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発明の名称 室内燃焼器具用窒素酸化物吸着剤
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−323560
公開日 平成10年(1998)12月8日
出願番号 特願平9−134949
出願日 平成9年(1997)5月26日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】三枝 英二 (外10名)
発明者 嘉数 隆敬 / 吉川 正晃
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 活性炭素繊維を非酸化性雰囲気中において600〜1200℃で熱処理することにより繊維表面の含酸素官能基を除去してなる窒素酸化物吸着剤。
【請求項2】 活性炭素繊維がピッチ系活性炭素繊維である請求項1に記載の窒素酸化物吸着剤。
【請求項3】 室内燃焼器具から発生する窒素酸化物濃度0.1〜5ppm及び相対湿度0〜80%の排ガスを請求項1又は2に記載の窒素酸化物吸着剤に0〜40℃で接触させる窒素酸化物の除去方法。
【請求項4】 室内燃焼器具から発生するNOを請求項1又は2に記載の窒素酸化物吸着剤にNOとして吸着させることによって除去する窒素酸化物の除去方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒素酸化物吸着剤、詳しくは、家庭用ファンヒーター、ストーブ等の室内燃焼暖房器具、炊飯器、レンジ、コンロ、オーブン等の室内燃焼調理器具、その他、衣類乾燥機、小型給湯器等の室内で燃焼を行い利用する器具から排出される燃焼排ガス中の窒素酸化物を除去するために好適な窒素酸化物吸着剤に関する。
【0002】本発明は、窒素酸化物の除去方法、詳しくは、室内燃焼器具から発生する排ガス中の窒素酸化物を低温から高温までの室温において室内空気中の水分の阻害を受けることなく効率よく吸着除去するための窒素酸化物の除去方法、特に、従来の吸着剤では困難であった窒素酸化物濃度が0.1〜5ppm程度と低濃度の排ガスから窒素酸化物を室温(低温)において効率よく吸着除去するための窒素酸化物の除去方法に関する。
【0003】
【従来の技術】近年、自動車トンネル部や閉鎖型自動車駐車場の空気の窒素酸化物による汚染が深刻化していることを背景に、低濃度窒素酸化物の吸着除去剤として、各種のものが提案されている(特開平8−66612号公報、特開平8−38888号公報、特開平8−141362号公報、特開平8−24579号公報等)。しかし、これらはいずれも、室温で蒸気として存在するNO2の吸着剤として有効に作用するものであり、室温で超臨界ガスとして存在するNOの吸着は困難である。
【0004】これらの従来技術では、NOを酸化してNO2として吸着除去する方法を提案し、NOの酸化については、オゾンで酸化する方法、コロナ放電により酸化する方法、電気集塵機で酸化する方法等の手段を提案している。これは、大気汚染防止法関連法令である窒素酸化物の環境基準がNOではなくNO2を対象としているため、NO2を除去することができれば道路近辺の環境基準を達成することができるという理由から比較的吸着が容易なNO2として除去する方法を選んでいると考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述の通り、従来技術では、低濃度の窒素酸化物を除去する方法として、NOを酸化してNO2として除去する方法を提案しているが、酸化源の危険性や取り扱いの困難性から、一般家庭や店舗等の分野では適用することができなかった。
【0006】一方、家庭用ファンヒーター、ストーブ等の室内燃焼暖房器具、炊飯器、レンジ、コンロ、オーブン等の室内燃焼調理器具、その他、衣類乾燥機、小型給湯器等の室内で燃焼を行い利用する器具からは、低濃度ではあるが、窒素酸化物が排出され、また、近年の住宅、ビル等の気密・断熱性の向上から、排出窒素酸化物濃度は換気を怠った場合非常に高くなる危険性がある。室内燃焼器具から排出される窒素酸化物は、一次燃焼排ガスに含有される成分としてはNOが90%以上であるが、長時間室内に滞留すると、空気中の酸素により酸化され、より有害なNO2になる。
【0007】本発明は、一般家庭や、店舗等の民生分野で室内燃焼器具から発生する低濃度の窒素酸化物(特にNOを)、オゾン、電子線、コロナ放電等の危険な酸化法を用いずに、NOはNOとして、そのまま簡易に吸着除去することができる窒素酸化物吸着剤及び窒素酸化物の除去方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、(1)比表面積が大きく細孔(ポア)を有するため各種の吸着剤として用いられている活性炭の中で、特に20Å以下の微細なマイクロポアを多く有する活性炭素繊維が低濃度窒素酸化物の吸着剤として有効であること、(2)活性炭素繊維による窒素酸化物の吸着が雰囲気中の水分により阻害されること、(3)活性炭素繊維を、非酸化性雰囲気で熱処理することにより、雰囲気中の水分の影響を抑制することができること及び(4)非酸化性雰囲気で熱処理した活性炭素繊維を用いることにより、室内燃焼器具から発生する低濃度のNOを、酸化を必要とすることなく、そのままの形で、効率的に吸着除去することができることを見出し、本発明を完成した。
【0009】即ち本発明は、下記1〜3項の窒素酸化物吸着剤及び窒素酸化物の除去方法を提供するものである:活性炭素繊維(特に、ピッチ系活性炭素繊維)を非酸化性雰囲気中において600〜1200℃で熱処理することにより繊維表面の含酸素官能基を除去してなる窒素酸化物吸着剤;室内燃焼器具から発生する窒素酸化物濃度0.1〜5ppm及び相対湿度0〜80%の排ガスを前記の窒素酸化物吸着剤に0〜40℃で接触させる窒素酸化物の除去方法;室内燃焼器具から発生するNOを前記の窒素酸化物吸着剤にNOとして吸着させることによって除去する窒素酸化物の除去方法。
【0010】
【発明の実施の形態】
窒素酸化物吸着剤本発明の窒素酸化物吸着剤は、活性炭素繊維の繊維表面に存在する含酸素官能基(OH基、COOH基、C=O基等)の一部乃至全部を除去することにより製造することができる。本発明の吸着剤を製造するために用いる原料(活性炭素繊維)については、特に制限はなく、公知の活性炭素繊維を用いることができ、市販品を用いることができる。好ましい実施の形態では、比表面積が大きな活性炭素繊維、具体的にはBET法による窒素比表面積が500〜2000m2/g程度の活性炭素繊維を用いる。
【0011】活性炭素繊維は、炭素繊維を賦活することにより製造することができ、通常、繊維表面にOH基、COOH基、C=O基等の含酸素官能基を有する。炭素繊維は、水蒸気により高温処理する方法(ガス賦活法)、塩化亜鉛等の賦活剤の水溶液を含浸した後に高温焼成する方法(薬品賦活法)等の公知の方法により賦活することができる。繊維表面の含酸素官能基が少ない活性炭素繊維を用いることにより、繊維表面の疎水性がより高く雰囲気中の水分に阻害されることなく窒素酸化物を効率よく吸着する吸着剤を製造することができる。
【0012】活性炭素繊維(炭素繊維)としては、その製造原料により、ピッチ系、ポリアクリロニトリル系、フェノール系、セルロース系等の各種のものが知られている。本発明では、公知の炭素繊維をいずれも用いることができ、市販品も用いることができる。ピッチ系炭素繊維を賦活することにより製造されるピッチ系活性炭素繊維は、原料中の窒素、酸素の含有率が低いことに由来して繊維表面の含酸素官能基が少なく、熱処理により繊維表面の含酸素官能基を効率よく除去することができるので、ピッチ系活性炭素繊維を用いることにより、疎水性が高く高い相対湿度下でも窒素酸化物に対する高い吸着活性を示す優れた特性を有する窒素酸化物吸着剤を製造することができる。
【0013】活性炭素繊維を非酸化性雰囲気中で熱処理することにより繊維表面から親水性である含酸素官能基の一部乃至全部をCO、CO2等として除去することができる。雰囲気ガスとしては、活性炭素繊維を酸化しないものであれば特に制限なく用いることができ、好ましくは、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスを用いることができ、特に好ましくは、入手が容易という点から窒素ガスを用いることができる。
【0014】処理温度は、活性炭素繊維の繊維表面から含酸素官能基を除去することができる温度であればよく、活性炭素繊維の種類等に応じて適宜設定することができる。通常は活性炭素繊維を600〜1200℃、好ましくは、800〜1000℃程度の範囲内で熱処理することにより、繊維表面から含酸素官能基を除去することができる。
【0015】本発明の窒素酸化物吸着剤は、活性炭素繊維を熱処理することにより繊維表面から親水性である含酸素官能基の一部又は全部が除去されているので、処理前に比較して繊維表面が疎水性となっている。このため、本発明の窒素酸化物吸着剤を窒素酸化物を含有するガスに接触させることにより、繊維表面の活性点への窒素酸化物、特にNOの吸着が容易に起こり、窒素酸化物の除去を効率よく実施することができる。
【0016】窒素酸化物の除去方法窒素酸化物を含有するガスを本発明の吸着剤に接触させることにより窒素酸化物を除去することができ、NOを含有するガスからはNOをNOとして吸着剤に吸着させて除去することができる。本発明の吸着剤を用いることにより、窒素酸化物濃度が低いガスからも窒素酸化物を効率よく除去することができる。本発明の窒素酸化物の除去方法では、室内燃焼器具から発生する窒素酸化物濃度が0.1〜5ppmの排ガスから効率よく窒素酸化物を除去することができる。
【0017】本発明の吸着剤によれば、窒素酸化物とともに、水分を含有するガスから効率よく窒素酸化物を除去することができる。本発明の窒素酸化物の除去方法では、室内燃焼器具から発生する相対湿度が0〜80%、特に50〜80%の排ガスから効率よく窒素酸化物を除去することができる。
【0018】室内燃焼器具から発生する排ガスを吸着剤に接触させる際の温度は、活性炭素繊維の種類、ガスの窒素酸化物濃度等によって適宜選択することができ、通常は、0〜40℃とすることができる。本発明の窒素酸化物の除去方法では、常温でも効率よく窒素酸化物を除去することができる。窒素酸化物を含有する排ガスは、例えば、吸着剤で形成したフィルター(例えば、ハニカム状フィルター)を透過させる方法、吸着剤を充填したカラムに流通させる方法等により、吸着剤と接触させることができる。
【0019】吸着剤と接触させる排ガスの流量は、窒素酸化物濃度、接触方法等に応じて適宜変更することができ、通常は吸着剤の重量当たり、2.5×10-3〜1.0×10-2g・min・ml程度とすることにより効率よく窒素酸化物を除去することができる。本発明の窒素酸化物の除去方法では、排ガス中に含まれるNOを窒素酸化物吸着剤に吸着させることにより、NOとして除去することができる。
【0020】本発明の窒素酸化物の除去方法は、家庭用ファンヒーター、ストーブ等の室温燃焼暖房器具、炊飯器、レンジ、コンロ、オーブン等の室内燃焼調理器具、その他、衣類乾燥機、小型給湯器等の室内で燃焼を行い利用する器具から排出される燃焼排ガス中の窒素酸化物を除去するために好適に利用することができる。
【0021】
【作用】窒素酸化物を含有する室内空気を活性炭素繊維層を通過させることにより、空気中の窒素酸化物(特にNO)が活性炭素繊維の有する20Å以下の微細なマイクロポア(細孔)中に吸着され、除去される。しかし、活性炭素繊維による窒素酸化物(NO)の吸着は、空気中の水分により阻害される。すなわち、空気中の水分は、窒素酸化物と競争吸着し、活性炭素繊維に強く吸着されるため、窒素酸化物の吸着を阻害する。一般に室内空気中の水分は、相対湿度で50〜80%、絶対量で2〜4vol%と、窒素酸化物(NO)に比較して多く、このような高湿度下では低濃度窒素酸化物(NO)の吸着は著しく阻害される。
【0022】本発明の窒素酸化物吸着剤は、活性炭素繊維を非酸化性雰囲気中600〜1200℃で熱処理することにより、表面の含酸素官能基を除去したものであり、繊維表面が疎水性であるため、水分の吸着が抑制される。従って、本発明の吸着剤によれば、空気中の水分の阻害を受けることなく、窒素酸化物を吸着除去することができる。図1に示す通り、従来の活性炭素繊維では、繊維表面に親水性の強いOH基、COOH基、C=O基等の含酸素官能基を有しており、空気中の水分が吸着されるため、窒素酸化物の吸着が阻害される。これに対し、活性炭素繊維を非酸化性雰囲気中で熱処理してなる本発明の吸着剤では、繊維表面の含酸素官能基が除去されており、水分の吸着が抑制されるため、窒素酸化物、特にNOが活性炭素繊維のマイクロポアに選択的に吸着される。
【0023】
【発明の効果】本発明の窒素酸化物吸着剤は、活性炭素繊維を非酸化性雰囲気中で熱処理することにより、繊維表面の含酸素官能基が除去されているので、本発明によれば、雰囲気中の水分の影響を受けることなく、低濃度の窒素酸化物を効率よく吸着除去することができる。
【0024】
【実施例】
実施例1比表面積700m2/gのピッチ系活性炭素繊維(アドール(株)製/試料名:A7)を窒素雰囲気下900℃で1時間熱処理し、本発明の窒素酸化物吸着剤を得た。得られた吸着剤を反応管(内径25mm)に2g充填し、温度25℃で、窒素酸化物(NO)を含有するガスを400cc/minで流通した。ガス組成は、NO:3ppm、O2:21vol%、N2:バランス、水分:相対湿度で80%とした。
【0025】反応管の出口ガスを、化学発光式NOX計(柳本製作所(株)製ECL−88US)により分析し、次式によりNO除去率を算出した:NO除去率=(入口NO濃度(ppm)−出口NO濃度(ppm))÷入口NO濃度(ppm)×100(%)
【0026】流通開始後所定の時間(流通時間)におけるNO除去率を表1(実施例1)に示す。比較例として無処理のA7で同様の試験を行った結果を表1(比較例1)に示す。
【0027】
【表1】

【0028】実施例2実施例1で用いた窒素酸化物吸着剤(活性炭素繊維)により、ハニカム状フィルター(厚み4mm、幅200mm、長さ150mm)を作成し、家庭用ガスファンヒーター(燃料:都市ガス13A、定格能力2100kcal/h、空気清浄機能付き)の吸気孔に装着して、NO除去性能を試験した。試験環境は、内容積1m3のアクリル製箱形ボックス内にファンヒーターを設置し、室温23℃の時点でファンヒーターを26℃に設定し、約30分間燃焼させた後、燃焼を停止し、空気洗浄機能のみを稼動させ、吸気フィルターを通してボックス内の空気を循環させた。
【0029】ボックス内の空気を化学発光式NOX計(柳本製作所(株)製ECL−88US)により分析し、残存NO濃度を測定した。流通開始後所定の時間(流通時間)におけるNO除去率を表2(実施例2)に示す。比較例として無処理のA7で同様の試験を行った結果を表2(比較例2)に示す。
【0030】
【表2】





 

 


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