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発明の名称 エアフィルターユニットおよびその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−286415
公開日 平成10年(1998)10月27日
出願番号 特願平9−94196
出願日 平成9年(1997)4月11日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】池内 寛幸 (外2名)
発明者 平野 誠一 / 楠見 智男 / 曽田 富三
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 使用前において、温度40℃の条件でエアフィルターユニット全体から検出される有機物総量のうち、少なくともフィルター濾材の5cm角試料片(25cm2 )当りから検出される有機物量が100ng以下であるエアフィルターユニット。
【請求項2】 エアフィルターユニットが、波状に屈曲されたフィルター濾材が枠体内に収納され、前記フィルター濾材と前記枠体との間隙がエンドシール剤およびサイドシール剤によりシールされているエアフィルターユニットであって、温度40℃の条件で前記サイドシール剤の空気接触表面面積3cm2 当りから検出される有機物量が、4000ng以下である請求項1記載のエアフィルターユニット。
【請求項3】 フィルター濾材が、ホットメルト接着剤により形成された帯状のスペーサーを有するミニプリーツ式フィルター濾材であり、温度40℃の条件で前記スペーサーの空気接触表面面積5cm2 当りから検出される有機物量が60ng以下である請求項2記載のエアフィルターユニット。
【請求項4】 エアフィルターユニット全体が有機物除去処理された請求項1〜3のいずれか一項に記載のエアフィルターユニット。
【請求項5】 有機物除去処理が、エアフィルターユニット全体を加熱する処理である請求項4記載のエアフィルターユニット。
【請求項6】 使用前において、少なくともフィルター濾材が外気から遮断されている請求項1〜5のいずれか一項に記載のエアフィルターユニット。
【請求項7】 使用前において、エアフィルターユニットの空気導入口と空気排出口とが、有機物を遮断しそれ自身から有機物が発生しないフィルムでシールされている請求項6記載のエアフィルターユニット。
【請求項8】 フィルムが、ポリエステルフィルムである請求項7記載のエアフィルターユニット。
【請求項9】 エアフィルターユニットを構成するフィルター濾材が、ポリテトラフルオロエチレン多孔膜の少なくとも一面に通気性支持材を備えたフィルター濾材である請求項1〜8のいずれか一項に記載のエアフィルターユニット。
【請求項10】 ポリテトラフルオロエチレン多孔膜が、ポリテトラフルオロエチレンが繊維化して相互に絡み合った構造を有するポリテトラフルオロエチレン延伸多孔膜である請求項9記載のエアフィルターユニット。
【請求項11】 通気性支持材が、実質的にポリエステル繊維で形成されている請求項9または10記載のエアフィルターユニット。
【請求項12】 通気性支持材が、実質的にポリエステル繊維で形成され、かつポリオレフィンを含まない請求項9〜11のいずれか一項に記載のエアフィルターユニット。
【請求項13】 通気性支持材が、少なくとも二つの融点を有する請求項12記載のエアフィルターユニット。
【請求項14】 通気性支持材が、ポリエステル繊維製不織布から形成されている請求項9〜13のいずれか一項に記載のエアフィルターユニット。
【請求項15】 ポリテトラフルオロエチレン多孔膜と通気性支持材とが、ホットメルト接着剤で接着されている請求項9〜14のいずれか一項に記載のエアフィルターユニット。
【請求項16】 ポリエステルが、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートの少なくとも一つの樹脂である請求項9〜15のいずれか一項に記載のエアフィルターユニット。
【請求項17】 ポリエステルが、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートの双方の樹脂である請求項9〜15のいずれか一項に記載のエアフィルターユニット。
【請求項18】 エアフィルターユニットを組み立てた後、エアフィルターユニット全体を有機物除去処理するエアフィルターユニットの製造方法。
【請求項19】 有機物除去処理が、エアフィルターユニット全体を加熱する処理である請求項18記載のエアフィルターユニットの製造方法。
【請求項20】 有機物除去処理の後、エアフィルターユニットの空気導入口と空気排出口とを、有機物を遮断しそれ自身から有機物が発生しないフィルムでシールする請求項18または19記載のエアフィルターユニットの製造方法。
【請求項21】 フィルムが、ポリエステルフィルムである請求項20記載のエアフィルターユニットの製造方法。
【請求項22】 エアフィルターユニットを組み立て、エアフィルターユニット全体を有機物除去処理した後、エアフィルターユニットを使用するエアフィルターユニットの使用方法。
【請求項23】 有機物除去処理が、エアフィルターユニット全体の加熱処理である請求項22記載のエアフィルターユニットの使用方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、例えば、半導体、液晶などの電気・電子部品等の製造におけるクリーンルーム等に使用されるエアフィルターユニットおよびその製造方法に関し、さらに詳しくは、有機物の発生が抑制されたエアフィルターユニットおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】クリーンルーム等の空気清浄に使用されるフィルター濾材として、本出願人はすでにポリテトラフルオロエチレン(以下「PTFE」という)多孔膜を提案している(例えば特開平5−202217号公報)。また、PTFE多孔膜を使用する場合は、膜自体が薄いので、傷付き防止やピンホールの発生防止のため、PTFE多孔膜の両面を芯鞘構造の長繊維を用いたスパンボンド不織布などの熱可塑性材料で積層し、保護することも提案した(特開平6−218899号公報)。このようなPTFE多孔膜を用いたフィルター濾材は、その表面積が従来のフィルター濾材に比べて大きいため、優れた性能を有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本出願人が、その後、研究を続行したところ、前記従来の特開平5−202217号公報及び特開平6−218899号公報に提案のフィルター濾材は、例えば、クリーンルームでのエアフィルターとしての使用において、トータルオーガニックカーボン(以下「TOC」という。ここで、TOCとは、例えば、ドデカン、トリデカン、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、リン酸エステル、ジオクチルフタレート、シロキサン等の種々のガス状有機物の総量を意味する。)が微量に発生していることを見い出した。クリーンルーム等の空気清浄空間において、TOCが高いことは、例えば、半導体、液晶などの製造における品質低下をまねくことになりかねない。また、エアフィルターユニットは、フィルター濾材だけではなく、これを収容支持する枠体、前記枠体とフィルター濾材の間隙をシールするシール剤、ガスケット、スペーサーやセパレーター等の部材により構成されている。このため、これらの部材からの有機物の発生も考慮する必要がある。
【0004】この問題を解決するために、有機物発生の少ない部材によりエアフィルターユニットを構成することが考えられるが、これだけでは有機物の発生を効果的に抑制できないのが現実である。
【0005】そこで、本発明の目的は、有機物の発生が抑制されたエアフィルターユニットおよびその製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、本発明のエアフィルターユニットは、使用前において、温度40℃の条件でエアフィルターユニット全体から検出される有機物総量のうち、少なくともフィルター濾材の5cm角試料片(25cm2 )当りから検出される有機物量が100ng以下であるという構成を有する。なお、前記フィルター濾材の5cm角試料(25cm2 )当りから検出される有機物量の好ましい範囲は80ng以下であり、特に好ましくは40ng以下である。
【0007】このように、本発明のエアフィルターユニットでは、その使用前における有機物の検出量を規定する。すなわち、エアフィルターユニットの構成部材を有機物発生量が少ないものを選択して使用したとしても、現在のエアフィルターユニットの製造(組み立て)環境では、製造直後からその雰囲気中の有機物がエアフィルターユニットに付着する。このため、有機物が付着したエアフィルターユニットを使用すると、前記付着有機物が再度遊離し、クリーンルーム等を汚染するおそれがある。そこで、本発明では、使用前のエアフィルターユニットの有機物量のうち、少なくとも有機物が最も付着しやすいフィルター濾材における有機物量を規制するのである。これは、前記フィルター濾材の表面積が、エアフィルターユニット全体の表面積の大部分(約90%以上)を占めるからである。なお、この付着有機物の問題は、特に、PTFE延伸多孔膜を用いた高性能フィルター濾材(圧力損失:10〜100mmH2 O)において生じる深刻な問題である。前記PTFE延伸多孔膜は、PTFEフィルムを延伸面積倍率100倍以上で延伸することにより、PTFEが繊維化して相互に絡み合った構造を有し、その表面積が極めて大きい。このようなPTFE延伸多孔膜を用いたフィルター濾材では、付着有機物は無視できない量となるおそれがあり、本発明は、この問題を解決したものである。
【0008】本発明のエアフィルターユニットにおいて、前記エアフィルター濾材の検出有機物量の好ましい範囲は、実質的に検出されない範囲、具体的には検出限界以下である。
【0009】なお、本発明でいう「有機物量」とは、前記TOC、すなわち検出される有機物の総量を意味する。また、本発明において、「使用前」とは、例えば、エアフィルターユニットをクリーンルーム等に取り付けて運転する前等をいう。また。本発明において、「空気接触表面面積」とは、エアフィルターユニットを構成する構成部材の表面積であって、エアフィルターユニットに組み込まれた時に空気と接触する面積をいう。したがって、本発明では、エアフィルターユニットの構成部材の空気接触表面から検出される有機物量を規制する。
【0010】また、本発明において、有機物の検出方法は、例えば、ガスクロマトグラフィーによる検出方法があげられる。
【0011】本発明のエアフィルターユニットにおいて、波状に屈曲されたフィルター濾材が、枠体内に収納され、前記フィルター濾材と前記枠体との間隙がエンドシール剤およびサイドシール剤によりシールされているエアフィルターユニットであって、温度40℃の条件で前記サイドシール剤の空気接触表面面積3cm2 当りから検出される有機物量が、4000ng以下であることが好ましい。この検出有機物量の好ましい範囲は3200ng以下であり、特に好ましくは2800ng以下である。
【0012】本発明において、前記サイドシール剤とは、例えば、図1に示すフィルターユニットにおいて、フィルターユニット枠体の外枠材7、9とフィルター濾材1とをシールするものをいう。前記エンドシール剤とは、例えば、図1に示すフィルターユニットにおいて、フィルターユニット枠体の外枠材6、8とフィルター濾材1とをシールするものをいう。
【0013】また、本発明のエアフィルターユニットにおいて、フィルター濾材が、ホットメルト接着剤により形成された帯状のスペーサーを有するミニプリーツ式フィルター濾材であり、温度40℃の条件で前記スペーサーの空気接触表面面積5cm2 当りから検出される有機物量が60ng以下であることが好ましい。前記検出有機物量の好ましい範囲は、45ng以下であり、特に好ましくは40ng以下である。
【0014】そして、本発明のエアフィルターユニットは、その全体が有機物除去処理がされていることが好ましい。前記有機物除去処理としては、エアフィルターユニット全体を加熱する処理であることが好ましく、前記加熱処理の温度は、エアフィルターユニットの性能を損なわない温度であればよい。特に好ましくは、エアフィルターユニットを構成する各構成部材のなかで最低の融点を有する構成部材の融点未満の温度である。この有機物除去処理は、例えば、40〜150℃の清浄空気若しくは清浄不活性ガスを風速0.1〜5m/秒でエアフィルターユニットに1秒〜48時間吹き付ける若しくは透過させる処理や、前記温度の清浄空気若しくは清浄不活性ガス中にエアフィルターユニットを放置する処理等があげられる。前記清浄空気若しくは清浄不活性ガスは、ケミカルフィルターやULPA等で有機物や浮遊微粒子除去することにより調製することができる。また、前記不活性ガスとしては、例えば、ヘリウムガス、窒素ガス、純空気等があげられる。
【0015】本発明のエアフィルターユニットにおいて、使用前において、少なくともフィルター濾材が外気から遮断されていることが好ましい。エアフィルターユニットを構成する部材のなかで最も表面面積が大きいフィルター濾材が外気から遮断されていれば、これに外気中の有機物が吸着するのが防止され、その結果エアフィルターユニットからの有機物の発生がより防止されるからである。なお、外気から遮断されるのは、フィルター濾材に限定されず、他の部材も外気から遮断されていることが好ましく、特に好ましくは、枠体内に収容される各部材および枠体内部が外気から遮断されていることである。
【0016】本発明のエアフィルターユニットにおいて、エアフィルターユニットの空気導入口と空気排出口とが、有機物を遮断しそれ自身から有機物が発生しないフィルムでシールされていることが好ましい。このようにしても、フィルター濾材をはじめとする枠体内に収納された各部材および枠体内部が外気から遮断される。そして、この手段によれば、エアフィルターユニットを、クリーンルーム、半導体や液晶製造装置等に取り付けた後、シールを剥がすことができ、エアフィルターユニット使用直前まで、枠体内部に収容される各部材および枠体内部を外気から遮断することが可能であり、エアフィルターユニットの清浄性を保持できる。また、エアフィルターユニットを、それ自身から有機物が発生しない袋で密封してもよい。前記フィルムまたは袋としては、ポリエステルフィルムまたはポリエステル製袋が好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムまたはPET製袋が特に好ましい。
【0017】本発明において、本発明のエアフィルターユニットを構成するフィルター濾材が、PTFE多孔膜の少なくとも一面に通気性支持材を備えたフィルター濾材であることが好ましい。
【0018】前記PTFE多孔膜の構成は特に制限されず、単層または2層以上の多層構造であってもよい。また、フィルター濾材は、PTFE多孔膜の片面に通気性支持材を備えたもの、PTFE多孔膜の両面に通気性支持材を備えたもの、PTFE多孔膜と通気性支持材を交互に若しくはランダムに積層したもの等をあげることができる。特に、PTFE多孔膜の両面に通気性支持材を備えたフィルター濾材は、PTFE多孔膜にピンホール等の傷が付くことを防止できるので好ましい。
【0019】また、前記フィルター濾材において、前記PTFE多孔膜は特に限定されず、公知のものが使用できる。なかでも、半導体、液晶等の製造クリーンルームやこれら製造装置に用いられるフィルターユニットに要求される浮遊微粒子の捕集効率、圧力損失等の性能(HEPAフィルター、ULPAフィルターと同等以上の性能)を達成可能なものが好ましい。例えば、5.3cm/秒の流速で空気を透過させたときの圧力損失が10〜100mmH2O の範囲であり、0.10〜0.12μmのジオクチルフタレート(DOP)の捕集効率が、99.0%以上であることが好ましい。このようなPTFE多孔膜は、特開平5−202217号公報、WO94/16802号公報等に記載されている。
【0020】本発明で用いる前記PTFE多孔膜は、公知の製法により得ることができる。例えば、PTFEファインパウダーを押出助剤とともにペースト押出し、圧延によってテープを得、このテープを未焼成のまま、または半焼成した後、二軸方向に延伸することにより得られる。詳細は、先にあげた特開平5−202217号公報、WO94/16802号公報等に記載されている。この製造方法により得られたPTFE多孔膜は、PTFEが繊維化して相互に絡み合った構造を有するPTFE延伸多孔膜である。このPTFE延伸多孔膜は、表面積が大きい高性能のものである。
【0021】また、前記フィルター濾材において、通気性支持材が、実質的にポリエステル繊維で形成されている通気性支持材であることが好ましい。また、前記通気性支持材はポリエステル繊維で形成され、かつポリオレフィンを含まない通気性支持材であることが好ましい。そして、前記通気性支持材は、少なくとも2つの融点を有する通気性支持材であることが好ましい。このような通気性支持材とPTFE多孔膜から構成されるフィルター濾材は、それ自身からの有機物の発生量も極めて少ない。
【0022】ここでポリエステルとは、PET、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等をいうが、好ましくは、ポリエステルが、PETおよびPBTの少なくとも一方の樹脂であるか、前記双方の樹脂であることである。
【0023】なお、通気性支持材がガラス繊維からなるもの、例えばガラス繊維の不織布、ガラス繊維ペーパー、ガラス繊維エアフィルター濾材等は、ボロン(B)の発生の原因となるので好ましくない。
【0024】また前記フィルター濾材においては、ポリエステル繊維材料は、不織布であることが好ましく、とくに長繊維を用いた不織布が好ましい。長繊維を用いた不織布は、溶融紡糸の際に不織布を形成でき(紡糸直結不織布)、最初から清浄な状態に保つことができるからである。
【0025】前記長繊維を用いた不織布としては、例えばスパンボンド法、フラッシュ紡糸法、メルトブロー法により製造された不織布などがある。このなかで、スパンボンド法により製造された不織布が好ましい。ポリエステル長繊維スパンボンド不織布においては、目付は10〜600g/m2 、好ましくは15〜300g/m2 、更に好ましくは15〜100g/m2 である。100g/m2 を越えると、フィルター濾材を、例えば、プリーツ型のエアフィルターに加工する際に加工がしにくくなり(例えば、折りにくくなり)、またコスト高となる傾向があるからである。
【0026】短繊維を用いた不織布は、解繊を行うためにカードを通過させる必要があり、この工程通過性を保つために必然的に油剤が付与される。この場合、油剤を除去して使用することができる。短繊維を用いた不織布としては、ニードルパンチ法、ウォータージェット法、ステッチボンド法による不織布などがある。
【0027】ポリエステル繊維不織布の種類としては、例えば、PET繊維不織布、PBT繊維不織布、芯成分がPETで鞘成分がPBTである芯鞘構造の不織布(PET/PBT芯鞘構造不織布)、芯成分が高融点PETで鞘成分が低融点PETである芯鞘構造の不織布(高融点PET/低融点PET芯鞘構造不織布)、PET繊維およびPBT繊維の複合繊維からなる不織布、高融点PET繊維および低融点PET繊維の複合繊維からなる不織布等があげられる。
【0028】なお、前記低融点PETとは、イソフタル酸、アジピン酸、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール等を共重合した共重合ポリエチレンテレフタレートをいい、前記高融点PET及び単にPETとは、実質的にテレフタル酸成分とエチレングリコール成分とからなる融点約260℃のレギューラー品をいう。また、前記PBTは他の成分との共重合体であってもよい。
【0029】また前記フィルター濾材においては、通気性支持材が、難燃性通気性支持材であることが好ましい。ここで難燃性とは、社団法人日本空気清浄協会(JACA)、濾材規格委員会作成の「空気清浄装置用濾材燃焼性試験法」(JACA−No.11−1977)において、最大炭化長が150mm以下のものをいう。
【0030】難燃性を付与する手段としては、難燃性を発揮する化合物を練り込む方法若しくは共重合する方法または繊維の表面にコーティングする方法などの手段を採用することができる。例えば、ポリエステル繊維に難燃剤である有機リン系化合物を共重合、練り込みまたはポリマーブレンド等することにより、通気性支持材を難燃化できる。特にポリエステル繊維に難燃剤である有機リン系化合物を共重合したものは、有機物の発生が低く押さえられると同時にリン自体の発生もなく、フィルター濾材が難燃性および清浄性を兼ね備えることとなり、好ましい。
【0031】また前記フィルター濾材において、PTFE多孔膜と通気性支持材とは、両者の一体化をはかるため、通気性支持材の一部を溶融して行う熱融着、ポリエステル、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)等の粉末、ホットメルト接着剤を用いて接着されていることが好ましい。これらの一体化の態様は、通気性支持材の種類等に応じ、適宜選択して用いられる。
【0032】前記接着による一体化において、特にポリエステル系ホットメルト接着剤を用いると有機物の発生が低く押さえられる。
【0033】PBT製不織布がPTFE多孔膜と接触する態様のフィルター濾材、例えば、前記PET/PBT芯鞘構造不織布では、前記両者を、例えば、熱ロールによる熱融着(ラミネート)により一体化することが好ましい。これは、PBTは、他のポリエステル樹脂に比べ、PTFE多孔膜に熱融着しやすく、例えば熱ロールによる熱融着を採用すれば、一体化工程を連続工程とすることができ、フィルター濾材の製造効率が向上するようになるからである。
【0034】通気性支持材の一部を溶融して行う熱融着によりフィルター濾材と通気性支持材とを一体化する場合、フィルター濾材の構成としては、例えば、以下の構成があげられる。
(1) (低融点PET繊維不織布):(PTFE多孔膜):(低融点PET繊維不織布):(高融点PET繊維不織布)
(2) (低融点PET繊維不織布):(PTFE多孔膜):(高融点PET/低融点PET芯鞘構造不織布)
(3) (高融点PET/低融点PET芯鞘構造不織布):(PTFE多孔膜)(高融点PET/低融点PET芯鞘構造不織布)
(4) 前記(3)において、(高融点PET/低融点PET芯鞘構造不織布)に代えて、(高融点PET繊維と低融点PET繊維との混合繊維からなる不織布)
(5) (PET/PBT芯鞘構造不織布):(PTFE多孔膜):(PET/PBT芯鞘構造不織布)
(6) (PET/PBT芯鞘構造不織布):(PTFE多孔膜):(低融点PET不織布)
(7) (PET/PBT芯鞘構造不織布):(PTFE多孔膜):(高融点PET/低融点PET芯鞘構造不織布)
(8) (低融点PET繊維不織布):(PTFE多孔膜):(高融点PET繊維と低融点PET繊維との混合繊維からなる不織布)
(9) (高融点PET繊維と低融点PET繊維との混合繊維からなる不織布):(PTFE多孔膜):(低融点PET繊維不織布):(高融点PET繊維不織布)
(10) (高融点PET繊維と低融点PET繊維との混合繊維からなる不織布):(PTFE多孔膜):(PET/PBT芯鞘構造不織布)
(11) (PET/PBT芯鞘構造不織布):(PTFE多孔膜):(低融点PET不織布):(高融点PET繊維不織布)
(12) (PBT繊維不織布):(PTFE多孔膜):(PBT繊維不織布)
(13) (PBT繊維不織布):(PTFE多孔膜):(低融点PET繊維不織布)
(14) (PBT繊維不織布):(PTFE多孔膜):(低融点PET繊維不織布):(高融点PET繊維不織布)
(15) (PBT繊維不織布):(PTFE多孔膜):(高融点PET/低融点PET芯鞘構造不織布)
(16) (PBT繊維不織布):(PTFE多孔膜):(高融点PET繊維と低融点PET繊維との混合繊維からなる不織布)
(17) (PBT繊維不織布):(PTFE多孔膜):(PET/PBT芯鞘構造不織布)
(18) (低融点PET繊維不織布):(PTFE多孔膜):(低融点PET繊維不織布)
(19) (高融点PET繊維不織布):(PTFE多孔膜):(高融点PET繊維不織布)
【0035】ホットメルト接着剤を用いて接着する態様において、好ましく使用するポリエステル繊維材料は、高融点PET繊維、低融点PET繊維、高融点PET繊維と低融点PET繊維との混合繊維、高融点PET/低融点PET芯鞘繊維からなる不織布などのようなPET製不織布である。
【0036】接着方法は、特に制限されず、公知の方法が適用できるが、通気性支持材の通気量を損なわないという理由により、スプレー塗布方式、スパイラルスプレー塗布方式、スロットスプレー塗布方式、メルトブローン塗布方式、プリントホイール塗布方式、リボンリップ塗布方式などの方法によるのが好ましい。また、前記接着方法は、有機物の発生を低く押さえられると同時に、低コストとなるホットメルト接着剤を用いる方法が好ましい。
【0037】つぎに、本発明のエアフィルターユニットの製造方法は、エアフィルターユニットを組み立てた後、エアフィルターユニット全体を有機物除去処理する方法である。前記エアフィルターの組みたては、例えば、枠体内に波状に屈曲したフィルター濾材を収容し、前記枠体とフィルター濾材との間隙をシール剤を用いてシールすることにより行うことができる。
【0038】また、本発明のエアフィルターユニットの製造方法において、前記有機物除去処理は、エアフィルターユニット全体を加熱する処理であることが好ましく、この条件や方法等は前述の通りである。また、本発明のエアフィルターユニットの製造方法において、有機物除去処理の後、エアフィルターユニットの空気導入口と空気排出口とを、有機物を遮断しそれ自身から有機物が発生しないフィルムでシールすることが好ましく、その条件等は前述と同様である。
【0039】つぎに、本発明のエアフィルターユニットの使用方法は、エアフィルターユニットを組み立て、エアフィルターユニット全体を有機物除去処理した後、エアフィルターユニットを使用するという方法である。そして、前記有機物除去処理は、前述と同様に、エアフィルターユニット全体の加熱処理であることが好ましく、その条件等は前述と同様である。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明についてさらに詳しく説明する。
【0041】図1の斜視図に、本発明のエアフィルターユニットの一例を示す。図示のように、このエアフィルターユニットは、ミニプリーツタイプと称されるものであり、フィルター濾材1が、通常、25〜50mm幅の波状に折曲されており、その波の間隙(波の山と山との間)は、通常、2〜5mmである。この間隙は、ホットメルト接着剤(例えば、ダイアボンド(商品名))を用いてリボン状または帯状に形成された複数のスペーサー5により保持されている。スペーサー5相互の距離は、通常、25〜50mm程度である。そして、フィルター濾材1は、4つの枠材6,7,8,9で構成される枠体内に収納されており、枠体とフィルター濾材1との間隙は気密を保持するためシールされている。このシールは、例えば、サイドシールとエンドシールに大別される。また、これに用いるシール剤としては、例えば、ホットメルト接着剤(例えば、ダイアボンド(商品名))があげられる。前記枠体の材質は、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、ポリ塩化ビニル(PVC)があげられる。本発明のエアフィルターユニットの大きさは、その用途に応じ適宜決定することができる。また、このエアフィルターユニットでは、構成部材としてガスケットを有していてもよい。
【0042】図2の断面図に、本発明のエアフィルターユニットにおいて使用されるフィルター濾材の構成を示す。図2において、1はフィルター濾材全体を示し、2は、例えば、目付が2g/m2 、厚さが4μmのPTFE多孔膜を示し、3、4は、例えば、ポリエステル長繊維スパンボンド不織布(例えば東洋紡製品、繊度(単繊維の太さ):2デニール、目付が15〜100g/m2 、好適には20〜70g/m2 )から形成された通気性支持材を示す。PTFE多孔膜2と前記不織布から形成された通気性支持材3,4とは、例えば、ポリエステル系ホットメルト接着剤(例えばダイアボンド(商品名))を1〜20g/m2 、好適には2〜10g/m2 で塗布し、温度:160〜200℃の範囲で熱接着させることにより接着することができる。フィルター濾材1全体の厚さは100〜1500μm好ましくは、100〜700μmである。また、フィルター濾材1の性能としては、圧力損失が10〜100mmH2O (条件:5.3cm/秒)、粒子径0.10〜0.12μmのDOPの捕集効率が99.0%以上(条件:5.3cm/秒、0.1μm)、孔径が0.2〜3μmの範囲が好ましい。
【0043】図3に、前記エアフィルターユニットにおけるフィルター濾材1のスペーサー5部分の断面図を示す。図示のように、スペーサー5は、波状に折曲されたフィルター濾材1の波の各山毎に形成され、その断面形状がフィルター濾材の波状に沿った略V字状となっている。このスペーサー5の長さは、フィルター濾材1の折り曲げ幅により適宜決定されるが、通常、前記略V字の片方の足の長さが前記折り曲げ幅の約半分の長さとなることが好ましく、例えば、フィルター濾材1の折り曲げ幅が約40mmの場合、スペーサー8の略V字の片方の足の長さは約20mmが好ましい。スペーサー5の形成により、フィルター濾材1の波状が保持され、空気を均一に通過させることが可能となる。
【0044】そして、このエアフィルターユニットについて、前述の有機物除去処理を行う。この有機物除去処理は、通常、エアフィルター全体を加熱して行う。例えば、この処理としては、先に述べたように、加熱清浄空気や加熱清浄不活性ガスの中にエアフィルターユニットを放置したり、前記加熱清浄空気等を吹き付けたりすることがあげられる。前記清浄空気や清浄不活性ガスは、HEPA、ULPA、ケミカルフィルター等の他のエアフィルターユニットを用いて得ることができる。前記処理の条件は、放置の場合、通常、40〜120℃で5分〜24時間の処理、好ましくは50〜100℃で10〜180分間の処理である。また、加熱清浄空気等を吹き付ける場合、その条件は、通常、温度25〜150℃、処理時間0.5〜300分間、清浄空気等の流速0.5cm/秒〜5m/秒の範囲であり、好ましくは、温度30〜120℃(特に好ましくは40〜100℃)、処理時間0.5〜60分間、清浄空気等の流速1cm/秒〜1m/秒の範囲である。
【0045】そして、前記有機物除去処理後、エアフィルターユニットの空気導入口および空気排出口をPETフィルム等の所定フィルムでシールして、枠材内部およびこれに収容されている各部材を外気から遮断することが好ましい。図4の斜視図に、本発明のエアフィルターユニットにおいて、空気導入口と空気排出口とを前記フィルム10でシールした状態の一例を示す。なお、図4において、図1と同一部分には同一符号を付している。前記フィルムの材質としては、前述のPETの他に、四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)等のフッ素樹脂、PBT等があげられる。シール方法は、熱融着による方法や、接着剤による方法があげられる。なお、前記接着剤は、前述と同様に、有機物の発生が少ないホットメルト接着剤が好ましい。そして、前記フィルムは、このエアフィルターユニットをクリーンルーム等に取り付け、その使用直前に剥がして除去することが好ましい。このようにすれば、エアフィルターユニットが、その使用直前まで、清浄に保たれるからである。なお、エアフィルターユニット全体を、有機物遮断性でそれ自身から有機物が発生しないフィルム包装材で覆ってもよい。この方法によれば、エアフィルター全体が、清浄に保たれる。
【0046】以上説明したのは、スペーサーを用いたミニプリーツ式エアフィルターユニットの例であるが、本発明はこれに限定されず、この他、セパレータを用いたセパレータ式エアフィルターユニットにも適用できる。
【0047】図5の一部破断斜視図に前記セパレータ式エアフィルターユニットの構成の一例を示す。図示のように、このエアフィルターユニットは、フィルター濾材1が波板状セパレーター11を介して波状に屈曲され、枠体12内に収容されている。また、フィルター濾材1と枠体12との間隙は、前述のミニプリーツ式エアフィルターユニットの場合と同様にしてシール剤によりシールされている。前記セパレーター11の材質としては、例えば、アルミニウム、合成紙があげられる。また、このセパレータ11は、厚みは、通常、0.1〜2.0mmであり、その波の高さ(波の山の高さ)は、通常、1〜10mmである。その他の条件や構成は、前述のミニプリーツ式エアフィルターユニットの場合と同様である。
【0048】このセパレータ式エアフィルターユニットに対する有機物除去処理および空気導入口等のシールは、前述のミニプリーツ式エアフィルターユニットの場合と同様である。
【0049】
【実施例】つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。なお、実施例において、フィルター濾材の圧力損失、透過率、捕集効率およびエアフィルターユニットの有機物量(TOC)の測定は、下記の方法によった。
【0050】(1)濾材圧力損失測定法測定サンプルを直径47mmの円形に切出し、透過有効面積12.6cm2 のホルダーにセットし、風速5.3cm/secの時の圧力損失を測定した。
【0051】(2)濾材透過率測定サンプルを直径100mmのホルダーにセットし、サンプルを透過する空気の流量を5.3cm/secに合わせる。この状態でサンプルの上流側に濃度107 /300mlの多分散DOP(ジオクチルフタレイト)粒子を導入する。サンプル上流側、下流側各々で粒径0.1μmの粒子数をパーティクルカウンター(PMS社製、LAS−X−CRT)で測定し、その比率より粒子の透過率(%)を求めた。
【0052】(3)濾材捕集効率(%)
下記の式より求めた。
捕集効率(%)=100−透過率(%)
【0053】(4)有機物の測定有機物の測定は、ガスクロマトグラフィーを用いたパージアンドトラップ方式により行った。まず、エアフィルターユニットの構成部材であるフィルター濾材、エンドシール剤、サイドシール剤、スペーサー、ガスケットおよび枠体を以下の要領でサンプリングする。まず、フィルター濾材は、刃先をアセトンで十分に洗浄したハサミを用いて正確に5cm角(25cm2 )試料片に切り取る。エンドシール剤は、アセトンで刃先を十分に洗浄したカッターを用い、解体したユニットから試料の空気接触表面面積が2cm2 になるように切り取る。サイドシール剤も、同様に、空気接触表面面積が3cm2 になるように切り取る。スペーサーも、同様に、空気接触表面面積が5cm2 になるように切り取る。ガスケットも、同様に、空気接触表面面積が2.7cm2 になるように切り取る。枠体は、刃先をアセトンで十分に洗浄した金鋸を用いユニットから空気接触表面面積が14cm2 になるように切り取る。このようにしてサンプリングした試料に純ヘリウム(He)ガスを室温で24時間通気して分析試料とする。この分析試料を、予め40℃に保温したサンプル官に入れ、前記分析試料から発生する揮発成分やガス成分等を不活性ガス(Heガス)を流速50ml/分で15分間流してサンプル官から追い出す(パージする)。そして。追い出した揮発成分等をトラップ管に導入する。このトラップ管において、−40℃に冷却された吸着剤(石英ウール)に前記揮発成分等を蓄積濃縮(トラップ)させる。その後、前記吸着剤を358℃に瞬間加熱し、20秒間、吸着剤に吸着した吸着物をガスとして放出する。そして、前記放出ガスを、ガスクロマトグラフィーに導入し、その量(TOC)を測定する。測定条件は、以下のとおりである。
【0054】ガスクロマトグラフィー:GC14A,島津製作所社製カラム:FRONTIER LAB Ultra ALLOY Capillary Colomn,UA−5カラム温度:50℃(5分間保持)→250℃(10分保持)、昇温速度10℃/分スプリット比: 1:50(カラム流量1.0ml/分)
【0055】(実施例1)
【0056】まず、PTFE多孔膜を、WO94/16802号公報に記載された製法に準じて製造した。すなわち、PTFEファインパウダー(ポリフロン・ファインパウダー、ダイキン工業社製)を押出助剤と共にペースト押出し、さらに圧延によって厚さ100μmのフィルム状とした。その後、このフィルムを温度300℃で長手方向に10倍、温度200℃で幅方向に20倍の延伸を行い、厚さ5μm、平均孔径0.35μm、圧力損失42mmH2 O、透過率0.0000027%、捕集効率99.9999973%のPTFE多孔膜を得た。
【0057】つぎに、一つの通気性支持材として、ポリエチレンとポリエステルとからなる長繊維スパンボンド不織布(ユニチカ社製、エルベスT0703WDO、繊度3デニール、目付70g/m2 )を準備した。また、他の一つの通気性支持材として、鞘部分にポリエステルを用いた芯/鞘構造コンジュゲート繊維と、鞘部分に変性ポリエステル用い芯部分にポリエステルを用いた芯/鞘構造コンジュゲート繊維の2種類の繊維からなる2層構造スパンボンド不織布(ユニチカ社製、エルフィットE0303WTO、繊維度3デニール、目付30g/m2 )を準備した。そして、前記PTFE多孔膜を、前記2種類の通気性支持材で挟み、ライン速度10m/分で200℃の熱ロールに接触させて熱融着により前記3者を一体化し、フィルター濾材を作製した。このフィルター濾材は、平均孔径0.35μm、圧力損失42mmH2 O、透過率0.0000027%、捕集効率99.9999973%のものである。
【0058】つぎに、このフィルター濾材を、40mm幅に折り畳み、波状に屈曲させた。そして、このフィルター濾材を、気流が出入りする面形状が正方形(正方形の一辺の外寸法:610mm)のアルミニウム製枠体(奥行き65mm)の内部に収納し、サイド部をクロロプレン系接着剤およびエンド部をポリウレタン接着剤(KU850、コニシ社製)でそれぞれシールし、気流出入面形状が正方形(有効寸法:正方形の一辺が略580mm)の図1に示す構成のエアフィルターユニットを作製した。なお、前記フィルター濾材において、規則的なプリーツ間隔を保持するために、ホットメルト接着剤(ポリアミド系)を用い複数のスペーサーを形成した、このスペーサーは、高さ2mmでスペーサー相互の距離は25mmである。また、このエアフィルターユニットでは、ガスケットをユニットの枠体部分に装着している。このエアフィルターユニットの各構成部材の空気接触表面面積(ユニット面積)と、エアフィルターユニット全体面積に占める各構成部材の面積割合を、下記の表1に示す。
【0059】
【表1】

【0060】つぎに、このエアフィルターユニットに対し、有機ガス除去用ケミカルフィルター(日本無機社製、ACSフィルター)およびULPA(ダイキン工業社製、ニューロファイン、グレード:KM)を通した清浄空気を温度80℃に加熱し、この加熱清浄空気をフィルター透過風速50ml/分の流速で15分間吹き付けて、有機物除去処理を行った。
【0061】(比較例1)有機物除去処理を行わなかった以外は、実施例1と同様にしてエアフィルターユニットを作製した。
【0062】このようにして得られた、実施例1および比較例1のエアフィルタユニットについて、前記方法により有機物量(TOC量)を測定した。その結果を下記の表2に示す。なお、下記表2中、処理は実施例1を示し、未処理は比較例1を示す。
【0063】
【表2】

【0064】前記表2から明らかなように、有機物除去処理を行った実施例1のエアフィルターユニットは、全体から検出される有機物量が、未処理の比較例1に比べ、極めて少なかった。
【0065】(実施例2)実施例1と同様にしてエアフィルターユニットを製造した直後、これをPET層を内壁に有するルミラー袋にいれ、窒素ガス置換した後ヒートシールして密封し、30日間放置した。
【0066】(参考例)実施例1と同様にしてエアフィルターユニットを作製し、そのまま30日間放置した。
【0067】そして、前記実施例2および参考例の各エアフィルターユニットについて、前述の方法により、フィルター濾材等の構成部材の有機物量(TOC量)を測定した。その結果を、下記の表3に示す。
【0068】
【表3】

【0069】前記表3からわかるように、袋で包装した実施例2のエアフィルターユニットは、包装しなかった参考例のエアフィルターユニットに比べ、有機物検出量が極めて少なかった。
【0070】
【発明の効果】以上のように、本発明のエアフィルターユニットは、その使用前において、温度40℃の条件でエアフィルターユニット全体から検出される有機物総量のうち、少なくともフィルター濾材の5cm角試料片(25cm2 )当りから検出される有機物量が100ng以下である。このように、使用前の検出有機物量が前記範囲であれば、例えば、半導体や電気電子製品製造用のクリーンルーム等において有機物による汚染を有効に防止することができ、製品の品質向上が期待できる。そして、本発明のエアフィルターユニットは、エアフィルターユニットを組み立てた後、例えば加熱処理等の有機物除去処理をするという本発明の製造方法により簡単に製造することができる。また、本発明のエアフィルターユニットにおいて、例えば、空気導入口および空気排出口を前記所定のフィルムでシールすること等により少なくともフィルター濾材を外気から遮断すれば、使用直前までエアフィルターユニットを清浄に保つことができ、使用直前に前記フィルムを剥がして前記エアフィルターユニットを使用すれば、使用当初から清浄な空気を供給することが可能となる。
【0071】さらに、本発明のエアフィルターユニットの製造方法によれば、有機物除去処理後には、エアフィルターユニットのフィルター濾材においては、付着有機物量を、処理前の1/2以下、好ましくは1/3以下、さらに好ましくは1/4以下に低減できる。同様に、セパレーターにおいては、処理前の1/2以下に低減でき、エンドシール剤においては、処理前の3/4以下に低減でき、サイドシール剤においては処理前の1/2以下に低減でき、枠体においては処理前の1/2以下に低減でき、ガスケットにおいては処理前の1/4以下に低減でき、スペーサーにおいては処理前の1/2以下に低減でき、エアフィルターユニット全体としても処理前の1/2以下に低減できる。




 

 


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