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発明の名称 排ガス脱硝方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−24219
公開日 平成10年(1998)1月27日
出願番号 特願平8−182009
出願日 平成8年(1996)7月11日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】内田 明 (外2名)
発明者 持田 勲 / 安武 昭典 / 瀬戸口 稔彦 / 小林 敬古 / 中村 仁士
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 燃焼装置から出る燃焼排ガスをアンモニア還元脱硝装置に通して脱硝する方法において、排ガス流路の前記アンモニア還元脱硝装置の後流側に低温脱硝装置を設置したバイパスを設け、燃焼装置の起動直後などの排ガス温度が前記アンモニア還元脱硝装置が十分機能しない低温時には、排ガスを前記バイパスに通して低温脱硝装置による脱硝を行い、アンモニア還元脱硝装置が十分機能するようになった時点でバイパスを閉じ、アンモニア還元脱硝装置で脱硝を行うようにし、かつバイパスが閉じられている間に前記低温脱硝装置の触媒の再生を行うようにすることを特徴とする燃焼排ガスの脱硝方法。
【請求項2】 燃焼装置から出る燃焼排ガスを脱硝処理する方法において、排ガス流路の排ガス温度が常温〜200℃の部分に複数系列の低温脱硝装置を並列に設置し、順次切り換えて脱硝及び触媒の再生を行うようにすることを特徴とする燃焼排ガスの脱硝方法。
【請求項3】 前記低温脱硝装置において使用する触媒が無機酸化物、金属イオン交換ゼオライト、金属担持高分子、金属錯体、活性炭又は活性炭素繊維のいずれか1種以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の燃焼排ガスの脱硝方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はボイラ、ガスタービン、エンジン、燃焼炉などの各種燃焼装置から出る排ガスの脱硝方法に関し、さらに詳しくは燃焼装置の起動時などの排ガスが低温のときの脱硝あるいは排ガス流路の排ガス温度が低い部分における脱硝に好適な排ガスの脱硝方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来行われている排ガス処理システムの1例を図3に示す。図3においてボイラ1の出口に、触媒を用いた脱硝装置2(アンモニア還元脱硝装置)を設けて排ガス中の窒素酸化物(NOx)を除去し、該脱硝装置2の出口に空気予熱器3を設置し、排ガス温度を130℃程度まで低下させるようにしている。空気予熱器3を通過した排ガスは、集塵機4で除塵された後、ガス・ガスヒータ5を経由して脱硫装置6に導かれ、硫黄酸化物(SOx)を除去された後、煙突7から大気中に放出される。
【0003】現在実用化されている排ガス中の窒素酸化物の除去手段としては、V2 5 をTiO2 に担持させた触媒を使用し、NH3 を還元剤として窒素と水蒸気とに分解する選択接触還元法(SCR)による脱硝装置(アンモニア還元脱硝装置)をボイラ出口に設けて処理する方式が採られている。この脱硝方法の場合、触媒の性能上脱硝装置が正常に機能するためには300〜400℃の反応温度が必要である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ボイラ等の起動時には排ガス温度は低く300℃に達するまでには20分〜2時間程度の時間を必要とする。そのため、この間は前記アンモニア還元脱硝装置では十分な脱硝効果が得られない。一方、近年の環境規制の強化から排ガス中の窒素酸化物は常時低レベルに保つ必要があり、起動時のように排ガス温度が低い時期における脱硝効率の向上が問題となっている。また、排ガス処理プロセス中の低温部分において常時高効率の脱硝が可能であればエネルギ効率の点からも有利である。従来、低温での脱硝の試みは数多くなされているが、いずれも活性が不十分であり、十分な活性を得るためには、やはり、300℃以上の反応温度が必要である。
【0005】本発明は上記従来技術の実状に鑑み、低温の排ガス中の窒素酸化物を効率良く除去することができ、燃焼装置の起動時等の排ガス低温時の対策用あるいは排ガスの低温部分における脱硝用に好適な燃焼排ガスの脱硝方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成する手段として次の(1)及び(2)の構成を採る。
(1)燃焼装置から出る燃焼排ガスをアンモニア還元脱硝装置に通して脱硝する方法において、排ガス流路の前記アンモニア還元脱硝装置の後流側に低温脱硝装置を設置したバイパスを設け、燃焼装置の起動直後などの排ガス温度が前記アンモニア還元脱硝装置が十分機能しない低温時には、排ガスを前記バイパスに通して低温脱硝装置による脱硝を行い、アンモニア還元脱硝装置が十分機能するようになった時点でバイパスを閉じ、アンモニア還元脱硝装置で脱硝を行うようにし、かつバイパスが閉じられている間に前記低温脱硝装置の触媒の再生を行うようにすることを特徴とする燃焼排ガスの脱硝方法。
【0007】(2)燃焼装置から出る燃焼排ガスを脱硝処理する方法において、排ガス流路の排ガス温度が常温〜200℃の部分に複数系列の低温脱硝装置を並列に設置し、順次切り換えて脱硝及び触媒の再生を行うようにすることを特徴とする燃焼排ガスの脱硝方法。
【0008】本発明の方法で使用する低温脱硝装置は、触媒としてチタニア、セリア、マグネシア、ボリア、アルミナ、ジルコニア、イットリア、酸化銅などの無機酸化物、銅イオン交換Y型ゼオライト、鉄イオン交換Y型ゼオライト、コバルトイオン交換Y型ゼオライト、銅イオン交換ZSM−5、コバルトイオン交換ZSM−5などの金属イオン交換ゼオライト、銅担持ポリアクリロニトリルなどの金属担持高分子、銅ポリフェニルポルフィリン、コバルトフタロシアニンなどの金属錯体、ヤシ殻活性炭、活性コークスなどの活性炭類、ポリアクリロニトリル系、フェノール系、セルロース系、ピッチ系などの活性炭素繊維などを使用するものである。これらの中でも特に活性炭素繊維は活性の持続時間が長く、好ましい材料である。また、活性炭及び活性炭素繊維は加熱処理することにより活性が向上する。
【0009】これらの触媒を充填した低温脱硝装置は、常温〜100℃の低温域で十分な脱硝活性を示し、かつ300℃前後まで実用的な活性を有しており、排ガス中の窒素酸化物に対して等モル以上のNH3 を添加して導入することにより最大200ppmの窒素酸化物を50ppm以下に低減させることができる。
【0010】本発明で使用する低温脱硝装置は常温〜100℃の低温域で高い脱硝活性を有し、かつ300℃前後まで実用的な活性を有するものであるが、触媒の活性持続時間は比較的短く最大でも6時間程度であり、再生に長時間を必要とする(通常、使用時間と同時間以上の再生時間を必要とする)。そのため、比較的使用時間が短く、長い再生時間のとれる燃焼装置の起動時等の排ガス低温時の脱硝に好適である。また、低温域で高い脱硝活性を示すことから排ガスの低温部分における脱硝用にも好適であるが、この場合は脱硝装置を複数個並列に設置して順次再生するようにして、十分な再生時間をとれるようにすることが必要である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明を実施するための装置構成の1実施態様を図1に示す。図1は本発明に係る低温脱硝装置を図3に示したボイラ排ガスの処理システムに適用した例である。通常、ボイラの起動時には、排ガス温度は外気温とほぼ同等の温度(常温)から上昇していく。この状態で、一般的に排ガス中のNOx濃度はほぼ0から定常値まで徐々に上昇していく。このとき、通常のSCR用脱硝触媒は300℃程度からしか作用しない。そのため、この低温時の20分〜2時間程度の間NOxが処理されずに排出されることになる。そのため、この実施態様では図1(a)に示すように脱硫装置6の下流側にバイパスを設け、図1(b)にその詳細を示すように低温脱硝装置8を設置している。
【0012】図1のシステムにおいて、ボイラ起動時など排ガス温度が低く、脱硝装置(アンモニア還元脱硝装置)2での脱硝が十分行われない時期には、バルブ10を開きバルブ9を閉じ、NH3 供給ライン11からNH3 を添加して排ガスを低温脱硝装置8に導き脱硝を行うようにする。そして排ガスの温度が300℃を超える定常運転時には脱硝装置2が十分機能して脱硝が行われるのでバルブ(ダンパ)9を開き、バルブ(ダンパ)10を閉じた形で運転する。そして定常運転時の空き時間を利用して、再生ガスライン13から必要によりヒータ12で加熱した空気などの再生ガスを送り低温脱硝装置8内の触媒の再生を行う。
【0013】本発明を実施するための装置構成の他の実施態様を図2に示す。図2は本発明に係る低温脱硝装置をボイラ排ガス処理システムの主脱硝装置として使用した例である。図2(a)に示すようにボイラ1を出た450℃程度の排ガスは、空気予熱器3、集塵機4、ガス・ガスヒータ5、脱硫装置6の順に通過し、約50℃程度の低温となる。この実施態様においては図2(a)に示すように脱硫装置6の下流側に低温脱硝装置8を設置している。
【0014】この例では図2(b)にその詳細を示すように、排ガス流路に低温脱硝装置8を複数個並列に設けており、それぞれの低温脱硝装置8には排ガス導入用のバルブ14、脱硝後の排ガス導出用のバルブ15、再生ガス導入用のバルブ16、再生ガス導出用バルブ17が接続されている。そして脱硝を行う装置ではバルブ14、15を開とし、バルブ16、17を閉として運転し、活性が低下した時点で他の再生済の装置に切り換える。活性の低下した装置ではバルブ14、15を閉とし、バルブ16、17を開として再生を行う。運転中は順次このように装置を切り換えて脱硝及び再生を行うようにすることにより、高効率の脱硝を行うことができ、しかも再生に必要な時間を十分に確保することができる。
【0015】なお、低温脱硝装置の設置位置は特に図1、図2の位置に限定されるものではないが、触媒活性維持のためにはSOxは極力少ない方が好ましく、SOxを含む排ガスの場合は脱硫装置の後流、あるいはガス・ガスヒータの後流に設置するのが好ましい。
【0016】
【実施例】以下実施例により本発明の方法をさらに具体的に説明する。触媒を充填した管状の反応器を使用し、各種ガスを混合して調整した試料ガスについて脱硝反応試験を行った。ガス中の窒素酸化物の濃度は柳本社製の窒素酸化物測定装置を用い、NH3 濃度はほう酸水溶液への吸収法により測定した。
【0017】(実施例1)触媒として大阪ガス社製活性炭素繊維OG−8Aを窒素気流中で850℃で1時間熱処理した試料(OG−8A−H850)を使用し、表1の条件で処理試験を行った。この条件でのNO除去率は初回が99%、再生後98%、脱硝・再生を15回繰り返した後(脱硝、再生各2時間の繰り返し)では95%であった。また、この条件では初回の処理時間を長くすると、6時間まではNO除去率95%以上であった。この6時間使用後の触媒について再生時間を2、4、6、8時間と変化させたところ、それぞれのNO除去率は20、50、95、96%となり、10回繰り返し後はそれぞれ0、10、93、95%となり、処理時間以上の再生時間が必要であることが判明した。
【0018】
【表1】

【0019】(実施例2)処理ガス温度を100℃とし、実施例1と同様の試験を行ったところ、再生ガスの温度を200℃とすれば同様の活性を示すことが判明した。すなわち、100℃のガスを6時間処理した後、200℃のガスで再生して再生時間を2、4、6、8時間と変化させた場合、それぞれのNO除去率は20、50、92、94%となり、10回繰り返し後はそれぞれ0、10、90、93%となった。一方、200ppmのNH3 を含有した25℃の空気で再生した場合、処理時間6時間に対し、再生時間10時間を要した。また、200ppmのNH3 を含有した200℃の空気では再生時間4時間で同様の活性を示した。
【0020】(実施例3)触媒として酸化銅を使用し、表2の条件で処理試験を行った。使用した酸化銅は次のようにして調製した。市販試薬の硝酸銅を蒸留水で1モル濃度の水溶液とし、これに3Nのアンモニア水を徐々に滴下し、水酸化銅の沈殿を形成させた。得られた沈殿をろ過、洗浄し、110℃で24時間乾燥後、空気流通下に電気炉中で650℃で2時間加熱焼成してCuOの形とし、これを16〜80メッシュに整粒し、試料とした。
【0021】
【表2】

【0022】この実施例においては初回の処理でNO除去率は99%で、再生後は90%となった。以降18回の繰り返し(脱硝1時間、再生12時間の繰り返し)でNO除去率は90±2%となった。また、再生時に加熱空気を使用すると、再生ガス温度300℃で再生時間は2時間に短縮された。なお、再生処理後の空気はいずれもNOを含有しており、ボイラの燃焼空気として使用する。
【0023】(実施例4)触媒をCuイオン交換Y型ゼオライトとして、実施例3と同様の試験を行った。使用した触媒は、米国PQ社製Y型ゼオライトPCV−100を1Mの硝酸銅水溶液に分散させ、アンモニア水でpH8.5に調製して、3時間攪拌後、ろ過、洗浄し、110℃で24時間乾燥後、空気流通下に電気炉中で650℃で1時間加熱焼成してCuイオン交換Y型ゼオライト(Cu−Y)とした。
【0024】この触媒を使用して実施例3と同様の処理を行うと、初回の処理でNO除去率は95%で、再生後は92%となった。以降15回の繰り返し(脱硝1時間、再生12時間の繰り返し)でNO除去率は90±2%となった。また、再生時にNH3 を100ppm添加した空気を使用すると再生時間に変化はなかったが、再生後のNO除去率が2〜3%向上した。これは再生時のNH3 により残留NOの脱硝反応が若干進行していることを示す。また、NH3 の添加と加熱を併用しNH3 濃度100ppm、温度300℃の空気を使用した場合再生時間が1.5時間に短縮された。一方、再生後のNO除去率には変化が認められなかった。
【0025】(実施例5)触媒としてCu担持ポリアクリロニトリル、Cu−ポリフェニルポルフィリン、Cu−ポリフタロシアニンを使用しても実施例1とほぼ同様の結果が得られた。
【0026】
【発明の効果】本発明の方法によれば、反応初期においては比較的低温域で高い脱硝活性を示すが、活性維持時間が短く、再生に比較的長時間を要する低温脱硝装置を使用することにより次のような実用上極めて価値の高い効果を達成することができる。
(1)従来のアンモニア還元脱硝装置を組み込んだ排ガス処理システムにおいて、排ガス流路にバイパスを設け、前記低温脱硝装置を設置することにより、ボイラ起動時などの排ガス温度が低い時期においても十分な脱硝処理を行うっことができる。
(2)排ガス処理システムにおいて、排ガス温度が低温の部分に脱硝装置を設ける必要が有る場合に、前記低温脱硝装置を複数個並列に設置することにより、高い脱硝効率を達成することができる。




 

 


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