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発明の名称 排ガス浄化用触媒
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−128068
公開日 平成10年(1998)5月19日
出願番号 特願平8−284078
出願日 平成8年(1996)10月25日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】大川 宏
発明者 榊原 雄二 / 浅野 明彦 / 近藤 照明 / 横田 幸治 / 高田 保夫 / 片岡 匡男
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 酸素を過剰に含む排ガス中に還元剤を供給して該排ガス中に含まれる窒素酸化物を還元浄化するのに用いられる排ガス浄化用触媒であって、第1多孔質担体と、該第1多孔質担体に担持された第1触媒貴金属とを含んでなり熱処理された第1触媒と、第2多孔質担体と、該第2多孔質担体に担持された第2触媒貴金属とを含んでなり熱処理された第2触媒と、よりなることを特徴とする排ガス浄化用触媒。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディーゼルエンジンあるいはリーンバーンエンジンなどの内燃機関から排出される排ガスを浄化する排ガス浄化用触媒法に関し、さらに詳しくは、酸素過剰の排ガス、すなわち排ガス中に含まれる一酸化炭素(CO)、水素(H2 )及び炭化水素(HC)等の還元性成分を完全に酸化するのに必要な酸素量より過剰の酸素を含む排ガス中の、窒素酸化物(NOx)を低温域から高温域まで効率よく還元浄化できる排ガス浄化用触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車の排ガス浄化用触媒として、CO及びHCの酸化とNOx の還元とを同時に行って排ガスを浄化する三元触媒が用いられている。このような三元触媒としては、例えばコーディエライトなどからなる耐熱性基材にγ−アルミナからなる多孔質担体層を形成し、その多孔質担体層に白金(Pt)、ロジウム(Rh)などの触媒貴金属を担持させたものが広く知られている。
【0003】一方、近年、地球環境保護の観点から、自動車などの内燃機関から排出される排ガス中の二酸化炭素(CO2 )が問題とされ、その解決策として空燃比(A/F)が24以上まで拡大された酸素過剰雰囲気において希薄燃焼させる、いわゆるリーンバーンが採用されている。このリーンバーンにおいては、燃費が向上するために燃料の使用が低減され、その燃焼排ガスであるCO2 の発生を抑制することができる。
【0004】しかしながら従来の三元触媒は、空燃比が理論空燃比(ストイキ)近傍において排ガス中のCO,HC,NOx を同時に酸化・還元し、浄化するものであって、前記三元触媒はリーンバーン時の排ガスの酸素過剰雰囲気下においてはNOxの還元除去に対しては充分な浄化性能を示さない。このため、酸素過剰雰囲気下においてもNOx を浄化しうる触媒及び浄化システムの開発が望まれていた。
【0005】ところで、触媒反応には最適な温度域が存在し、その温度域を外れると活性が低下する。排ガス浄化用触媒によるNOx 還元反応も例外ではなく、また自動車の排ガス温度は大きく変動するので、NOx を還元する触媒反応が生じる温度範囲はできるだけ広い方が好ましい。そこで酸素過剰雰囲気下において、広い温度範囲でNOx を浄化する排ガス浄化方法として、例えば特開平8−57259号公報に開示されたように、異なる2種類の触媒に排ガスを接触させる方法が開示されている。
【0006】上記公報に開示された技術では、ゼオライトに主としてコバルトを担持した反応温度の高い触媒を排ガス流路の上流側に配置し、ゼオライトに主として銅を担持した反応温度の低い触媒(Cu/ゼオライト触媒)を下流側に配置している。そして還元剤を排ガス中に供給することにより、高温域では主として上流側の触媒で還元剤とNOx が反応してNOx が還元浄化される。一方低温域では、上流側の触媒で還元剤が部分的に分解されてNOx 還元に有利な活性種が生成し、それにより下流側の触媒でNOx が効率よく還元される。したがって、200〜600℃の温度範囲で、高いNOx 浄化活性が得られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記公報に開示された反応温度の低い触媒であるCu/ゼオライト触媒、例えばCu/ZSM−5触媒では、図1の触媒Cに示されるように、NOx浄化温度ウインドウが300℃以上であり、約300℃以下の低温域ではNOx浄化率が低いという問題がある。
【0008】また例えばCu/ZSM−5触媒は、水蒸気を含む雰囲気中で600℃以上の熱が加わると、ゼオライト中のAlが脱離しCuイオンが移動するという現象がある。この配位状態の変化に伴い、Cu/ZSM−5触媒は化学的に反応性の低い状態に変化してしまうため、600℃以上の高温が作用する雰囲気下で使用するとNOx 浄化率が低下するという不具合がある。
【0009】本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、300℃未満の低温域であっても高いNOx 浄化性能を示し、かつ耐熱性に優れた排ガス浄化用触媒を提供することを目的とする。またもう一つの目的は、NOx 浄化温度域が従来のように狭い場合であっても、その温度範囲において従来よりさらに高いNOx 浄化性能を示す排ガス浄化用触媒とすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求項1に記載の排ガス浄化用触媒の特徴は、酸素を過剰に含む排ガス中に還元剤を供給して排ガス中に含まれる窒素酸化物を還元浄化するのに用いられる排ガス浄化用触媒であって、第1多孔質担体と第1多孔質担体に担持された第1触媒貴金属とを含んでなり熱処理された第1触媒と、第2多孔質担体と第2多孔質担体に担持された第2触媒貴金属とを含んでなり熱処理された第2触媒と、よりなることにある。
【0011】請求項1に記載の排ガス浄化用触媒において、第1触媒は酸化雰囲気中で600〜1200℃の範囲で熱処理され、第2触媒は非酸化雰囲気中で600〜1200℃の範囲で熱処理されていることが望ましい。また請求項1に記載の排ガス浄化用触媒において、第1触媒及び第2触媒は排ガス流路の上流から下流に第1触媒及び第2触媒の順に配置されていることが望ましい。
【0012】さらに請求項1に記載の排ガス浄化用触媒において、第1触媒及び第2触媒は排ガス流路の上流から下流に第2触媒及び第1触媒の順に配置されていてもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】第1触媒の第1多孔質担体は、アルミナ、シリカ系多孔体、セピオライト及びゼオライトから選ばれる少なくとも一種からなる。これらの担体は、還元剤である炭化水素化合物の吸着性に優れているため好ましく用いられる。アルミナにはα−アルミナ、γ−アルミナなどを用いることができるが、活性の高いγ−アルミナを用いることが望ましい。
【0014】シリカ系多孔体としては、多孔質シリカを始めとして、FSM、MCM−41のような層状シリカ多孔体、シリカゲルなどを用いることができる。またゼオライトとしては、モルデナイト、ZSM−5、ホージャサイト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト(X型及びY型ゼオライトはフォージャサイト型ゼオライト)などを用いることができるが、炭化水素のクラッキング作用に優れたモルデナイト、ZSM−5、超安定Y型ゼオライト(US−Y)が特に好ましい。
【0015】第1多孔質担体に担持される第1触媒貴金属としては、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)の少なくとも一種を用いることができる。なかでもPtあるいはPtよりも高温域で活性の高いRhの少なくとも一種を用いることが好ましい。もちろんPtとRhの両方を用いてもよい。なお、第1触媒貴金属の担持量は、第1触媒1リットルに対して0.5〜30gの範囲が望ましい。0.5g未満ではNOx をほとんど浄化できず、30gより多く担持してもNOx 浄化活性が飽和するため、それ以上の担持はコストの増大を招くだけである。
【0016】第2触媒の第2多孔質担体は、第1多孔質担体と同様にアルミナ、シリカ系多孔体、セピオライト及びゼオライトから選ばれる少なくとも一種から構成してもよいし、炭化水素の吸着性の低い酸化ジルコニウム(ジルコニア)、酸化チタン(チタニア)などを用いることもできる。第2多孔質担体に担持される第2触媒貴金属としては、第1触媒貴金属と同様にPt、Pd、Rhの少なくとも一種を用いることができる。中でも低温活性の高いPtが特に好ましい。
【0017】なお、第2触媒貴金属の担持量も、第2触媒1リットルに対して0.5〜30gの範囲が望ましい。0.5g未満ではNOx をほとんど浄化できず、30gより多く担持してもNOx 浄化活性が飽和するため、それ以上の担持はコストの増大を招くだけである。第1触媒及び第2触媒は、そのまま用いると耐久性が低く、初期活性は高いものの使用していくうちに徐々に活性が低下する。このため第1触媒及び第2触媒は、ともに熱処理されて用いられる。つまり実際に使用する温度より高い温度で熱処理すれば、熱処理時に触媒貴金属の粒成長が生じても使用時の粒成長は生じないので、活性が安定する。
【0018】この熱処理温度は、ディーゼルエンジンの排ガス温度はおおよそ600℃以下であるため、600〜1200℃の範囲が好ましい。600℃より低い温度では熱処理の効果が得られにくく使用時に触媒貴金属の粒成長が生じ、初期活性の維持が困難となる。また1200℃より高くなると、多孔質担体の構造変化が生じるため好ましくない。
【0019】第1触媒は大気中など酸素の存在する酸化雰囲気中で熱処理することが望ましい。酸化雰囲気中での熱処理により、触媒貴金属の粒成長は不均一となり活性が高温側へシフトするため、第1触媒は200〜400℃の高温域で活性の高い触媒となる。一方、第2触媒の熱処理は、不活性ガス中、窒素ガス中、あるいは真空中などの非酸化雰囲気中で行うことが望ましい。これにより触媒貴金属は均一な粒径で成長して安定化するため、熱処理前の活性が比較的維持され、第2触媒は150〜350℃の低温域で活性の高い触媒となる。
【0020】酸化雰囲気と非酸化雰囲気での熱処理時の触媒貴金属の挙動は、以下のように説明される。まず、担体上における貴金属の凝集は、貴金属どうしの衝突によって起こることが知られている。そして例えばPtは、非酸化雰囲気よりも酸化雰囲気の方が凝集しやすいことが知られている。これは、Ptの酸化物の蒸気圧が金属Ptのそれよりも高いことから予想されるように、酸化雰囲気下では気相や担体表面を伝わってPt酸化物が移動しやすくなり、Pt粒子どうしの衝突が生じるためである。ただし、担体上のすべてのPt粒子が同じ速度で移動するわけではなく、担体の状態は不均一であるから、担体上での位置の違いによりPtと担体の相互作用が異なるなどの原因で、移動しやすいPtと移動しにくいPtとが存在する。したがって酸化雰囲気で熱処理すると、Pt粒子どうしの衝突が不均一に生じるため、Ptの粒径分布はきわめて広くなり、活性が高温側にシフトする。
【0021】このような挙動により粒成長が不均一となるのであるから、酸化雰囲気下での熱処理は触媒貴金属の担持量が多い方が効果的である。一方、非酸化雰囲気では、Ptは金属Ptとして存在しているため、担体との相互作用が小さく、Pt粒子それぞれの移動速度はほぼ同一となる。したがって、Ptの粒径は比較的均一となる。ただし、金属PtはPt酸化物に比べて移動しにくいので、粒径の成長速度はきわめて小さい。したがって、Ptは熱処理を施さないときの活性を比較的維持し、活性が高温側にシフトすることはない。
【0022】以上、Ptの場合について説明したが、このような挙動はPdやRhでも同様である。還元剤としては、炭化水素化合物が用いられる。その種類は特に制限されないが、炭素数の多いパラフィン系炭化水素が含まれているものを用いると、NOxを効果的に浄化することができる。このような炭化水素化合物としては、軽油や灯油が代表的に例示される。
【0023】還元剤の添加量は、ディーゼルエンジンの場合、排ガス中に100〜10000ppmCの範囲が好ましい。100ppmCより少ないとNOx の浄化が困難となり、10000ppmC以上添加してもNOx 浄化能が飽和する。なお、還元剤は排ガス中に直接添加してもよいし、空燃比(A/F)を時々リッチとすることにより排ガス中に炭化水素が多い状態として、炭化水素を直接添加したと同じ条件とすることもできる。
【0024】上記のように熱処理された第1触媒及び第2触媒を用いる場合には、排ガス流路内の第1触媒と第2触媒の配置順序によって、浄化作用が異なる。まず酸化雰囲気中で熱処理された第1触媒を上流側に、非酸化雰囲気中で熱処理された第2触媒を下流側に配置した場合を説明すると、酸化雰囲気中で熱処理された第1触媒は低温域では活性が低いため、還元剤は低温時に第1触媒に吸着され、昇温時に脱離して低温域で活性の高い第2触媒においてNOx の還元に消費される。また、吸着された還元剤は、離脱するときにクラッキングされ、より還元剤として有効な低分子の炭化水素に改質されるため、NOx 浄化率が向上する。
【0025】1種類の触媒では、広範囲の排ガス温度域においてNOx を浄化することは困難であるが、上記したように高温域で活性の高い酸化雰囲気中で熱処理された第1触媒を上流側に、低温域で活性の高い非酸化雰囲気中で熱処理された第2触媒を下流側に配置することにより、低温域から高温域までの広い温度範囲でNOxを浄化することができる。
【0026】一方、低温域で活性の高い非酸化雰囲気中で熱処理された第2触媒を上流側に、高温域で活性の高い酸化雰囲気中で熱処理された第1触媒を下流側に配置した場合は、排ガス温度が低温域において、上流側の第2触媒で還元剤が燃焼するとともにNOx と反応することにより排ガス温度が上昇する。こうして排ガスが第1触媒の活性温度域に達すると、下流側の第1触媒でもさらにNOx が浄化され、結果的に高いNOx 浄化率が得られる。つまり第1触媒と第2触媒のNOx 浄化温度の差が小さくても、その温度範囲において高いNOx 浄化率を得ることができる。なお第1触媒に到達する際の排ガス温度は、還元剤の供給量により制御することができる。
【0027】さらに、酸化雰囲気中で熱処理された第1触媒を上流側に、非酸化雰囲気中で熱処理された第2触媒を下流側に配置した場合には、そのさらに下流側に酸化雰囲気中で熱処理された第1触媒を配置することも好ましい。このようにすれば、上記した2種類の配置順序の両方の特性が現れ、例えば300℃より低い温度でのNOx 浄化温度域が広くなるとともに、特定の狭い温度域でさらにNOx 浄化活性を高めることができる。なお、このとき、必要に応じて最下流の第1触媒の上流側にも還元剤を供給することが好ましい。
【0028】また場合によっては、非酸化雰囲気中で熱処理された第1触媒を上流側に配置し、酸化雰囲気中で処理された第2触媒を下流側に配置することもできる。なお、上流側に配置する触媒の多孔質担体は、アルミナ、シリカ系多孔体、セピオライト及びゼオライトのように、吸着作用をもつものを用いることが好ましい。これにより排ガス中の未燃焼高沸点炭化水素が上流側の触媒に吸着されるため、下流側に配置された触媒によるNOx 浄化活性が未燃焼高沸点炭化水素により損なわれるのが防止される。
【0029】第1触媒及び第2触媒の形状は、ハニカム形状、ペレット形状など特に制限されない。またその製造方法も、従来の製造方法を用いることができる。そして排ガス流路に第1触媒と第2触媒を配置する場合、第1触媒と第2触媒を一体としてもよいし、別体の第1触媒と第2触媒を直列に配置することもできる。後者の場合、第1触媒と第2触媒の間に間隔があってもよいし、間隔なしに当接させた状態で配置してもよい。
【0030】なお、触媒の大きさを調整することにより、還元剤をより有効に利用することができ、燃費の悪化率を低減することができる。また、触媒内に常時炭化水素が存在していると、排ガス中のSO2 の酸化も抑制される。そこで、触媒内に常時炭化水素が存在するような長さの触媒とすることにより、サルフェートの生成を抑制することができる。
【0031】また還元剤の供給位置は、第1触媒及び第2触媒の上流側にのみ供給してもよいし、さらに第1触媒と第2触媒の間にも供給することもできる。なお、第1触媒と第2触媒の間にも供給する場合、第1触媒及び第2触媒の上流側に供給する還元剤と同じものを供給してもよいし、異なる種類の還元剤を供給することもできる。
【0032】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
(1)触媒A−1の調製モルデナイト(SiO2 /Al2 3 =30)粉末100重量部、シリカゾル(シリカ20重量%)35重量部、水135重量部を攪拌混合し、スラリーを調製した。次にコーディエライト製のハニカム担体基材(400セル/in2 、直径30mm、長さ25mm)を用意し、このスラリーに浸漬後引き上げて余分なスラリーを吹き払い、250℃で乾燥後650℃で焼成してモルデナイト層を形成した。モルデナイトのコート量は、ハニカム担体基材1リットル当たり120gである。
【0033】次に、モルデナイト層を持つハニカム担体基材に所定濃度のジニトロジアンミン白金水溶液の所定量を含浸させ、水分を乾燥させた後300℃で1時間焼成して、ハニカム担体基材1リットル当たりPtを10g担持させ、触媒A−1を得た。
(2)触媒A−2の調製触媒A−1を窒素ガス雰囲気中において800℃で3時間焼成し、触媒A−2を調製した。
(3)触媒A−3の調製触媒A−1を大気中において800℃で3時間焼成し、触媒A−3を調製した。
(4)触媒B−1の調製γ−アルミナ粉末100重量部、アルミナゾル(アルミナ40重量%)20重量部、水140重量部を攪拌混合し、スラリーを調製した。次に触媒A−1と同様のハニカム担体基材を用意し、このスラリーに浸漬後引き上げて余分なスラリーを吹き払い、250℃で乾燥後500℃で焼成してγ−アルミナ層を形成した。γ−アルミナのコート量は、ハニカム担体基材1リットル当たり120gである。
【0034】次に、γ−アルミナ層を持つハニカム担体基材を所定濃度のジニトロジアンミン白金水溶液中に浸漬してPtを選択吸着させ、水分を乾燥させた後300℃で1時間焼成して、ハニカム担体基材1リットル当たりPtを20g担持させ、触媒B−1を調製した。
(5)触媒B−2の調製触媒B−1を窒素ガス雰囲気中において800℃で3時間焼成し、触媒B−2を調製した。
(6)触媒B−3の調製触媒B−1を大気中において800℃で3時間焼成し、触媒B−3を調製した。
(7)触媒Cの調製ZSM−5粉末を所定濃度の酢酸銅水溶液中に加えて60℃で24時間攪拌し、銅イオンによるイオン交換を行った。その後濾過、洗浄、蒸発乾固後500℃で1時間焼成してCu/ZSM−5触媒粉末を調製した。
【0035】次に、このCu/ZSM−5触媒粉末100重量部と、シリカゾル(シリカ20重量%)40重量部、水140重量部を攪拌混合し、スラリーを調製した。そして触媒A−1と同様のハニカム担体基材を用意し、このスラリーに浸漬後引き上げて余分なスラリーを吹き払い、250℃で乾燥後500℃で焼成してCu/ZSM−5触媒層を形成した。Cu/ZSM−5触媒のコート量は、ハニカム担体基材1リットル当たり120gであり、このときのCuの担持量はハニカム担体基材1リットルあたり2gである。
【0036】上記の各触媒の構成を表1にまとめて示す。
【0037】
【表1】

【0038】(8)各触媒のNOx 浄化活性評価上記の各触媒に対し、表2に示す組成のモデルガスを30L/min(0℃、1atm)流し、入りガス温度を100〜450℃まで15℃/minの速度で昇温させたときのNOx 浄化率を測定した。結果を図1及び図2に示す。
【0039】
【表2】

図1及び図2からわかるように、触媒A−1〜3及び触媒B−1〜3は、触媒Cに比べて低温域でNOx を浄化することができることが明らかである。また触媒A−1〜3の方が触媒B−1〜3より最高NOx 浄化率が高く、担体としてはモルデナイトの方が好ましいこともわかる。
【0040】また熱処理することにより最高NOx 浄化率はやや低下するものの、窒素ガス雰囲気下で熱処理した触媒(A−2、B−2)はNOx 浄化温度範囲が熱処理しない触媒(A−1、B−1)とNOx 浄化温度域が同等であり、大気中で熱処理した触媒(A−3、B−3)ではNOx 浄化温度域が約30℃高温側へシフトしている。つまり、窒素ガス雰囲気下で熱処理した触媒(A−2、B−2)は低温域において性能を発揮し、大気中で熱処理した触媒(A−3、B−3)は高温域で性能を発揮することがわかる。
(9)触媒B−4の調製担体基材1リットル当たりPtを10g担持したこと以外は触媒B−1と同様にして、触媒B−4を調製した。
(10)触媒B−5の調製触媒B−4を窒素ガス雰囲気中において800℃で3時間焼成し、触媒B−5を調製した。
(11)触媒B−6の調製触媒B−4を窒素ガス雰囲気中において800℃で10時間焼成し、触媒B−6を調製した。
(12)触媒B−7の調製触媒B−4を大気中において800℃で3時間焼成し、触媒B−7を調製した。
(13)触媒B−8の調製触媒B−4を大気中において800℃で10時間焼成し、触媒B−8を調製した。
【0041】これらの各触媒の構成を表1にまとめて示す。
(14)熱処理の影響の調査まず触媒Cについて、表2に示すモデルガス中にて700℃及び800℃でそれぞれ5時間加熱する熱処理を行い、熱処理前後のNOx 浄化率を測定した。結果を図3に示す。
【0042】図3に示すように、触媒Cは700℃及び800℃の熱処理によりNOx 浄化率が大きく低減し、耐久性に乏しいことがわかる。次に、触媒B−4、B−5、B−6、B−7及びB−8について、表2に示す組成のモデルガスを30L/min(0℃、1atm)流し、入りガス温度を100〜450℃まで15℃/minの速度で昇温させたときのNOx 浄化率を測定した。結果を図4に示す。
【0043】図4より、触媒B−4は窒素ガス雰囲気中及び大気中のどちらで熱処理しても、NOx 浄化率の変化量が触媒Cに比べて小さく、耐久性に優れていることがわかる。つまり触媒CについてはNOx 浄化活性の劣化なしの熱処理が困難であるが、本発明に関わる触媒B−4は熱処理によるNOx 浄化活性の低下が少なく、かつ窒素ガス雰囲気中及び大気中での熱処理によりNOx 浄化温度域が異なるようになるので、排ガス流路中に最適に配置することが可能である。
(15)実施例1排気量2.4Lのディーゼルエンジンの排気系に、図5に示すように触媒A−3が上流側、触媒A−2が下流側となるように直列に配置し、これらのそれぞれ上流側で排ガス中に軽油を3000ppmCの量となるように添加しながら、各排ガス温度におけるNOx 浄化率を測定した。結果を図6に示す。
(16)実施例2触媒A−2が上流側、触媒A−3が下流側となるように直列に配置したこと以外は実施例1と同様に試験し、結果を図6に示す。
(17)実施例3触媒B−3が上流側、触媒B−2が下流側となるように直列に配置したこと以外は実施例1と同様に試験し、結果を図7に示す。
(18)実施例4触媒B−2が上流側、触媒B−3が下流側となるように直列に配置したこと以外は実施例1と同様に試験し、結果を図7に示す。
(19)評価図6及び図7より、排ガス流路の上流側に大気中で熱処理した触媒(A−3、B−3)を配置し、下流側に窒素ガス雰囲気下で熱処理した触媒(A−2、B−2)を配置すること(実施例1及び実施例3)により、300℃以下の低温域において広い温度範囲で高いNOx 浄化率が得られることがわかる。
【0044】また上流側に窒素ガス雰囲気下で熱処理した触媒(A−2、B−2)を配置し、下流側に大気中で熱処理した触媒(A−3、B−3)を配置すれば(実施例2及び実施例4)、200℃近傍の温度で高いNOx 浄化率を示すことがわかる。
(20)還元剤の影響触媒A−3を用い、排気量2.4Lのディーゼルエンジンの排気系に配置して、その上流側にオレフィン系炭化水素であるプロピレン(C3 6 )とパラフィン系炭化水素であるデカン(C1022)をそれぞれ用い、3000ppmCの量となるように排ガス中に添加しながら、各排ガス温度におけるNOx 浄化率を測定した。結果を図8に示す。
【0045】図8より、プロピレンと比較してデカンを用いることによりNOx 浄化率が向上していることが明らかであり、還元剤として炭素数の多いパラフィン系炭化水素を用いることが好ましいことが明らかである。
【0046】
【発明の効果】すなわち請求項1に記載の排ガス浄化用触媒によれば、熱処理によるNOx 浄化活性の低下度合いが小さく、熱処理により耐久性に優れた触媒となっている。したがって2種類の触媒を排ガス流路内に最適に配置することにより、300℃以下の低温域においてNOx を効率よく浄化することができ、また特定温度範囲においてさらに高いNOx 浄化率を確保することもできる。




 

 


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