様のPdを担持する第1アルミナコート層が形成されたハニカム担体基材を浸漬し、引き上げた後余分なスラリーを吹き飛ばし、250℃で1時間乾燥しさらに600℃で1時間焼成して、第1アルミナコート層表面に第2アルミナコート層を形成した。第2アルミナコート層はハニカム担体基材1リットル当たり60g形成され、Rhの担持量はハニカム担体基材1の1リットル当たり0.3gである。
【0045】(比較例4)硝酸パラジウム水溶液の代わりにジニトロジアンミン白金硝酸水溶液を用い、ハニカム担体基材の1リットル当たり1.5gのPtを担持したこと以外は実施例1と同様にしてPtを担持する第1アルミナコート層を形成した。電気炉における熱処理時の温度を1000℃としたこと以外は実施例1と同様にして、γ−アルミナを主成分とし一部θ−アルミナを含むγ−アルミナ粉末(比表面積150m2 /g)を調製した。
【0046】そして上記第1アルミナコート層が形成されたハニカム担体基材を用い、θ−アルミナ粉末の代わりに上記γ−アルミナ粉末を用いたこと以外は実施例1と同様にしてRhを担持した第2アルミナコート層を形成した。
(比較例5)硝酸パラジウム水溶液の代わりにジニトロジアンミン白金硝酸水溶液を用い、ハニカム担体基材の1リットル当たり1.5gのPtを担持したこと以外は実施例1と同様にしてPtを担持する第1アルミナコート層を形成した。
【0047】電気炉における熱処理時の温度を1300℃としたこと以外は実施例1と同様にして、α−アルミナ粉末(比表面積5m2 /g)を調製した。そして上記第1アルミナコート層が形成されたハニカム担体基材を用い、θ−アルミナ粉末の代わりに上記α−アルミナ粉末を用いたこと以外は実施例1と同様にしてRhを担持した第2アルミナコート層を形成した。
【0048】(比較例6)硝酸パラジウム水溶液の代わりにジニトロジアンミン白金硝酸水溶液を用い、ハニカム担体基材の1リットル当たり1.5gのPtを担持したこと以外は実施例1と同様にしてPtを担持する第1アルミナコート層を形成した。ジルコニア粉末を所定濃度の硝酸ロジウム水溶液に1時間浸漬し、250℃で1時間乾燥してRhを担持して、Rh担持ジルコニア粉末を調製した。Rhの担持量は2重量%である。
【0049】次に、このRh担持ジルコニア粉末を15部と、γ−アルミナ粉末を40部と、濃度40重量%の硝酸アルミニウム水溶液を30部と、無定形アルミナ水和物を2部と、純水20部とを混合・攪拌してスラリーを調製した。このスラリーに上記第1アルミナコート層が形成されたハニカム担体基材を浸漬し、引き上げた後余分なスラリーを吹き飛ばし、250℃で1時間乾燥しさらに600℃で1時間焼成して、第1アルミナコート層表面に第2アルミナコート層を形成した。第2アルミナコート層はハニカム担体基材1リットル当たり60g形成され、Rhの担持量はハニカム担体基材1リットル当たり0.3gである。
【0050】(試験・評価)それぞれの排ガス浄化用触媒を触媒コンバータに収納して排気量2Lのガソリンエンジンの排気系に装着し、入りガス温度900℃、空燃比(A/F)を14.6±1で大きく変動させた条件にて、100時間の実ガス耐久試験を行った。その後、入りガス温度400℃、空燃比14.6±0.5の条件にて、HC、CO及びNOx の浄化率を測定した。結果を表1に示す。
【0051】
【表1】

【0052】実施例1〜7と比較例1〜6とを比較すると、各実施例の排ガス浄化用触媒の場合には、Pd/Rh系、Pt/Rh系ともに浄化性能が大幅に向上し、排ガス温度が900℃のような高温雰囲気下における耐熱性が格段に向上している。そしてこの効果は、上層の第2コート層をθ−アルミナから構成したことによるものであることが明らかである。
【0053】すなわち、Pd/Rh系である実施例1〜2,4と比較例1〜3を比較すると、実施例1〜2,4の方が高い浄化率を示している。またPt/Rh系の実施例3,5と比較例4〜6とを比較しても、実施例3,5の方が高い浄化率を示している。このように比較例1〜6が浄化性能に劣る理由としては、比較例1,4では高温雰囲気においてγ−アルミナとRhとが反応してアルミナ結晶中にRhが固溶し、さらにRhのシンタリングが促進されたものと考えられる。またα−アルミナを用いた比較例2,5の場合には、比表面積が5m2 /gときわめて小さいためにRhの分散性が低く、耐久前の初期から浄化性能が低かった。
【0054】また比較例3,6は、比較例1,4に比べると耐久後の浄化性能が高いものの、実施例に比べると十分ではない。この理由としては、ジルコニアの耐熱性が低いために、第2アルミナコート層においてRhのシンタリングが促進されたものと考えられる。一方、各実施例の排ガス浄化用触媒においては、第2アルミナコート層の担体に熱的に安定であるθ−アルミナを用いているため、Rhとアルミナとの反応が進行せず、アルミナ結晶中にRhが固溶しにくく、さらにはアルミナの相変化、粒成長に伴うRhのシンタリングも抑制されているため、Rhの活性が十分に維持されたものと考えられる。
【0055】さらに実施例3,6,7の比較より、第1アルミナコート層にさらにRhを担持することで浄化性能が向上し、Rhの担持量が多くなるほど浄化性能が向上していることがわかる。これは、第2アルミナコート層の担体にθ−アルミナを用いているため、Rhがアルミナ結晶中に固溶しにくく、さらにRhのシンタリング抑制効果が効果的に発現されたためと考えられる。
【0056】(実施例8)図4に本実施例の排ガス浄化用触媒の構成を示す。この排ガス浄化用触媒は、ハニカム形状の担体基材1’と、担体基材1’表面にコートされた第1アルミナコート層2’と、第1アルミナコート層2’表面にコートされた第2アルミナコート層3’とから構成されている。
【0057】第1アルミナコート層2’は、γ−アルミナとセリア−ジルコニア複合酸化物とからなる担体と、この担体に担持されたPt21とから構成されている。また第2アルミナコート層3’は、全体がθ−アルミナからなる担体とこの担体に担持されたRh30とから構成され、排ガス入口側端面から担体基材全長の1/6の部分に、Pd31が高濃度に担持されたPd高担持部10が形成されている。
【0058】以下、この排ガス浄化用触媒の製造方法を説明し、構成の詳細な説明に代える。なお以下の「部」は重量部を意味する。
<第1アルミナコート層の形成>実施例1に用いたと同様のγ−アルミナ粉末100部と、セリアとジルコニアの複合酸化物粉末(モル比Ce/Zr=1/1)60部と、無定形アルミナ水和物3部と、純水100部とを混合・攪拌してスラリーを調製した。
【0059】このスラリーに容積1.0L(ハニカム部:直径103mm×長さ120mm)のセラミックス製ハニカム担体基材1’を浸漬し、引き上げた後余分なスラリーを吹き飛ばし、250℃で1時間乾燥しさらに600℃で1時間焼成して、ハニカム担体基材1’表面にコート層を形成した。コート層は、ハニカム担体基材1リットル当たり140g形成された。
【0060】その後、所定濃度の硝酸ジニトロジアンミン白金水溶液に1時間浸漬し、引き上げた後250℃で1時間乾燥し、ハニカム担体基材1’の1L当たり1.5gのPt21を担持した第1アルミナコート層2’を形成した。
<第2アルミナコート層の形成>実施例1と同様に調製されたθ−アルミナ粉末を所定濃度の硝酸ロジウム水溶液に1時間浸漬し、250℃で1時間乾燥してRhを担持して、Rh担持θ−アルミナ粉末を調製した。Rhの担持量は0.5重量%である。
【0061】次に、このRh担持θ−アルミナ粉末を40部と、濃度40重量%の硝酸アルミニウム水溶液を30部と、無定形アルミナ水和物を2部と、純水20部とを混合・攪拌してスラリーを調製した。このスラリーに第1アルミナコート層2’が形成されたハニカム担体基材1’を浸漬し、引き上げた後余分なスラリーを吹き飛ばし、250℃で1時間乾燥しさらに600℃で1時間焼成して、第1アルミナコート層2’表面に第2アルミナコート層3’を形成した。第2アルミナコート層3’はハニカム担体基材1’の1リットル当たり60g形成され、Rhは全体に均一に0.3g/Lの担持量で担持されている。
【0062】次にハニカム担体基材1’の上流側端面より20mmの部分(ハニカム担体基材1’全長の1/6)を所定濃度の硝酸パラジウム水溶液に1時間浸漬し、引き上げた後250℃で1時間乾燥し、その部分にハニカム担体基材1’の1L当たり10gの濃度でPd31を追加担持して、Pd高担持部10を形成した。
(実施例9)ハニカム担体基材1’の上流側端面より20mmの部分(ハニカム担体基材1’全長の1/6)にPdに代えてPtをさらに10g/Lの濃度で追加担持したこと以外は実施例8と同様にして、本実施例の触媒を調製した。
【0063】(実施例10)ハニカム担体基材1’の上流側端面より20mmの部分(ハニカム担体基材1’全長の1/6)にPdに代えてPtをさらに4g/Lの濃度で追加担持したこと以外は実施例8と同様にして、本実施例の触媒を調製した。
(実施例11)ハニカム担体基材1’の上流側端面より40mmの部分(ハニカム担体基材1’全長の1/3)にPdをさらに10g/Lの濃度で追加担持したこと以外は実施例8と同様にして、本実施例の触媒を調製した。
【0064】(実施例12)ハニカム担体基材1’の上流側端面より40mmの部分(メタル担体基材1’全長の1/3)にPdに代えPtをさらに4g/Lの濃度で追加担持したこと以外は実施例8と同様にして、本実施例の触媒を調製した。
(実施例13)Pdの追加担持を行わなかったこと以外は実施例8と同様にして、本実施例の触媒を調製した。この触媒は実施例3の触媒と類似の構成である。
【0065】(比較例7)3.5重量%のLaを含むγ−アルミナ粉末(比表面積200m2 /g)を100部と、セリアとジルコニアの複合酸化物粉末(モル比Ce/Zr=1/1)を60部と、濃度40重量%の硝酸アルミニウム水溶液を60部と、無定形アルミナ水和物を3部と、純水100部とを混合・攪拌してスラリーを調製した。
【0066】このスラリーに容積1リットルのセラミック製ハニカム担体基材1’を浸漬し、引き上げた後余分なスラリーを吹き飛ばし、250℃で1時間乾燥しさらに600℃で1時間焼成して、ハニカム担体基材1表面に一層のコート層を形成した。コート層は、ハニカム担体基材1’の1リットル当たり200g形成された。その後、所定濃度のジニトロジアンミン白金水溶液に1時間浸漬し、引き上げた後250℃で1時間乾燥し、さらに所定濃度の硝酸ロジウム水溶液に1時間浸漬し、引き上げた後250℃で1時間乾燥し、ハニカム担体基材1’の1リットル当たり1.5gのPtと0.3gのRhを担持した次に、前記ハニカム担体基材1’の上流側端面より20mmの部分を所定濃度の硝酸パラジウム水溶液に1時間浸漬し、引き上げた後250℃で1時間乾燥し、その部分にハニカム担体基材1’の1リットル当たり10gのPdを追加担持して、Pd高担持部を形成した。
【0067】(比較例8)硝酸パラジウム水溶液の代わりにジニトロジアンミン白金水溶液を用いて、ハニカム担体基材1’の上流側端面より20mmの部分にハニカム担体基材1’の1リットル当たり10gのPtを追加担持したPt高担持部を形成したこと以外は比較例7と同様にして、本比較例の触媒を調製した。
【0068】(試験・評価)それぞれの排ガス浄化用触媒を触媒コンバータに収納して排気量2Lのガソリンエンジンの排気系に装着し、入りガス温度900℃、空燃比(A/F)を14.6±1と大きく変動させた条件にて、100時間の実ガス耐久試験を行った。その後、入りガス温度400℃、空燃比14.6±0.5の条件にて、HC、CO及びNOx の平均浄化率を測定した。また、入りガス温度を250℃から400℃まで昇温させ、その時のHC浄化率が50%に到達する温度も測定した。結果を表2に示す。
【0069】
【表2】

【0070】表2より、実施例8〜12の触媒は実施例13の触媒に比べて耐久試験後においても低温域でのHCの浄化活性に優れ、Pd高担持部10あるいはPt高担持部を形成することで浄化性能が向上していることが明らかである。また比較例7,8との比較より、低温域での浄化活性及びCO,NOx 浄化率が優れていることがわかる。このことより、上層のRhがアルミナへの固溶を抑制し、さらには上流側端面に高濃度で均一に担持されたPd及びPtのシンタリングも抑制されて性能が向上していることがわかる。
【0071】
【発明の効果】すなわち請求項1に記載の排ガス浄化用触媒によれば、900℃以上の高温雰囲気においてもRhとアルミナとの反応を抑制でき、耐熱性が格段に向上する。また請求項2に記載の排ガス浄化用触媒によれば、エンジンの始動時など低温時の浄化性能が向上し、その耐久性にも優れている。
【0072】さらに請求項3に記載の排ガス浄化用触媒によれば、Rhのシンタリング抑制効果が一層効果的に発現され、浄化性能がさらに向上する。




 

 


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