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発明の名称 錯体吸着化学物質の回収方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−66864
公開日 平成10年(1998)3月10日
出願番号 特願平8−226216
出願日 平成8年(1996)8月28日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修 (外1名)
発明者 関 建司 / 森 和亮 / 高見澤 聡
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 化学物質を吸着した1次元チャンネル構造を有する有機金属錯体を含む吸着剤より前記吸着化学物質を回収する方法であって、前記吸着剤を前記有機金属錯体と反応して分解する分解試薬と反応させることを特徴とする錯体吸着化学物質の回収方法。
【請求項2】 前記1次元チャンネル構造を有する有機金属錯体は、分子内の点対称位置に配置された2個のカルボキシル基を有するジカルボン酸と金属イオンにより形成される錯体である請求項1に記載の錯体吸着化学物質の回収方法。
【請求項3】 前記有機金属錯体と反応する分解試薬が水、又は酸もしくはアルカリの水溶液である請求項1または2に記載の錯体吸着化学物質の回収方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チャンネル構造を有する有機金属錯体に常温で気体の物質を吸着させ、次いで、吸着させた前記化学物質を回収する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】活性炭、ゼオライト、シリカゲル等は化学物質の吸着剤として知られているが、これらの吸着剤に吸着された物質を回収するには、周知のように、物質を吸着した吸着剤の加熱、減圧、またはこれらの操作を組み合わせによるしかなく、時間とエネルギーを必要とするものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、化学物質、好ましくは常温で気体の物質を1次元チャンネル構造を有する有機金属錯体に吸着させ、吸着された物質を容易、かつ迅速に回収する方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の錯体吸着物質の回収方法は、化学物質を吸着した1次元チャンネル構造を有する有機金属錯体より前記吸着化学物質を回収する方法であって、前記有機金属錯体にこれを分解する分解試薬と接触させ、反応させることを特徴とするものである。1次元チャンネル構造を有する有機金属錯体は、そのチャンネル構造中に化学物質を吸着する機能を有し、単位体積当たりの吸着量は極めて大きく、常温で気体の物質の吸着剤として優れたものである。発明者は、この吸着剤である金属錯体にこれを分解する第2の化学物質を接触させると、錯体が急速に分解して、吸着物質を脱着・放出することを見いだし、本発明を完成した。
【0005】ここに1次元チャンネル構造とは、金属イオンと有機配位子がつくる立体構造に基づく空間が規則的に、1次元的に連続して形成されていることをいう。
【0006】本発明において使用できる1次元チャンネル構造を有する有機金属錯体としては、分子内の点対称位置に配置された2個のカルボキシル基を有するジカルボン酸と金属イオンにより形成される錯体であることが好ましい。ここに、「剛直」とは、例えば炭素炭素の一重結合の存在による自由回転により配位可能な原子の位置が幾何学的に変化しないことを言う。これらの錯体は、それらが有する1次元チャンネル構造に基づき多くの化学物質を吸着する能力を有するとともに、分解試薬との接触により急速に分解して吸着している化学物質を放出する性能を有している。
【0007】本発明において吸着剤である有機金属錯体と反応する第2の化学物質は、水または酸もしくはアルカリの水溶液であることが好ましい。これらの第2の化学物質は、吸着剤である有機金属錯体と迅速に反応し、安価であるとともに火災を引き起こす心配もない。
【0008】吸着剤に吸着された化学物質が常温で気体である場合でかつ水溶性でない場合には、吸着剤の迅速な分解と同時に吸着されている気体が急速に開放される。本発明に好適な錯体は、単位体積当たりの吸着量が多いため、飽和に近い状態の金属錯体に分解試薬を接触させると急速に多量のガスが発生する。この特性を利用すると、航空機や船舶に装備する救命胴衣、救命筏、緊急酸素供給装置等にも利用することが可能である。また、有機金属錯体のチャンネル構造、錯体構成成分等を選択して吸着化学物質の選択性を限定すると、特定の化学物質の吸着と、これを迅速に回収するシステムを構築することも可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の1次元チャンネル構造を有する有機金属錯体に吸着される化学物質の種類は錯体の有するチャンネル構造に基づく空隙の大きさにより決定されるが、窒素、酸素、一酸化炭素、炭酸ガスの他、アルゴン、ネオン、キセノン、クリプトン等の希ガス、アンモニア、トリメチルアミン等のアミン類、アセトアルデヒド等のアルデヒド類、メタン、エタン等の炭化水素類、エチレン、アセチレン等の不飽和炭化水素類、トルエンやアニリン等の芳香族化合物、アセトン等のケトン類、3フッ化メタン、4フッ化メタンを含むフロン類、塩化メチル、臭化メチル等のハロゲン化合物などの有機化合物が吸着可能である。
【0010】本発明において使用できる1次元チャンネル構造を有する有機金属錯体としては、分子内の点対称位置に配置された2個のカルボキシル基を有するジカルボン酸と金属イオンにより形成される錯体であることが好ましく、この錯体は、有機配位子の溶液と原料である金属塩の溶液を混合、反応させることにより得られる。
【0011】前述の1次元チャンネル構造を有する有機金属錯体はX線回折のパターンの解析より、1次元チャンネル構造を有していることが確認できる。例えば前述の錯体としてテレフタル酸銅を例にとって説明すると、銅は平面4配位であり、2個の銅イオンをテレフタル酸4分子が90°ごとに囲むようにして配置し、カルボキシル基の2個の酸素原子はそれぞれ別の銅イオンに配位している。即ち、テレフタル酸分子は格子状に配列し、その格子点に2個の銅イオンが存在する。そして、銅イオンとジカルボン酸より形成される層が積層された形で結晶が構成されている。その結果、格子が積層されて1次元チャンネルが形成される。
【0012】本発明の有機金属錯体を構成する有機配位子である、分子内の点対称位置に配置された2個のカルボキシル基を有するジカルボン酸としては、テレフタル酸、フマル酸、1,4−トランス−シクロヘキサンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸が例示される。また、金属イオンとしては、銅イオン、クロムイオン、モリブデンイオン、ロジウムイオン、パラジウムイオン、タングステンイオン等が例示でき、前記ジカルボン酸と組み合わせて錯体が形成される。
【0013】これらの有機金属錯体の製造は、有機配位子の溶液と原料の金属塩の溶液を準備してこれらを混合し、反応させることにより行う。使用される溶剤は有機配位子、金属イオンと反応したり錯体を形成するものでなければ特に制限されない。また、金属イオンの対イオンもその金属塩の溶剤への溶解性、生成する錯体の1次元チャンネル構造の形成を阻害するものでなければ特に限定されない。上述の錯体の製造においては、ジカルボン酸の溶液に有機酸を添加してpHを調整することが好ましく、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸等が使用できる。これらの分解試薬の水溶液の濃度は特に制限はないが、分解を確実に行なうために1重量%以上であることが好ましい。
【0014】有機金属錯体に吸着された前述の吸着化学物質を回収する方法において、前記有機金属錯体と反応させる第2の化学物質としては、水、アルカリもしくは酸の水溶液が好ましく、アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物を含む無機系のアルカリ、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の有機系アルカリの水溶液の使用が好ましく、酸の水溶液としては、塩酸、硝酸、過塩素酸、塩素酸等の無機酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸の水溶液の使用が好ましい。
【0015】本発明の吸着化学物質回収方法に使用する装置の実験的モデルを図1に示し、これに基づいて本発明を説明する。ここでは吸着化学物質として常温で気体の物質を使用した例を示す。容器本体1は有機金属錯体を主成分として構成される吸着剤4を収納した区画3とに有機金属錯体4と反応する分解試薬13を充填した区画6とが備えられ、区画3と区画6は隔壁部材11により仕切られ、隔壁部材11には孔12が複数設けられているとともに分解試薬13に対して安定な薄膜層14が装着されている。容器1の区画3の側には気体状の化学物質導入口7、回収ガス排出口5が備えられている。急激な回収ガスの発生を考慮すると容器1は耐圧性を有し、回収ガス排出口5は口径が大きいほうが好ましい。第2の化学物質収納区画6にはピストン9が備えられている。
【0016】気体状の吸着化学物質は導入口7を通じて区画3に収納された吸着剤4に吸着され、吸着が十分に行なわれたのちに導入口7を閉鎖し、排出口5を開き、ピストン9を押して区画6の内圧を上昇させ、この圧力で薄膜14を破り、区画6内に収容されている錯体分解試薬13を迅速に吸着剤4に接触させる。吸着剤は迅速に分解して、吸着された気体状物質を放出するため、その気体は排出口5より急速に排出される。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
(有機金属錯体製造例1)メタノール100cm3 、ギ酸14cm3 の混合溶媒に1,4−トランス−シクロヘキサンジカルボン酸2.53gを溶解し、常温に冷却する。得られた1,4−トランス−シクロヘキサンジカルボン酸溶液に、攪拌下に、ギ酸銅3.3gをメタノール100cm3 に溶解した溶液を滴下し、得られた溶液を室温にて一夜静置した。この静置溶液中に生成した固体を水、エタノールにて十分洗浄し、100℃にて4時間乾燥した。得られた固形物をX線回折等により分析した結果、金属錯体は1,4−トランス−シクロヘキサンジカルボン酸銅であり、比表面積は480m2 /g、細孔径は4.7Åであった。
【0018】(有機金属錯体製造例2)ジメチルホルムアミド(DMF)90cm3 、ギ酸0.5cm3 の混合溶媒にビフェニルジカルボン酸0.25gを溶解した。室温下においてこの溶液にギ酸銅0.5gをメタノール25cm3 に溶解した溶液を攪拌しつつ滴下し、得られた溶液を室温にて一夜静置した。この静置溶液中に生成した固体を水、エタノールにて十分洗浄し、100℃にて4時間乾燥した。得られた固形物をX線回折等により分析した結果、有機金属錯体はビフェニルジカルボン酸銅であり、比表面積は1200m2 /g、細孔径は7.8Åであった。
【0019】(有機金属錯体製造例3)フマル酸1.2gをメタノール100cm3 とギ酸12cm3 の溶液に溶解し、このフマル酸溶液を常温に冷却後、攪拌しつつギ酸銅3.38gをメタノール100cm3 に溶解した溶液を滴下し、室温にて1日間静置した。生成した沈殿物を吸引濾過し、洗浄後120℃にて4時間乾燥した。得られた結晶は1.37gであって、X線回折等により分析した結果、この結晶はフマル酸銅であり、その比表面積は450g/cm3 、細孔径は5.4Åであった。
【0020】(ガス吸着特性の測定)製造例で得られた有機金属錯体のうちフマル酸銅について吸着化学物質として炭酸ガスを使用し、下記の方法によりその単位体積当たり、単位重量当たりの吸着特性を測定した。有機金属錯体を、圧力10〜2Torr、温度110℃の条件で1時間真空乾燥し、次いでチャンバー内を測定温度である25℃に調整し、炭酸ガスを段階的に導入し、各圧力における重量変化率をマイクロ天秤CAHN−2000(CAHN社製)を使用して測定した。この重量変化量より吸着量を算出した。なお、単位体積当たりの吸着量は、錯体のかさ密度を測定し、これに基づいて換算して求めた。測定結果について、25℃における吸着等温線を図2に示した。
【0021】(炭酸ガス回収試験)有機金属錯体製造例3にて得られたフマル酸銅を、粉末状態、およびバインダーを使用して顆粒状に成形した状態の2種の状態で、圧力10kg/cm2 の圧力下で炭酸ガスを吸着させ、その後この炭酸ガスを吸着したフマル酸銅に5mlの水を注いだところ、フマル酸銅は直ちに分解し、炭酸ガスの発生が認められた。
【0022】前述のフマル酸銅について吸着される炭酸ガスの量を計算すると以下のようになる。
(i)フマル酸銅の粉末は、かさ密度は0.7g/cm3 であり、これを容量100mlの容器に充填し、10kg/cm2 の圧力下で炭酸ガスを吸着させると、錯体1gについては88Nmlのガスが吸着されるから、100ml容器に充填される炭酸ガス量は以下のとおりである。
錯体に吸着されるガス: 88×0.7×100=6200Nml空隙に圧縮されて収納されるガス:10×100×0.65(空隙率)
= 650Nml従って、この容器に収容されるガスの総量は、6200+650=6850Nmlであり、空隙体積で換算すると、6850/(100×0.65)=105(kg/cm2 )の圧力による貯蔵に相当する。
(ii)前述のフマル酸銅を顆粒状に成形したものは、顆粒としてのかさ密度は1.1g/cm3 、容器への充填率は70%であり、同様に計算すると、錯体に吸着されるガス: 88×1.1×100=9680Nml空隙に圧縮されて収納されるガス:10×100×0.3= 300Nml容器に収容されるガスの総量: 9980Nml空隙体積で換算した圧力: 330kg/cm2 となり、ボンベに高圧で充填したものと同等以上のガスを貯蔵しうることが明らかである。




 

 


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