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発明の名称 液体濃縮方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−118403
公開日 平成10年(1998)5月12日
出願番号 特願平8−279116
出願日 平成8年(1996)10月22日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】三枝 英二 (外4名)
発明者 原田 吉明 / 山崎 健一 / 土井 康文 / 冨士谷 啓 / 岡部 春志
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】カランドリア型の蒸発缶を使用する液体濃縮方法において、(1)原液と蒸発缶内伝熱管外側からの蒸気の凝縮液とを予熱器において熱交換させて、原液を予熱する工程、(2)予熱された原液を蒸発缶内の液面から伝熱管まで間の液中に導入する工程、(3)蒸発缶内で発生した蒸気をスクリュー型圧縮機で圧縮・昇温する工程、(4)得られた圧縮蒸気を伝熱管外側に供給して、伝熱管内の液を加熱・蒸発させる工程、(5)伝熱管外側における蒸気の凝縮液面高さを一定に制御するための凝縮液槽から凝縮液を予熱器に導入する工程、(6)予熱器を出た凝縮液をそのまま或いは再度加温した後、有機性物質および/または窒素化合物の除去処理に供する工程、および(7)蒸発缶内の液面高さを示す信号に対応して濃縮液を蒸発缶塔底から抜き出し、濃縮液貯槽に送る工程を備えたことを特徴とする液体濃縮方法。
【請求項2】工程(1)の予熱器が、プレート型熱交換器である請求項1に記載の液体濃縮方法。
【請求項3】工程(2)の原液の導入ライン中に背圧弁を設けた請求項1に記載の液体濃縮方法。
【請求項4】工程(2)において、蒸発缶内の液面の高さを調整するために蒸発缶塔底液をポンプで抜き取り、原液の導入ラインへ循環する請求項1に記載の液体濃縮方法。
【請求項5】工程(3)のスクリュー型圧縮機のモーター回転数をインバーター装置により制御する請求項1に記載の液体濃縮方法。
【請求項6】工程(3)において、蒸発缶内発生蒸気量に対応してスクリュー型圧縮機のモーター回転数を制御する請求項5に記載の液体濃縮方法。
【請求項7】工程(3)において、蒸気量に応じて複数のスクリュー型圧縮機が設けられている請求項1に記載の液体濃縮方法。
【請求項8】工程(5)の凝縮液槽の上部気相部と伝熱管外側の蒸気ラインとが接続されている請求項1に記載の液体濃縮方法。
【請求項9】伝熱管外側の蒸気ラインに、蒸発缶内の非凝縮性気体の自動的排出を定期的に行うための電磁弁を設けた請求項1に記載の液体濃縮方法。
【請求項10】蒸発缶内の運転圧力が常圧又は減圧である請求項1に記載の液体濃縮方法。
【請求項11】伝熱管外側の蒸気ラインの電磁弁の後流側に減圧運転時に電磁弁の開閉と連動する真空ポンプを設けた請求項10に記載の液体濃縮方法。
【請求項12】スタートアップ時または長期運転時に予熱器および/または蒸発缶内伝熱管の汚れによる蒸発量の低下に対応するために、補助熱源を蒸発缶内底部または圧縮機出口ラインへ導入する請求項1に記載の液体濃縮方法。
【請求項13】補助熱源が蒸気である請求項12に記載の液体濃縮方法。
【請求項14】工程(6)において、凝縮液を30〜340℃の温度且つ液相を維持する圧力に保ちつつ、液中の有機性物質および窒素化合物を分解するに必要な理論酸素量以上の酸素および/またはオゾンおよび/または過酸化水素の存在下に湿式酸化処理する請求項1に記載の液体濃縮方法。
【請求項15】触媒の存在下に凝縮液の湿式酸化処理を行う請求項14に記載の液体濃縮方法。
【請求項16】触媒活性成分が、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウム、白金、銅およびタングステンならびにこれら金属の水不溶性乃至水難溶性化合物の少なくとも1種である請求項15に記載の液体濃縮方法。
【請求項17】触媒活性成分が担体に担持されており、担体がアルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニアおよびこれらの金属を含む複合金属酸化物の少なくとも1種である請求項16に記載の液体濃縮方法。
【請求項18】担体への触媒活性成分の担持量が、0.01〜25重量%である請求項15、16および17のいずれかに記載の液体濃縮方法。
【請求項19】工程(6)において、凝縮液をストリッピング処理する請求項1に記載の液体濃縮方法。
【請求項20】工程(6)において、凝縮液を気泡塔で処理する請求項1に記載の液体濃縮方法。
【請求項21】凝縮液の処理を空気、過酸化水素およびオゾンの少なくとも1種を使用して行う請求項19または20に記載の液体濃縮方法。
【請求項22】処理液をさらに生物処理および/または活性炭による吸着処理に供する請求項14〜21のいずれかに記載の液体濃縮方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種液体の濃縮、蒸留などに好適な蒸気圧縮式濃縮技術の改良に関し、より詳しくは、原液中の水分を蒸発することによって原液の濃縮を行うに際し、原液からの発生蒸気を圧縮機にて圧縮・昇温することによって、前記原液を蒸発するための熱源として利用する液体濃縮方法に関する。
【0002】
【従来の技術とその問題点】例えば、特開昭59-26184号公報における図面に示されている従来の蒸気圧縮式蒸発装置は、下部に原液の溜室を備えた密閉型の蒸発器内の上部に多数本の伝熱管を設け、該各伝熱管の外側面に、原液ポンプによって送られて来る原液を散布器にて散布することにより蒸発させ、この蒸発により発生した蒸気をブロワー圧縮機で圧縮して昇温し、この昇温した蒸気をダクトを介して、前記各伝熱管内に供給することにより、各伝熱管の外側面に散布されている原液を加熱・蒸発させるとともに、前記各伝熱管内から空気等の非凝縮性ガスを真空ポンプなどの真空発生手段にて抽出することにより、前記蒸発器内を大気圧以下の減圧状態に保持している。
【0003】しかしながら、この形式の蒸気圧縮式蒸発装置には、以下の様な問題点がある。
【0004】イ.ブロワー圧縮機本体の圧縮効率が低く、単位原液量を圧縮するための必要電力量が大きくなり、運転経費が高くなり、設備も大きくなる。
【0005】ロ.原液は、散布器を介して、各伝熱管の外表面に散布されるので、液分散不良から生じる熱交換器伝熱係数の低下がある。
【0006】ハ.原液の濃縮倍率上昇または連続運転に伴い、液分散器ノズル部分でのスラッジによる詰まりおよび分散不良、各伝熱管外表面の汚れ、液比重または粘度の上昇などによる伝熱係数の低下に対し、有効に対処することができない。
【0007】また、各管の外表面付着スケールの除去は、液が分散されているため、伝熱管外面に対する液流速が遅いことなどから困難となる場合が多い。
【0008】ニ.上記ロおよびハの結果、濃縮処理は、常に単位断面積当たりの蒸発量が低い状態で行わざるを得ない。従って、単位時間当たりの蒸発量を増大させるためには、伝熱面積を増大させるか、或いはブロワー圧縮機として圧縮比の高いものを使用しなければならないため、装置が大型化するとともに、運転経費が嵩むという問題がある。
【0009】ホ.また、原液の種類によっては、濃縮処理中に発泡を生じ、発生蒸気側に原液が飛散して、運転を継続できなくなることがある。
【0010】ヘ.蒸発により発生した蒸気は、原液の加熱・蒸発熱源として利用された後、凝縮液として回収され、再利用されたり、放流されたりする。しかるに、原液が低沸点成分などの有機性物質、窒素化合物など含む場合には、凝縮液にこれらの有害成分の一部が移行することがあるので、その除去のために、凝縮液を二次処理或いは三次処理する必要がある。この様な処理には、数十段(含有成分によっては数百段)の精留棚を有する蒸留塔を使用したり、或いは活性炭などの吸着剤により除去する必要がある。しかしながら、凝縮液中の有害成分濃度が高い場合には、高度の精留を行ったり、多量の吸着剤を使用したりするので、経済的に極めて不利である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、上記の様な従来技術の問題点を解消乃至軽減して、小型で、設備費および運転経費の安価な蒸気圧縮式濃縮技術を提供することを主な目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の様な技術の現状に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、濃縮装置で発生する蒸気の圧縮にスクリュー型圧縮機を使用することにより、新規な液体濃縮技術を完成するに至った。
【0013】すなわち、本発明は、下記の液体濃縮方法を提供するものである。
【0014】1.カランドリア型の蒸発缶を使用する液体濃縮方法において、(1)原液と蒸発缶内伝熱管外側からの蒸気の凝縮液とを予熱器において熱交換させて、原液を予熱する工程、(2)予熱された原液を蒸発缶内の液面から伝熱管まで間の液中に導入する工程、(3)蒸発缶内で発生した蒸気をスクリュー型圧縮機で圧縮・昇温する工程、(4)得られた圧縮蒸気を伝熱管外側に供給して、伝熱管内の液を加熱・蒸発させる工程、(5)伝熱管外側における蒸気の凝縮液面高さを一定に制御するための凝縮液槽から凝縮液を予熱器に導入する工程、(6)予熱器を出た凝縮液をそのまま或いは再度加温した後、有機性物質および/または窒素化合物の除去処理に供する工程、および(7)蒸発缶内の液面高さを示す信号に対応して濃縮液を蒸発缶塔底から抜き出し、濃縮液貯槽に送る工程を備えたことを特徴とする液体濃縮方法。
【0015】2.工程(1)の予熱器が、プレート型熱交換器である上記項1に記載の液体濃縮方法。
【0016】3.工程(2)の原液の導入ライン中に背圧弁を設けた上記項1に記載の液体濃縮方法。
【0017】4.工程(2)において、蒸発缶内の液面の高さを調整するために蒸発缶塔底液をポンプで抜き取り、原液の導入ラインへ循環する上記項1に記載の液体濃縮方法。
【0018】5.工程(3)のスクリュー型圧縮機のモーター回転数をインバーター装置により制御する上記項1に記載の液体濃縮方法。
【0019】6.工程(3)において、蒸発缶内発生蒸気量に対応してスクリュー型圧縮機のモーター回転数を制御する上記項5に記載の液体濃縮方法。
【0020】7.工程(3)において、蒸気量に応じて複数のスクリュー型圧縮機が設けられている上記項1に記載の液体濃縮方法。
【0021】8.工程(5)の凝縮液槽の上部気相部と伝熱管外側の蒸気ラインとが接続されている上記項1に記載の液体濃縮方法。
【0022】9.伝熱管外側の蒸気ラインに、蒸発缶内の非凝縮性気体の自動的排出を定期的に行うための電磁弁を設けた上記項1に記載の液体濃縮方法。
【0023】10.蒸発缶内の運転圧力が常圧又は減圧である上記項1に記載の液体濃縮方法。
【0024】11.伝熱管外側の蒸気ラインの電磁弁の後流側に減圧運転時に電磁弁の開閉と連動する真空ポンプを設けた上記項10に記載の液体濃縮方法。
【0025】12.スタートアップ時または長期運転時に予熱器および/または蒸発缶内伝熱管の汚れによる蒸発量の低下に対応するために、補助熱源を蒸発缶内底部または圧縮機出口ラインへ導入する上記項1に記載の液体濃縮方法。
【0026】13.補助熱源が蒸気である上記項12に記載の液体濃縮方法。
【0027】14.工程(6)において、凝縮液を30〜340℃の温度且つ液相を維持する圧力に保ちつつ、液中の有機性物質および窒素化合物を分解するに必要な理論酸素量以上の酸素および/またはオゾンおよび/または過酸化水素の存在下に湿式酸化処理する上記項1に記載の液体濃縮方法。
【0028】15.触媒の存在下に凝縮液の湿式酸化処理を行う上記項14に記載の液体濃縮方法。
【0029】16.触媒活性成分が、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウム、白金、銅およびタングステンならびにこれら金属の水不溶性乃至水難溶性化合物の少なくとも1種である上記項15に記載の液体濃縮方法。
【0030】17.触媒活性成分が担体に担持されており、担体がアルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニアおよびこれらの金属を含む複合金属酸化物の少なくとも1種である上記項16に記載の液体濃縮方法。
【0031】18.担体への触媒活性成分の担持量が、0.01〜25重量%である上記項15、16および17のいずれかに記載の液体濃縮方法。
【0032】19.工程(6)において、凝縮液をストリッピング処理する上記項1に記載の液体濃縮方法。
【0033】20.工程(6)において、凝縮液を気泡塔で処理する上記項1に記載の液体濃縮方法。
【0034】21.凝縮液の処理を空気、過酸化水素およびオゾンの少なくとも1種を使用して行う上記項19または20に記載の液体濃縮方法。
【0035】22.処理液をさらに生物処理および/または活性炭による吸着処理に供する上記項14〜21のいずれかに記載の液体濃縮方法。
【0036】
【発明の実施の形態】本発明で使用する圧縮機は、従来の濃縮技術では用いられたことがなかったスクリュー型圧縮機であり、次の様な特性を備えている。
【0037】a.低速回転時から高圧力・高効率運転が可能である。
【0038】b.高い応答性を持っている。
【0039】c.小型、コンパクトで据え付けが容易である。
【0040】d.発生蒸気量に対応して、スクリュー型圧縮機のモーター回転数を制御することができる。
【0041】本発明で使用するスクリュー型圧縮機は、通常アルミニウム合金製のケーシング部に一対の雄、雌シリンダーを内蔵する構造を有している。
【0042】上記の様な構造を有し、且つ機能を発揮するスクリュー型圧縮機を使用する場合には、従来の圧縮機を使用する場合に比して、設備費および運転費が大幅に安価となる。
【0043】本発明で使用するスクリュー型圧縮機は、一例として、最大吐出圧力として160kPa、最高許容吐出温度として160℃、最大吸気量として760m3/hr(空気換算)、圧縮比として約2.3という高い特性を発揮することができる。
【0044】従来の圧縮機としてのルーツブロワーでの圧縮比限界が約1.8程度で、全断熱効率が約45〜60%であるのに対し、スクリュー型圧縮機は、圧縮比1.5で全断熱効率約65%、圧縮比2〜2.3で約70%と高い性能を発揮することができる。
【0045】スクリュー型圧縮機のローターは、熱膨張を少なくし、必要クリアランスを小さくするために、好ましくは、膨張係数の少ないアルミニウム合金を用い、ローターの表面にフッ素樹脂(たとえば、デュポン社から商標名「テフロン」として市販されている)系コーティング材を塗布する。圧縮機は、発生蒸気量に応じて、複数個設けることができる。
【0046】従来、蒸気発生量に対応して圧縮機により吸引および排出を行い、蒸発缶内での蒸発を効率よく行わせることは、圧縮機の制御上困難であった。本発明においては、圧縮機の駆動源として高速回転型の誘導電動機からなるモーターを使用し、このモーターの回転数制御機構としてインバーター装置を用いる。すなわち、圧縮機前流側に設けたオリフィス式流量計、フロート式流量計などにより蒸気発生量を検出し、この入力信号を調節計に送り、この調節計からの出力信号をインバーターに入力して、蒸気発生量が一定となる様にするか、或いは蒸気発生量に対応してモーターの回転数を増減することができる。
【0047】また、本発明においては、装置の小型化とコスト低減のために、原液の予熱にプレート型熱交換器を用いることができる。この予熱器および原液導入ライン内の圧力を蒸発缶内圧力よりも高くすることにより、予熱器内での気泡生成による伝熱係数の低下を防ぐため、予熱器出口(カランドリア型蒸発缶入口)側に背圧弁を設けている。
【0048】原液中に濃縮条件下に発泡を生じる可能性がある成分(界面活性剤など)が含まれている場合には、あらかじめシリコーン系消泡剤を添加してもよい。消泡剤の添加量は、発泡性成分の含有量などを考慮して定めれば良く、特に限定されるものではないが、通常30〜500mg/l程度である。
【0049】本発明で使用するカランドリア型蒸発缶においては、従来技術で生じていた液分散不良などによる伝熱係数の低下を防ぐために、カランドリア型蒸発缶(以下単に「カランドリア」ということもある)内液面から伝熱管上部までの液深さの上方から15〜50%程度の位置に液を導入することが好ましい。これにより、液は、伝熱管内に常時保持された状態で、伝熱管外の圧縮蒸気により加熱・蒸発される。従来の液供給方法では、発泡を促進することがあり、その結果濃縮処理が不能となることがあった。しかるに、本発明方法では、前記の液の分散による流速の低下ならびに発泡促進などの問題は、解消される。
【0050】また、必要に応じ、カランドリア内塔底液をポンプで抜き出し、原液導入位置へ循環することにより、伝熱管内の液流速を増大させて、伝熱係数を上げることができる。
【0051】伝熱管外の蒸気は、伝熱管内の液を加熱し、蒸発させた後、凝縮する。本発明においては、伝熱管外の蒸気の凝縮液面高さを一定に制御するために、凝縮液槽を設け、これにより、圧縮蒸気の系外への排出による損失を防いでいる。凝縮液槽内の液は、予熱器を経て液面制御弁から系外に排出され、再利用もしくは放流される。この凝縮液槽の上部気相部と伝熱管外側の蒸気ラインとの接続により、凝縮液槽内液面は安定して制御される。
【0052】圧縮機の効率、消費電力などに影響を与えるカランドリア内の空気などの非凝縮性ガスは、伝熱管外側の蒸気ラインに設けた電磁弁の開閉により、カランドリア外へ排出される。排出ガスは、ガス中の成分に対応して、必要ならば、活性炭吸着などにより所定成分を除去した後、或いは濃縮液タンク内の液にバブリングさせて所定成分を吸収除去した後、大気中に放出される。或いは、後述する補助熱源としての蒸気発生用のガスだきボイラーにおいて、空気と混合して、燃焼処理される。電磁弁の開閉は、カランドリア内圧力と連動させる方法や任意のタイマー設定などにより、自動的に行われる。
【0053】濃縮液は、濃縮器内の液面計からの信号を受け、塔底部から制御弁を通して排出される。
【0054】カランドリア内の運転圧力が減圧系である場合には、伝熱管外側の蒸気ラインに設けた電磁弁の後流側にこの電磁弁の開閉と連動する真空ポンプを設ける。
【0055】必要ならば、スタートアップ時の装置全体の昇温のために、或いは長期運転後の予熱器やカランドリア伝熱管の汚れによる蒸発量の低下に応じて、補助熱源(ガスだきボイラーからの蒸気など)をカランドリア内底部または圧縮器出口ラインへ導入する。
【0056】予熱器において原液の加熱に利用された凝縮液は、そのまま或いは必要に応じて再加温された後、凝縮液中の有機性物質(例えば、アルコール類、アルデヒド類、カルボン酸類など)、窒素化合物(例えば、アンモニアなど)などの有害成分を除去するために、二次処理或いはさらには三次処理に供される。
【0057】この様な処理方法としては、湿式酸化処理、触媒湿式酸化処理、ストリッピング処理、生物処理、気泡塔による処理、活性炭による吸着処理などが例示される。これらの処理は、必要に応じて適宜組み合わせて実施することができる。
【0058】湿式酸化処理を行う場合には、凝縮液を30〜340℃の温度且つ液相を維持する圧力に保ちつつ、液中の有機性物質および窒素化合物を分解するに必要な理論酸素量以上の酸素および/またはオゾンの存在下に行う。この様な湿式酸化処理は、例えば、特開昭53-20663号公報、特開昭55-152591号公報などに開示された各種廃水の湿式酸化処理方法に準じて行うことができる。
【0059】湿式酸化触媒における酸素源としては、空気、酸素富化空気、酸素、過酸化水素などが揚げられる。
【0060】湿式酸化処理を触媒の存在下に行う場合には、触媒活性として鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウム、白金、銅およびタングステンならびにこれら金属の水不溶性乃至水難溶性化合物の少なくとも1種を使用す ることが好ましい。また、触媒活性成分は、担体に担持しておくことが好ましい。担体としては、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニアおよびこれらの金属を含む複合金属酸化物の少なくとも1種であることが好ましい。担体への触媒活性成分の担持量は、通常0.01〜25重量%程度であり、より好ましくは0.1〜3重量%程度である。
【0061】凝縮液をストリッピング処理に供する場合には、常法に従って、例えば、「工業用水」、No.448、pp6〜12(1996)、「水処理技術」、Vol.21、No.1、pp13〜24(1980)などに記載された方法に従って行うことができる。ストリッピング処理用の気体としては、空気、過酸化水素、オゾンなどが使用される。
【0062】凝縮液を気泡塔処理に供する場合には、常法に従って、例えば、「水処理技術」、Vol.17、No.8、p735(1976)、「PPM」、Vol.17、No.10、p3(1986)などに記載された方法に従って行うことができる。処理用の気体としては、空気、過酸化水素、オゾンなどが使用される。
【0063】凝縮液を生物処理に供する場合には、常法に従って、例えば、「工業用水」、No.411、pp85〜93(1992)、「環境技術」、Vol.20、No.7、pp432〜436(1991)などに記載された方法に従って行うことができる。
【0064】凝縮液を活性炭による吸着処理に供する場合には、常法に従って、例えば、「公害と対策」、Vol.25、No.3、pp10〜13(1989)、「用水と廃水」、Vol.30、No.11、pp41〜47(1988)などに記載された方法に従って行うことができる。
【0065】二次処理或いは三次処理処理を終えた凝縮液は、再利用されたり、或いは放流される。
【0066】以下図面を参照しつつ、本発明をさらに詳細に説明する。
【0067】図1は、本発明による廃水の濃縮処理の一例を示すフローシートである。濃縮すべき廃水は、廃水タンク1から、ライン2を経て、廃水ポンプ3において所定圧力まで昇温された後、ライン4から予熱器5に送られ、ここで後述するライン15からの凝縮液と熱交換される。廃水が発泡性成分を含んでいる場合には、消泡剤タンク(図示せず)から消泡剤を添加しておくことができる。
【0068】予熱器5を出た液は、ライン6から濃縮器(カランドリア型蒸発缶)8へ導入される。予熱器5と濃縮器8との間に背圧弁7を設けることにより、予熱器5内或いはライン6内などでの内圧を濃縮器8内の圧力より高めることができるので、予熱器5内での気泡生成を防止し、伝熱係数の低下を防ぐことができる。背圧弁7を出た液は、濃縮器8内の液面から伝熱管上部までの液深さの15〜50%の位置(液面から下方に向けての位置)で濃縮器に導入される。
【0069】濃縮器8内で発生した蒸気は、ライン9を経てスクリュー型圧縮機10で圧縮され、昇温される。スクリュー型圧縮機は、先述の様に、アルミニウム合金製ケーシング内に一対の雄および雌ローターを内蔵した形式のものを使用することが好ましい。得られた圧縮蒸気は、ライン11および25を経て濃縮器8の伝熱管外側に供給され、伝熱管内の液を加熱し、蒸発させる。これにより、伝熱管外の蒸気自体は、凝縮・液化する。凝縮液は、伝熱管8の下部からライン12を経て、凝縮液槽13に溜められる。
【0070】未凝縮蒸気の系外への排出(ライン14→ライン19→電磁弁20→ライン21)による損失を防ぐため、凝縮液槽13での液面は、濃縮器8から凝縮液槽13への凝縮液取り出しライン12の位置よりも高くなる様に、制御する。凝縮液は、ライン15から予熱器5に送られ、ここで廃液と熱交換し、ライン16上の液面制御弁(図示せず)を通り、凝縮液タンク17へ送られた後、再利用または放流される。
【0071】凝縮液槽13の気相部は、ライン14を経て、伝熱管外側の蒸気ライン19と接続されている。
【0072】圧縮機10の効率および消費電力などに影響を与える濃縮器8内の空気などの非凝縮性ガスは、伝熱管外側の蒸気ライン19に設けた電磁弁20の開閉により蒸発缶外へ排出される。この電磁弁20の開閉は、濃縮器8内圧力と連動させることにより行ってもよく、或いはタイマー設定により自動的に行ってもよい。必要ならば、排出すべきガスを活性炭などによる吸着処理に供したり、或いは濃縮液タンク17内の液中にバブリングさせて有害成分を除去した後、大気中に放出する。
【0073】濃縮器8内の濃縮液は、濃縮器8内の液面計(図示せず)からの信号により、濃縮器8の下部ライン21および制御弁(図示せず)を通じて、濃縮液タンク22に排出される。
【0074】また、必要に応じて、濃縮器8内の液を液抜き出しライン21から循環ポンプ(図示せず)により抜き出し、原液ライン6へ循環することにより、伝熱管内の液流速を増大させ、伝熱係数を上げることができる濃縮器8内の運転圧力が減圧系である場合には、電磁弁20の後流側に電磁弁20の開閉と連動する真空ポンプ(図示せず)を設ける。減圧系で運転する場合には、ライン16上に凝縮液ポンプ(図示せず)を設け、ライン21上に濃縮液ポンプ(図示せず)を設ける必要がある。
【0075】また、必要に応じ、スタートアップ時の加熱・昇温のために、或いは長期運転後に予熱器5、濃縮器8の伝熱管などの汚れによる蒸発量の低下に応じて、補助熱源として、例えばガスだきボイラー23からの蒸気をライン24を経て、ライン25から、またはライン25を経てライン26から導入する。
【0076】なお、予熱器5、濃縮器8の伝熱管などの汚れとそれに伴う伝熱係数の低下を生じた場合には、運転中に廃水の供給を一時的に中断し、工業用水を供給することにより、汚れを洗浄・除去することができる。
【0077】予熱器を出た凝縮液は、そのまま或いは再度加温された後、ライン16を経て凝縮液処理装置24において処理され、有害成分を除去される。凝縮液の処理は、前述の方法(湿式酸化処理、ストリッピング処理、気泡塔による処理、生物処理、活性炭による吸着処理など)により、行われる。
【0078】なお、凝縮液に含まれる有害成分の種類および濃度によっては、凝縮液槽13を出た液を予熱器5に送ることなくそのまま加温した後、上記の処理に供しても良い。この場合には、原液が予熱器5で予熱されないので、その熱量に見合う量の熱をボイラー23からの蒸気により供給する必要がある。
【0079】本発明は、たとえば、各種の産業廃水、洗浄廃水、写真現像液、定着液および洗浄廃水などの濃縮・減容化、原液中の有用成分或いは不純物の蒸留分離、食品工業での溶液(だし汁、ジュース、ミルクなど)の濃縮などの広い分野で利用できる。本発明は、その他の分野でも利用可能であり、ここに例示した分野での利用に限定されるものではない。
【0080】
【発明の効果】本発明方法によれば、以下の様な顕著な効果が達成される。
【0081】(1)従来技術に比して、原液の濃縮プロセスが簡単であり、設備が小型化されるので、設備費、運転経費などが低減される。
【0082】(2)連続的に安定した運転が可能である。
【0083】(3)凝縮液中の有機性物質および/または窒素化合物を容易に除去することができ、処理後の水を再利用し或いは放流することができる。
【0084】(4)濃縮処理における発泡を抑制することができる。
【0085】
【実施例】以下に図面を参照しつつ実施例を示し、本発明の特徴とするところをより一層明らかにする。
【0086】実施例1図1に示すフローに従って本発明方法を実施した。すなわち、銅メッキ工場廃水(銅イオン濃度5100mg/l、比重1.01)を原液として、常圧下に表1に示す条件により、その濃縮処理を行った。
【0087】
【表1】

【0088】本実施例において使用した電力は、24.7kwh/m3であり、ガスだきボイラーで補助熱源としての蒸気を発生させるために使用した都市ガス量は、2.3Nm3/m3であった。その結果、本発明方法における運転経費は、特開昭59-26184号公報記載の従来技術での運転経費の約1/4となり、大幅な経費削減が達成された。また、本発明方法による濃縮処理は、安定して継続することが可能であった。
【0089】
【表2】

【0090】表2に示す結果から、濃縮液中の成分は、運転後約20時間で約10倍に濃縮されており、銅イオンは全量濃縮液に移行していることが明らかである。これらの結果は、本発明によれば、測定容易な濃縮液の比重により、原液の濃縮工程を管理することができるので、煩雑な操作を必要とする液中含有成分の濃度分析を行う必要はないことを明らかにしている。その結果、廃水などの原液の処理コストが大幅に低下する。
【0091】実施例2実施例1と同様の手法に準じて、減圧下に銅メッキ工場廃水の濃縮処理を行った。その条件を表3に示す。
【0092】
【表3】

【0093】圧縮のための電力原単位は、実施例1に比して約1.4倍に増大したが、より一層安定した濃縮処理が可能であった。本実施例において、電力原単位が増加した理由は、蒸気の比容積が、760mmHgにおいて1.673m3/kgであるのに対し、200mmHgにおいては5.842m3/kgとなるため、減圧下では圧縮のための蒸気流量が増加することによる。
【0094】比較例1実施例1と同様の銅メッキ工場廃水(但し、界面活性剤を約3%含有する)を実施例1と同様にして濃縮処理に供したところ、カランドリア型蒸発缶内の温度が約60℃を超え始めた時点で異常発泡現象を生じた。その結果、廃水がライン9、圧縮機10、ライン11、濃縮器伝熱管外側、凝縮液槽13、予熱器5を経て凝縮器ラインから排出され、運転が全く不可能となった。
【0095】実施例3比較例1で処理した廃水にシリコーン系消泡剤をその濃度が200ppmとなる割合で添加した後、実施例1と同様にして処理を行ったところ、発泡現象を乗じることなく、実施例1とほぼ同様の良好な処理結果が得られた。
【0096】実施例4実施例2と同様にして減圧下に写真廃水(現像液と定着液との混合廃液)の濃縮処理を行った。その条件を表4に示す。
【0097】
【表4】

【0098】また、下記表5に濃縮処理に使用した廃水の性状と得られた凝縮液の性状とを併せて示す。なお、廃水と凝縮液のCODは、マンガン法により測定した値である。
【0099】
【表5】

【0100】本実施例においては、凝縮液は、二次処理を行うこなく放流可能な水質を有している。また、濃縮処理は、安定して長時間継続することが可能であった。
【0101】実施例5廃水として電気機器製造工場からの廃水を使用する以外は実施例1と同様にして濃縮処理を行った。その条件を表6に示し、廃水および得られた凝縮液の性状を表7に示す。
【0102】
【表6】

【0103】
【表7】

【0104】表7に示す結果から明らかな様に、廃水の約90%の割合で生成する凝縮水は、二次処理を行うことなく、そのまま放流し或いは再利用することが可能である。
【0105】実施例6廃水として食品加工工場からのアルカリ性廃水を使用する以外は実施例1と同様にして濃縮処理を行った。その条件を表8に示し、廃水および得られた凝縮液の性状を表9に示す。
【0106】
【表8】

【0107】
【表9】

【0108】ついで、凝縮液中の有機物と窒素酸化物の除去を行うために、凝縮液を触媒湿式酸化処理した。すなわち、特開昭55-152591号公報に開示された手法に準じて、2%Ru-TiO2触媒を充填した反応塔において、温度=150℃、圧力=9.9kg/cm2、送入空気量=理論酸素量の1.1倍相当量、反応時間=60分の条件下に凝縮液を処理した。
【0109】得られた処理液のCODは20mg/l未満であり、T-Nは5mg/l未満であり、そのまま再利用可能であった。また、湿式酸化処理に伴って発生する排ガスからは、NOx、SOx、NH3、有機物などは検出されなかった。
【0110】実施例7触媒の活性成分をけ変える以外は実施例6と同様にして、凝縮液の触媒湿式酸化を行った。得られた処理水の性状は、以下の通りであった。
【0111】
(a)2%Pd-TiO2:COD=20mg/l未満、T-N=5mg/l未満(b)10%Ni-TiO2:COD=20mg/l未満、T-N=15mg/l(c)10%Mn--0.5%Se-TiO2:COD=20mg/l未満、T-N=25mg/l(d)10%Co-TiO2:COD=22mg/l、T-N=25mg/l



 

 


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