米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 加工処理操作 -> ダイキン工業株式会社

発明の名称 空気浄化用触媒構造体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−263414
公開日 平成10年(1998)10月6日
出願番号 特願平9−75727
出願日 平成9年(1997)3月27日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】前田 弘 (外2名)
発明者 香川 謙吉 / 宇佐見 禎一 / 川添 政宣
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 空気中の臭気成分又は有害成分を吸着する吸着剤(22)と、該吸着剤(22)に吸着された臭気成分又は有害成分を分解する触媒(23)とを備えた空気浄化用触媒構造体であって、臭気成分又は有害成分を含む空気を上記吸着剤(22)に接触させて臭気成分又は有害成分を吸着させる吸着部(6)を備えているとともに、上記吸着部(6)の傍らに、上記吸着剤(22)を加熱し該吸着剤(22)に吸着されている臭気成分又は有害成分を上記触媒(23)によって分解させて、該吸着剤(22)を再生する再生部(8)が設けられていて、上記吸着剤(22)が基材に担持されてなる吸着剤シート(11)を備え、上記吸着剤シート(11)が、上記吸着剤(22)が空気の流れに晒されるように上記吸着部(6)に展開した状態と、上記吸着部(6)から退避するように巻き取り又は折り畳みによって上記再生部(8)に収斂した状態とに移動するように設けられていることを特徴とする空気浄化用触媒構造体。
【請求項2】 請求項1に記載されている空気浄化用触媒構造体において、上記再生部(8)が、上記吸着剤シート(11)を巻き取るロール(12)を備えていて、上記吸着剤シート(11)が、該ロール(12)から上記吸着部(6)に繰り出して展開され該吸着部(6)からロール(12)に巻き取られて収斂することを特徴とする空気浄化用触媒構造体。
【請求項3】 空気中の臭気成分又は有害成分を吸着する吸着剤(22)と、該吸着剤(22)に吸着された臭気成分又は有害成分を分解する触媒(23)とを備えた空気浄化用触媒構造体であって、上記吸着剤(22)が基材に担持されてなる吸着剤シート(11)を備え、臭気成分又は有害成分を含む空気を上記吸着剤シート(11)の吸着剤(22)に接触させて臭気成分又は有害成分を吸着させる吸着部(6)を備えているとともに、上記吸着部(6)の両側に、上記吸着剤シート(11)を巻き取り又は折り畳みによって収斂させる収斂部が設けられており、上記吸着剤シート(11)は、その両端部が上記両側の収斂部に支持されて、一方の収斂部から繰り出されて上記吸着部(6)を展開した状態で横切り他方の収斂部に巻き取り又は折り畳みによって収斂されるように設けられ、上記両側の収斂部の少なくとも一方の側が、収斂された上記吸着剤シート(11)の吸着剤(22)を加熱し該吸着剤(22)に吸着されている臭気成分又は有害成分を上記触媒(23)によって分解させて、該吸着剤(22)を再生する再生部(8)に形成されていることを特徴とする空気浄化用触媒構造体。
【請求項4】 請求項3に記載されている空気浄化用触媒構造体において、上記吸着部(6)両側の収斂部の各々が上記吸着剤シート(11)を巻き取るロール(12)を備えていて、上記吸着剤シート(11)が、上記吸着部(6)を横切るように配置されその両端部が両側のロール(12)に巻き付けられて、該ロール(12)の正逆の回転によって両ロール(12)間で往復動するように設けられていることを特徴とする空気浄化用触媒構造体。
【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載されている空気浄化用触媒構造体において、上記吸着剤シート(11)には、上記吸着剤(22)を再生のために加熱する発熱体(21)が設けられていることを特徴とする空気浄化用触媒構造体。
【請求項6】 請求項1乃至請求項4のいすれか一に記載されている空気浄化用触媒構造体において、上記吸着剤シート(11)には、上記触媒(23)が担持されていることを特徴とする空気浄化用触媒構造体。
【請求項7】 請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載されている空気浄化用触媒構造体において、上記再生部(8)が、収斂された吸着剤シート(11)を囲む壁(14)を備え、該壁(14)の内壁(14)面に上記吸着剤(22)を再生のために加熱する発熱体(21)が設けられていることを特徴とする空気浄化用触媒構造体。
【請求項8】 請求項1又は請求項3に記載されている空気浄化用触媒構造体において、上記再生部(8)が、収斂された吸着剤シート(11)を囲む壁(14)を備え、該壁(14)の内壁面に上記触媒(23)が担持されていることを特徴とする空気浄化用触媒構造体。
【請求項9】 請求項2又は請求項4に記載されている空気浄化用触媒構造体において、上記ロール(12)に上記吸着剤(22)を再生のために加熱する発熱体(21)が設けられていることを特徴とする空気浄化用触媒構造体。
【請求項10】 請求項2又は請求項4に記載されている空気浄化用触媒構造体において、上記ロール(12)に上記触媒(23)が担持されていることを特徴とする空気浄化用触媒構造体。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気中の臭気成分又は有害成分を捕捉して分解除去する空気浄化用触媒構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】空気中の臭気成分又は有害成分を除去するために、該臭気成分又は有害成分を吸着する吸着剤と、該吸着剤から脱離する臭気成分又は有害成分を分解する触媒と、吸着剤及び触媒を加熱する発熱体とを組み合わせてなる触媒構造体を空気浄化装置、冷蔵庫、エアコンディショナー等に組み込む、という技術は一般に知られている。この場合、吸着剤は、発熱体による加熱によって臭気成分又は有害成分を脱離することによって再生されることになる。
【0003】例えば特開平5−146683号公報には、基材の表面に、吸着剤として働くゼオライト及び活性アルミナを担体として、これに触媒として働く白金族金属を担持させてなる触媒層を形成し、基材の背面側に発熱体を配置してなる空気浄化用触媒構造体が記載されている。これは、室内の臭気成分をゼオライト及び活性アルミナによって吸着し、吸着能力の限界近くになったときに触媒層を加熱することによって臭気成分を酸化分解することにより、これを再生するというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の空気浄化用触媒構造体は、吸着剤と触媒とからなる吸着・触媒体が臭気成分を吸着させる場所におかれたまま状態で発熱体によって加熱されるから、例えば冷房している室内など温度がコントロールされている空間での使用には適さない。すなわち、冷房している中で吸着・触媒体を加熱することになるから、その加熱効率が悪く、温度を速やかに上昇させることができないとともに、冷房と加熱とを同時に行なうことになるからエネルギーのロスが大きくなる。一方、上記エネルギーロスを少なくするために、吸着・触媒体の表面積を小さくすると、必要な脱臭能力を確保することができなくなる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、このような課題に対して、吸着剤によって空気中の臭気成分又は有害成分を吸着させる吸着部と、該吸着剤を加熱によって再生する再生部とを分離し、且つ該吸着剤を吸着部で展開して広げ、再生部で巻き取り又は折り畳みによって収斂させるようにすれば、空気中の臭気成分又は有害成分の除去能力を大きくしながら、上記加熱効率の向上及びエネルギーロスの低減を図ることを見出だして、本発明を完成したものである。
【0006】すなわち、この出願の発明は、空気中の臭気成分又は有害成分を吸着する吸着剤(22)と、該吸着剤(22)に吸着された臭気成分又は有害成分を分解する触媒(23)とを備えた空気浄化用触媒構造体であって、臭気成分又は有害成分を含む空気を上記吸着剤(22)に接触させて臭気成分又は有害成分を吸着させる吸着部(6)を備えているとともに、上記吸着部(6)の傍らに、上記吸着剤(22)を加熱し該吸着剤(22)に吸着されている臭気成分又は有害成分を上記触媒(23)によって分解させて、該吸着剤(22)を再生する再生部(8)が設けられていて、上記吸着剤(22)が基材に担持されてなる吸着剤シート(11)を備え、上記吸着剤シート(11)が、上記吸着剤(22)が空気の流れに晒されるように上記吸着部(6)に展開した状態と、上記吸着部(6)から退避するように巻き取り又は折り畳みによって上記再生部(8)に収斂した状態とに移動するように設けられていることを特徴とする。
【0007】なお、臭気成分としては、例えばアンモニア、アセトアルデヒド、トリメチルアミン、メチルメルカプタン、硫化水素等があり、有害成分としては、CO、NOx(窒素酸化物)、SOx(硫黄酸化物)等ある。また、この明細書において、「臭気成分又は有害成分」とは、そのいずれか一方の1種類のみを対象とする場合、そのいずれか一方の複数種類を対象とする場合、並びに臭気成分及び有害物質の双方を対象とする場合を含む。すなわち、ここでいう「又は」は少なくとも一方を対象とする、という意味である。
【0008】この発明の場合、空気中の臭気成分又は有害成分を吸着するときには、上記吸着剤シート(11)を吸着部(6)に展開することによって、空気に晒される吸着剤(22)の面積を大きくし、その吸着能力を高めることができる。一方、吸着剤(22)を再生するときには、上記吸着剤シート(11)を再生部(8)に巻き取り又は折り畳むことによって、小さく収斂させてこれを加熱することができるから、熱の逃げが少なくなって加熱効率が高まる。しかも、再生時の加熱が吸着部(6)とは別の再生部(8)で行なわれるから、吸着部(6)を加熱することを避けることができ、例えば冷房している場合でもエネルギーのロスが少なくなる。
【0009】上記触媒(23)については、吸着剤(22)とは別に担体を設けて該担体に触媒成分を担持させることによって構成することができる。その場合、吸着剤(22)と触媒(23)とは、例えば吸着剤シート(11)上に層状に設け、あるいは吸着剤シート(11)上で相近接して設け、あるいは吸着剤シート(11)上に混合して設け、あるいは触媒(23)を吸着剤シート(11)とは別体にして再生部(8)に設けるなど種々の態様で設けることができる。あるいは、吸着剤(22)を担体としてこれに触媒成分を担持させて構成することもできる。
【0010】吸着剤(22)を再生するときの加熱は、一般には該吸着剤(22)から臭気成分又は有害成分を脱離させることに働き、また、触媒(23)を活性化させて臭気成分又は有害成分の分解を促進することに働くが、吸着剤(22)と触媒(23)とを混合して用いる場合や、吸着剤(22)を担体としてこれに触媒成分を担持した場合においては、吸着剤(22)上において触媒による臭気成分又は有害成分の分解が進行する。
【0011】吸着剤(22)としては、例えば、ゼオライトやシリカゲル、活性アルミナ等を用いることができ、触媒(23)としては、例えば、活性アルミナ、セリア、ジルコニア、チタニア、シリカ、酸化亜鉛、酸化ランタン、酸化プラセオジム、ゼオライト等から選ばれた1種以上の担体に、Ag、Cu、Pd、Pt、Mn、Ni等から選ばれた1種以上を担持させることによって構成することができる。
【0012】上記再生部(8)については、そこに、上記吸着剤シート(11)を巻き取るロール(12)を設け、該ロール(12)から吸着剤シート(11)を上記吸着部(6)に繰り出して展開し、該吸着部(6)からロール(12)に巻き取って収斂させるようにすることができる。すなわち、吸着剤(22)を担持させた吸着剤シート(11)の可撓性が低い場合(剛性が高い)場合には、これを折り畳み方式によって収斂すればよいが、当該吸着剤シート(11)が比較的軟らかく可撓性がある場合には、ロール(12)による巻き取り方式によって収斂させることができ、その場合には、当該吸着剤シート(11)の展開・収斂手段が簡単なものになる。
【0013】この出願の他の発明は、空気中の臭気成分又は有害成分を吸着する吸着剤(22)と、該吸着剤(22)に吸着された臭気成分又は有害成分を分解する触媒(23)とを備えた空気浄化用触媒構造体であって、上記吸着剤(22)が基材に担持されてなる吸着剤シート(11)を備え、臭気成分又は有害成分を含む空気を上記吸着剤シート(11)の吸着剤(22)に接触させて臭気成分又は有害成分を吸着させる吸着部(6)を備えているとともに、上記吸着部(6)の両側に、上記吸着剤シート(11)を巻き取り又は折り畳みによって収斂させる収斂部が設けられており、上記吸着剤シート(11)は、その両端部が上記両側の収斂部に支持されて、一方の収斂部から繰り出されて上記吸着部(6)を展開した状態で横切り他方の収斂部に巻き取り又は折り畳みによって収斂されるように設けられ、上記両側の収斂部の少なくとも一方の側が、収斂された上記吸着剤シート(11)の吸着剤(22)を加熱し該吸着剤(22)に吸着されている臭気成分又は有害成分を上記触媒(23)によって分解させて、該吸着剤(22)を再生する再生部(8)に形成されていることを特徴とする。
【0014】この発明においては、先の発明と同様に吸着時に吸着剤シート(11)を吸着部(6)に展開し、再生時にこれを再生部(8)に収斂させることができるとともに、一方の収斂部から再生済の吸着剤シート(11)を吸着部(6)に繰出し、該吸着剤(22)が飽和した場合(臭気成分又は有害成分の吸着量が所定量以上になってその吸着能力が低下した場合)には、これを他方の収斂部に送って新たな再生済の吸着剤シート(11)を吸着部(6)に繰り出すことができる。よって、このように再生済の吸着剤シート(11)を順次繰り出して空気中の臭気成分又は有害成分の除去を長時間にわたって継続する場合に有利になる。また、吸着部(6)で空気中の臭気成分又は有害成分を吸着させながら、再生部(8)で使用済み吸着剤シート(11)の再生を行なうことが容易になる。
【0015】さらに、両側の収斂部を再生部(8)とした場合には、一方の収斂部で再生した吸着剤シート(11)を吸着部(6)に繰出して、吸着が飽和した吸着剤シート(11)を他方の収斂部に再生のために送り、吸着部(6)に存する吸着剤シート(11)が飽和した場合には、今度は吸着剤シート(11)の移動方向を逆にして、吸着が飽和した吸着剤シート(11)を一方の収斂部に再生のために送り、他方の収斂部から再生された吸着剤シート(11)を吸着部(6)に繰り出す、というように、吸着剤シート(11)の移動方向を交互に変えることによって、吸着部(6)での臭気成分又は有害成分の吸着を連続的に行なうことが可能になる。
【0016】上記吸着部(6)両側の収斂部に関しては、その各々に上記吸着剤シート(11)を巻き取るロール(12)を設け、上記吸着剤シート(11)を、上記吸着部(6)を横切るように配置してその両端部を両側のロール(12)に巻き付け、該ロール(12)の正逆の回転によって両ロール(12)間で往復動させるようにすることができる。
【0017】上述の吸着剤シート(11)に関しては、これを網状とするなどして通気性をもたせることが好適である。このようにすれば、空気が吸着剤シート(11)を通過しながら該空気中の臭気成分又は有害成分が吸着剤(22)に吸着されることになる。もちろん、吸着剤シート(11)を非通気性としてその周囲を空気が流れるようにしてもよい。
【0018】また、上記吸着剤シート(11)には、上記吸着剤(22)の他に、該吸着剤(22)を再生のために加熱する発熱体(21)を設けることが好適である。このようにすれば、吸着剤シート(11)を収斂した状態で吸着剤(22)の再生を行なう場合、吸着剤シート(11)上において発熱体(21)によって吸着剤(22)を直接加熱することができるため、加熱効率が高くなり、また、収斂状態での加熱であるから、熱の放出面が小さくなり、つまり熱の逃げが少なくなって、その再生に有利になる。その場合、例えば、発熱体(21)を吸着剤シート(11)の中心部(厚みの中央位置のこと。以下、同じ。)に配置し、その両側に吸着剤層(22)を設けた三層構造の吸着剤シート(11)とすれば良い。具体的には、発熱体(21)を有するシートの両面に該発熱体(21)を覆うように吸着剤(22)を担持させるようにすればよい。また、発熱体(21)によってシートを形成して該シートの両面に吸着剤(22)を担持するようにしてもよい。
【0019】また、上述の如き吸着剤シート(11)には、上記吸着剤(22)と共に上記触媒(23)を担持することができる。このようにすれば、吸着剤(22)から脱離する臭気成分又は有害成分を触媒(23)によって速やかに且つ効率良く分解するうえで有利になる。その場合、例えば、吸着剤(22)の層を吸着剤シート(11)の中心部に配置しその両側に触媒(23)の層を配置した三層構造にすれば良い。
【0020】また、吸着剤シート(11)には、上記吸着剤(22)、発熱体(21)及び触媒(23)を設けることもできる。その場合には、例えば、吸着剤シート(11)の中心部に発熱体(21)を配置し、その両側に触媒(23)の層を配置し、該触媒層の両外側に吸着剤(22)の層を配置し、さらにその両外側に触媒(23)の層を配置するようにすれば良い。
【0021】上記再生部(8)については、収斂された吸着剤シート(11)を囲む壁(14)を設け、該壁(14)の内壁面に上記吸着剤(22)を再生のために加熱する発熱体(21)を設けるようにすることができる。このようにすれば、外部への熱の逃げを少なくしながら、吸着剤(22)を効率良く加熱することができる。
【0022】また、上述の如き収斂された吸着剤シート(11)を囲む壁(14)を備えた再生部(8)においては、該壁(14)の内壁面に上記触媒(23)を担持することができる。このようにすれば、吸着剤(22)から脱離した臭気成分又は有害成分が再生部(8)から洩れることを避けながら、該臭気成分又は有害成分の分解を行なうことができる。
【0023】一方、上記ロール(12)に上記吸着剤(22)を再生のために加熱する発熱体(21)を設けるようにすることができる。このようにすれば、吸着剤シート(11)の吸着剤(22)を効率良く加熱することができる。その場合、上記ロール(12)の表面に発熱体(21)を設け、その上から上記吸着剤シート(11)を巻き付けるようにすれば、吸着剤(22)の加熱効率が良い。
【0024】また、上記ロール(12)に上記触媒(23)を担持することもできる。これによって、吸着剤シート(11)の吸着剤(22)から脱離する臭気成分又は有害成分を効率良く分解することができる。この場合も、上記ロール(12)の表面に触媒(23)を設け、その上から上記吸着剤シート(11)を巻き付けるようにすれば良い。
【0025】もちろん、上記ロール(12)に発熱体(21)と触媒(23)とを設けることができ、その場合は、例えば、ロール(12)の表面に発熱体(21)を設け、その上に触媒(23)を設けるようにすれば良い。
【0026】
【発明の効果】従って、この出願の発明によれば、空気中の臭気成分又は有害成分を吸着剤(22)に吸着させる吸着部(6)と、該吸着剤(22)を再生する再生部(8)とを別の場所に設け、上記吸着剤(22)を有する吸着剤シート(11)を、上記吸着部(6)に展開した状態と、上記再生部(8)に巻き取り又は折り畳みによって収斂させた状態とに移動させるようにしたから、吸着時には上記吸着剤シート(11)を展開して吸着面積を大きくしてその吸着能力を高めながら、再生時には上記吸着剤シート(11)を小さく収斂させて吸着剤(22)を加熱することができ、熱の逃げを少なくして加熱効率を高めることができるとともに、例えば冷房している場合でもエネルギーのロスが少なくなる。
【0027】また、空気中の臭気成分又は有害成分を吸着剤(22)に吸着させる吸着部(6)の両側に、吸着剤(22)を有する吸着剤シート(11)を収斂させる収斂部を設け、該吸着剤シート(11)を両収斂部間で中間の吸着部(6)を展開した状態で横切って移動させるようにし、該両収斂部の少なくとも一方の側を再生部(8)にしたから、上記発明と同様の効果が得られるとともに、再生部で使用済吸着剤(22)の再生を行ないながら、吸着部(6)で再生済吸着剤(22)による臭気成分又は有害成分の吸着を行なわせることができ、空気中の臭気成分又は有害成分の除去を長時間にわたって継続する場合に有利になる。
【0028】
【発明の実施の形態】
<実施形態1>本形態は図1乃至図4に示されており、1は空気清浄機であり、これは、室内空気を取り入れ臭気成分又は有害成分を吸着除去し清浄にした状態で吹き出す空気流路(2)を備えている。空気流路(2)の空気取入口(3)は空気清浄機(1)の側面に開口し、空気吹出口(4)は空気清浄機の反対側の側面に開口している。空気流路(2)には、その上流側からプレフィルタ(前置きフィルタ)(5)、吸着部(6)、送風ファン(7)が順に設けられている。また、吸着部(6)に隣接して空気流路(2)の傍らに再生部(8)が設けられている。
【0029】上記プレフィルタ(5)は、室内空気の浮遊物質を除去するためのものであり、目の細かい網、不織布等によって形成されている。
【0030】吸着部(6)は、吸着剤によって空気中の臭気成分又は有害成分を吸着除去する部位であって、そのために吸着剤を担持させた吸着剤シート(11)が設けられている。再生部(8)は、臭気成分又は有害成分が吸着した吸着剤を再生するとともに、臭気成分又は有害成分を触媒によって分解する部位である。
【0031】吸着剤シート(11)は、一端が再生部(8)に設けられたロール(12)に結合されてこれに巻き付けられ、他端は吸着部(6)を挾んで再生部(8)の反対側に配置された繰出し用(引出し用)モータ(13)の巻取軸に繋がれている。
【0032】すなわち、図2及び図3に示すように、再生部(8)は、壁(14)によって覆われた部屋になっている。ロール(12)は、壁(14)の底壁に回転自在に支持されて立ち上げられ、巻取用モータ(15)によって回転駆動されるようになっている。壁(14)には吸着剤シート(11)が通過する上下に長いスリット(16)が形成されていて、該スリット(16)の上端部近傍よりガイド(17)が上記吸着部(6)を横切って上記繰出し用モータ(13)まで延びている。吸着剤シート(11)は、その先端(巻き終わりの側の端)の上端が上記ガイド(17)に移動自在に支持された牽引具(18)に結合され、該牽引具(18)は上記繰出し用モータ(13)の巻取軸に巻き付けたワイヤ(19)に結合されている。
【0033】よって、上記吸着剤シート(11)は、上記繰出し用モータ(13)の作動により、ワイヤ(19)及び牽引具(18)を介して引かれることによって、ロール(12)から繰り出されて吸着部(6)に展開され、上記巻取用モータ(15)の作動により、ロール(12)に巻き取られることによって、吸着部(6)から再生部(8)に収斂することになる。
【0034】上記吸着剤シート(11)の断面構造は、図4に示されており、この例では吸着剤シート(11)の中心部に発熱体(電気ヒータ)(21)が配置され、該発熱体(21)を覆うようにその両側に吸着剤層(22)が設けられている。発熱体(21)は網状に形成されており、従って、吸着剤シート(11)も網状になっていて、その一方の面から他方の面に空気を通す通気性を有する。また、上記再生部(8)の内壁面には上記吸着剤層(22)によって吸着された空気中の臭気成分又は有害成分を分解する触媒層(23)が形成されている。
【0035】従って、室内空気の臭気成分又は有害成分を除去するには、繰出し用モータ(13)を作動させて吸着剤シート(11)を吸着部(6)に引き出して展開させる。その状態で、上記送風ファン7を駆動すると、室内空気は、上記空気流路(2)の空気取入口(3)から吸い込まれ、浮遊成分がプレフィルタ(5)によって除去されて吸着部(6)に達する。そこで、空気中の臭気成分又は有害成分が吸着剤シート(11)の吸着剤層(22)に吸着除去されて、空気吹出口(4)から清浄になった空気が再び室内に吹き出されることになる。
【0036】上記吸着剤シート(11)の吸着剤層(22)が飽和(吸着能力の限界近くまで臭気成分又は有害成分を吸着しその吸着能力が低下)したら、上記巻取用モータ(15)を作動させて吸着剤シート(11)を再生部(8)に巻き取る。そして、吸着剤シート(11)の発熱体(21)に通電してこれを発熱させ、それによって吸着剤シート(11)の吸着剤層(22)を加熱して臭気成分又は有害成分の脱離させることになる。
【0037】上記吸着剤層(22)は発熱体(21)によって内側から加熱されるから昇温し易く、また、吸着剤シート(11)が巻き取られた状態で加熱されるから熱の逃げが少なく当該加熱の効率が高い。さらに、再生部(8)は壁(14)に囲まれていて、吸着部(6)に対してはスリット(16)を介して開口しているに過ぎないから、再生部(8)からの熱の逃げが少なく、上記吸着剤層(22)の加熱昇温に有利になっている。
【0038】また、上述の如く再生部(8)からの熱の逃げは少ないということは、吸着部(6)の温度が上昇すること、ひいては室温が上昇することを避けることができることを意味する。また、上記発熱体(21)の発熱によって再生部(8)の温度が上昇し、そのことによって触媒層(23)の温度が上昇してその活性が促進され、上記吸着剤層(22)から脱離した臭気成分又は有害成分が触媒層(23)によって分解される。このため、臭気成分又は有害成分が再び室内に洩れることが防止される。
【0039】<実施形態2>本形態については図5に要部のみを示す。すなわち、この形態ではロール(12)の表面に全面にわたって発熱体(21)が設けられている。従って、吸着剤シート(11)には発熱体(21)を設ける必要がなく、通気性を有するシート状基材に吸着剤を担持させたものにすることができる。吸着剤は再生部(8)においてロール(12)によって巻き取られた状態で該ロール(12)の発熱体(21)によって内側から加熱されることになる。
【0040】<実施形態3>本形態については図6に要部のみを示す。すなわち、この形態ではロール(12)の表面に全面にわたって発熱体(21)が設けられ、該発熱体(21)にこれを覆うように触媒が担持されて触媒層(23)が形成されている。従って、この形態の場合も、吸着剤シート(11)には発熱体(21)を設ける必要がなく、通気性を有するシート状基材に吸着剤を担持させたものにすることができる。また、再生部(8)の内壁面に触媒を担持させる必要がない。吸着剤は再生部(8)においてロール(12)によって巻き取られた状態で該ロール(12)の発熱体(21)によって内側から触媒層(23)と共に加熱されることになる。
【0041】<実施形態4>本形態については図7に要部のみを示す。すなわち、この形態では吸着剤シート(11)の吸着剤層(22)の両側に触媒層(23),(23)が形成されている。従って、この形態の場合は、ロール(12)若しくは再生部(8)に発熱体(21)を設けることになる。吸着剤シート(11)を再生する場合には、これを再生部(8)のロール(12)によって巻き取った状態で、ロール(12)又は再生部(8)の発熱体(21)によって触媒層(23)と共に加熱することになる。
【0042】<実施形態5>本形態については図8に要部のみを示す。すなわち、この形態では吸着剤シート(11)に、発熱体(21)、吸着剤層(22)及び触媒層(23),(24)が設けられている。発熱体(21)は吸着剤シート(11)の中心部に配置され、その両側に内側触媒層(23),(23)が形成され、その両外側に吸着剤層(22),(22)が形成され、さらに、その両外側に外側触媒層(24),(24)が形成されており、吸着剤シート(11)全体としては7層構造になっている。
【0043】従って、この形態の場合は、再生部(8)の内壁面に触媒を担持させる必要がない。吸着剤層(22)は再生部(8)においてロール(12)によって巻き取られた状態で吸着剤シート(11)の発熱体(21)によって内側から触媒層(23),(24)と共に加熱されることになる。吸着剤層(22)は、触媒層(23),(24)によって内外から挾まれているから、該吸着剤層(22)から脱離する臭気成分又は有害成分が速やかに分解される。
【0044】<実施形態6>本形態については図9に要部のみを示す。すなわち、この形態では再生部(8)の壁(14)の内壁面に発熱体(21)が設けられている。従って、吸着剤シート(11)には発熱体(21)を設ける必要がなく、通気性を有するシート状基材に吸着剤を担持させたものにすることができる。吸着剤は再生部(8)においてロール(12)によって巻き取られた状態でその内壁面の発熱体(21)によって加熱されることになる。
【0045】<実施形態7>本形態については図10に要部のみを示す。すなわち、この形態では再生部(8)の壁(14)の内壁面に発熱体(21)が設けられ、該発熱体(21)にこれを覆うように触媒が担持されて触媒層(23)が形成されている。従って、この形態の場合も、吸着剤シート(11)には発熱体(21)や触媒を設ける必要がなく、通気性を有するシート状基材に吸着剤を担持させたものにすることができる。吸着剤は再生部(8)においてロール(12)によって巻き取られた状態で該再生部(8)の内壁面の発熱体(21)によって触媒層(23)と共に加熱されることになる。
【0046】<実施形態8>本形態については図11に要部のみを示す。すなわち、この形態では吸着部(6)を挾んでその両側に上記吸着剤シート(11)を巻き取るためのロール(12),(12)が設けられていて、その各々に巻取用モータ(図示省略)が設けられている。そして、上記吸着剤シート(11)は、その両端部が上記両側のロール(12),(12)に支持されて、一方のロール(12)から繰り出されて上記吸着部(6)を展開した状態で横切り他方のロール(12)に巻き取りによって収斂され、逆に、他方のロール(12)から繰り出されて上記吸着部(6)を展開した状態で横切り一方のロール(12)に巻き取りによって収斂されるようになっている。また、一方のロール(12)が壁(14)によって囲まれて、そこが再生部(8)に形成されている。
【0047】従って、この形態においては、再生部(8)のロール(12)から再生済の吸着剤を担持した吸着剤シート(11)を吸着部(6)に繰出し、該吸着剤シート(11)が飽和した場合には、これを他方のロール(12)に送って新たな再生済の吸着剤シート(11)を吸着部(6)に繰り出すことができる。よって、このように再生済の吸着剤シート(11)を順次繰り出して空気中の臭気成分又は有害成分の除去を長時間にわたって継続する場合に有利になる。
【0048】再生済の吸着剤シート(11)を再生部(8)のロール(12)から他方のロール(12)に一旦送り、該他方のロール(12)から吸着部(6)に再生済吸着剤シート(11)を順次繰り出して、使用済吸着剤シート(11)を再生部(8)のロール(12)に送るようにし、吸着部(6)で空気中の臭気成分又は有害成分を吸着させながら、再生部(8)で使用済み吸着剤の再生を行なうことができる。
【0049】<実施形態9>本形態については図12に要部のみを示す。すなわち、この形態では上記両側のロール(12),(12)の各々にこれを囲む壁(14)が設けられて、そこが再生部(8),(8)に形成されている。
【0050】従って、一方の再生部(8)で再生した吸着剤シート(11)を吸着部(6)に繰出して、飽和した吸着剤シート(11)を他方の再生部(8)に再生のために送り、吸着部(6)に存する吸着剤シート(11)が飽和した場合には、今度は吸着剤シート(11)の移動方向を逆にして、この飽和した吸着剤シート(11)を一方の再生部(8)に再生のために送り、他方の再生部(8)から再生された吸着剤シート(11)を吸着部(6)に繰り出す、というように、吸着剤シート(11)の移動方向を交互に変えることによって、吸着部(6)での臭気成分又は有害成分の吸着を連続的に行なうことが可能になる。
【0051】<実施形態10>本形態については図13乃至図15に示されている。先の各実施形態では吸着剤シート(11)の収斂にロール(12)による巻取方式を採用していたが、この実施形態では吸着剤シート(11)を折り畳み方式によって収斂させるようにした点に特徴がある。
【0052】すなわち、吸着剤シート(11)は、板面を垂直にした複数のプレート(11a)の相隣る側縁同士をヒンジ(11b)によって折り畳み自在に結合して三角波状に連ねたものであり、各プレート(11a)に吸着剤が担持されている。そして、吸着剤シート(11)は、その基端(再生部(8)側)のプレート(11a)が再生部(8)の壁(14)の奥にヒンジ(11c)によって結合され、他のプレート(11a)は各々の上縁の中央が再生部(8)から吸着部(6)の全長にわたって延びるガイド(25)に吊り下げられて、移動自在に設けられている。また、上記ガイド(25)に沿ってラック(26)が進退自在に設けられていて、該ラック(26)の先端が先端のプレート(11a)の中央部上端に結合されているとともに、ラック(26)の基端部にモータ(27)によって回転駆動されるピニオン(28)が噛合している。モータ(27)は再生部(8)の壁(14)の外壁面に支持されている。
【0053】従って、上記モータ(27)を作動させてピニオン(28)を正逆に回転させ、ラック(26)を進退させることによって、吸着剤シート(11)を吸着部(6)に繰り出して展開した状態と、再生部(8)に折り畳んで収斂させた状態とに移動させることができる。このため、本形態によれば、実施形態1と同様の作用効果が得られ、また、実施形態4〜7の各々に倣って吸着剤シート(11)あるいは再生部(8)の壁(14)を構成するによって、それらの実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0054】なお、上記各実施形態は、いずれも室内空気を浄化するための空気清浄機に関するものであるが、エアコンデショナー(例えば、クーラー)に本発明に係る空気浄化用触媒構造体を組み込んで、室内空気の脱臭を行なうことができ、また、化学工場等で発生するガス状の有害物質を吸着・分解することにも本発明は利用することができる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013