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発明の名称 溶接位置検出装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−58141
公開日 平成10年(1998)3月3日
出願番号 特願平8−221974
出願日 平成8年(1996)8月23日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修 (外1名)
発明者 川口 圭史
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 溶接線に対して溶接線高さ方向に離間されて配設されるコイルを備えた検出用プローブを備え、前記検出用プローブの検出中心と前記溶接線との位置ずれに従った電磁検出信号を電磁気的に得て、予め求められている指標に従って、前記電磁検出信号から、溶接線横断方向の基準位置からの前記溶接線の位置のずれである渦電流式計測位置ずれを得る渦電流式溶接線位置検出機構を備えた溶接位置検出装置であって、前記指標として、検出用プローブと溶接線との溶接線高さ方向の離間距離をパラメータとする複数の離間距離対応指標を備えるとともに、前記検出用プローブと前記溶接線との離間距離を検出する離間距離検出機構を備え、前記離間距離検出機構により得られる離間距離検出値に対応した前記離間距離対応指標を選択して、選択された前記離間距離対応指標に基づいて、前記電磁検出信号から前記渦電流式計測位置ずれを導出する選択導出手段を備えた溶接位置検出装置。
【請求項2】 前記溶接線に検出光を照射して、前記溶接線より反射してくる反射光を受光して得られる情報より、前記基準位置からの前記溶接線の溶接線横断方向の位置ずれである光学検出式計測位置ずれを求める光学式溶接線位置検出機構を備え、前記選択導出手段によって得られる前記渦電流式計測位置ずれと、前記光学式溶接線位置検出機構によって得られる光学検出式計測位置ずれとから、前記両者の重みづけ平均を導出する重みづけ平均導出手段を備えた請求項1記載の溶接位置検出装置。
【請求項3】 前記重みづけ平均導出手段に於ける、前記渦電流式計測位置ずれと前記光学検出式計測位置ずれとのいずれか一方、もしくは、それらの両方に対する重み付け関数が、前記離間距離の関数である請求項2記載の溶接位置検出装置。
【請求項4】 前記溶接線に対して、それと交差する方向にスリット光を照射するスリット光照射機構と、前記スリット光が照射された部位の画像情報を得る第1画像検出機構とを備え、前記第1画像検出機構によって得られた画像情報における、溶接母材部に照射されたスリット光の画像と、前記溶接線に照射されたスリット光の画像との位置関係から、前記溶接線の余盛り高さを求める余盛り高さ導出用画像処理手段を備え、前記スリット光照射機構、前記第1画像検出機構及び余盛り高さ導出用画像処理手段とを有して前記離間距離検出機構が構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の溶接位置検出装置。
【請求項5】 溶接母材部を含む前記溶接線近傍部位の画像情報を得る第2画像検出機構を備え、前記第2画像検出機構によって得られた画像情報から、前記基準位置に対する前記溶接線の溶接線横断方向の位置ずれを求める溶接線位置導出用画像処理手段を備え、前記第2画像検出機構及び溶接線位置導出用画像処理手段を有して前記光学式溶接線位置検出機構が構成されている請求項2、3に記載の溶接位置検出装置。
【請求項6】 前記検出用プローブが、前記検出中心を挟んで対称に配設され、且つ電気的に差動接続された一対の前記コイルを備えた差動渦電流式の検出用プローブである請求項1〜5のいずれか1項に記載の溶接位置検出装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶接線の位置を検出する溶接位置検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】溶接線の位置を検出する溶接位置検出手法としては、特開平3−28701に開示される溶接用センサー装置に見られるように、渦電流式の溶接線検知方法が提案されている。この装置は、溶接線に対して所定高さ離間されて配設される一対のコイルを備えた検出用プローブを備えており、この検出用プローブの検出中心と溶接線との溶接線横断方向の位置ずれに従った検出信号を、前記一対のコイルから発生する差動信号として電磁気的に得て、検出された電磁検出信号から、溶接線の位置ずれを得る。ここで、位置ずれ量s1と電磁検出信号εとには一定の関係がある。即ち、この関係を指標化すると、図6に示すような分布線となる。従って、従来、溶接線の中心を求めようとする場合、位置ずれ量が減少していった場合の検出値εの傾きを検出し、この傾きによって検出信号が0となる位置を推定して、この位置を溶接線中央位置(即ち溶接線の位置)とする。従って、検出用プローブを溶接線の横断方向に走査させたり、複数の検出用プローブを設けて、それらの溶接線の横断方向における位置に基づいた検出信号を得て、それらの横断方向での傾きを検出しない限り、正確な溶接線位置(実質上は、溶接線中央と基準位置との位置ずれ)を求めることは不可能である。結果、従来、特開平5−111768の溶接線位置検出装置にあるように、溶接線と垂直に交わるようにセンサーを走査させたり、特開平5−133940、特開平5−133941にあるように、センサが走査したと同様の効果を得るために複数のセンサーを直線状に配置し、溶接線位置検知を行うこととしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような構成を取る場合は、走査機構等を備えるため装置が大型にならざる得ないという欠点があった。一方、装置の小型化を目的として、最低数量のコイル(例えば一対)を備えた検出用プローブを、基準となる所定位置に位置固定して装置を構成しようとすると、出力される電磁的な検出信号は、単一(スカラー)とならざる得ない。従って、この場合は、装置の小型化は達成できるが、溶接線の位置が実質上求められない。一方、溶接線の位置を検出するための溶接位置検出装置として、溶接線の光学画像を得て、画像処理手法により溶接線の位置を検出しようとするものもあるが、この装置にあっては、広い範囲の情報を検出して利用することができるが、溶接後、余盛りを削る等の処理を施した場合にあっては、溶接線の認識は不可能である。以上、溶接線位置を精度よく検知する溶接位置検出装置として、小型化されているものは、現状では見あたらない。本発明の目的は、上述の現状より、溶接位置検出装置として、小型で高精度な装置を構築することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するための本発明による溶接位置検出装置の第1の特徴構成は、請求項1に記載されているように、溶接線に対して溶接線高さ方向に離間されて配設されるコイルを備えた検出用プローブを備え、前記検出用プローブの検出中心と前記溶接線との位置ずれに従った電磁検出信号を電磁気的に得て、予め求められている指標に従って、前記電磁検出信号から、溶接線横断方向の基準位置からの前記溶接線の位置のずれである渦電流式計測位置ずれを得る渦電流式溶接線位置検出機構を備えた溶接位置検出装置に、以下のものを備えることにある。即ち、前記指標として、検出用プローブと溶接線との溶接線高さ方向の離間距離をパラメータとする複数の離間距離対応指標を備えるとともに、前記検出用プローブと前記溶接線との離間距離を検出する離間距離検出機構を備え、前記離間距離検出機構により得られる離間距離検出値に対応した前記離間距離対応指標を選択して、選択された前記離間距離対応指標に基づいて、前記電磁検出信号から前記渦電流式計測位置ずれを導出する選択導出手段を備えるのである。
【0005】本願の溶接位置検出装置においては、検出用プローブと溶接線との溶接線高さ方向の離間距離が離間距離検出機構により検出される。そして、この離間距離情報に基づいて、予め複数用意されている離間距離対応指標から、選択導出手段によって、検出された離間距離に対応する適切な離間距離対応指標が選択抽出される。そして、この離間距離対応指標に基づいて、電磁検出信号から、渦電流式計測位置ずれが導出される。従って、本願の溶接位置検出装置にあっては、検出用プローブを溶接線を横断する方向に走査したり、複数備えたりして、電磁検出信号の傾きを求めて、位置ずれを求める必要はない。結果、装置をコンパクトなものとすることができる。
【0006】さらに、前述の本願第1の特徴構成に加えて、請求項2に記載するように、前記溶接線に検出光を照射して、前記溶接線より反射してくる反射光を受光して得られる情報より、前記溶接線の前記基準位置からの溶接線横断方向の位置ずれである光学検出式計測位置ずれを求める光学式溶接線位置検出機構を備え、前記選択導出手段によって得られる前記渦電流式計測位置ずれと、前記光学式溶接線位置検出機構によって得られる光学検出式計測位置ずれとから、前記両者の重みづけ平均を導出する重みづけ平均導出手段を備えることが好ましい。この構成が、本願の第2の特徴構成である。この構成にあっては、先に説明した渦電流式計測位置ずれに対して、光学式溶接線位置検出機構によって光学検出式計測位置ずれが検出される。そして、重みづけ平均導出手段によって、それらの重みづけ平均が取られ、この値を、真の位置ずれとして認識することができる。さて、渦電流式溶接線位置検出機構は、本願の構成の場合、それ自身として完結した構成であるが、その検出値が検査部の状態(例えば余盛り高さの変動)に影響される場合もある。一方、光学式溶接線位置検出機構は、それなりに溶接線の位置ずれを検出できるが、この機構が余盛りが存在することを予定して構築されているため、例えば、余盛りが取り除かれた後の溶接線の位置検出には向かない。しかしながら、本願の構成においては、二者のうちの一者が適切な出力を出すこととなるため、このような両者が有するそれぞれの欠点を、良好に、補完することができる。
【0007】さらに、前述の本願の第2の特徴構成において、請求項3に記載されるように、前記重みづけ平均導出手段に於ける、前記渦電流式計測位置ずれと前記光学検出式計測位置ずれとの一方、もしくは両方に対する重み付け関数が、前記離間距離の関数であることが好ましい。これが、本願第3の特徴構成である。溶接線の位置ずれ検知においては、その離間距離が、渦電流式溶接線位置検出においても、光学式溶接線位置検出においても重要なファクターであり、それらの方法における検出値の信頼性は、離間距離に大きく影響される。従って、この構成の溶接線位置検出装置にあっては、その重み付け関数を、離間距離の関数とする。このようにすると、両者の検出方法において、その信頼性の高い状態の検出値を使用して、他の検出方法の利点も利用して、信頼性の高い値を得ることができる。
【0008】さらに、前述の本願の第1、2、3のいずれかの特徴構成を備えた溶接位置検査装置において、請求項4に記載されるように、前記溶接線に対して、それと交差する方向にスリット光を照射するスリット光照射機構と、前記スリット光が照射された部位の画像情報を得る第1画像検出機構とを備え、前記第1画像検出機構によって得られた画像情報における、溶接母材部に照射されたスリット光の画像と、前記溶接線に照射されたスリット光の画像との位置関係から、前記溶接線の余盛り高さを求める余盛り高さ導出用画像処理手段を備え、前記スリット光照射機構、前記第1画像検出機構及び余盛り高さ導出用画像処理手段とを有して前記離間距離検出機構が構成されていることが好ましい。この構成が本願第4の特徴構成である。この構成にあっては、余盛り高さの検出にスリット光を使用することができる。即ち、溶接線に余盛り高さがあると、図5に示すように、溶接母材部に対応するスリット光画像位置と溶接線に対応するスリット光画像位置との間にずれが、発生し、このずれは、余盛り高さに依存するものとなる。従って、第1画像検出機構により、スリット光の画像を捕らえ、余盛り高さ導出用画像処理手段により、スリット光の画像の処理をおこなうことにより、比較的簡単な機構で、余盛り高さを検出することができる。そして、溶接母材と検出用プローブとの離間離間距離は、一般に一定に保たれるため、この離間距離から余盛り高さを減算することにより、溶接線と検出用プローブとの溶接線高さ方向の離間距離を求めることができる。即ち、CCDカメラとこのカメラによって得られた画像より、適切な処理をおこなうことで、本願に有用な余盛り高さを得て、本願で必要となる離間距離を得ることができる。
【0009】さらに、前述の本願の第2、3のいずれかの特徴構成を備えた溶接位置検査装置において、請求項5に記載されるように、溶接母材部を含む前記溶接線近傍部位の画像情報を得る第2画像検出機構を備え、前記第2画像検出機構によって得られた画像情報から、前記基準位置に対する前記溶接線の溶接線横断方向の位置ずれを求める溶接線位置導出用画像処理手段を備え、前記第2画像検出機構及び溶接線位置導出用画像処理手段を有して前記光学式溶接線位置検出機構が構成されていることが好ましい。この構成が本願第5の特徴構成である。この構成にあっては、溶接線の検出に光学的手法を使用することができる。即ち、溶接線に余盛り高さがある場合、溶接線と母材部との間で表面色、表面状態に差がある場合等にあっては、図5に示すように、溶接母材部に対応する画像と溶接線に対応する画像との間に差が発生し、この差は、夫々の部位性状に応じたものとなる。従って、第2画像検出機構により、この画像の差を捕らえ、溶接線位置導出用画像処理手段により、溶接線近傍の画像の処理をおこなうことで、溶接線の溶接線横断方向の基準位置に対する位置ずれ得る。この場合もまた、比較的簡単な機構で、溶接線の位置を検出することができる。即ち、CCDカメラとこのカメラによって得られた画像より、適切な処理をおこなうことで、本願に有用な光学検出式計測位置ずれを得ることができる。
【0010】さらに、前記検出用プローブが、前記検出中心を挟んで対称に配設され、且つ電気的に差動接続された一対の前記コイルを備えた差動渦電流式の検出用プローブであることが好ましい。この構造の場合は、検出用プローブにおける検出中心線を、溶接線に対してほぼ平行に配設して、この一対のコイルにおけるインピーダンスの差を見ることにより、検出用プローブの検出中心からの溶接線の位置のずれを、容易に検出することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本願の溶接位置検出装置1を走行ロボット2の先頭部位に備えた例について、以下説明する。この走行ロボット2は、図1、図2に示すように、走行、操舵可能な走行車輪3を備えた自走式のものであり、本願の溶接位置検出装置1によって検出される溶接線4の位置信号に従って、公知の構成により、これに沿って走行可能に構成されている。この走行ロボット2の所定部位に一対の探傷装置5を備え、溶接線4に沿った両側位置に存することがある溶接線近傍部位にある傷(図外)を探索することができる構成となっている。
【0012】以下、本願の溶接位置検出装置1の構成について説明する。この溶接位置検出装置1は、基本的には、図1、図4に示すように、渦電流方式で溶接線4の位置情報である渦電流式計測位置ずれs1を求める渦電流式溶接線位置検出機構6と、溶接線近傍の画像情報を得て、この画像の解析により溶接線の位置情報である光学検出式計測位置ずれp1を求める光学式溶接線位置検出機構7とを備え、これら両者の機構6,7からの渦電流式計測位置ずれs1と光学検出式計測位置ずれp1とから、これらの重みづけ平均により真の位置ずれq1を導きだすように構成されている。さらに、この渦電流式溶接線位置検出機構6にあっては、溶接線4と検出用プローブ62との離間距離(実質上は、検出用プローブ62は溶接母材部12に対しては一定の離間距離に保たれるため、溶接線の余盛り高さh)に従って、その検出が左右される問題を、余盛り高さhの光学的な検出情報を利用して、精度の良いものとできる(補正できる)ように構成されている。以下の、この実施の形態内の説明にあたっては、溶接線4と検出用プローブ62との離間距離と余盛り高さhは1対1の関係となるため、余盛り高さhで説明する。
【0013】上記の目的から、本願の溶接位置検出装置1には、溶接線4に対して、これと交差するようにスリット光8を照射するスリット光照射機構9(LED光源9a、とシリンドリカルレンズ9bとを備えてなる)と、このスリット光8が照射された溶接線近傍部位の画像を得るCCDカメラ10を備えるとともに、このCCDカメラ10によって検出された画像から、溶接線4の余盛り高さh及び光学検出側の基準線(本願の基準位置)から溶接線4までの溶接線横断方向の位置ずれを求める画像処理手段11が備えられている。この画像処理手段11は、ソフト的な処理手段である。この例にあって、基準位置とは、走行ロボット2の幅方向のセンターであり、このセンターに、後に示す検出用プローブ62の検出中心C6及びCCDカメラ10の画像中心Cが合わされている。
【0014】即ち、CCDカメラ10は、前記スリット光8が照射された部位の画像情報を得る第1画像検出機構として働くとともに、この第1画像検出機構によって得られた画像情報における、溶接母材部12に照射されたスリット光8の画像と、溶接線4に照射されたスリット光8の画像との位置関係から、余盛り高さhを求める余盛り高さ導出用画像処理手段11aが、前述の画像処理手段11内に備えられている。ここで、この余盛り高さ導出用画像処理手段11aは、図5に示すような状態で、溶接母材部12に於けるスリット光8の画像位置と、溶接線4に於けるスリット光8の画像位置との離間距離i1を検出すると、比例的に(例えばh=K*i1のように,Kは定数)、余盛り高さhを求めるものである。従って、本願の装置1には、溶接線4の余盛り高さhを検出して、溶接線4と検出用プローブ62との溶接線高さ方向の離間距離を検出する離間距離検出機構が備えられている。
【0015】さらに、前記のCCDカメラ10は、溶接母材部12を含む溶接線近傍部位の画像情報を得る第2画像検出機構としても働く構成とされており、この第2画像検出機構によって得られた画像情報から、溶接線4の基準位置に対する溶接線横断方向の位置ずれを求める溶接線位置導出用画像処理手段11bが、前記の画像処理手段11内に備えられている。即ち、この溶接線位置導出用画像処理手段11bは、例えば、画像中心Cから溶接線4に対応するスリット光8の両端位置の平均である位置情報(例えば図5のc0)を割り出すように構成されている。従って、このc0は、これまで説明してきたp1となる。よって、この第2画像検出機構及び溶接線位置導出用画像処理手段11bを有して、先に説明した光学式溶接線位置検出機構7が構成されている。即ち、この機構7により、光学的に溶接線4の位置ずれが検出できる。
【0016】次に、渦電流式溶接線位置検出機構6について説明する。この渦電流式溶接線位置検出機構6は、スリット光照射機構9とCCDカメラ10に後続するように、前述の走行ロボット2に備えられているものである。渦電流式溶接線位置検出機構6は、差動渦電流式の溶接線位置検出器から構成されている。即ち、図1、3に示すように、これは、溶接線4に対して所定の高さ離間させて配設される一対の受信コイル61を備えた検出用プローブ62を備え、この検出用プローブ62の検出中心C6(基準位置)と溶接線4との溶接線横断方向の位置ずれに従った電磁検出信号を電磁気的に得て、予め求められている指標に従って、求められる検出信号から、検出用プローブ62の検出中心C6からの溶接線4の位置のずれである渦電流式計測位置ずれs1を得るものである。この渦電流式溶接線位置検出機構6は、先に説明した検出用プローブ62に、一つの発振コイル63と、二つの同一構成の受信コイル61を備え、機構本体側に備えられているセンサアンプ部64に、交流電流信号を発生する発振部65と、この発振部65が発生した交流電流信号を発振コイル63に供給し、そのとき受信コイル61のインピーダンスの変化の差としての偏差信号δを検出するための差動増幅部66と、偏差信号δから交流電流信号の成分を検波して検波信号θを出力する位相検波部67と、検波信号θから交流電流信号の周波数成分とノイズ成分を除いて直流の検出信号εを出力するフィルタ部68とで構成されている。さらに、この検出用プローブ62を溶接母材表面から、高さ方向(図3の上下方向)一定の離間位置に位置保持する保持機構13が、走行ロボット2に備えられている。
【0017】また、この渦電流式溶接線位置検出機構6は、前記フィルタ部68から得られる検出信号εから、予め求められている指標に従って、検出用プローブ62の検出中心C6からの溶接線4の位置のずれである渦電流式計測位置ずれs1を導出する導出手段14を備えている。この導出手段14は、ソフト的な処理手段である。ここで、前記指標とは、溶接線4の位置のずれs1と前記検出信号値εとの関係であり、予め求められているものである。即ち、これは、図6に示す相関線のような関係指標、もしくは、数表である。この指標を使用することにより、図6の破線、矢印で示すように、特定の検出信号値ε1から渦電流式計測位置ずれs1を求めることができる。さて、本願にあっては、前記指標として、図6に示すように、検出用プローブ62と溶接線4の離間距離H(余盛り高さhで代表できる)をパラメータとする複数の離間距離対応指標(H1〜H5(h1〜h5))が備えられている。そして、前記導出手段14は、先に説明した離間距離検出機構により得られる離間距離H(余盛り高さh)検出値に基づいて、これに対応した離間距離対応指標(例えば、図6に示される指標線H1〜H5から対応する指標線H4)を選択して、選択された離間距離指標に基づいて、検出信号値ε1から前記渦電流式計測位置ずれs1を導出する選択導出手段14aとして構成されている。即ち、この手段14aにあっては、対応指標の選択が先に行われ、その後、渦電流式計測位置ずれs1が求められる。従って、本願の様に、検出用プローブ62を溶接母材表面から一定の高さ位置に配設し、走査しない構成でも、溶接の位置ずれs1を、精度よく検出することができる。即ち、検出用プローブ62を溶接線4に直交する方向で走査させたり、複数対備える必要はなく、実質上、単一対備えておけばよい。
【0018】次に、本願装置1のさらなる特徴構成である、前記渦電流式計測位置ずれs1と、前記光学検出式計測位置ずれp1との重みづけ平均を求めて、これを真の値とする重みづけ平均導出手段15について、図4に基づいて説明する。この手段15もまた、ソフト的な処理手段である。この重みづけ平均導出手段15にあっては、前記選択導出手段14aによって得られる前記渦電流式計測位置ずれs1と、前記光学式溶接線位置検出機構7によって得られる光学検出式計測位置ずれp1とから、前記両者の重みづけ平均を導出する。即ち、図4に示すように、【0019】
【数1】q1=a1(h)×s1+a2(h)×p1ただし、1≧a1(h)≧0、1≧a2(h)≧0a1(h)+a2(h)=1【0020】なる式を満たすように、真の位置ずれq1の推定値が求められる。従って、実質上、q1としては、s1とp1との間の値が出力される。ここで、重みづけ平均導出手段15に於ける、前記渦電流式計測位置ずれs1と前記光学検出式計測位置ずれp1との一方、もしくは両方に対する重み付け関数a1(h)、a2(h)は、前記離間距離H(実質は余盛り高さh)の関数である。即ち前者に対する重み付け関数a1(h)、後者に対する重み付け関数a2(h)は、余盛り高さhに対して、以下のようになっている。
【0021】
【表1】
a1(h) a2(h)
余盛り高さが所定値より大きい有限値の場合 0.5 0.5 余盛り高さが殆ど無い場合 1. 0. 【0022】このような重み付けをおこなう理由は、光学検出式のものにあっては、余盛りが無い(削除されている)場合は、位置ずれの検出が殆ど不可能で、信頼性が低いこと、一方、余盛り高さhが所定値以上ある場合は、逆に余盛り高さに比較的変動がある場合等があり、渦電流側の検出値にばらつきが、出やすい等の問題を解消するためである。この場合、重み付け関数a1(h) a2(h)としては、上記のように、二値を不連続的に取る関数の他、hの変化に対して連続的にその数値が変化する関数としてもよい。したがって、本願の装置1にあっては、比較的信頼性の高い真の値q1を、合理的に求めることができる。
【0023】以上の構成を採用することにより、本願の装置1にあっては、溶接線4にスリット光8を照射し、反射光をCCDカメラ10で検出する。結果、検出画像におけるスリット像の状態から、溶接線4の位置、高さ、画像の垂直に対しての傾きなどが検出できる。一方、渦電流による溶接線検知は、溶接線4の位置ずれs1に応じて出力が変化する。従って、検出用プローブ62を走査しないと、図6のような曲線を記述できず、ある測定時刻に対して出力値はスカラーとなる。即ち、ここで、検出用プローブ62の走査処理等を行わないと、位置ずれs1を求めることはできない。しかしながら、本願にあっては、CCDカメラ10を介して得られた溶接線高さhの情報を、余盛り高さ(引いては離間距離)をパラメータとした複数の離間距離対応指標の特定抽出に使用する。つまり、図5に示すように、まず、溶接線画像におけるスリット反射光を抽出し、そのずれ情報から溶接線高さhを得る。この値に基づき、複数の離間距離対応指標から、適切な離間距離対応指標を抽出特定し、渦電流式計測位置ずれs1を得る。このs1と、別途、画像処理により得られている光学検出式計測位置ずれp1とから、それらの重み付けの平均を取ることにより、信頼性の高い溶接線位置ずれ情報q1を得ることができる。通常の画像解析手法によって溶接線4の位置を求める手法のみを使用する場合は、溶接線4の高さがゼロの場合、通常の方法ではCCDカメラ10の情報が意味をなさなくなるが、本手法においては、高さゼロの場合は、渦電流側からの情報を利用できるため、常に、2つのセンサが有効に動作して、信頼性の高い検出をおこなうことができる。さらに、渦電流の情報を用いて画像処理のウインドウを狭く取ることが可能になり、計算時間の短縮も期待できる。また、逆に限られた時間内で複雑な処理も可能になるため、溶接線4の傾き情報をも検出できるようになる。この様な情報伝達経路を図4にL1で示した。この方法では、画像処理に要する時間を考慮に入れて各センサ機構を配置することが可能となり、基本的には、処理に要する時間の長いCCDカメラ10を検出プローブ62よりも前の位置が見えるように配置し、このプローブ62が通過するまでの時間を処理に費やすことができる。現在、CCDカメラ10は約3cm立方程度で、コントロールユニットを含めたものが市販されており、例えば、スリット光もLEDとシリンドリカルレンズの組み合わせで実現できるため、当然CCDカメラ10よりも小さくできる。このことから、本装置1は、プローブ62の走査型や複数配置などと比べると、小型とできる。ここで、CCDカメラ10を使うメリットとして、オペレータによる目視も併用できるため、信頼性が向上することが挙げられる。例えば、検出装置が溶接線と全く異なる方向を向いている場合(あるいは断線などで画像データが転送できない等も含む)、計測システムでは対応しきれないことがある。しかし、本願の場合は、オペレータによる目視によって、状況の把握が可能となる。
【0024】〔別実施の形態〕本願の別実施の形態について以下に説明する。
(イ) 上記の実施の形態にあっては、余盛り高さを検出するための余盛り高さ検出機構として、溶接線近傍の画像を得て、これを画像処理して、余盛り高さを求めるものとしたが、図7に示すような、スポット光の反射角度の変化により、その高さを検出するものとしてもよい。さらに、検出用プローブと溶接線の離間距離を求めるものとしては、溶接線の上部に超音波センサを備えておき、その発射音と反射音との時間間隔により、余盛り高さを求めるものとしておいてもよい。要するに、余盛り高さ等を求めて、これから離間距離を検出できるものであれば、任意のセンサを離間距離検出機構として採用することができる。
(ロ) 上記の実施の形態にあっては、検出用プローブとしては、プローブの検出中心に対して、均等に一対の受信コイルを備えるとともに、渦電流の励起用に発振コイルを別途備えたものを採用したが、この発振コイルを備えることなく、一対の発振・受信両用のコイルを備えて渦電流によるインピーダンスの変化を捕らえるようにしてもよい。
(ハ) 上記の実施の形態にあっては、重み付け関数として、余盛り高さhに対応して、その関数を変化させる構成としてが、これは、定数としてもよい。また、余盛り高さhに対して線形に変化するもの、非線形に変化するもの任意のものが採用できる。さらに、渦電流式計測位置ずれ、光学検出式計測位置ずれ、検出用プローブと溶接線の離間距離(余盛り高さで代表できる)を、入力データとし、真の位置ずれを出力とするニューラルネットを組んで、各データから、各段で重み付けを行って、出力を得る構成も採用できる。このような構成にあっては、経験として得られる装置の作動状況を加味した、重みづけをおこなって、さらに信頼性の高い値を得ることができる。




 

 


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