Warning: copy(.htaccess): failed to open stream: Permission denied in /home/jp321/public_html/header.php on line 8
MAG溶接方法 - 大阪瓦斯株式会社
米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 加工処理操作 -> 大阪瓦斯株式会社

発明の名称 MAG溶接方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−249531
公開日 平成10年(1998)9月22日
出願番号 特願平9−58762
出願日 平成9年(1997)3月13日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修 (外1名)
発明者 原 裕司 / 木村 充志 / 末澤 伸也
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 溶接開先を形成した母材どうしを裏波溶接するMAG溶接方法において、溶接開始位置から溶接進行方向とは反対方向に向かって溶接を開始し、所定の距離を溶接したのち本来の溶接進行方向に反転すると共に、溶接開始位置に対して前記溶接進行方向と反対方向の後方領域を溶接する際の溶接入熱を少なく設定するMAG溶接方法。
【請求項2】 前記後方領域を溶接する際の溶接電流および溶接電圧を低く設定することで前記溶接入熱を少なくする請求項1に記載のMAG溶接方法。
【請求項3】 前記後方領域を溶接する際の溶接速度を速く設定することで前記溶接入熱を少なくする請求項1に記載のMAG溶接方法。
【請求項4】 前記後方領域のうち、溶接進行方向を反転した後の重ね溶接を行う領域において、前記溶接進行方向に交わる方向に溶接電極を揺動させる請求項1から3の何れかに記載のMAG溶接方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶接開先を形成した母材どうしを裏波溶接するMAG溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のMAG溶接方法を用いて裏波溶接を行う場合には、良好な裏波を形成すると共に、溶接開先側面への融合不良を生じさせないようにするために、所定の入熱が得られる溶接条件で溶接を開始する必要がある。特に、溶接開始位置においては接合される母材自身が低温の状態にあるため、溶接による入熱が拡散し易い。このため、溶接開始位置から確実に裏波を形成するためには、溶接開始時において大きい入熱を確保すべく、溶接電流・電圧を高めた溶接条件を用いて溶接する場合があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ただし、上記のごとく溶接入熱を大きく設定すれば安定的に裏波を形成できる一方、溶接入熱を増大させることは溶接開先内に肉盛りされる金属の量すなわち溶着金属量を増大させることになる。溶接開始位置において、たとえ裏波が完全に形成されるとしても、母材の温度は未だ十分に高まっていないから溶接ビードの熱は容易に周囲の母材に拡散され、溶接ビードは急速に冷却される。この結果、溶接ビードが溶接開先の両側面と十分に溶け合わないまま固化して、溶接ビードの断面形状が図 に示すごとく中央付近で凸状となり、溶接開先面との境界近傍では溶接開先面とビード表面とが鋭角を成す形状となる。この上から次の第2層の溶接を行うと、溶接ビードと溶接開先面との境界近傍では、あたかも溶接開先角度の小さい溶接開先が形成された状態となっているため、第2層溶接の溶接アークが当該「溶接開先」の底部に届かず、スラグ巻込みや融合不良等の溶接欠陥を生じさせる原因となる。このため、第2層の溶接に先立って溶接ビードの凸状部分をグラインダー等を用いて研削する必要が生じる等作業効率が低下する。また、一箇所の溶接開始位置から左右方向に振分け方式で多層盛り溶接する場合には、裏波を確実に形成するための上記溶接を一か所の溶接開始位置に対して二回行うことになる。この場合には、当該溶接開始位置での溶着金属量が確実に増大することとなる。よって、溶接欠陥を生じさせるおそれのない溶接ビード外観が得られたとしても、過剰な溶接金属をグラインダー処理等で除去する必要が生じ、やはり作業効率は悪いものとなる。以上のごとく、従来のMAG溶接方法にあっては種々の不都合を発生させる場合があり、未だ改善の余地があった。
【0004】本発明の目的は、このような従来技術の欠点を解消し、裏波溶接を行う場合の溶接開始位置における初層溶接を確実に行えると共に、溶接開始位置の溶接品質を向上することができるMAG溶接方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するための本発明の特徴手段を、図1に示した例を参考に説明する。
(手段1)本発明のMAG溶接方法は、請求項1に記載したごとく、溶接開始位置6から溶接進行方向Xとは反対方向に向かって溶接を開始し、所定の距離を溶接したのち本来の溶接進行方向Xに反転すると共に、溶接開始位置6に対して前記溶接進行方向Xと反対方向の後方領域7を溶接する際の溶接入熱を少なく設定する点に特徴を有する。
(作用・効果)本手段によれば、溶接開始位置から溶接進行方向とは反対方向に行う溶接においては、裏波溶接を行うことができる。ただし、溶接入熱は小さく設定してあるから、当該反対方向への溶接による溶接ビードは溶接電極側に凸状となる。しかし、引き続いて行う本来の溶接進行方向への溶接により、前記凸状の溶接ビードを再溶融することができる。つまり、仮に、先の反対方向への溶接で融合不良等の溶接欠陥が発生していたとしても、当該本来の溶接進行方向への溶接によって溶接欠陥が再溶融されるから、健全な溶接部を得ることができる。しかも、当該本来の溶接進行方向への溶接によって、先の反対方向への溶接で形成された溶接ビードの凸状部分も平坦化されるから、美しい溶接ビードを得ることができる。さらに、これら往復の溶接を行う後方領域においては、溶接入熱を下げているから肉盛り量が過多となることはなく、第2層以降の溶接に際して余分な溶接金属を削除するなどの手間が生じることもない。
【0006】(手段2)本発明のMAG溶接方法では、請求項2に記載したごとく、前記後方領域7を溶接する際の溶接入熱を少なくするために、溶接電流および溶接電圧を低く設定することができる。
(作用・効果)本手段であれば、特に自動溶接を行う場合に、溶接条件の変更前後の条件を予め溶接制御装置等に入力しておけばよいし、また、一般に溶接の肉盛り量に最も影響するのは溶接電流値であるから、溶接途中で溶接肉盛り量を調節することも容易に行える。
【0007】(手段3)本発明のMAG溶接方法は、請求項3に記載したごとく、前記後方領域7を溶接する際の溶接入熱を少なくするために、溶接速度を速く設定するものであってもよい。
(作用・効果)本手段であれば、特に半自動溶接を行う場合に便利である。半自動溶接であれば、作業者自らが溶接トーチの送り速度を変更することができるから、肉盛り量を目視確認しつつ適切な溶接ビードを形成することができる。
【0008】(手段4)本発明のMAG溶接方法は、請求項4に記載したごとく、前記後方領域7のうち、溶接進行方向Xを反転した後の重ね溶接を行う領域において、前記溶接進行方向に交わる方向に溶接電極を揺動させるものであってもよい。
(作用・効果)本手段のごとく、例えば、反対方向への溶接で形成した溶接ビード両側の凹部上を、本来の方向への重ね溶接のアークが通過するように溶接電極を揺動させることで、仮に前記反対方向への溶接で溶接ビードの両側に融合不良やスラグ巻き込み等の溶接欠陥が生じていた場合でも、これら溶接欠陥部分を再溶融して健全な溶接ビードを形成することができるし、前記重ね溶接の溶接ビード幅を積極的に広げることができて、美しい溶接ビード形状を得ることもできる。
【0009】尚、上記課題を解決するための手段の説明中、図面を参照し、図面との対照を便利にするために符号を記すが、当該記入により本発明が添付図面の手段に限定されるものではない。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0011】本発明のMAG溶接方法を用いた実施形態の一つとして、平板どうしの突合せ溶接を、溶接開先2の途中から反対方向に振り分けて行う例を図1及び図2に示す。以下、当該平板を母材1と称する。当該実施形態では、特に初層は裏波溶接を行い、第2層以降は通常の多層盛り溶接により母材1の板厚全体に亘る完全溶込み溶接を行う。前記母材1は、MAG溶接方法が適用できるものであれば何れの材料を使用してもよい。本実施形態では、普通鋼材を溶接するものとする。溶接開先2の形状は、例えば図1に示すごとく、溶接開先角度2aが約35度のV型溶接開先とし、ルートギャップ2bは0〜2mmとする。ルートフェイス2cは、裏波溶接を確実に行うために0〜1mmとする。裏当金は特に用いないものとする。溶接電極3は消耗式であり、例えば1.2〜1.6mmφの溶接ワイヤを用いる。極性は、溶接電極3をプラス極とし、母材1をマイナス極とする。シールドガス4は、CO2 ガス、或いは、CO2 ガスとアルゴンガスとの混合ガス等を用いる。溶接条件については、溶接開始時の条件と溶接が定常状態に移行した後の条件とを異なるものとする。
【0012】本発明のMAG溶接方法を用いて上記溶接開先2を溶接した際の溶接ビード5の形成状況を図2(イ)〜(ヘ)に示す。特に初層溶接においては、裏波溶接を確実に行うことは勿論のこと、溶接電極3の側に向く溶接ビード5の表面形状を適切に形成する必要がある。しかし、溶接開始時においては母材1の温度が十分に高まっておらず、溶接による入熱は母材1の内部に急速に拡散し、溶接ビード5が急冷される。この結果、両側の溶接開先2への溶接ビード5の溶込みが不十分なものとなって、融合不良等の溶接欠陥が生じる原因となる。また、融合不良等が生じていない場合であっても、母材1に移行した溶融金属は急速に凝固するから、図2(イ)に示すごとく溶接ビード5の表面が凸形状となる。このため、当該溶接ビード5の幅方向における両端面と溶接開先2とが鋭角を成し、次層の溶接が、あたかも狭溶接開先溶接を行うのと同じ状態となって、当該溶接ビード5と溶接開先2との境界位置で溶込み不足等の溶接欠陥を招来する原因となる。そこで、本発明のMAG溶接方法では、図2(イ)に示すごとく、まず溶接開始位置6から溶接進行方向Xとは反対方向に向かって後退溶接を開始し、所定の距離を溶接したのち本来の溶接進行方向Xに反転して前進溶接を行うと同時に、この往復溶接を行う後方領域7での肉盛り量が過大とならないように往復溶接を行う最中の溶接電流・電圧を小さく設定する。具体的には、例えば、溶接電流を50A、溶接電圧を15〜20V、溶接速度を200mm/分程度に設定し、20〜30mmの長さに亘って溶接開先2を往復溶接する。この状況を図2の(イ)(ロ)に示す。この場合、後退溶接では、健全な裏波ビード5aを形成すること、および、母材1の加熱が主な目的となる。後退溶接の溶接ビード5は図2(イ)のように凸状となるが、続く前進溶接によって溶接ビード5の形状を平坦化させる。即ち、後退溶接によって、溶接部近傍の母材1は予熱されており、後退溶接による溶接ビード5も未だ高温を有している。このため、前進溶接の入熱が小さいとはいえ、後退溶接によって形成された溶接ビード5の凸状部分は当該前進溶接によって容易に再溶融される。そして、再溶融した金属は、既に加熱されている溶接開先2と確実に融合し、図2(ロ)に示すごとく表面が平坦な形状を有する健全な溶接ビード5となる。尚、前記往復溶接のうち前進溶接を行う際には、溶接電極3を揺動させてもよい。つまり、後退溶接で形成した溶接ビード5の両側に位置する凹部上を、溶接アーク8が通過するように溶接電極3を揺動させることで、仮に後退溶接で融合不良やスラグ巻き込み等の溶接欠陥が生じていた場合でも、これら溶接欠陥部分を再溶融して健全な溶接ビード5を形成することができる。さらに、前進溶接の溶接ビード5の幅を積極的に広げることができて、美しい形状の溶接ビード5を得ることもできる。尚、溶接電極3の揺動は自動あるいは手動の何れで行ってもよい。溶接電極3が再び溶接開始位置6に達した後は、通常の初層溶接の条件に変更して溶接を行う。具体的には、溶接電流を200A、溶接電圧を18〜22V、溶接速度を200mm/分程度に変更設定する。ここで形成される溶接ビード5は、図2(ハ)に示すごとく、溶接電極3に向く表面が平面的な形状を有するものとなる。つまり、往復溶接を終了して通常の溶接条件に移行した後の初層溶接においては、溶融池9の周辺のうち溶接進行方向Xの後方部分、即ち、形成されたばかりの溶接ビード5は未だ高温にある。よって、溶融池9における溶融金属は、溶接ビード5の保有熱を受けて両側の溶接開先2と確実に融合することができる。しかも、通常の溶接条件によって形成された溶接ビード5の入熱量は、後退溶接の場合に比べて大きいため、当該通常の溶接条件による溶接ビード5の冷却速度も遅くなって、より平坦化された表面形状を有する溶接ビード5を得ることができる。
【0013】前記往復溶接は溶接電流等を下げて行われるから、当該部分の溶接肉盛り量は、図2の(ロ)と(ハ)との比較で明らかなごとく、通常の初層溶接条件による溶接部分よりも少なくなる。ただし、ここでの肉盛り量の不足分は、振り分け溶接における残り半分の溶接開先2を溶接する際の往復溶接によって加えられるから、結果的には、他の初層溶接部分と同じ肉盛り量が得られる。図2(ニ)(ホ)(ヘ)に示すごとく、振り分け溶接の残り半分の往復溶接においては、先の往復溶接の折返点の近傍、即ち、先の溶接ビード5の端部近傍から溶接を開始する。これにより、先の往復溶接部分に重ねて、更に、往復溶接が施されることとなって通常の溶接部分と略同じ肉盛り量を得ることができる。
【0014】2層目以降の溶接においては、前記往復溶接を行うか否かは施工状況により判断する。例えば、初層溶接に引き続いて連続的に2層目以降の溶接を行う場合には、母材1は十分な熱を有している。よって、溶接の開始に際して往復溶接を行わなくとも、溶接ビード5の幅方向の両端部は溶接開先2と十分に融合し、表面形状が平坦な美しい溶接ビード5を得ることができる。これに対して、初層溶接が終了したのち長時間が経過して母材1の温度が低下している場合等には、前記往復溶接することで溶接再開位置の溶接ビード5形状を整えることができる。
【0015】以上のごとく、本発明のMAG溶接方法を用いることで、裏波溶接を行う場合の溶接開始位置における初層溶接を確実に行えると共に、溶接開始位置の溶接品質を向上させることができる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013