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防汚性複合材 - ダイキン工業株式会社
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発明の名称 防汚性複合材
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−272745
公開日 平成10年(1998)10月13日
出願番号 特願平9−81520
出願日 平成9年(1997)3月31日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】朝日奈 宗太 (外1名)
発明者 荒木 孝之 / 田中 義人 / 久米川 昌浩 / 岡 憲俊 / 実政 久人 / 清水 哲男
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 (a)ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボン酸塩、カルボキシエステル基およびエポキシ基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の官能基を有する官能基含有含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単量体0.05〜30モル%と(b)前記の官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単量体70〜99.95モル%とを共重合してなる官能基含有含フッ素エチレン性重合体からなる材料を基材に適用してなる防汚性複合材。
【請求項2】 前記官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a)が式(1):CX2=CX1−Rf−Y (1)
(式中、Yは−CH2OH、−COOH、カルボン酸塩、カルボキシエステル基またはエポキシ基、XおよびX1は同じかまたは異なり水素原子またはフッ素原子、Rfは炭素数1〜40の2価の含フッ素アルキレン基、炭素数1〜40の含フッ素オキシアルキレン基、炭素数1〜40のエーテル基を含む含フッ素アルキレン基または炭素数1〜40のエーテル結合を含む含フッ素オキシアルキレン基を表す)で示される少なくとも1種の官能基含有含フッ素エチレン性単量体である官能基含有含フッ素エチレン性重合体を基材に適用してなる請求項1記載の防汚性複合材。
【請求項3】 前記官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体(b)が、テトラフルオロエチレンである官能基含有含フッ素エチレン性重合体を基材に適用してなる請求項1または2記載の防汚性複合材。
【請求項4】 前記官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体(b)が、テトラフルオロエチレン85〜99.7モル%と式(2):CF2=CF−Rf1 (2)
(式中、Rf1はCF3またはORf2(Rf2は炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基)で示される単量体0.3〜15モル%との混合単量体である官能基含有含フッ素エチレン性重合体を基材に適用してなる請求項1または2記載の防汚性複合材。
【請求項5】 前記官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体(b)が、テトラフルオロエチレン40〜80モル%とエチレン20〜60モル%とその他の共重合可能な単量体0〜15モル%以下の混合単量体である請求項1または2記載の防汚性複合材。
【請求項6】 前記官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a)0.01〜30モル%と前記官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体(b)としてフッ化ビニリデン70〜99.9モル%とを共重合してなる官能基含有含フッ素エチレン性重合体からなる材料を基材に適用してなる請求項1または2記載の建材用複合材。
【請求項7】 前記官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体(b)が、フッ化ビニリデン70〜99モル%とテトラフルオロエチレン1〜30モル%との複合単量体、フッ化ビニリデン50〜99モル%とテトラフルオロエチレン0〜30モル%とクロロトリフルオロエチレン1〜20モル%との複合単量体、またはフッ化ビリニデン60〜99モル%とテトラフルオロエチレン0〜33モル%とヘキサフルオロプロピレン1〜10モル%との混合単量体である請求項1または2記載の建材用複合材。
【請求項8】 前記請求項1〜7のいずれかに記載の官能基含有含フッ素エチレン性重合体が塗料の形態で基材に適用されてなる防汚性複合材。
【請求項9】 前記請求項1〜7のいずれかに記載の官能基含有含フッ素エチレン性重合体が水性分散液の形態で基材に適用されてなる防汚性複合材。
【請求項10】 前記請求項1〜7のいずれかに記載の官能基含有含フッ素エチレン性重合体が粉体塗料の形態で基材に適用されてなる防汚性複合材。
【請求項11】 前記請求項1〜7のいずれかに記載の官能基含有含フッ素エチレン性重合体がフィルムの形態で基材に適用されてなる防汚性複合材。
【請求項12】 前記基材が金属系基材である請求項1〜7のいずれかに記載の防汚性複合材。
【請求項13】 前記基材が非金属無機基材である請求項1〜7のいずれかに記載の耐候性複合材。
【請求項14】 前記基材がガラス基材である請求項11記載の耐候性複合材。
【請求項15】 前記基材がコンクリートからなる請求項11記載の耐候性複合材。
【請求項16】 前記基材がセメントからなる請求項11記載の耐候性複合材。
【請求項17】 前記基材がタイルからなる請求項11記載の耐候性複合材。
【請求項18】 前記基材が陶板からなる請求項11記載の耐候性複合材。
【請求項19】 前記基材が合成樹脂基材である請求項1〜7記載のいずれか記載の耐候性複合材。
【請求項20】 前記基材がポリカーボネートである請求項17記載の耐候性複合材。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防汚性、非粘着性、耐熱性、透明性(意匠性)および撥水撥油性など、ならびに特に基材への接着性にすぐれた含フッ素重合体を基材に適用し、特にその防汚性という特性を利用する防汚性複合材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、建築用ガラス、各種内外壁材、屋根材および内外装材などの建材、あるいはシステムキッチンなどの厨房用住宅設備、自動車の内外装、太陽電池のカバー、電球や換気扇などの家電製品、食材の加工や加熱を行なう調理機器または食器などでは、大気中の汚れ、食材や油などの使用材料が機器やその部品などに付着すると、本来の機能や美観が損われてしまうため、防汚性の材料をそうした付着の可能性のある部位に使用することが要請されている。
【0003】防汚性の材料としてはシリコン系材料のほかフッ素系材料、とくに含フッ素樹脂が一般的であり、また現実にも使用されている。
【0004】しかし、前記含フッ素樹脂は、利用しようとするそのすぐれた非粘着性に起因して、金属またはガラスなどの基材との接着性が充分ではないという本質的な問題がある。
【0005】そこで、塗料の形態で含フッ素重合体を適用するばあいについては、金属の表面を化学的または物理的に粗面処理を行なうなどして含フッ素樹脂と基材とのアンカー効果を期待して密着させる方法がある。しかし、この方法は粗面化処理自体に手間がかかり、また接着強度も初期にはえられても、繰り返し温度変化を与えたり高温で使用したりしたときにアンカー効果の減衰などをおこす。
【0006】また含フッ素樹脂表面を、液体アンモニアに金属ナトリウムを溶かした溶液で処理して、その表面を化学的に活性化する方法も提案されている。ところがこの方法では、処理液自体が環境汚染を引き起こす恐れがあるとともに、その取扱いに危険がともなうという問題点がある。
【0007】また含フッ素樹脂表面にプラズマスパッタリングなどの物理化学的処理を施して表面を活性化する方法も提案されているが、この方法では、処理に手間がかかったりあるいはコスト上昇をともなうなどの問題点があった。
【0008】また、含フッ素樹脂塗料に接着性を改良するための種々の成分を添加したり、プライマー層を形成しておくことも検討されている。
【0009】たとえば含フッ素重合体を含む塗料組成物にクロム酸などの無機酸を加えて金属表面に化成皮膜をつくり、密着を高めるなどの技術がある(特公昭63−2675号公報)。しかし、クロム酸は6価クロムを含有することから、食品安全性、作業安全性ともに充分とはいえない。またリン酸などの他の無機酸を使用するばあいには含フッ素樹脂塗料の安全性を損なうという問題があった。
【0010】前記無機酸にかえて、含フッ素樹脂を含む塗料組成物にポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトンなどの耐熱性樹脂類、さらにそれらに加えて金属粉末などを添加し、プライマー層を形成することが検討されている(特開平6−264000号公報)。しかし、そもそも含フッ素重合体と耐熱性樹脂類は相溶性がほとんどなく、塗膜中で相分離などをおこして、プライマー層と含フッ素樹脂のトップコート層のあいだで相間剥離をおこしやすい。また、含フッ素重合体と耐熱性樹脂との熱収縮率の違いや、耐熱性樹脂の添加による塗膜伸度の低下などにより、高温加工時や使用時などのピンホールや、ひびわれなどの塗膜欠陥などを生じやすい。またこれら耐熱性樹脂は、焼成時に褐色化がおこるため意匠性に劣り、白色や鮮やかな着色、透明性などを求められる用途では使用困難である。また、耐熱性樹脂類をブレンドすると含フッ素重合体が本来有する非粘着性や低摩擦性も低下させる。
【0011】また、透明性を求められるガラス基材などへの含フッ素樹脂塗料の接着に際しては、基材表面をシランカップリング剤で処理したり、シリコーン樹脂を含フッ素樹脂塗料に添加したりして接着性の改良を試みている(特公昭54−42366号公報、特開平5−177768号公報など)が、接着性の向上が不充分であり、かつ耐熱性が低下し、焼成時や高温使用時に剥離や発泡、着色をおこしやすい。
【0012】一方、含フッ素樹脂塗料として、ヒドロキシル基やカルボキシル基など官能基を含むハイドロカーボン系(非フッ素系)単量体を共重合したものが検討されているが、これらはそもそも、耐候性を主目的として検討されたもので、本発明の目的とする防汚性は不充分であり、また耐熱性(たとえば200〜350℃)を必要とする用途では使用困難である。
【0013】つまり官能基を含むハイドロカーボン系(非フッ素系)単量体を共重合したものは、高温での加工時または使用時にその単量体構成部分から熱分解が起こりやすく、塗膜破壊、着色、発泡、剥離などが生じて防汚性、非粘着性が低下し、含フッ素樹脂塗装の目的を達成することができないものである。
【0014】また、含フッ素重合体は一般的に機械的強度や寸法安定性が不充分であり、価格的に高価である。そこで、これらの欠点を最小とし、かつ含フッ素重合体が本来有する前記長所を最大限に生かすために、フィルムの形態での適用も検討されている。
【0015】しかし、含フッ素重合体は前記のとおり本来接着力が小さく、含フッ素重合体をフィルムの形態で他の材料(基材)と直接接着させることは困難である。たとえば、熱融着などで接着を試みても、接着強度が不充分であったり、ある程度の接着強度があったとしても基材の種類により接着強度がばらつきやすく、接着性の信頼性が不充分であることが多かった。
【0016】含フッ素重合体フィルムと基材とを接着させる方法として、1.基材の表面をサンドフラスター処理などで物理的に粗面化する方法、2.含フッ素樹脂フィルムにナトリウムエッチングなどの化学的処理、プラズマ処理、光化学的処理などの表面処理を行なう方法、3.接着剤を用いて接着させる方法などが主に検討されているが、前記1、2については、別途の処理工程が必要となり、工程が複雑で生産性がわるい。また、基材の種類や形状が限定される。さらに、えられる接着力も不充分であり、フッ素樹脂本来の非粘着性が低下したり、えられた複合体の着色や色などの外観上の問題(意匠性)も生じやすい。また、ナトリウムエッチングなどの薬品を使用する方法は安全性にも問題がある。
【0017】前記3の接着剤の検討も種々行なわれている。一般のハイドロカーボン系(非フッ素系)の接着剤は接着性が不充分であるとともに、それ自体の耐熱性が不充分で、一般に高温での成形や加工を必要とする含フッ素重合体フィルムの接着加工条件では、耐えられず、分解による剥離や着色などをおこす。前記接着剤を用いた複合体も接着剤層の耐熱性、耐薬品性、耐水性が不充分であるために、温度変化や環境変化により接着強度が維持できなくなり、信頼性に欠ける。
【0018】一方、官能基を有する含フッ素重合体を用いた接着剤組成物による接着の検討が行なわれている。
【0019】たとえば含フッ素重合体に無水マレイン酸やビニルトリメトキシシランなどに代表されるカルボキシル基、カルボン酸無水物残基、エポキシ基、加水分解性シリル基を有するハイドロカーボン系単量体をグラフト重合した含フッ素重合体を接着剤に用いた報告(たとえば特開平7−18035号、特開平7−25952号、特開平7−25954号、特開平7−173230号、特開平7−173446号、特開平7−173447号各公報)やヒドロキシルアルキルビニルエーテルのような官能基を含むハイドロカーボン系単量体をテトラフルオロエチレンやクロロトリフルオロエチレンと共重合した含フッ素共重合体と、イソシアナート系硬化剤との接着性組成物を硬化させ、塩化ビニル樹脂とコロナ放電処理されたETFEとの接着剤に用いた報告(たとえば特開平7−228848号公報)がなされている。
【0020】これら、ハイドロカーボン系の官能基モノマーをグラフト重合または共重合した含フッ素樹脂を用いた接着剤組成物は耐熱性が不充分で、含フッ素樹脂フィルムとの複合体を高温で加工するときや、高温で使用するときに分解・発泡などが起き接着強度を低下させたり、剥離したり、着色したりする。また前記特開平7−228848号公報記載の接着性組成物では、含フッ素樹脂フィルムはコロナ放電処理を必要とする。
【0021】このように、防汚性の複合材として基材と強固に接着した材料はない。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】叙上の事実に鑑み、本発明の目的は、複雑な工程を必要とすることなく、基材への接着性にすぐれた含フッ素重合体からなる材料を基材に適用してなる防汚性の複合材を提供することにある。
【0023】本発明の防汚性複合材は、さらに耐候性、非粘着性、透明性(意匠性)、抗菌性、撥水撥油性、汚れ除去性、耐薬品性、防錆性、耐エネルギー線性にすぐれている。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボン酸塩、カルボキシエステル基およびエポキシ基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の官能基を有する官能基含有含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単量体0.05〜30モル%と(b)前記の官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単量体70〜99.95モル%とを共重合してなる官能基含有含フッ素エチレン性重合体からなる材料を基材に適用してなる防汚性複合材に関する。
【0025】このばあい、前記官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a)が式(1):CX2=CX1−Rf−Y (1)
(式中、Yは−CH2OH、−COOH、カルボン酸塩、カルボキシエステル基またはエポキシ基、XおよびX1は同じかまたは異なり水素原子またはフッ素原子、Rfは炭素数1〜40の2価の含フッ素アルキレン基、炭素数1〜40の含フッ素オキシアルキレン基、炭素数1〜40のエーテル基を含む含フッ素アルキレン基または炭素数1〜40のエーテル結合を含む含フッ素オキシアルキレン基を表す)で示される少なくとも1種の官能基含有含フッ素エチレン性単量体であるのが好ましい。
【0026】また、前記官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体(b)が、テトラフルオロエチレンであるのが好ましい。
【0027】さらに、前記官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体(b)が、テトラフルオロエチレン85〜99.7モル%と式(2):CF2=CF−Rf1 (2)
(式中、Rf1はCF3またはORf2(Rf2は炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基)で示される単量体0.3〜15モル%との混合単量体であるのが好ましい。
【0028】さらにまた、前記官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体(b)が、テトラフルオロエチレン40〜80モル%とエチレン20〜60モル%とその他の共重合可能な単量体0〜15モル%との混合単量体であるのが好ましい。
【0029】また、前記官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a)0.01〜30モル%と前記官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体(b)としてフッ化ビニリデン70〜99.9モル%とを共重合してなる官能基含有含フッ素エチレン性重合体を用いるのが好ましい。
【0030】また、前記官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体(b)が、フッ化ビニリデン70〜99モル%とテトラフルオロエチレン1〜30モル%との複合単量体、フッ化ビニリデン50〜99モル%とテトラフルオロエチレン0〜30モル%とクロロトリフルオロエチレン1〜20モル%との複合単量体、またはフッ化ビリニデン60〜99モル%とテトラフルオロエチレン0〜33モル%とヘキサフルオロプロピレン1〜10モル%との混合単量体であるのが好ましい。
【0031】本発明は、前記の官能基含有含フッ素エチレン性重合体が、塗料、水性分散液、粉体塗料またはフィルムの形態で基材に適用されるのが好ましい。
【0032】また、基材としては、金属系基材、非金属無機系基材、合成樹脂系基材があげられる。非金属無機系基材としてはガラス、コンクリート、セメント、タイルまたは陶板が、合成樹脂系基材としてはポリカーボネートが好ましい。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明の防汚性複合材は、(a)ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボン酸塩、カルボキシエステル基およびエポキシ基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の官能基を有する官能基含有含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単量体0.05〜30モル%と(b)前記の官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体の少なくとも1種の単量体70〜99.95モル%とを共重合してなる官能基を有する含フッ素エチレン性重合体からなる材料を基材に適用したものである。
【0034】前記官能基含有含フッ素重合体からなる材料は、塗料またはフィルムの形態で金属やガラス、その他の基材に対し、接着剤の使用、基材の表面処理、プライマー層の形成、さらに当該材料中への接着性を有する成分の添加などを行なわなくとも驚くべき強力な接着性を有する。
【0035】本発明の複合材をうるために用いる官能基含有含フッ素重合体は、前記(a)の官能基含有含フッ素エチレン性単量体を用いて、前記の官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体(b)と共重合し、含フッ素重合体に官能基を導入することが重要であり、それによって従来、接着が不充分または不可能であった種々の基材表面に対し直接すぐれた接着性を与えうる。つまり、官能基含有含フッ素重合体であっても、非フッ素系の官能基含有単量体を共重合したものに比べ耐熱性にすぐれており、高温(たとえば200〜400℃など)での加工時の熱分解などがより少なく抑えられ、大きな接着強度をうることができ、さらに着色や発泡、それによるピンホール、レベリング不良などのない被覆層を基材上に形成することができる。また、複合材を高温で使用するばあいも、接着性を維持し、さらに着色、白化、発泡、ピンホールなどの被覆層の欠陥が生じにくい。
【0036】また、前記官能基含有含フッ素重合体は、それ自体、耐熱性だけでなく、含フッ素ポリマーがもつ防汚性、耐薬品性、非粘着性、低摩擦性、耐候性などのすぐれた特性をも有しており、これらのすぐれた特性を低下させずに与えうる。
【0037】つぎに、まず本発明の複合材の材料である官能基含有含フッ素エチレン性共重合体について説明する。
【0038】官能基含有含フッ素エチレン性重合体の官能基は、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボン酸塩、カルボキシエステル基およびエポキシ基から選ばれる少なくとも1種であり、官能基の効果により種々の基材との接着性を与えうるものである。官能基の種類や組合せは基材の表面の種類、目的や用途により適宜選択されるが、耐熱性の面でヒドロキシル基を有するものが最も好ましい。
【0039】この官能基含有含フッ素エチレン性重合体を構成する成分の1つである前記官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a)としては(a−1)式(1):CX2=CX1−Rf−Y (1)
(式中、Yは−CH2OH、−COOH、カルボン酸塩、カルボキシエステル基またはエポキシ基、XおよびX1は同じかまたは異なり水素原子またはフッ素原子、Rfは炭素数1〜40の2価の含フッ素アルキレン基、炭素数1〜40の含フッ素オキシアルキレン基、炭素数1〜40のエーテル基を含む含フッ素アルキレン基または炭素数1〜40のエーテル結合を含む含フッ素オキシアルキレン基を表す)で示される官能基含有含フッ素エチレン性単量体であるのが好ましい。
【0040】また、官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a)の具体例としては、式(3):CF2=CF−Rf3−Y (3)
[式中、Yは式(1)のYと同じ、Rf3は炭素数1〜40の2価の含フッ素アルキレン基またはORf4(Rf4は炭素数1〜40の2価の含フッ素アルキレン基または炭素数1〜40のエーテル結合を含む2価の含フッ素アルキレン基)を表わす]、式(4):CF2=CFCF2−ORf5−Y (4)
[式中、Yは式(1)のYと同じ、Rf5は炭素数1〜39の2価の含フッ素アルキレン基または炭素数1〜39のエーテル結合を含む2価の含フッ素アルキレン基を表わす]、式(5):CH2=CFCF2−Rf6−Y (5)
[式中、Yは式(1)のYと同じ、Rf6は炭素数1〜39の2価の含フッ素アルキレン基、またはORf7(Rf7は炭素数1〜39の2価の含フッ素アルキレン基または炭素数1〜39のエーテル結合を含む2価の含フッ素アルキレン基)を表わす]または式(6):CH2=CH−Rf8−Y (6)[式中、Yは式(1)のYと同じ、Rf8は炭素数1〜40の2価の含フッ素アルキレン基]で示されるものなどがあげられる。
【0041】式(3)〜式(6)の官能基含有含フッ素エチレン性単量体が、官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体(b)との共重合性が比較的良好な点で、また、共重合してえられた重合体の耐熱性を著しく低下させない理由で好ましい。
【0042】これらのなかでも、官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体(b)との共重合性や、えられた重合体の耐熱性の面より式(3)、式(5)の化合物が好ましく、とくに式(5)の化合物が好ましい。
【0043】式(3)で示される官能基含有含フッ素エチレン性単量体として、さらに詳しくは【0044】
【化1】

【0045】などが例示される。
【0046】式(4)で示される官能基含有含フッ素単量体としては、【0047】
【化2】

【0048】などが例示される。
【0049】式(5)で示される官能基含有含フッ素単量体としては、【0050】
【化3】

【0051】などが例示される。
【0052】式(6)で示される官能基含有含フッ素単量体としては、【0053】
【化4】

【0054】などが例示される。
【0055】その他【0056】
【化5】

【0057】などもあげられる。
【0058】官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a)と共重合する官能基を含有しない含フッ素エチレン性単量体(b)は公知の単量体より適宜選択することができ、すぐれた防汚性に加えて耐候性、非粘着性、耐熱性、耐薬品性、低摩擦性を重合体に与える。
【0059】具体的な含フッ素エチレン性単量体(b)としては、テトラフルオロエチレン、式(2):CF2=CF−Rf1[Rf1はCF3またはORf2(Rf2は炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基)を表わす]、クロロトリフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、フッ化ビニル、ヘキサフルオロイソブテン、【0060】
【化6】

【0061】(式中、X2は水素原子、塩素原子またはフッ素原子から選ばれる、nは1〜5の整数)などがあげられる。
【0062】また、官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a)と前記官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体(b)に加えて、防汚性や耐熱性、非粘着性を低下させない範囲でフッ素原子を有さないエチレン性単量体を共重合してもよい。このばあいフッ素原子を有さないエチレン性単量体は、耐熱性を低下させないためにも炭素数5以下のエチレン性単量体から選ぶことが好ましく、具体的にはエチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテンなどがあげられる。
【0063】本発明において用いられる官能基含有含フッ素エチレン性重合体中の官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a)の含有率は、重合体中の単量体の全量の0.05〜30モル%である。官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a)の含有率は、防汚性が要求される基材の表面の種類、形状、塗装方法、フィルム形成方法、条件、適用する機器や部材の目的や用途などの違いにより適宜選択されるが、好ましくは0.05〜20モル%、特に好ましくは0.1〜10モル%である。
【0064】官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a)の含有率が0.05%未満であると、基材の表面との接着性が充分えられにくく、温度変化や薬品の浸透などにより剥離などをおこしやすい。また、30モル%を超えると耐熱性を低下させ、高温での焼成時または高温での使用時に、接着不良や着色、発泡、ピンホールなどが発生し、意匠性を低下させたり、被覆層の剥離や熱分解生成物の溶出などをおこしやすい。
【0065】本発明で用いる官能基含有含フッ素エチレン性重合体の好ましいものをつぎにあげる。
【0066】(I)官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a)0.05〜30モル%とテトラフルオロエチレン70〜99.95モル%との重合体(I)(反応性PTFE)。
【0067】この重合体は防汚性のほか非粘着性、耐熱性、耐薬品性が最もすぐれており、さらに摺動性(低摩擦性、耐摩耗性)を有する点ですぐれている。
【0068】(II)官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a)を単量体の全量に対して0.05〜30モル%含み、さらに該単量体(a)を除く単量体の全量に対して、テトラフルオロエチレン85〜99.7モル%と前記式(2):CF2=CF−Rf1 (2)
[Rf1はCF3、ORf2(Rf2は炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基)から選ばれる]で示される単量体0.3〜15モル%との重合体(II)。たとえば官能基を有するテトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(反応性PFA)または官能基を有するテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン重合体(反応性FEP)。
【0069】この重合体は前記(I)の反応性PTFEとほぼ同等の防汚性、非粘着性、耐熱性、耐薬品性を有し、さらに透明性を有する点ならびに溶融成形可能であり、塗料の形態で塗布しても熱により透明化および表面平滑化が可能な点ですぐれている。
【0070】(III)官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a)を単量体の全量に対して0.05〜30モル%含み、さらに該単量体(a)を除く単量体の全量に対して、テトラフルオロエチレン40〜80モル%、エチレン20〜60モル%、その他の共重合可能な単量体0〜15モル%との重合体(III)(官能基を有するエチレン−テトラフルオロエチレン重合体(反応性ETFE))。
【0071】この重合体はすぐれた防汚性に加えて耐熱性、非粘着性、耐候性をもち、透明性にすぐれている点、さらにすぐれた機械的強度を有し、硬く強靭である点、ならびに溶融流動性がすぐれているために成形加工や、他の基材との複合化(積層など)が容易である点ですぐれている。
【0072】(IV)官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a)0.05〜30モル%とフッ化ビニリデン70〜99.9モル%との重合体(IV)(反応性PVdF)。
【0073】この重合体(IV)は含フッ素樹脂の優れた耐候性を保ちつつ、なかでもとくに優れた機械的強度を有し、硬く、強靭である点で、また溶融流動性が優れているため、成形加工や、他のポリマーとの複合化(積層など)をしやすい点で優れている。
【0074】(V)単量体の全量に対して0.05〜30モル%の官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a)と、該単量体(a)を除く単量体の全量に対してフッ化ビニリデン70〜99モル%、テトラフルオロエチレン1〜30モル%の混合単量体、前記単量体(a)を除く単量体の全量に対してフッ化ビニリデン50〜99モル%、テトラフルオロエチレン0〜30モル%、クロロトリフルオロエチレン0〜20モル%の混合単量体、または前記単量体(a)を除く単量体の全量に対してフッ化ビニリデン60〜99モル%、テトラフルオロエチレン0〜20モル%、ヘキサフルオロプロピレン1〜10モル%の混合単量体との重合体(V)(反応性VdF共重合体)。
【0075】この重合体(V)は含フッ素樹脂の優れた耐候性を保ちつつ、低融点であるため、室温〜100℃程度の低い温度での加工が可能であり、とくに塗料の形態で低い温度で造膜、成膜が可能である点で好ましい。その結果、耐熱性を有さない非フッ素ポリマーとの複合(積層など)のばあい好ましい。またさらに可撓性、柔軟性、透明性に優れている。また本発明の含フッ素重合体の反応性基を利用して接着機能のみならず硬化剤との架橋も容易に可能であり、機械特性の改善も可能である点で好ましい。
【0076】前記官能基含有含フッ素重合体は前述の官能基含有含フッ素エチレン性単量体(a)と、官能基を有さない含フッ素エチレン性単量体(b)とを周知の重合方法で共重合することによってうることができる。その中でも主としてラジカル共重合による方法が用いられる。すなわち重合を開始するには、ラジカル的に進行するものであれば手段は何ら制限されないが、たとえば有機、無機ラジカル重合開始剤、熱、光あるいは電離放射線などによって開始される。重合の種類も溶液重合、バルク重合、懸濁重合、乳化重合などを用いることができる。また、分子量は、重合に用いるモノマーの濃度、重合開始剤の濃度、連鎖移動剤の濃度、温度によって制御される。生成する共重合体の組成は、仕込みモノマーの組成によって制御可能である。
【0077】以上に説明した官能基含有含フッ素エチレン性重合体は基材に適用するための材料として種々の形態をとりうる。代表的には塗料用材料またはフィルム状材料の形態があげられるが、成形品の形態としてもよい。
【0078】本発明においては前記官能基含有含フッ素エチレン性重合体を塗料の形態で基材に適用し、防汚性複合材をうることができる。
【0079】本発明において、基材に塗料の形態で適用するばあい、水性分散液、有機溶剤分散液、粉末(造粒物も含む)、オルガノゾル、オルガノゾルの水性エマルジョンの形態をとりうる。これらのうち、環境および安全性の面から、水性分散液または粉末(粉体塗料)の形態で適用するのが好ましい。
【0080】なお、塗料は前記官能基含有含フッ素エチレン性重合体が基材との接着性にすぐれるという性質が発揮される形で適用されればよく、単層でもよく、またプライマー層として用いてもよい。
【0081】本発明における含フッ素塗料用水性分散液は、前記官能基含有含フッ素エチレン性重合体の粒子を水中に分散させてなるものである。含フッ素重合体に官能基を導入することによって水性分散液中の微粒子の分散安定性が向上し、貯蔵安定性のよい塗料がえられ、さらに塗布後の被膜のレベリング性および透明性が向上する。
【0082】前記水性分散液は0.01〜1.0μmの前記重合体の微粒子が、水中に、分散された形態の組成物であるのが好ましい。一般にその中に分散安定化のための界面活性剤が配合されていてもよい。また、水性分散液に防汚性や非粘着性、耐熱性、耐薬品性、低摩擦性を著しく低下させない範囲で通常使用される顔料、界面活性剤、消泡剤、粘度調整剤、レベリング剤などの添加物を配合することができる。
【0083】含フッ素塗料用水性分散液は、種々の方法で製造することができる。具体的にはたとえば、・懸濁重合法などでえられた官能基を有する含フッ素重合体の粉末を微粉砕し、それを水性分散媒中へ、界面活性剤によって均一に分散させる方法、・乳化重合法により重合と同時に含フッ素水性分散液を製造し、必要に応じてさらに界面活性剤や添加剤を配合する方法などがあげられるが、生産性や品質面(小粒径化や、均一粉径化)から、乳化重合法により直接水性分散液を製造する方法が好ましい。
【0084】水性分散液の重合体濃度は目標とする膜厚、塗料の濃度、粘度、塗布方法などにより異なるが、通常、約5〜70重量%の範囲内で選べばよい。
【0085】塗装方法は特に限定されず、ハケ塗り法、スプレー法、ロールコート法などで塗布後重合体の種類に応じ、乾燥し、重合体の融点以上、分解温度以下の温度で焼成し成膜したり、常温または重合体の融点以下の加温で成膜することもできる。
【0086】また塗膜の膜厚は用途、目的、基材などによって適宜選択すればよく、たとえば約1〜200μm、好ましくは5〜100μmである。
【0087】本発明における粉体塗料は、前記官能基含有含フッ素エチレン性重合体の粉末からなるものである。
【0088】粉体塗料に用いられる官能基含有含フッ素重合体の具体例は、用途、目的、基材などにより、前述の(I)〜(V)の重合体を好ましく用いることができ、特に、防汚性に加えて耐熱性、耐食性、耐薬品性、非粘着性を有する点から反応性PFAまたは反応性FEP(II)が、非粘着性、加工性、透明性を有する点から反応性ETFE(III)が好ましい。
【0089】含フッ素粉体塗料は粒径10μm〜1000μm、見かけ密度0.3〜1.2g/ccの形状の粉末または粒状のものが好ましく用いられる。
【0090】この含フッ素粉体塗料には、防汚性や非粘着性、耐熱性などのフッ素樹脂の性能を著しく低下させない範囲で、たとえばカーボン粉末、酸化チタン、酸化コバルトなどの顔料、ガラス繊維、カーボン繊維などの粉末、マイカなどの補強剤、アミン系酸化防止剤、有機イオウ系化合物、有機スズ系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、金属石ケンなどの熱安定剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤などの添加剤を適宜配合できる。
【0091】含フッ素粉体塗料への前記添加剤の配合は、粉末状で混合(乾式)してもよいし、スラリー状で混合(湿式)してもよいが、粉末の状態で行なうのが好ましい。混合用機器としては、たとえばサンドミル、V型ブレンダー、リボン型ブレンダーなどの通常の混合機および粉砕機を使用することができる。
【0092】含フッ素粉体塗料の塗装は、一般に静電吹付、流動層浸漬、回転ライニングなどの方法などにより行なったのち、重合体の種類に応じて重合体の融点以上、分解温度以下の温度での焼成により良好な塗膜を形成することができる。
【0093】一般に静電粉体塗装のばあい、膜厚10〜200μm、回転ライニングのばあい、膜厚200〜1000μmの塗膜が形成される。
【0094】また、前記含フッ素塗料用材料に用いられる官能基含有含フッ素エチレン性重合体は、その接着性を利用し、金属やガラスなどの基材の表面へ防汚性にすぐれた官能基を有さないフッ素樹脂を被覆する際の良好な耐熱性を有する含フッ素塗料用プライマー層としても用いることができる。えられる防汚性複合材は、基材上に官能基含有含フッ素エチレン性重合体をプライマー層とし、官能基を有しないフッ素樹脂をトップコート層とするものである。もちろん、トップコート層として官能基含有含フッ素エチレン性重合体を用いてもよい。
【0095】含フッ素塗料用プライマーは、前記官能基含有含フッ素エチレン性重合体からなる。
【0096】プライマーは、前述の含フッ素重合体と同様のものが具体的に利用でき、基材の表面の種類や、プライマーを介して被覆する含フッ素重合体の種類(トップコートの種類)などにより適宜選択される。一般に含フッ素塗料用プライマーは、その上に被覆する含フッ素重合体の構造と同等の構造を有するものに官能基を含んだものが好ましい。
【0097】この組合せは、プライマーに用いられる含フッ素重合体とその上に被覆される含フッ素重合体との相溶性が良好なものであり基材の表面との接着性だけではなくプライマー層とトップコート層との層間接着強度も良好なものとなりうる。また、高温での使用においても、他の樹脂成分を加えたプライマーを用いたばあいのように、重合体の熱収縮率の違いなどによる層間剥離やクラック、ピンホールなどをおこしにくい。また、そもそも塗膜全体が、含フッ素重合体で構成されるため、透明性や鮮やかな着色を有する用途にも充分対応でき、さらに塗膜の最表面に官能基を含まない含フッ素重合体層を形成するため、すぐれた防汚性、非粘着性、耐熱性、耐薬品性および低摩擦性をより効果的に発揮することができる。
【0098】トップコート層に用いる官能基を含まない含フッ素重合体としては、PTFE、PFA、FEP、ETFE、PVdF、VdF系共重合体などがあげられる。
【0099】含フッ素塗料用プライマーとしては具体的には、前記官能基含有含フッ素エチレン性重合体を用いることができるが、基材をPTFEで被覆するばあいは、反応性PTFE(I)、反応性PFAまたはFEP(II)から選ばれるものをプライマーとして用いるのが好ましく、特に熱溶融性の反応性PFAまたはFEP(II)をプライマーに用いるのが、焼成により基材の表面に強固に熱溶融させて接着させることができより好ましい。基材をPFAやFEPで被覆するばあいは反応性PFAまたはFEP(II)をプライマーに用いるのが好ましい。さらに基材をETFEで被覆するばあい、とくに反応性ETFE(III)をプライマーに用いるのが、接着性、透明性の点から好ましい。さらに、基材をVdF系重合体(PVdF、VdF系共重合体)で被覆するばあい、反応性PVdF(IV)や反応性VdF系共重合体(V)をプライマーとして用いるのが接着性、透明性の点で好ましい。
【0100】プライマー層を利用する被覆方法としては、(第1工程)前記官能基を有する含フッ素重合体からなる含フッ素塗料用プライマーを基材の表面に塗布する工程、(第2工程)第1工程で形成されたプライマー層上に、官能基を有さないまたは有する含フッ素重合体からなる含フッ素塗料を塗布する工程、(第3工程)第1工程と第2工程でえられた積層体を焼成する工程の大きく3つの工程からなる含フッ素重合体の被覆方法を好ましく用いることができる。さらに第1工程で塗布されたプライマー層は、80〜150℃、5〜30分間程度かけて指触乾燥し、つぎの第2工程に進め(2コート1ベーク)てもよいし、プライマー層をたとえば溶融温度以上の高温で焼成したのち、第2工程に進め(2コート2ベーク)てもよい。
【0101】第1工程においてプライマーの塗布方法は、プライマーの形態に応じて適宜選択され、たとえば含フッ素プライマーが水性分散液の形態のばあい、スプレーコーティング、スピンコーティング、はけ塗り、ディッピングなどの方法が用いられる。また、粉体塗料の形態のばあいは静電塗装法、流動浸漬法、回転ライニング法などの方法が用いられる。
【0102】プライマー層の厚さは、目的、用途、基材の表面の種類、塗装の形態により異なってよいが、1〜50μm、好ましくは2〜20μmである。このようにプライマーは一般に低膜厚であるため、プライマーは水性分散体の形態としスプレー塗装などにより塗布することが好ましい。
【0103】第2工程のプライマー層上への官能基を含まないまたは含む含フッ素重合体からなる塗料の塗装方法は、含フッ素重合体の種類や塗料の形態、目的や用途により適宜選択され、たとえば水性分散液や有機溶剤分散液などのばあい、一般にスプレー塗料、はけ塗り、ロールコート、スピンコーティングなどが通常行なわれ、粉体塗料のばあいは静電塗装、流動浸漬法、回転ライニング法などの方法で塗装される。
【0104】この工程での含フッ素重合体の塗装塗膜は、防汚性複合材の用途や塗装方法により全く異なるが、一般にスプレー塗装などによる1〜100μm、好ましくは5〜50μm程度であり、粉体塗料を用いた厚膜化を目標とするばあい、静電塗装法で20μm〜2000μm、回転ライニング法により0.3〜10mmの膜厚の被覆が可能である。
【0105】第3工程の焼成条件は、プライマー層、その上のトップ層の含フッ素重合体の種類(組成、融点など)により適宜選択されるが、一般に両者の含フッ素重合体の融点以上の温度で焼成される。焼成時間は、焼成温度により異なるが5分間〜3時間、好ましくは10〜30分間程度である。たとえばPTFE、PFA、FEPなどを被覆するばあいは、320〜400℃、好ましくは350〜400℃で焼成される。PVdFを被覆するばあい200〜280℃、VdF系共重合体を被覆するばあいは、共重合組成により種々選択できるが、一般に室温〜200℃で成膜される。
【0106】つぎに、前記官能基含有含フッ素エチレン性重合体をフィルムの形態で適用し、防汚性複合材を作製する技術について説明する。
【0107】フィルムの形態で適用する利点は、つぎのとおりである。
【0108】■官能基含有含フッ素エチレン性重合体からなるフィルムは、ホットメルト型接着剤には必須のアプリケーターを必要とせず基材の上またはあいだに挟み込み熱圧着することにより接着でき、工程的にも有利である。
【0109】■また、基材の全面に均一な接着層を形成するため、接着むらのない均一な接着強度がえられ、相溶性のないまたはわるい基材にも対応できる。
【0110】■さらに、種々の形状にカットして使用でき、作業ロスが少なく作業環境もよく、コスト的にも有利である。
【0111】本発明の含フッ素重合体フィルムは、前記官能基含有含フッ素エチレン性重合体を成形してなる含フッ素重合体フィルムであるのがよく、表面処理や一般の接着剤の使用を行なわなくとも、他の種々の基材と接着させることができ、それによって基材に含フッ素重合体のすぐれた特性を与えうる。
【0112】前記官能基含有含フッ素重合体のなかから、防汚性複合材の目的やフィルム製造工程、接着方法に応じて種々の接着剤を用いた接着性フィルムの製造が可能であるが、接着性フィルム自体が防汚性のほか非粘着性、耐熱性、耐薬品性、機械特性などを有すること、溶融成形などに代表される効率的なフィルム成形が可能であり、良好な成形性をもち、薄膜化や均一化が可能であること、また種々の熱圧着法により溶融し、種々の基材に強固に、きれいに接着させることができること、などの理由で、前記共重合体(III)(反応性PFAまたは反応性FEP)または前記共重合体(IV)(反応性ETFE)が好ましい。さらにより低温で加工でき、耐候性、防汚性などを有する点で前記重合体(IV)(飯能性PVdF)、前記重合体(V)(反応性VdF共重合体)が好ましい。また、官能基としては、耐熱性の点から特にヒドロキシル基が好ましい。
【0113】含フッ素重合体フィルムの厚さは、防汚性複合材の用途により選択され、特に限定されないが、10〜3000μmのものが用いられ、好ましくは20〜500μm、特に好ましくは40〜300μmである。
【0114】薄すぎるフィルムは、特殊な製造方法が必要であったり、接着操作を行なうときの取扱いが困難でしわや破損、外観不良が起こりやすく、また接着強度、機械的強度、耐候性、耐薬品性の点でも不充分となるばあいがある。厚すぎるフィルムはコスト、接合して一体化するときの作業性の点で不利となる。
【0115】本発明において含フッ素重合体フィルムは単独で使用してもよいし、前述の官能基を有する含フッ素エチレン性重合体フィルム(接着層)と官能基を有さないまたは有する含フッ素エチレン性重合体フィルム(表面層)とを積層してなる含フッ素重合体積層フィルムの形で適用することもできる。
【0116】つまり、一面は、官能基含有含フッ素エチレン性重合体からなる層により、他の基材との接着性を与え、もう一方の面は、一般の含フッ素重合体からなる層とする。前記官能基含有含フッ素エチレン性重合体の面を基材に接触させ、熱圧着などの操作により接着させることにより、含フッ素重合体のすぐれた防汚性、非粘着性、耐候性、低摩擦性、耐候性、耐薬品性、電気特性(高周波電気絶縁性)などのすぐれた特性を複合材に与えうる。
【0117】本発明における2層からなる含フッ素重合体積層フィルムの厚さは、防汚性複合材の用途により選択され、とくに限定されないが、2層合わせて20〜5000μm、好ましくは40〜1000μm、とくに好ましくは100〜500μmである。
【0118】各層の厚さは、接着層5〜1000μm、含フッ素重合体層(表面層)15〜4995μm程度のものが使用でき、好ましくは接着層10〜500μm、表面層30〜990μm、とくに好ましくは接着層10〜200μm、表面層90〜490μmである。
【0119】なお、接着層用のフィルムを基材に接着したのち、表面層用のフィルムを被覆してもよい。
【0120】官能基含有含フッ素重合体フィルム中に、特性を損なわない範囲で適当な補強剤、充填剤、安定剤、紫外線吸収剤、顔料その他適宜添加剤を含有せしめることも可能である。かかる添加剤によって、熱安定性の改良、表面硬度の改良、耐摩耗性の改良、耐候性の改良、帯電性の改良、その他を向上せしめることも可能である。
【0121】本発明における含フッ素重合体フィルムは、それに用いた重合体の種類や、目的となるフィルムの形状により、熱溶融法、押出法、切削法、溶剤キャスティング、粉体、水性または有機溶剤分散体を塗装したのち連続した皮膜とし、フィルムをうる方法など種々の製法によりうることができる。
【0122】たとえば、前述の反応性PTFEからなる溶融成形が困難な重合体は、圧縮成形、押出成形(ラム押出、ペースト押出と圧延加工など)などにより成形でき、また、反応性のPFA、FEP、ETFE、PVdF、VdF共重合体などのように溶融成形可能な重合体においては、圧縮成形、押出成形などが採用され、とくに生産性、品質面などの理由から溶融押出成形が好ましい方法である。
【0123】積層フィルムの接合一体化は、接着層用と表面層用のそれぞれの成形フィルムを重ね合わせて圧縮成形する方法、また一方の成形フィルム上に他方を塗装する方法、多層共押出成形法により、フィルム成形と同時に接合一体化を達成する方法などが採用でき、なかでも生産性や品質面で多層共押出成形法が好ましい。
【0124】官能基含有含フッ素重合体フィルムの基材との接着は、加熱などによる熱活性化によって達成され、さらには熱溶融接着が好ましい。代表的な接着方法として熱ロール法や、熱プレス法であり、その他、高周波加熱法、マイクロ法、真空圧着法(真空プレスなど)、空気圧法などがあり、基材の種類や形状やフィルムの状態と種類などによって適宜選択できる。
【0125】前記官能基含有含フッ素エチレン性重合体が接着可能な基材としては、金属系基材、非金属無機系基材、合成樹脂系基材があげられる。
【0126】金属系基材の金属には金属および2種以上の金属による合金類、金属酸化物、金属水酸化物、炭酸塩、硫酸塩などの金属塩類も含まれる。そのなかでも金属および金属酸化物、合金類が接着性においてより好ましい。
【0127】金属系基材の具体例としては、アルミニウム、鉄、ニッケル、チタン、モリブテン、マグネシウム、マンガン、銅、銀、鉛、スズ、クロム、ベリリウム、タングステン、コバルトなど金属や金属化合物およびこれらの2種以上からなる合金類などがあげられる。
【0128】合金類の具体例としては炭素鋼、Ni鋼、Cr鋼、Ni−Cr鋼、Cr−Mo鋼、ステンレス鋼、ケイ素鋼、パーマロイなどの合金鋼、Al−Cl、Al−Mg、Al−Si、Al−Cu−Ni−Mg、Al−Si−Cu−Ni−Mgなどのアルミニウム合金、黄銅、青銅(ブロンズ)、ケイ素青銅、ケイ素黄銅、洋白、ニッケル青銅などの銅合金、ニッケルマンガン(Dニッケル)、ニッケル−アルミニウム(Zニッケル)、ニッケル−ケイ素、モネルメタル、コンスタンタン、ニクロムインコネル、ハステロイなどのニッケル合金などがあげられる。
【0129】さらにアルミニウム系金属については、純アルミニウム、アルミニウムの酸化物、Al−Cu系、Al−Si系、Al−Mg系およびAl−Cu−Ni−Mg系、Al−Si−Cu−Ni−Mg系合金、高力アルミニウム合金、耐食アルミニウム合金などの鋳造用または展伸用のアルミニウム合金を用いることができる。
【0130】さらにまた鉄系金属としては、純鉄、酸化鉄、炭素鋼、Ni鋼、Cr鋼、Ni−Cr鋼、Cr−Mo鋼、Ni−Cr−Mo鋼、ステンレス鋼、ケイ素鋼、パーマロイ、不感磁性鋼、磁石鋼、鋳鉄類などを用いることができる。
【0131】また、金属の腐食防止などを目的として、金属表面に電気メッキ、溶融メッキ、クロマイジング、シリコナイジング、カロライジング、シェラダイジング、溶射などを施して他の金属を被膜したり、リン酸塩処理によりリン酸塩被膜を形成させたり、陽極酸化や加熱酸化により金属酸化物を形成させたり、電気化学的防食を施した基材へも接着できる。
【0132】さらに、接着性をさらに向上させることを目的として、金属基材表面をリン酸塩、硫酸、クロム酸、シュウ酸などによる化成処理を施したり、サンドブラスト、ショットブラスト、グリットブラスト、ホーニンク、ペーパースクラッチ、ワイヤースクラッチ、ヘアーライン処理などの表面粗面化処理を施してもよく、意匠性を目的として、金属表面に、着色、印刷、エッチングなどを施してもよい。
【0133】また、さらに上記アルミニウムまたはアルミニウム合金系基材のばあい、その表面に防食、表面硬化、接着性の向上などを目的に、苛性ソーダ、シュウ酸、硫酸、クロム酸を用いた陽極酸化を行なって酸化皮膜を形成させたもの(アルマイト)や、その他前述の表面処理を施したものも用いることもできる。
【0134】さらに前述と同様に、表面に他の金属をメッキしたもの、たとえば溶融亜鉛メッキ鋼板、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板、アルミニウムメッキ鋼板、亜鉛ニッケルメッキ鋼板、亜鉛アルミニウム鋼板など、浸透法、溶射法により他の金属を被膜したもの、クロム酸系やリン酸系の化成処理または加熱処理により酸化被膜を形成させたもの、電気的防食法を施したもの(たとえばカルバニック鋼板)などでもよい。
【0135】非金属無機基材としては、たとえばガラス類、コンクリート、セメント、タイル、陶板や陶器、磁器などがあげられる。
【0136】ガラス類は特に組成は限定されず、石英ガラス、鉛ガラス、アルカリガラス、無アルカリガラスなどがあげられる。
【0137】合成樹脂基材としては、たとえばアクリル樹脂、ポリカーボネート、人工大理石、耐熱エンジニアリングプラスチック、熱硬化性樹脂などがあげられる。
【0138】本発明の耐候性複合材の基材としては、前記の基材のうち、金属系基材としては、アルミニウム、ステンレス、鉄、チタンなどの鋼板およびこれらに溶融亜鉛メッキ、アルミニウムメッキなどを施したメッキ鋼板、クロム酸、リン酸などの酸化処理をした化成処理鋼板、陽極酸化を施したアルマイト処理鋼板などのものが通常用いられている。
【0139】また、非金属無機基材としては結晶化ガラス、発泡ガラス、熱線反射ガラス、熱線吸収ガラス、複層ガラスなどのガラス系基材、タイル、大型陶板、セラミックパネル、レンガなどの窯業系基材、御影石、大理石などの天然石、高強度コンクリート、ガラス繊維強化コンクリート(GRC)、炭素繊維強化コンクリート(CFRC)、軽量気泡発泡コンクリート(ALC)、複合ALCなどのコンクリート系基材、押出成形セメント、複合成形セメントなどのセメント系基材、その他石綿スレート、ホーロー鋼板などのものが通常用いられている。
【0140】さらにまた、合成樹脂基材としてはポリカーボネート、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、人工大理石(不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂を主体としたもの)、その他塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂またはウレタン樹脂を塗装した塗装鋼板などが用いられている。
【0141】なかでも、透明性が要求される部分には非金属無機基材のガラス類、合成樹脂基材のアクリル樹脂やポリカーボネートなどが通常使用されている。
【0142】なお、防汚性複合材を用いる最終製品のなかには、塗膜などを形成したのち、加工することが困難なものがあるため、そのようなばあいは基材を最終製品の形状としておくのが好ましい。
【0143】本発明における複合材は、第1に表面の含フッ素樹脂がすぐれた防汚性を持っていることから、第2に含フッ素樹脂が良好な接着性をもって基材に適用され、の結果透明性(意匠性)に優れていることから、第3に該含フッ素樹脂が良好な非粘着性、耐候性、耐熱性、撥水撥油性などを有することから、各種機器や器具、材料に用いることができる。
【0144】本発明の防汚性複合材を用いることのできる好適な機器や器具、部材、部品およびそれらの部分を以下に具体的に分野別に列挙するが、これらのみに限られるものではない。
【0145】[1]調理機器および調理器具調理機器や器具は粘着性の油や食材を使用することも多く、特に防汚性が要求されるものである。以下、それらの代表例をあげるがこれらのみに限られるものではない。
【0146】■ジャーおよびポット(a)電気式湯沸かし機などを含む電気ポットの内面および内蓋など。
【0147】これらにおいては、本発明の複合材のもつ防汚性のほか非粘着性(湯垢に対する防汚性)、耐熱水性および抗菌性をとくに効果的に利用することができる。
【0148】(b)ガスおよび電気炊飯器、ならびに洗米機構を有する炊飯器などの内釜内面ならびに内蓋など。
【0149】これらにおいては、本発明の複合材のもつ防汚性のほか非粘着性(御飯粒、焦げつきに対する)および耐熱性をとくに効果的に利用することができる。
【0150】■調理器具(a)フライパン、バット、調理用・家庭用手動ミキサー、ざる、包丁、パン用モルダー、パン用リバースシート、パン用分割丸め機などの表面ならびにボールおよび米びつなどの内面、前記ミキサーにあってはその羽根など。
【0151】これらにおいては、本発明の複合材のもつ防汚性のほか、非粘着性(焦げつき、こびりつき汚れに対する)および耐熱性をとくに効果的に利用することができる。
【0152】(b)家庭用電気食品粉砕機、電気フードクラッシャー、台所電気式肉ひき機、台所用電気式ブレンダーおよび台所用電気式ミキサーなどの電気式フードプロセッサーなどの内面ならびに羽根など。
【0153】これらにおいては、本発明の複合材のもつ防汚性(野菜や肉汁に対する)をとくに効果的に利用することができる。
【0154】■ガステーブル(a)ガスボンベ組込式ガスコンロなどのガスコンロの天板、側面、表面およびそれらの汁受皿覆いの表面など。
【0155】これらにおいては、本発明の複合材のもつ防汚性(油汚れに対する)、耐熱性および透明性(色、模様などに関する意匠性)をとくに効果的に利用することができる。
【0156】■トースター、レンジなどを含むオーブンレンジ類(a)業務用オーブン、電気オーブン(業務用を含む)、業務用温蔵庫付電気オーブン、業務用炊事オーブン、業務用炊事レンジなどのオーブン(台所用レンジ)、業務用パン焼きがま、家庭用自動パン焼き器などの製パン用オーブン、トースター、パン用トースターなどの電気オーブントースターおよび業務用電子レンジ、電子オーブンレンジなどの電子レンジの内面(金属部分)ならびにレンジ用パンなど。
【0157】これらにおいては、本発明の複合材のもつ防汚性のほか非粘着性(油や焦げつきに対する)、耐熱性をとくに効果的に利用することができる。
【0158】(b)前記(a)にあげたオーブンレンジ類の扉内面など。
【0159】これらにおいては、本発明の複合材のもつ防汚性、非粘着性、耐熱性、透明性、および電子レンジのばあいはさらに耐エネルギー線性をとくに効果的に利用することができる。
【0160】■鍋および釜(a)ガラス鍋、ホーロー鍋、アルミ鍋、電気式揚げなべ、電気てんぷら鍋、電気式圧力なべおよび電気式圧力シチューなべなどの鍋ならびに釜などの内面など。
【0161】これらにおいては、本発明の複合材のもつ防汚性のほか非粘着性(焦げつき、こびりつき汚れ、前記揚げなべおよびてんぷら鍋にあっては油に対する)および耐熱性をとくに効果的に利用することができる。
【0162】(b)前記(a)にあげた鍋および釜の蓋など。
【0163】これらにおいては、本発明の複合材のもつ前記(a)にあげた性質のほか、透明性をとくに効果的に利用することができる。
【0164】■生ごみ処理機家庭用調理くず処理機、生ごみの堆肥化装置などの調理くず(廃棄物)処理機の内面など。
【0165】これらにおいては、本発明の複合材のもつ防汚性をとくに効果的に利用することができる。
【0166】■その他の加熱調理機器(a)ホットプレートの加熱面および蓋など。
【0167】これらにおいては、本発明の複合材のもつ防汚性に加えて非粘着性(焦げつき、こびりつき汚れに対する)、耐熱性および蓋にあっては透明性をとくに効果的に利用することができる。
【0168】(b)電磁レンジ、電磁コンロなどの電磁調理機の調理面など。
【0169】これらにおいては、本発明の複合材のもつ防汚性、非粘着性、耐熱性および透明性をとくに効果的に利用することができる。
【0170】(c)業務用食品蒸器などの電気蒸し器などの内面、扉内卯および蓋など。
【0171】これらにおいては、本発明の複合材のもつ防汚性、非粘着性、耐熱性および耐スチーム性をとくに効果的に利用することができる。
【0172】(d)業務用茹で麺器の内面および蓋など。
【0173】これらにおいては、本発明の複合材のもつ防汚性、非粘着性、耐熱性および耐熱水性をとくに効果的に利用することができる。
【0174】(e)業務用調理焼物器の内面、内面(金属部分)、扉内面およびレンジ用パンなど。
【0175】これらにおいては、本発明の複合材のもつ防汚性、非粘着性(焦げつき、こびりつき汚れに対する)および耐熱性をとくに効果的に利用することができる。
【0176】(f)業務用食器、食缶洗浄機などの内面など。
【0177】これらにおいては、本発明の複合材のもつ防汚性、非粘着性および耐熱水性をとくに効果的に利用することができる。
【0178】(g)業務用温蔵庫の内面および扉内面など。
【0179】これらにおいては、本発明の複合材のもつ防汚性、非粘着性、透明性および耐熱性をとくに効果的に利用することができる。
【0180】さらに、本発明の複合材を好ましく適用できる前記以外の調理機器としてはつぎのようなものもあげられる。
【0181】前記■(b)の範囲のものとして、粥調理機、ライスウォーマーなど。
【0182】前記■(a)の範囲のものとして、各種調理用具(薄切り用など)、調理道具、調理機械器具、調理用装置(食品用など)、調理用鉄板、調理用機器および設備、バーベキュー用具、食品加工機械器具(加圧装置付きなど)、チョコレート製造機およびそれに付随する原料処理用温調器具など。
【0183】前記■(b)の範囲のものとして、合成調理機、ベジタブルスライサー、フードスライサー、ピーラー、サイの目カッター、フードカッター、ミートチョッパー、ミートスライサー、ミートテンダライザー、カッターミキサー、ミキサー、フードミキサー、ブレン、りんご調理機、連続割卵機、豆腐切断食品成形機、パン粉付け機、野菜洗浄機など。
【0184】前記■の範囲のものとして、ローレンジ、テーブルコンロ、電気レンジ、ガスレンジ、ガステーブル、電気テーブルなど。
【0185】前記■の範囲のものとして、ガスサラマンダー、電気サラマンダー、コンベクションオーブン、製パン製ホイロなど。
【0186】前記■の範囲のものとして、中華なべ、片手なべ、両手なべ、ガスフライヤー、天ぷらフライヤー、オイルフィルターユニット、そば鍋、回転鍋など。
【0187】前記■の範囲のものとして、ぎょうざ焼き器、電磁ローレンジ、ガス蒸器、蒸気蒸器など。
【0188】[2]OA関連機器OA関連機器はトナーを使用する部分のほか、ほこりなどの付着を特にきらう部分も多い。以下、それらの代表例をあげるが、これらのみに限られるものではない。
【0189】(1)電子複写機、ファクシミリトナーを使用またはトナーが付着しうる部分の材料として好適である。たとえばつぎのものがあげられる。
【0190】■定着ロール(a)モノクロ用基材:アルミニウムまたはSUSからなるもの官能基含有含フッ素重合体:反応性PFAまたはFEP適用形態:塗料またはチューブ本発明の複合材を用いると、トナーに対する防汚性、非粘着性、耐久性、耐熱性に優れた定着ロールをうることができ、官能基含有含フッ素重合体自身が接着性に優れることからプライマーを設けなくてよく、製造加工性にも優れる。
【0191】(b)カラー・モノクロ共用基材:金属をシリコンゴムまたはウレタンゴムで被覆し、さらに離型シリコンオイルを塗布したもの官能基含有含フッ素重合体:反応性PFAもしくはFEP、または反応性フッ素ゴム適用形態:塗料、チューブまたはシート本発明の複合材を用いると、トナーに対する防汚性、非粘着性、紙の離型性、弾性、耐摩耗性に優れた定着ロールをうることができ、また、官能基含有含フッ素重合体が接着性に優れることから、プライマー層を設けなくてもよいため、製造加工性にも優れる。
【0192】■加圧ロール(カラー・モノクロ共用)
基材:金属をシリコンゴムまたはウレタンゴムで被覆したもの官能基含有含フッ素重合体:反応性PFAもしくはFEP、または反応性フッ素ゴム適用形態:塗料、チューブまたは成形本発明の複合材を用いると、トナー非粘着性、弾性、耐磨耗性に優れた加圧ロールをうることができ、また、官能基含有含フッ素重合体自身が接着性に優れるためプライマー層を設けなくてよく、製造加工性も良好である。
【0193】■帯電ロール(カラー・モノクロ共用)
基材:ウレタンゴムからなるもの官能基含有含フッ素重合体:反応性フッ素ゴム適用形態:塗料本発明の複合材を用いると、トナーに対する防汚性、非粘着性、導電性の制御性、抵抗値の均一性、紙の離型性、耐摩耗性に優れた帯電ロールをうることができ、また官能基含有含フッ素自身が接着性に優れるためプライマー層を設けなくてよく、製造加工性もよい。
【0194】■転写ロール(カラー・モノクロ共用)
基材:ウレタンゴムからなるもの官能基含有含フッ素重合体:反応性フッ素ゴム適用形態:塗料本発明の複合材を用いると、トナーに対する防汚性、非粘着性、導電性の制御性、抵抗値の均一性、紙の離型性、耐摩耗性、弾性に優れた転写ロールをうることができ、また官能基含有含フッ素重合体自身が接着性に優れるためプライマー層を設けなくてよく、製造加工性もよい。
【0195】■転写ベルト(カラー・モノクロ共用)
基材:ポリイミドからなるもの官能基含有含フッ素重合体:反応性PFAもしくはFEP、または反応性フッ素ゴム適用形態:フィルムまたは塗料本発明の複合材を用いると、トナーに対する防汚性、非接着性、導電性の制御性、抵抗値の均一性、耐摩耗性に優れた転写ベルトをうることができ、また官能基含有含フッ素重合体自身が接着性に優れるためプライマー層を設けなくてよく、製造加工性に優れるため加工性にも優れる。
【0196】■分離爪および定着軸受け(表面)
基材:耐熱性樹脂(たとえば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリオイシメチレン(POM)またはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)など)からなるもの官能基含有含フッ素重合体:反応性フッ素ゴム適用形態:塗料本発明の複合材を用いると、トナーによる汚れを防止できるほか、耐摩耗性、紙送り性に優れ、ロールを傷付けにくい分離爪および低摩擦性、耐摩耗性、耐熱性に優れた定着軸受けをうることができ、官能基含有含フッ素重合体が接着性に優れることからプライマー層を必要とせず製造加工性にも優れる。
【0197】■排紙コロおよび排紙ガイド基材:樹脂(たとえば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリオイシメチレン(POM)またはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などからなるもの官能基含有含フッ素重合体:反応性PTFEまたは反応性PFAもしくはFEP適用形態:塗料本発明の複合材を用いると、トナーによる汚れを防止できるほか、耐摩耗性に優れる排紙コロおよび排紙ガイドをうることができ、官能基含有含フッ素重合体が接着性に優れるためにプライマー層を必要とせず製造加工性にも優れる。
【0198】また、本発明の複合材は、とくにその良好な透明性を利用してつぎのようなOA関連機器用の部品にも用いることができる。
【0199】■ブラウン管、液晶パネルおよびプラズマディスプレイ(前面)
基材:ガラス官能基含有含フッ素重合体:反応性PFAもしくはFEP、または反応性ETFE適用形態:フィルムまたは塗料この複合材を用いると、透明性、ほこりや指紋などに対する防汚性、携帯時の衝撃や落下などに対する飛散防止性に優れたブラウン管、液晶パネルおよびプラズマディスプレイをうることができ、またプライマー層を設ける必要がなく製造加工性に優れる。
【0200】■コンタクトガラス(表面)
基材:ガラス官能基含有含フッ素重合体:反応性PFAもしくはFEP、または反応性ETFE適用形態:塗料本発明の複合材を用いると、透明性、ほこりや指紋などに対する防汚性、修正液、インクなどに対する防汚性に優れたコンタクトガラスをうることができ、官能基含有含フッ素重合体が接着性に優れるためにプライマー層を設ける必要がなく製造加工性に優れる。
【0201】[3]建材建材についても防汚性が要求される材料設備などがある。以下、各建材について、防汚性に加えて奏される効果に触れつつ例示する。
【0202】■建築用ガラス建築用ガラスのほか、安全ガラス(防爆ガラス)、ならびに建築用磨き板ガラス(窓ガラス)、ステンドグラスの窓、風防ガラス、遮光割合調節機能をもつガラスなど。
【0203】これらにおいては、本発明の複合材のもつ防汚性、透明性、飛散防止性、難燃性をとくに効果的に利用することができる。
【0204】■外壁材、屋根材および内外装材(金属製)
(a)壁用金属製外装建材のほか、金属性建築材料、建築用金属製内外装パネル、金属製フェンス、金属製タイルおよび金属製建築板など。
【0205】(b)金属製屋根材のほか、ソーラーシステム内蔵屋根材など。
【0206】(c)金属製開扉のほか、金属製格子、金属製シャッター、金属製柵および金属製ポーチ(建築用)など。
【0207】(d)金属製ブラインドのほか、金属製ブラインド(野外用、屋外用)、とい、サッシおよび雨戸など。
【0208】(e)金属製天井板のほか、金属製床タイル、塩化ビニル化粧シートを表面にコーティングした金属製壁板など。
【0209】(f)その他自動車用金属製駐車設備、一般的な金属製美術品など。
【0210】これらにおいては、本発明の複合材のもつ耐候性、非粘着性、透明性(意匠性)をとくに効果的に使用することができる。
【0211】■外壁材、屋根材および内外装材(非金属無機製)
(a)セグメント状またはタイルもしくはスライスした天然石を貼り付けたコンクリートブロック、セグメント状または表面がゴム素材からなるコンクリート舗装板、GRC(繊維補強コンクリート製壁材)などの補強されていてもよいコンクリート板。
【0212】(b)表面がタイル調のセメントなどのセメント押出成形物。
【0213】(c)人造石材などの建築用石材。
【0214】(d)建築用タイル、ラスター釉タイル、床タイル、セラミックタイルおよび陶磁製ボーダータイルなどのタイル。
【0215】(e)非金属製の建築用外装材、建築材、建築用パネルおよび建築用壁タイルなどの建築用ならびに壁用外装材。
【0216】(f)ソーラーシステム内蔵セラミック製屋根材などの屋根材。
【0217】(g)墓碑、墓標などの墓石。
【0218】(h)石、コンクリートまたは大理石製の小像、小立像、像、胸像およびその他の美術品。
【0219】これらにおいては、本発明の複合材のもつ耐候性、防汚性、防水性、非粘着性、透明性(意匠性)、加工性、密着性、前記(c)についてはさらに耐摩耗性、ならびに前記(g)および(h)についてはさらに風化防止性をとくに効果的に利用することができる。
【0220】■外壁材、屋根材および内外装剤(樹脂性)
(a)床板および天井板など。
【0221】(b)格子、とい、室内用を含むブラインドおよび扉など。
【0222】(c)コンクリート用プラスチック製パネル。
【0223】(d)建築用ガスケット。
【0224】(e)防虫、紫外線・熱線遮断および飛散防止用フィルム付きカーテン、覆ならびに日よけなど。
【0225】(f)石または表面に石の模様を付したポリ塩化ビニル製床材。
【0226】(g)ソーラーシステム内蔵プラスチック製屋根材。
【0227】(h)隙間を有し、かつ水はけ可能な組合わせ式ポリビニルクロライド製タイル。
【0228】(i)合成樹脂製サッシ。
【0229】(j)カウンター、家具、しきい、壁板、バックスプラッシュ、はば木、浴室およびシャワー室などの囲い壁ならびに用の化粧板。
【0230】(k)洗面所、シャワー室、トイレ室、便所、移動式簡易便所、簡易公衆便所などの組立セット。
【0231】(l)サウナ室、車庫などの組立てセット。
【0232】これらにおいては、本発明の複合材のもつ非粘着性、耐候性、透明性(意匠性)、耐水性、加工性、密着性をとくに効果的に利用することができる。
【0233】■外壁材および屋根材(木製)
(a)家庭用具の製造用木材、ベニヤ板、木製パネルなどの建築用木材板および化粧板など。
【0234】(b)木製フェンス、室内取付用ドアおよび木製窓枠など。
【0235】(c)合板の裏面にゴム製弾性材を貼り付けてなる木製建材。
【0236】(d)木製の建築用組立てセット。
【0237】これらにおいても、本発明の複合材のもつ耐候性、防汚性、透明性(意匠性)、耐水性、加工性および密着性をとくに効果的に利用することができる。
【0238】■家具(a)ガラスショーケース、ワゴン、商品陳列用ワゴン、商品陳列用パネル、商品陳列台、食事運搬用ワゴン、花台など。
【0239】(b)棚、つい立て、机、長いすおよび整理だんす用棚板など。
【0240】(c)金属製または各種基材からなる電話ボックス。
【0241】これらにおいても、本発明の複合材のもつ防汚性、透明性(意匠性)、耐水性、加工性、前記(c)についてはさらに貼り紙付着防止性、密着性、耐摩耗性をとくに効果的に利用することができる。
【0242】■家庭用または業務用住設(a)ガステーブル、レンジフードおよび換気フードなど。
【0243】(b)セントラルヒーティング用、換気装置用および空気調和装置用などの金属製ダクト。
【0244】これらにおいては、本発明の複合材のもつ非粘着性、加工性および密着性をとくに効果的に利用することができる。
【0245】■住宅設備機器(a)台所用レンジ(オーブン)、流しなどを含むシステムキッチン。
【0246】(b)電気、ガスおよび石油湯沸器(瞬間湯沸器を含む)。
【0247】(c)取付け用洗面台、洗面化粧台、家庭用洗髪機、洗髪機能を有する洗面化粧台、洗面台用洗面器、天板付洗面器および出窓式洗面台などの洗面台。
【0248】(d)水洗用便器、車用小型用便器、小便用便器、尿中成分測定装置付便器および幼児用便器などの便器、温水洗浄機能付便器、脱臭装置および付便座などの便座、ならびに水洗便器用水タンク。
【0249】これらにおいては、本発明の複合材のもつ非粘着性、意匠性(透明性)、加工性、耐摩耗性および抗菌性を効果的に利用することができる。
【0250】(e)シャワー室、家庭用サウナおよび業務用サウナバスなどを含む浴室にて用いられるライニング、簡易浴槽および気泡発生装置付浴槽などの浴槽、浴槽に取付ける取手、石鹸置などの浴室用家具。
【0251】(f)その他エスカレーター、およびエレベーター(個人住宅用を含む)など。
【0252】これらにおいては、本発明の複合材のもつ非粘着性、意匠性(透明性)、加工性、前記(a)、(b)および(e)についてはさらに耐熱性、前記(c)〜(e)についてはさらに耐摩耗性、前記(f)についてはさらに滑性または防錆性をとくに効果的に利用することができる。
【0253】■土木(a)バス停留所用標識、街路用標識およびガードレール取付用標識などの標識。
【0254】(b)発行式信号機および機械式信号機などの信号機。
【0255】(c)各種基材からなるガードレール。
【0256】(d)各種基材からなる電柱。
【0257】(e)防音壁。
【0258】(f)その他建築用または構築用のプラスチック製コンクリート型枠など。
【0259】これらにおいては、本発明の複合材のもつ耐候性、非粘着性、透明性、加工性、密着性、前記(f)については離型性をとくに効果的に利用することができる。
【0260】[4]自動車関連器材(二輪車なども含む)
大気中の汚れ、泥、ほこり、オイルなどによる自動車の車体、窓ガラスなどの外装部材の汚れを防止できる。また内装についても前記住設と同様の効果がある。そのほか、ホイール、ミラー、ライトなどの部品についても同様の効果がある。
【0261】■自動車の車体適用個所:ボディ表面、バンパー、スポイラー基材:アクリル塗装面、鋼板、PP、ウレタン樹脂、ポリエステル官能基含有含フッ素重合体:反応性PFAまたはFEP、反応性ETFE、反応性PVdF、反応性VdF共重合体適用形態:塗料効果:ほこり、ばい煙に対する防汚性、透明性、意匠性、耐傷付き性。
【0262】■自動車のウィンドウ適用個所:フロントガラス、サイドガラス、リアガラス、電車車両用窓ガラス基材:ガラス官能基含有含フッ素重合体:反応性PFAまたはFEP、反応性ETFE、反応性PVdF、反応性VdF共重合体適用形態:塗料効果:ほこり、ばい煙、指紋に対する防汚性、撥水性、透明性、摩耗性。
【0263】■ライト(ヘッドライト、テールランプ、ウィンカーなど)
適用個所:カバー表面、電球表面基材:ポリカーボネート、ガラス官能基含有含フッ素重合体:反応性PFAまたはFEP、反応性ETFE、反応性PVdF、反応性VdF共重合体適用形態:塗料効果:ほこり、ばい煙に対する防汚性、撥水性、透明性、加工性。
【0264】■自動車内装材適用個所:ダッシュボード、フロントパネル、リアパネル、トランク基材:ウレタン樹脂、PP官能基含有含フッ素重合体:反応性ETFE、反応性PVdF、反応性VdF共重合体適用形態:塗料効果:タバコの煙り、ほこり、指紋に対する防汚性、透明性、意匠性。
【0265】■ミラー類適用個所:バックミラー、ルームミラー基材:ガラス官能基含有含フッ素重合体:反応性PFAまたはFEP、反応性ETFE、反応性PVdF、反応性VdF共重合体適用形態:塗料効果:ほこり、ばい煙に対する防汚性、撥水性、透明性。
【0266】■ホイール適用個所:表面基材:アルミ、鋳鉄、PP、ABS、PA、PC、PPE、合金類官能基含有含フッ素重合体:反応性PTFE、反応性PFAまたはFEP、反応性ETFE、反応性PVdF、反応性VdF共重合体適用形態:塗料効果:土ぼこり、泥に対する防汚性、透明性、意匠性。
【0267】[5]家電製品前記の厨房用住宅設備で用いられる家電製品に加えて、各種の家電製品の汚れが問題となる部分、部品に使用できる。その代表例を以下にあげる。
【0268】■空調機(冷暖房も含む)
適用個所:室内機の吹出口、室外機外装、アルミフィン、プロペラ基材:PP、アルミ、ガルバニウム鋼板、亜鉛メッキ鋼板官能基含有含フッ素重合体:反応性PFAまたはFEP、反応性ETFE、反応性PVdF、反応性VdF共重合体適用形態:塗料効果:ほこり、ばい煙、たばこのヤニに対する防汚性、ふきとり性、透明性、意匠性、加工性。
【0269】■換気扇適用個所:羽根、枠、カバー基材:PP、アルミ、ガルバニウム鋼板、亜鉛メッキ鋼板官能基含有含フッ素重合体:反応性PFAまたはFEP、反応性ETFE、反応性PVdF、反応性VdF共重合体適用形態:塗料効果:油汚れ、こびりつきに対する防汚性、透明性、意匠性。
【0270】■電球(またはその傘)
適用個所:電球表面、カバー、かさ表面基材:ガラス、PP官能基含有含フッ素重合体:反応性PFAまたはFEP、反応性ETFE適用形態:塗料効果:ほこり、ばい煙に対する防汚性、透明性。
【0271】■冷蔵庫適用個所:外装表面、内装表面基材:PP、アルミ、SUS、ガルバニウム鋼板、亜鉛メッキ鋼板官能基含有含フッ素重合体:反応性PFAまたはFEP、反応性ETFE、反応性PVdF、反応性VdF共重合体適用形態:塗料効果:食品、調味料に対する防汚性、こびりつきに対するふきとり性、透明性、意匠性、加工性。
【0272】[6]太陽電池太陽電池の分野においても、たとえば太陽電池カバーなどは常に太陽光や風雨にさらされていることから、可視光透過性に加えて防汚性、耐候性が求められている。本発明の複合材は太陽電池の分野でも効果的に用いることができる。
【0273】■太陽電池カバー適用個所:最表面基材:アモルファスシリコン、単結晶・多結晶シリコン、充填剤層(EVA、ガラスなど)
官能基含有含フッ素重合体:II、III、IV、V適用形態:フィルム効果:透明性(可視光透過性)、接着性、加工性、防汚性、耐候性、難燃性。
【0274】[7]その他■碍子、パンタグラフ適用個所:表面基材:陶器官能基含有含フッ素重合体:反応性PTFE、反応性PFAまたはFEP、反応性ETFE、反応性PVdF、反応性VdF共重合体適用形態:塗料効果:ほこりやばい煙に対する防汚性、加工性。
【0275】■ボルト適用個所:表面基材:鉄、SUS官能基含有含フッ素重合体:反応性PTFE、反応性PFAまたはFEP適用形態:塗料効果:防汚性、防錆性、耐衝撃性、加工性。
【0276】
【実施例】つぎに製造例、実施例をあげて本発明の防汚性複合材について説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限られるものではない。
【0277】製造例1(ヒドロキシル基を有するPFAからなる水性分散体の製造)撹拌機、バルブ、圧力ゲージ、温度計を備えた3リットルガラスライニング製オートクレーブに純水1500ml、パーフルオロオクタン酸アンモニウム9.0gを入れ、窒素ガスで充分置換したのち、真空にし、エタンガス20mlを仕込んだ。
【0278】ついで、パーフルオロ−(1,1,9,9−テトラハイドロ−2,5−ビストリフルオロメチル−3,6−ジオキサ−8−ノネノール)(式(7))
【0279】
【化7】

【0280】の3.8g、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)18g、を窒素ガスを用いて圧入し、系内の温度を70℃に保った。
【0281】撹拌を行ないながらテトラフルオロエチレンガス(TFE)を内圧が8.5kgf/cm2Gとなるように圧入した。
【0282】ついで、過硫酸アンモニウム0.15gを水5.0gに溶かした溶液を窒素を用いて圧入して反応を開始した。
【0283】重合反応の進行に伴って圧力が低下するので、7.5kgf/cm2Gまで低下した時点でテトラフルオロエチレンガスで8.5kgf/cm2まで再加圧し、降圧、昇圧を繰り返した。
【0284】テトラフルオロエチレンの供給を続けながら、重合開始からテトラフルオロエチレンガスが約40g消費されるごとに、前記のヒドロキシ基を有する含フッ素エチレン性単量体(前記式(7)で示される化合物)の1.9gを計3回(計5.7g)圧入して重合を継続し、重合開始よりテトラフルオロエチレンが約160g消費された時点で供給を止めオートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出し、青みかかった半透明の水性分散体1702gをえた。
【0285】えられた水性分散体中のポリマーの濃度は10.9%、動的光散乱法で測定した粒子径は70.7nmであった。
【0286】また、えられた水性分散体の一部をとり凍結凝析を行ない、析出したポリマーを洗浄、乾燥し白色固体を単離した。えられた共重合体の組成は、19F−NMR分析、IR分析により、TFE/PPVE/(式(7)で示されるヒドロキシル基を有する含フッ素エチレン性単量体)=97.7/1.2/1.1モル%であった。
【0287】また赤外スペクトルは3620〜3400cm-1に−OHの特性吸収が観測された。
【0288】DSC分析により、Tm=310℃、DTGA分析により1%熱分解温度Td=368℃であった。高化式フローテスターを用いて2mm、長さ8mmのノズルを用い、372℃で予熱5分間、荷重7kgf/cm2でメルトフローレートを測定したところ12.0g/10minであった。
【0289】製造例2(ヒドロキシル基を有するPFAからなる水性分散体の製造)製造例1と同じオートクレーブに純水1500ml、パーフルオロオクタン酸アンモニウム9.0gを入れ、窒素ガスで充分置換したのち真空にし、エタンガス20mlを仕込んだ。
【0290】ついで、パーフルオロ−(1,1,9,9−テトラハイドロ−2,5−ビストリフルオロメチル−3,6−ジオキサ−8−ノネノール)(式(7)の化合物)1.9g、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル(PPVE)16.1gを窒素ガスを用いて圧入し系内の温度を70℃に保った。
【0291】撹拌を行いながらテトラフルオロエチレン(TFE)を内圧8.5kgf/cm2Gとなるように圧入した。
【0292】ついで、過硫酸アンモニウム0.15gを水5.0gに溶かした溶液を窒素を用いて圧入して反応を開始した。
【0293】重合反応の進行に伴って圧力が低下するので、7.5kgf/cm2Gまで低下した時点で、テトラフルオロエチレンガスで8.5kgf/cm2Gまで再加圧し、降圧、昇圧を繰り返した。
【0294】テトラフルオロエチレンの供給を続けながら重合開始からテトラフルオロエチレンガスが40g消費されるごとに、前記のヒドロキシル基を有する含フッ素エチレン性単量体(式(7)で示される化合物)の0.95gを計3回(計2.85g)を圧入して重合を継続し、重合開始よりテトラフルオロエチレンが160g消費された時点で供給を止めオートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出した。水性分散体1692gをえた。えられた水性分散体中のポリマーの濃度は10.6%、粒子径は76.8nmであった。
【0295】製造例1と同様にして、水性分散体の一部をとり白色固体を単離した。
【0296】同様にしてえられた白色固体を分析したところ、TFE/PPVE/(式(7)のヒドロキシル基を有する含フッ素単量体)=98.3/1.1/0.6モル%Tm=310℃1%熱分解温度Td=374℃メルトフローレート:9.5g/10minなお、赤外スペクトルは3620〜3400cm-1に−OHの特性吸収が観測された。
【0297】製造例3(官能基を有さないPFAの水性分散体の合成)製造例1において、パーフルオロ−(1、1、9、9−テトラハイドロ−2,5−ビストリフルオロメチル−3,6−ジオキサ−8−ノネノール)(式(7)で示される化合物)を用いなかったこと以外は、製造例1と同様にして乳化重合を行い、官能基を含まないPFAの水性分散体1662gをえた。
【0298】水性分散対中のポリマーの濃度は9.7%、粒子径は115nmであった。
【0299】製造例1と同様に白色固体を単離し、分析した。
【0300】
TFE/PPVE=98.9/1.1mol%Tm=310℃1%熱分解温度Td=479℃メルトフローレート=19.2g/10minなお赤外スペクトルでは−OHの特性吸収は観測されなかった。
【0301】製造例4(ヒドロキシル基を有するPFAの合成)撹拌機、バルブ、圧力ゲージ、温度計を備えた6リットルのガラスライニング製オートクレーブに純水1500mlを入れ、窒素ガスで充分置換したのち、真空にし、1,2−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン(R−114)1500gを仕込んだ。
【0302】ついで、パーフルオロ−(1,1,9,9−テトラハイドロ−2,5−ビストリフルオロメチル−3,6−ジオキサ−8−ノネノール)(式7で示される化合物)の5.0g、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)130g、メタノール180gを窒素ガスを用いて圧入し、系内の温度を35℃に保った。
【0303】撹拌を行ないながらテトラフルオロエチレンガス(TFE)を内圧が8.0kgf/cm2Gとなるように圧入した。ついで、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネートの50%メタノール溶液0.5gを窒素を用いて圧入して反応を開始した。
【0304】重合反応の進行に伴って圧力が低下するので、7.5kgf/cm2Gまで低下した時点でテトラフルオロエチレンガスで8.0kgf/cm2まで再加圧し、降圧、昇圧を繰り返した。
【0305】テトラフルオロエチレンの供給を続けながら、重合開始からテトラフルオロエチレンガスが約60g消費されるごとに、前記のヒドロキシ基を有する含フッ素エチレン性単量体(前記式(7)で示される化合物)の2.5gを計9回(計22.5g)圧入して重合を継続し、重合開始よりテトラフルオロエチレンが約600g消費された時点で供給を止めオートクレーブを冷却し、未反応モノマーおよびR−114を放出した。
【0306】えられた共重合体を水洗、メタノール洗浄を行なったのち、真空乾燥することにより710gの白色固体をえた。えられた共重合体の組成は19F−NMR分析、IR分析によりTFE/PPVE/(式(7)で示されるヒドロキシ基を有する含フッ素エチレン性単量体)=97.0/2.0/1.0モル%であった。また、赤外スペクトルは3620〜3400cm-1に−OHの特性吸収が観測された。DSC分析によりTm=305℃、DTGA分析により1%熱分解温度Td=375℃であった。高化式フローテスターを用いて直径2mm、長さ8mmのノズルを用い、372℃で予熱5分間、荷重7kgf/cm2でメルトフローレートを測定したところ32g/10minであった。
【0307】製造例5(ヒドロキシル基を有するPFAの合成)撹拌機、バルブ、圧力ゲージ、温度計を備えた6リットルのガラスライニング製オートクレーブに純水1500mlを入れ、窒素ガスで充分置換したのち、真空にし、1,2−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン(R−114)1500gを仕込んだ。
【0308】ついで、パーフルオロ−(1,1,9,9−テトラハイドロ−2,5−ビストリフルオロメチル−3,6−ジオキサ−8−ノネノール)(式(7))を2.5g、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)を132g、メタノールを230gとした以外は製造例4と同様にして反応を開始し、温度を35℃に保った。
【0309】撹拌を行ないながらテトラフルオロエチレンエチレンガス(TFE)を内圧が8.0kgf/cm2Gとなるように圧入した。ついで、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネートの50%メタノール溶液0.5gを窒素を用いて圧入して反応を開始した。
【0310】重合反応の進行に伴って圧力が低下するので、7.5kgf/cm2Gまで低下した時点でテトラフルオロエチレンガスで8.0kgf/cm2まで再加圧し、降圧、昇圧を繰り返した。
【0311】さらに、重合開始からテトラフルオロエチレンガスが約60g消費されるごとに圧入する前記のヒドロキシ基を有する含フッ素エチレン性重合体(前記式(7)で示される化合物)の量を1.23gを計9回(計11.10g)とした以外は製造例4と同様にして680gの共重合体の白色固体をえた。えられた共重合体の組成は19F−NMR分析、IR分析によりTFE/PPVE/(式(7)で示されるヒドロキシ基を有する含フッ素エチレン性単量体)=97.6/2.0/0.4モル%であった。また、赤外スペクトルは3620〜3400cm-1に−OHの特性吸収が観測された。DSC分析によりTm=310℃、DTGA分析により分解開始温度368℃、1%熱分解温度Td=375℃であった。高化式フローテスターを用いて直径2mm、長さ8mmのノズルを用い、372℃で予熱5分間、荷重7kgf/cm2でメルトフローレートを測定したところ42g/10minであった。
【0312】製造例6(官能基を含まないPFAの合成)製造例4において、パーフルオロ(1,1,9,9−テトラハイドロ−2,5−ビストリフルオロメチル−3,6−ジオキサ−8−ノネノール)(式(7)で示される化合物)を用いないこと、さらにメタノールを240g使用すること以外は、製造例4と同様にして合成を行ない、官能基を含まないPFA597gをえた。
【0313】製造例4と同様にして、えられたPFAを分析したところTFE/PPVE=98.2/1.8モル%Tm=310℃Td=469℃(1%重量減)
メルトフローレート=24g/10minであった。
【0314】製造例7(ヒドロキシル基を有するPFA粉体塗料の製造)製造例4でえたヒドロキシル基を有するPFA粉末(見掛比重0.5、真比重2.1、平均粒径600ミクロン)をローラーコンパクター(新東工業(株)製BCS−25型)で幅60mm、厚さ5mmにシート状に圧縮した。つぎに解砕機で約10mm径に解砕し、さらに粉砕機((株)奈良機械製作所製コスモマイザーN−1型)を用いて、室温で11000rpmで微粉砕した。つぎに分級機(新東京機械(株)製ハイボルダー300SD型)で170メッシュ(88ミクロン目開き)以上の粗粉子を取り除き、ヒドロキシル基を有するPFA粉体塗料をえた。その粉末の見掛密度は0.7g/ml、平均粒径20μmであった。
【0315】製造例8(官能基を含まないPFA粉体塗料の製造)製造例4でえたヒドロキシル基を有するPFA粉末にかえて製造例6でえた官能基を含まないPFA粉末(見掛比重0.6、真比重2.1、平均粒径400ミクロン)を用いた以外は製造例7と同様にしてPFA粉体塗料を作成した。その粉末の見掛密度は0.73g/ml、平均粒径20μmであった。
【0316】製造例9(フッ素を有さない官能基含有単量体を用いた、含フッ素重合体の合成)撹拌機、バルブ、圧力ゲージ、温度計を備えた1リットルのステンレス製オートクレーブに、酢酸ブチル250g、ピバリン酸ビニル(VPi)36.4g、フッ素を有さないヒドロキシル基含有単量体として、4−ヒドロキシルブチルビニルエーテル(HBVE)32.5g、イソプロポキシカルボニルパーオキサイド4.0gを仕込み、0℃に氷冷し、窒素ガスで充填置換したのち真空にし、イソブチレン(IB)47.5gとテトラフルオロエチレン(TFE)142gを仕込んだ。
【0317】撹拌を行いながら40℃に加熱し、30時間反応させ、反応容器内圧力が2.0kg/cm2以下に下がった時点で反応を停止した。オートクレーブを冷却し、未反応のガスモノマーを放出したところ、含フッ素重合体の酢酸ブチル溶液がえられた。ポリマー濃度は45%であった。
【0318】えられた含フッ素重合体の酢酸ブチル溶液から、再沈法により含フッ素重合体を取り出し、充分減圧および乾燥させることにより白色固体として単離した。1H−NMR、19F−NMR元素分析によりえられた含フッ素重合体を分析したところ、TFE/IB/VPi/HBVE=44/34/15/7モルからなる共重合体であった。
【0319】製造例10(ヒドロキシル基を有するPFAのフィルムの作製)製造例4でえた白色固体8.0gを100mmφの金型に入れ350℃に設定したプレス機にセットし予熱を30分間行なったのち、70kg/cm2で1分間圧縮成形を行ない、厚さ0.5mmのフィルムをえた。
【0320】製造例11(ヒドロキシル基を有するPFAのフィルムの作製)製造例5でえた白色固体を用いたこと以外は製造例10と同様にして厚さ0.5mmのフィルムをえた。
【0321】製造例12(官能基を含まないPFAのフィルムの作製)製造例6でえた白色固体を用いたこと以外は製造例10と同様にして厚さ0.5mmのフィルムをえた。
【0322】製造例13(ヒドロキシル基を有するPFAの押出によるフィルムの作製)製造例4でえた白色固体から2軸押出機(東洋精機(株)製ラボプラストミル)を用いて350〜370℃で押出しを行いペレットを作製した。そのペレットを用い、単軸押出機(東洋精機(株)ラボプラストミル)にて360℃〜380℃、ロール温度120℃で押出を行ない、巾10cm、厚さ100〜150μmのフィルムをえた。
【0323】製造例14(官能基を含まないPFAの押出によるフィルムの作製)製造例6でえた白色固体を用いたこと以外は製造例13と同様にしてペレットを作製し、さらに押出により製造例17と同様にして巾10cm、厚さ100〜150μmのフィルムをえた。
【0324】製造例15(ヒドロキシル基を有するPFAとPTFEとの積層フィルム)製造例13でえたヒドロキシル基を有するPFAフィルムと厚さ0.5mmのPTFEフィルムを重ね合わせ、製造例10と同様にして圧縮成形した。
【0325】2層は互いに強固に接着していた。
【0326】実施例1(1)基材の前処理厚さ1.5mmの純アルミニウム板(A1050P)および厚さ1.5mmのSUS304を用い、それぞれアセトンにより脱脂を行なった。
【0327】(2)官能基を有する含フッ素重合体からなるプライマー層の形成製造例1でえたヒドロキシル基を有するPFAからなる水性分散体を用いて、エアスプレーで、膜厚が約5μmになるように塗装し、90℃で10分間赤外乾燥したのち、380℃で20分間焼成した。
【0328】(3)官能基を有さない含フッ素重合体からなる層(トップ層)の形成(2)でえたプライマー層の上に官能基を有さない含フッ素重合体からなる塗料として、PTFEからなる水性塗料(ダイキン工業(株)製 ポリフロン TFEエナメルEK4300CRN)をエアスプレーにて膜厚が約20μmになるように塗装し、90℃で10分間赤外乾燥したのち380℃で20分間焼成した。
【0329】(4)接着性の評価評価方法は、つぎのとおりである。
【0330】(碁盤目試験)コーティング面にJIS K 5400 1990,8.5.2に規定された碁盤目100マスを作成し、この面にセロテープ(ニチバン(株)製の粘着テープ)を充分に密着させ、ただちに引き剥がす。新しいセロテープでこの引き剥がしを10回行ない、100マス中何マスが残存しているかを評価する。結果を表1に示した。
【0331】実施例2官能基を有する含フッ素重合体からなるプライマーを、製造例2でえたヒドロキシル基を有するPFAからなる水性分散体を用いてプライマー層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして塗板を作製し、接着性の評価を行なった。結果を表1に示す。
【0332】比較例1官能基を有する含フッ素重合体からなるプライマーに代えて、製造例3でえた官能基を有さないPFAからなる水性分散体を用いてプライマー層を形成させたこと以外は、実施例1と同様にして塗板を作製し、接着性の評価を行なった。結果を表1に示す。
【0333】実施例3、4および比較例2官能基を有さない含フッ素重合体からなる塗料としてFEPからなる水性塗料(ダイキン工業(株)製 ネオフロンFEPディスパージョン ND−1)を用いてトップ層を形成したこと以外は、実施例3は実施例1と、実施例4は実施例2と、比較例2は比較例1とそれぞれ同様にして塗板を作製し、接着性の評価を行なった。結果を表1に示す。
【0334】実施例5(1)基材の前処理実施例1と同様にして行なった。
【0335】(2)官能基を有する含フッ素重合体からなるプライマー層の形成製造例1でえたヒドロキシル基を有するPFAからなる水性分散体をエアスプレーで膜厚が約5μmになるように塗装し、90℃で10分間赤外乾燥した。
【0336】(3)官能基を有さない含フッ素重合体からなる層(トップ層)の形成前記(2)でえたプライマー層の上に官能基を有さない含フッ素重合体からなる塗料として、PFAの粉体塗料(ダイキン工業(株)製 ネオフロンPFA粉体塗料 ACX−31)を用い静電塗装により、膜厚が40μmとなるように塗装し、380℃で20分間焼成した。
【0337】(4)接着性の評価実施例1と同様にして行なった。結果を表1に示す。
【0338】実施例6官能基を有する含フッ素重合体からなるプライマーを、製造例2でえたヒドロキシル基を有するPFAからなる水性分散体を用いてプライマー層を形成したこと以外は、実施例5と同様にして塗板を作製し、接着性の評価を行なった。結果を表1に示す。
【0339】比較例3官能基を有する含フッ素重合体からなるプライマーに代えて、製造例3でえた官能基を有さないPFAからなる水性分散体を用いてプライマー層を形成させたこと以外は、実施例5と同様にして塗板を作製し、接着性の評価を行なった。結果を表1に示す。
【0340】実施例7(ヒドロキシル基を有するPFA粉体塗料の接着性評価)
(1)接着試験用のプレスシートの作製製造例7でえたヒドロキシル基を有するPFA粉体塗料約4gを直径60mmの円筒型金型に入れ、プレス機を用い室温にて300kgf/cm2の圧力で圧縮成形し、円盤型のコールドプレスシート(以下、「PFAシート」ともいう)をえた。
【0341】(2)基板の前処理100×100×1(mm)の純アルミニウム板をアセトンで脱脂した後サンドブラスト処理を行なった。
【0342】(3)接着サンプル作成上記(1)でえたPFAシートをアルミニウム板(上記(2))の上に置き、熱風乾燥機に入れ、330℃10分間加熱溶融させた。膜厚約450μmのPFAシートがアルミニウム板に接着したサンプルがえられた。図1にPFAシート1とアルミニウム板2とからなる接着サンプルの概略平面図を示す。
【0343】(4)接着強度の測定図1に示すように、前記(3)でえた接着サンプルのPFAシート1に幅a(10mm)の間隔でカッターで切れ目を入れ、各短冊状のシート1の一方の端をめくり、接着強度測定用の測定具をえた。図2にえられた接着測定用の測定具の概略斜視図を示す。図2に示すように、アルミニウム板2に対してシート1を90°の角度で引っぱり、剥離強度を測定した。テンシロン万能試験機(オリエンテック(株)製)を用い、室温下、クロスヘッドスピード50mm/minで測定したところ、面積法による平均剥離荷重で5.5kgf/cmの接着強度を示した。
【0344】比較例4(官能基を含まないPFA粉体塗料の接着性評価)製造例7でえたヒドロキシル基を有するPFA粉体塗料にかえて製造例8でえた官能基を含まないPFA粉体塗料を用いた以外は実施例7と同様にして接着試験用プレスシートの作製、基材の前処理、接着サンプル作製を行ない接着強度の測定を行なった。
【0345】官能基を含まないPFA粉体塗料の接着強度は、0.8kgf/cmであった。
【0346】実施例8(ヒドロキシル基を有するPFA粉体塗料の静電塗装)実施例7と同様に前処理したアルミニウム板に、製造例7でえたヒドロキシル基を有するPFA粉体塗料を、静電粉体塗装機(岩田塗装(株)製GX3300型)を用い、室温で印加電圧40kVで静電塗装した。塗装板を330℃15分間熱風乾燥機にて焼成し塗装膜をえた。
【0347】塗膜は、透明で均一な連続膜であって、基剤のアルミニウム板とも強固に密着した。
【0348】比較例5(フッ素を有さない官能基含有単量体を用いた含フッ素重合体の耐熱性)製造例9でえられた含フッ素重合体の熱分解温度をTGA分析により測定したところ、1%熱分解温度で220℃であった。これより、製造例9でえたようなフッ素を有さない官能基含有単量体を用いた含フッ素重合体は耐熱性が低いことがわかった。
【0349】さらに製造例9でえられた含フッ素共重合体を酢酸ブチルに10重量%の濃度に溶解させた。
【0350】つぎに実施例5において、プライマー層に用いたヒドロキシル基を有するPFAの水性分散体にかえて、上記製造例9の含フッ素共重合体の酢酸ブチル溶液を用いた以外は実施例5と同様、純アルミ基材に基材の前処理、製造例9の含フッ素共重合体を用いたプライマー層の塗布、トップ層の塗布(PFA粉体塗料の静電塗装)を行なった。
【0351】塗布後380℃、20分間焼成によってえた塗膜は黄褐色に着色し、発泡、剥離も見られ、均一な透明被膜はえられなかった。
【0352】
【表1】

【0353】実施例9〜12(ヒドロキシル基含有PFAフィルムと金属との接着性試験)金属板として、厚さ0.5mmの脱脂したクロム酸、処理アルミ、純アルミ、鋼板を用いて、ヒドロキシル基を有するPFAフィルム(製造例10または11のフィルム)との接着性試験を以下のように行なった。結果を表2に示した。
【0354】(剥離試験用の試験片の作製)図3に剥離試験用の試験片を作製するために作製した積層体の概略斜視図を示す。図3に示すように、製造例10〜11でえたヒドロキシル基含有PFAフィルムを接着剤層3として、厚さ0.1mmのスペーサー(アルミ箔)4を2枚の金属板5の間にはさみ、350℃に設定したプレス機にセットし、予熱(20分間)したのち、50kg/cm2で1分間加圧して、長さb(150mm)、幅c(70mm)の積層体をえた。
【0355】えられた積層体の接着剤層3の層の厚さはいずれも0.1mmであった。さらに積層体を幅25mmに切断し、一方の端から距離e(100mm)のところでスペーサー部分をT型に曲げ、剥離試験用の試験片とした。図4にえられた剥離試験用の試験片の概略斜視図を示す。図4中、3は接着剤層で5は金属板である。
【0356】(剥離試験)JIS K6854−1977のT型剥離試験方法に基づき、オリエンテック(株)製テンシロン万能試験機を用い、室温下、クロスヘットスピード50mm/minで測定した。測定は最大剥離強度(kgf/25mm)と最小剥離強度(kgf/25mm)を示した。
【0357】比較例6〜8(官能基を含まないPFAフィルムと金属との接着性試験)製造例10または11のヒドロキシル基を有するPFAフィルムにかえて製造例12でえた官能基を含まないPFAフィルムを用いたこと以外は実施例9と同様にして試験片の作製および剥離試験を行なった。結果を表2に示した。
【0358】実施例13〜14(ヒドロキシル基含有PFAフィルムとガラスとの接着性試験)ガラス板として30×20×5mmのパイレックスガラスを用いて、ヒドロキシル基を有するPFAとの接着性試験を以下のように行なった。
【0359】さらに接着後の積層体の耐温水性試験およびメタノール浸漬試験も行なった。結果を表3に示した。
【0360】(引張剪断試験用の試験片の作製)図5に引張剪断試験用の試験片の概略斜視図を示す。図5に示すように製造例10〜11でえたヒドロキシル基含有PFAフィルム(長さfが10m、幅gが20mm、厚さhが0.1mm)を接着剤層3としてパイレックスガラス板6(長さiが30m、幅gが20mm、厚さjが5mm)の間にはさみ、3kgの荷重をのせ、電気炉のなかで350℃、30分間放置し、試験片をえた。接着剤層3の厚さは、スペーサーにより0.1mmに調整した。
【0361】(接着強度)図6に引張剪断法により接着強度を測定するために用いる試験装置を説明するための概略説明図を示す。図6に示すように、前述のようにしてえられた試験片7の形状にあわせた試験用治具8をオリエンテック(株)製テンシロン万能試験機9にセットし、クロスヘッドスピード20mm/minで引張剪断試験を行なった。測定は最大接着強度(kgf/cm2)を示した。
【0362】(耐温水性試験)前記に示した方法で作製した試験片を用いて、50℃の温水に浸漬し、6時間後の接着性を観察し、72時間後の接着強度(kgf/cm2)を測定した。
【0363】(メタノール浸漬試験)前記に示した方法で作製した試験片を用いて室温でメタノール中に浸漬させ接着性を観察した。
【0364】比較例9(官能基を含まないPFAフィルムとガラスとの接着性)製造例10または11のヒドロキシル基を有するPFAフィルムにかえて製造例12でえた官能基を含まないPFAフィルムを用いたこと以外は実施例13と同様にして試験片の作製および各種試験を行なった。結果を表3に示す。
【0365】実施例15(ヒドロキシル基含有PFAフィルムとステンレスとの接着性、後加工性試験)金属板として、長さ150mm、幅70mm、厚さ0.5mmの脱脂したSUS304鋼板を用いて以下のようにしてラミネート試験板を作成した。製造例13でえたヒドロキシル基を含むPFAフィルムと製造例14でえた官能基を含まないPFAフィルムを前記SUS板と同じサイズに切断した。
【0366】さらに離型用フィルムとしてポリイミドフィルム(デュポン製カプトン200−H)も同様のサイズに切断した。
【0367】図7にえられたラミネート試験板の概略断面図を示す。図7に示すように2枚のSUS板11の間に、前記のヒドロキシル基含有PFAフィルム12、官能基を含まないPFAフィルム13、ポリイミドフィルム14をはさみ、350℃に設定したプレス機にセットし、予熱(20分間)したのち、50kg/cm2で1分間加圧してラミネート試験板をえた。
【0368】冷却後、ポリイミドフィルム14に接するSUS板11を取り除いたところ、ポリイミドフィルムが官能基を含まないPFAフィルム14の界面で自然剥離した。
【0369】その結果、ヒドロキシル基含有PFAフィルム12を接着層とした、透明性の良好なSUS板11とPFAフィルム13との3層積層体がえられた。図8に、えられた3層積層体の概略断面図を示す。
【0370】さらに、えられた3層積層体にカッターナイフで素地であるSUS板1に達するまで1mm角の基盤目を100個つくり、基盤目の中央をエリクセン試験機で5mm押し出した。その結果、ヒドロキシル基含有PFAフィルム12は全く剥離せず、素地であるSUS板11に強固に密着した。
【0371】PFAフィルム12はSUS板11に強固な接着性を示した。
【0372】比較例10(官能基を含まないPFAフィルムとステンレスとの接着性、後加工性試験)ヒドロキシル基を有するPFAフィルムを用いないこと以外は実施例15と同様にしてSUS板11と官能基を含まないPFAフィルム13との積層体をえた。図9にえられた積層体の概略断面図を示す。
【0373】えられた積層体は見た目では接着しているが、官能基を含まないPFAフィルム13をSUS板11から容易に剥離させることができた。
【0374】さらに、実施例15と同様にエリクセン試験を行った。基盤目100個中60個において、切り目を中心に剥離した。
【0375】実施例16(ヒドロキシル基含有PFAフィルムとポリイミドフィルムとの接着性試験)製造例13でえたヒドロキシル基含有PFAフィルム12、製造例14でえた官能基を含まないPFAフィルム13およびポリイミドフィルム14を実施例15と同様の大きさに切断し、2枚のSUS板11の間にはさみ、実施例15と同様にしてプレス機で加熱してラミネート試験板をえた。図10にえられたラミネート試験板の概略断面図を示す。ついで、冷却後SUS板11をはがして積層体をえた。図11にえられた積層体の概略断面図を示す。さらに積層体を幅25mmに切断した。
【0376】ついで図12にT型剥離試験に供する前記積層体の概略断面図を示す。図12において、ポリイミドフィルム14とヒドロキシル基含有PFAフィルム12の界面を一部はがし、図12に示す矢印の方向で、実施例1と同様にT型剥離試験を行なったところ、面積法による平均剥離荷重で4.0kgf/25mmの接着性を示した。
【0377】比較例11(官能基を含まないPFAフィルムとポリイミドフィルムとの接着性試験)図13に実施例1と同様にしてT型剥離試験に供する積層体の概略断面図を示す。図13において、実施例16でえた幅25mmの積層体のポリイミドフィルム14と官能基を含まないPFAフィルム13の界面を一部はがし、図13に示す矢印の方向で実施例16と同様にT型剥離試験を行なったが、接着力を示さなかった。
【0378】比較例12(フッ素を有さない官能基含有単量体を用いた含フッ素重合体の耐熱性)製造例9でえられた含フッ素重合体の熱分解温度をTGA分析により測定したところ1%熱分解温度で220℃であった。これより、製造例9でえたようなフッ素を有さない官能基含有単量体を用いた含フッ素重合体は耐熱性が低いことがわかった。
【0379】さらに、製造例9でえられた含フッ素重合体を酢酸ブチルに10重量%の濃度に溶解させた。
【0380】実施例9と同じ前処理を行なったアルミニウム板に上記製造例9の含フッ素重合体の酢酸ブチル溶液をエアスプレーで膜厚が約10μmとなるように塗装し90℃で10分間赤外乾燥した。
【0381】塗装してえたフッ素を含まない官能基含有単量体を用いた含フッ素重合体の被膜16の上に製造例14でえた官能基を含まないPFAフィルム13、離型用のポリイミドフィルム14(実施例15と同じ)、アルミニウム板15を順に重ね、実施例15と同様プレス機で350℃で加熱、加圧しラミネート試験板をえた。えられたラミネート試験板の概略断面図を図14に示す。
【0382】該ラミネート試験板を冷却後、ポリイミドフィルム14に接するアルミニウム板15、およびポリイミドフィルム14を取り除いて積層体をえた。
【0383】えられた積層体は、黄褐色に着色し、PFAフィルム13とアルミニウム板15の間で発泡や剥離なども生じ、均一で透明な積層体はえられなかった。
【0384】
【表2】

【0385】
【表3】

【0386】実施例17〜18実施例8でえたヒドロキシル基を有するPFA粉体塗料を静電塗装した塗板(実施例17)、製造例13でえたヒドロキシル基を有するPFAの押出フィルム(実施例18)を用いて以下に示す方法で非粘着性試験を行なった。結果を表4に示す。
【0387】(非粘着性試験)測定は23℃±2℃で行なった。図15に非粘着性試験に用いる試験片の概略斜視図を示す。試験板17は長さ150mm以上で、表面の汚れは、アセトンでふきとった。まず、18mm幅の粘着テープ18(JIS Z 1522)を300mm切り取り、150mmの長さkの部分だけを試験板17の上にのせ、テープ18の上から JIS S 6050の消しゴムでこすり、圧着させて接着部分19をうる。残った150mmの部分には紙をはり(図示せず)、取り扱いしやすいようにした。圧着後約20分放置し、テープ18を試験板17に馴染ませた。テープ18を試験板17の端から幅mが25mmのところまではがし、試験板17を引張試験機の下側のつかみ具へ取り付けた。剥がしたテープ18の先端を180°折り返し、上側つかみ具へ、テープ18が真っ直ぐ剥がれるように取り付けた。引張速度20mm/分で、試験機で試験板17からテープ18が剥がれる力を測定した。値はテープ18が滑らかに剥がれている部分の平均を測定値とした。結果を表4に示す。
【0388】比較例13〜14(官能基を有さないPFAフィルムの非粘着性試験)製造例14でえた官能基を含まないPFAの押出フィルム(比較例13)および何も被覆していないガラス板(比較例14)を用いて実施例17と同様にして非粘着性試験を行なった。結果を表4に示す。
【0389】
【表4】

【0390】表4より、OH基を含有するPFAも官能基を含まないPFAとほぼ同様なすぐれた非粘着性を有することがわかった。
【0391】実施例19〜20実施例8でえたヒドロキシル基を有するPFA粉体塗料を静電塗装した塗板(実施例17)、製造例13でえたヒドロキシル基を有するPFAの押出フィルム(実施例18)を試験板(またはフィルム)として用いて以下に示す方法でカーボン汚染試験および耐候性試験(実施例20のみ)を行なった。
【0392】■カーボン汚染性試験(カーボン溶液の調製)カーボン粉末(三菱化学(株)製 MA100)10gをイオン交換水90gに加え、ガラスビーズを用いて分散、混合し、カーボン分散液をえた。
【0393】(カーボンの塗布)前記カーボン分散液をスプレーにて前記塗装板またはフィルムに約50g/m2塗装し80℃で2時間加熱して、黒色の試験板をえた。
【0394】(評価)えられた黒色の試験板を、流水にさらしながら、ハケでなぞり洗浄した。ついで目視にて汚染の度合を観察し、以下の基準で評価した。結果を表14に示す。
【0395】
○:洗浄により汚染の除去が可能であり、ほぼ汚染試験前の塗装板またはフィルムにもどった。
△:洗浄により汚染の一部を除去できたが、塗装板またはフィルム全面に灰色の汚れがしみ込んだように付着しており、その汚れは除去できなかった。
×:塗装板またはフィルム全面に黒色の汚れが残り、水洗では除去できなかった。
【0396】■耐候性試験前記塗装板またはフィルムをアイスーパーUVテスター(岩崎電機(株)製)に投入し、促進耐候性試験を行ない、500時間試験後の塗装板の対水接着角を測定した。結果を表5に示す。
【0397】比較例17実施例7と同じアルミニウム板を80〜120メッシュのサンドブラスト処理した後、プライマー(ダイキン工業(株)製、ポリフロンTFEエナメル EK−1959 DGN)をスプレー塗装を行ない、赤外乾燥炉で90℃で乾燥させ、プライマー層を設けた。
【0398】前記プライマー層上にPFA粉体塗料(ダイキン工業(株)製、ネオフロン粉体塗料ACX−31)を静電塗装した後350℃で30分間焼成し、被膜を形成したPFA粉体塗装板をえた。プライマーの灰褐色の被膜がえられた。
【0399】また、前記PFA粉体塗装板を用いて、実施例19と同様にしてカーボン汚染性試験を行った。結果を表55に示す。
【0400】比較例18常温硬化型フッ素樹脂塗料用ワニスであるゼッフルGK510(ダイキン工業(株)製、OH価60)100g、イソシアネート硬化剤コロネートHX、(日本ポリウレタン(株)製)10.5gおよび酢酸ブチル120gを混合し、OH/NCO比=1:1に調整したクリア塗装用塗料を作製した。
【0401】比較例7と同様にサンドブラスト処理をしたアルミニウム板に、前記クリア塗装用塗料をスプレー塗装した後、120℃で30分間焼成して被膜を形成した塗装板をえた。また、該塗装板を用いて実施例20と同様の試験を行なった。結果を表5に示す。
【0402】比較例19常温硬化型アクリル樹脂塗料用ワニスであるアクリディックA801(大日本インキ(株)製、OH価100)100gとイソシアネート硬化剤コロネートHX(比較例4と同じ)17g、酢酸ブチル120gを混合し、OH/NCO比=1:1に調整した塗料を作製した。この塗料を用いて比較例18と同様にしてアルミニウム板にスプレー塗装、焼成を行なって被膜を形成した塗装板をえた。
【0403】また、該塗装板を用いて実施例20と同様の試験を行なった。結果を表5に示す。
【0404】
【表5】

【0405】製造例16(ヒドロキシル基を有するPFAの合成)撹拌機、バルブ、圧力ゲージ、温度計を備えた6リットルのガラスライニング製オートクレーブに純水1500mlを入れ、窒素ガスで充分置換したのち、真空にし、1,2−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン(R−114)1500gを仕込んだ。
【0406】ついで、パーフルオロ−(1,1,9,9−テトラハイドロ−2,5−ビストリフルオロメチル−3,6−ジオキサ−8−ノネノール)(式7)の10.2g、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)130g、メタノール180gを窒素ガスを用いて圧入し、系内の温度を35℃に保った。
【0407】撹拌を行ないながらテトラフルオロエチレンガス(TFE)を内圧が8.0kgf/cm2Gとなるように圧入した。ついで、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネートの50%メタノール溶液0.5gを窒素を用いて圧入して反応を開始した。
【0408】重合反応の進行に伴って圧力が低下するので、7.5kgf/cm2Gまで低下した時点でテトラフルオロエチレンガスで8.0kgf/cm2まで再加圧し、降圧、昇圧を繰り返した。
【0409】テトラフルオロエチレンの供給を続けながら、重合開始からテトラフルオロエチレンガスが約60g消費されるごとに、前記のヒドロキシ基を有する含フッ素エチレン性単量体(前記式7で示される化合物)の5.14gを計9回(計46.3g)圧入して重合を継続し、重合開始よりテトラフルオロエチレンが約600g消費された時点で供給を止めオートクレーブを冷却し、未反応モノマーおよびR−114を放出した。
【0410】えられた重合体を水洗、メタノール洗浄を行なったのち、真空乾燥することにより721gの白色固体(粉末)をえた。えられた共重合体の組成は19F−NMR分析、IR分析によりTFE/PPVE/(式7で示されるヒドロキシ基を有する含フッ素エチレン性単量体)=97.6/2.0/1.8モル%であった。また、赤外スペクトルは3620〜3400cm-1に−OHの特性吸収が観測された。DSC分析によりTm=311℃、DTGA分析により分解開始温度368℃、1%熱分解温度Td=362℃であった。高化式フローテスターを用いて直径2mm、長さ8mmのノズルを用い、372℃で予熱5分間、荷重7kgf/cm2でメルトフローレートを測定したところ85g/10minであった。
【0411】えられた白色粉末を2軸押出機(東洋精機(株)ラボプラストミル)にて350〜370℃で押出しを行ないペレットを作製した後、製造例13と同様にして押出により幅10cm、厚さ100〜150μmのフィルムをえた。
【0412】実施例21(ヒドロキシル基含有PFAフィルムとガラスとの接着耐久性)
(接着耐久性試験用積層体の作製)図16に接着耐久性試験用積層体をうるために作製したラミネート試験板の概略断面図を示す。図16に示すように長さ150mm、幅70mmのガラス板23の中央に長さ120mm、幅40mmに切断した製造例16でえたヒドロキシル基を有するPFAフィルム21をのせ、その上に同じ大きさの官能基を有さないPFAフィルム22(製造例14のフィルム)およびポリイミドフィルム23(実施例15と同じもの)を重ね、さらに上記ガラス板23と同じ大きさのアルミニウム板24を重ね、350℃に設定したプレス機にセットし、予熱(20分)したのち、約20kg/cm2で1分間加圧してラミネート試験板をえた。冷却後アルミニウム板24およびポリイミドフィルム23を取り除いて接着耐久性試験用積層体をえた。
【0413】図17にえられた接着耐久性試験用積層体の概略断面図を示す。
【0414】(耐候性試験)上記のヒドロキシル基含有PFAフィルム21を接着層にして官能基を有さないPFAフィルム22をガラス板20に積層した積層体をアイスーパーUVテスター(岩崎電機(株)製)に投入し、促進耐候性試験を行なった。外観変化のないものを○とした。
【0415】(耐熱性試験)上記積層体を150℃の雰囲気中に12時間放置した。外観上変化のないものを○とした。
【0416】(温湿度サイクル)−40℃/1時間、85℃/85%RH/4時間の温湿度サイクル試験を20サイクル行なった。外観上変化のないものを○とした。
【0417】以上の各種試験結果を表6に示す。
【0418】比較例20(官能基を含まないPFAフィルムとガラスとの接着耐久性)ヒドロキシル基含有PFAフィルムにかえて、参考例3でえた官能基をもたないPFAフィルムを用いた以外は、実施例21と同様にして、試験用積層体を作製して耐久性試験を行なった。結果を表6に示す。
【0419】比較例21(表面処理FEP/EVAフィルム/ガラス積層体の接着耐久性)ヒドロキシル基含有PFAフィルムにかえてEVAフィルム(住友化学工業(株)製、ボンドファースト7B、厚さ200μm)を接着層として、官能基を含まないPFAフィルムにかえてFEPの片面表面処理フィルム(ダイキン工業(株)製、ネオフロンFEPフィルム NF−0100B1)を、表面処理面をEVAフィルム層に接触させて重ね、180℃の温度でプレス接着させた以外は実施例21と同様にして、表面処理FEP/EVA/ガラスの積層体をえた。これを用い実施例21と同様の耐久性試験を行なった。結果を表6に示す。
【0420】
【表6】

【0421】
【発明の効果】本発明によれば、複雑な工程を必要とすることなく、基材への接着性にすぐれた含フッ素重合体からなる材料を基材に適用してなる防汚性複合材をうることができる。また、本発明によれば、さらに耐熱性、耐候性、非粘着性、撥水撥油性、汚れ除去性、耐薬品性、防錆性、抗菌性、耐エネルギー線性および低摩擦性などにすぐれた複合材をうることができ、調理機器や器具、OA関連機器、建材、自動車、家電製品などの汚れを防止できる。




 

 


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