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電気集塵エレメント - ダイキン工業株式会社
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発明の名称 電気集塵エレメント
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−151364
公開日 平成10年(1998)6月9日
出願番号 特願平9−44275
出願日 平成9年(1997)2月27日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 弘勝 (外1名)
発明者 河内山 泰彦 / 榎田 達海 / 茂木 完治 / 渋谷 仁司 / 藤本 昭 / 井口 勝己
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】一対の挟持部材(23)を有するイオン化部(20)と、このイオン化部(20)の一対の挟持部材(23)間に取り外し可能に装着される集塵部(30)とを備えた電気集塵エレメント(5) において、集塵部(30)は、電極棒(34,35) を介して互いに固定された一対の平行な長尺の枠体(33)間に、これら枠体(33)と平行な薄板からなる印加極板(32)および集塵極板(31)を交互に積層してなり、両枠体(33)の長手方向の端部同士の間に少なくとも一方の極板の端部が露出している集塵部本体(36)と、この集塵部本体(36)に装着され、上記露出された極板(31)の端部の外方を水抜き可能な状態で覆う覆い部材(42)とを含み、上記枠体(33)の両端部は、一対の挟持部材(23)によりそれぞれ保持されることを特徴とする電気集塵エレメント。
【請求項2】請求項1記載の電気集塵エレメントにおいて、上記覆い部材は、格子状の第1の覆い部材(42)を含むことを特徴とする電気集塵エレメント。
【請求項3】請求項1又は2記載の電気集塵エレメントにおいて、上記覆い部材は、上記露出された極板(31)に導通された導電性板からなる第2の覆い部材(70, 77)を含み、上記挟持部材(23)の一方は、上記第2の覆い部材(70, 77)を構成する導電性板に接触するアース用の電極部(50)を含むことを特徴とする電気集塵エレメント。
【請求項4】請求項1記載の電気集塵エレメントにおいて、上記覆い部材は、格子状の第1の覆い部材(42)と、上記露出された極板(31)に導通された導電性板からなる第2の覆い部材(70, 77)とを含み、上記挟持部材(23)の一方は、上記第2の覆い部材(70, 77)を構成する導電性板に接触するアース用の電極部(50)を含み、上記第2の覆い部材(70, 77)は、上記露出された極板(31)の端部と上記第1の覆い部材(42)との間に介在することを特徴とする電気集塵エレメント。
【請求項5】請求項2又は4記載の電気集塵エレメントにおいて、イオン化部(20)と組み合わされた状態で露出する、集塵部本体(36)の正面には、格子状の保護枠(41)が設けられ、この保護枠(41)と、上記第1の覆い部材(42)は一体に形成されていることを特徴とする電気集塵エレメント。
【請求項6】請求項5に記載の電気集塵エレメントにおいて、保護枠(41)と上記の格子状の覆い部材(42)とは、合成樹脂にて一体に形成されており、保護枠(41)を正面からみた状態で保護枠(41)および上記第1の覆い部材(42)の各格子が互いに重なり合うことを回避されていることを特徴とする電気集塵エレメント。
【請求項7】請求項3又は4記載の電気集塵エレメントにおいて、上記導電性板は、上記露出された極板(31)を貫通してこれを支持する電極棒(35)に、導電性の固定手段(74)を介して固定された導電性の鋼板(70)を含むことを特徴とする電気集塵エレメント。
【請求項8】請求項7記載の電気集塵エレメントにおいて、上記覆い部材は、上記露出された極板(31)の端部を、上記導電性の鋼板(70)の配置が回避された部位(B) に対応して覆う、水抜き用開口(76)を有する樹脂シート(75)からなる第3の覆い部材を含むことを特徴とする電気集塵エレメント。
【請求項9】請求項3又は4記載の電気集塵エレメントにおいて、上記導電性板は、上記露出された極板(31)の端部に嵌め込み固定され、且つ水抜き用開口(78)を有する導電性の樹脂シート(77)を含むことを特徴とする電気集塵エレメント。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】イオン化部と集塵部とが一体化された電気集塵エレメントに関する。
【0002】
【従来の技術】上述の電気集塵エレメントには、所定の空気流路中の空気中の塵埃を帯電させるイオン化部と、帯電された塵埃を捕集するための電極板を有する集塵部とが備えられて、イオン化部に対して空気流路の下流側に、集塵部が取り外し可能に装着されたものがある。
【0003】このような集塵部には、イオン化部に装着された状態で電極板が露出する部分に、その電極板を覆う格子状のカバーが設けられていた。また、このカバーで覆われていない集塵部の部分、例えば、長手方向の端部は、集塵部がイオン化部に装着された状態で、イオン化部の板状部材によって覆われており、集塵部の長手方向端部には、集塵部単体として電極板を覆う部材が設けられていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このため、集塵部とイオン化部とが分離されている状態では、集塵部の電極板は、イオン化部によって覆われていた長手方向の端部で露出しており、手で触れやすく好ましくない。また、この状態では、集塵部の電極板が、破損し易い。また、電気集塵エレメントをメンテナンスする際に水洗いする場合がある。このとき、集塵部をイオン化部に装着している状態で、丸ごと水洗いする場合には、イオン化部の板状部材によって水抜けが阻害されて、洗浄し難い。また、集塵部をイオン化部と分離しても、上述のように集塵部の電極板が手で触れやすいので、集塵部を扱いにくく、洗浄し難い。
【0005】そこで、本発明の目的は、上述の技術的課題を解決し、洗浄し易く、イオン化部と分離した状態の集塵部の電極板の破損を防止できる電気集塵エレメントを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、1) 請求項1記載の発明の電気集塵エレメントは、一対の挟持部材を有するイオン化部と、このイオン化部の一対の挟持部材間に取り外し可能に装着される集塵部とを備えた電気集塵エレメントにおいて、集塵部は、電極棒を介して互いに固定された一対の平行な長尺の枠体間に、これら枠体と平行な薄板からなる印加極板および集塵極板を交互に積層してなり、両枠体の長手方向の端部同士の間に少なくとも一方の極板の端部が露出している集塵部本体と、この集塵部本体に装着され、上記露出された極板の端部の外方を覆う覆い部材とを含み、上記枠体の両端部は、一対の挟持部材によりそれぞれ保持されることを特徴とする。
【0007】この構成によれば、以下の作用を奏する。すなわち、イオン化部から分離された集塵部の極板端部を、水抜き可能な覆い部材によって覆ってあるので、極板の損傷を防止しつつ洗浄後の水抜きを容易に行うことができる。また、集塵部のメンテナンス時に、覆い部材によって極板の端部に手が触れることを防止できるので、集塵部を取り扱い易く、従って、集塵部をイオン化部から分離して水洗いする等のメンテナンス作業を行い易い。
【0008】ここで、水抜き可能な状態で覆うとは、覆い部材自身に水抜き用開口が形成される場合と、覆い部材が複数設けられて、互いの間に水抜き用開口が区画される場合とを含む趣旨である。
2) 請求項2記載の発明の電気集塵エレメントは、請求項1において、上記覆い部材は、格子状の第1の覆い部材を含むことを特徴とするものである。
【0009】この場合、請求項1記載の発明と同様の作用を奏する。しかも、集塵部をイオン化部から分離して水洗いするときに、格子状の第1の覆い部材の水抜き性が良いので、洗浄後の集塵部の水切りを簡単に行うことができる。
3) 請求項3記載の発明の電気集塵エレメントは、請求項1又は2において、上記覆い部材は、上記露出された極板に導通された導電性板からなる第2の覆い部材を含み、上記挟持部材の一方は、上記第2の覆い部材を構成する導電性板に接触するアース用の電極部を含むことを特徴とするものである。
【0010】この場合、請求項1又は2記載の発明と同様の作用を奏する。しかも、第2の覆い部材を構成する導電性板をアース用の電極部に接触させることにより、上記露出された極板のアースを容易に達成することができる。
4) 請求項4記載の発明の電気集塵エレメントは、請求項1において、上記覆い部材は、格子状の第1の覆い部材と、上記露出された極板に導通された導電性板からなる第2の覆い部材とを含み、上記挟持部材の一方は、上記第2の覆い部材を構成する導電性板に接触するアース用の電極部を含み、上記第2の覆い部材は、上記露出された極板の端部と上記第1の覆い部材との間に介在することを特徴とするものである。
【0011】この場合、請求項2記載の発明および請求項3記載の発明と同様の作用を奏する。しかも、第2の覆い部材を第1の覆い部材と上記露出された極板の端部との間に介在させてあるので、第2の覆い部材を容易に支持することができる。
5) 請求項5記載の発明の電気集塵エレメントは、請求項2又は4において、イオン化部と組み合わされた状態で露出する、集塵部本体の正面には、格子状の保護枠が設けられ、この保護枠と、上記第1の覆い部材は一体に形成されていることを特徴とする。
【0012】この構成によれば、請求項2又は4記載の発明と同様の作用を奏する。しかも、第1の覆い部材と保護枠との両者を同時に着脱できるので、組み立てやメンテナンスに好ましい。また、両者を別体とする場合に比べて、部品点数を削減でき、組み立てコストと部品コストを削減できる。
6) 請求項6記載の発明の電気集塵エレメントは、請求項5において、保護枠と上記第1の覆い部材とは、合成樹脂にて一体に形成されており、保護枠を正面からみた状態で保護枠および覆い部材の各格子が互いに重なり合うことを回避されていることを特徴とする。
【0013】この構成によれば、請求項5記載の発明と同様の作用を奏する。しかも、樹脂成形された保護枠と第1の覆い部材とは錆びないので、集塵部を保護枠と第1の覆い部材とを取り外さない状態で水洗いできる。また、樹脂成形された保護枠と第1の覆い部材とは金属製のものに比べて軽いので、保護枠と第1の覆い部材とを取り外さない状態でも集塵部を取り扱い易い。従って、集塵部をメンテナンスし易い。また、一体に樹脂成形することによって、一般に製造コストを低減できる。
【0014】また、保護枠および第1の覆い部材の各格子が重なり合うことを回避してあるので、覆い部材が極板の端部を回り込むような形状に形成した場合でも、樹脂成形のための型の構造を簡単にすることができる。
7) 請求項7記載の発明の電気集塵エレメントは、請求項3又は4において、上記導電性板は、上記露出された極板を貫通してこれを支持する電極棒に、導電性の固定手段を介して固定された導電性の鋼板を含むことを特徴とするものである。
【0015】この場合、請求項3又は4記載の発明と同様の作用を奏する。しかも、第2の覆い部材を構成する導電性板を、SUS板等の導電性の鋼板により構成して、これを、極板を貫通支持する電極棒に固定してあるので、固定が確実である。また、上記導電性の鋼板を導電性の固定手段を介して電極棒に固定するので、導電性の鋼板と極板との導通が確実に達成される。
8) 請求項8記載の発明の電気集塵エレメントは、請求項7において、上記覆い部材は、上記露出された極板の端部を、上記導電性の鋼板の配置が回避された部位に対応して覆う、水抜き用開口を有する樹脂シートからなる第3の覆い部材を含むことを特徴とするものである。
【0016】この場合、請求項7記載の発明と同様の作用を奏する。しかも、極板端部の破損防止とアース機能を果たすための導電性の鋼板が配置されていない部位では、水抜き用開口を有する樹脂シートからなる第3の覆い部材によって、極板端部の破損防止が達成される。
9) 請求項9記載の発明の電気集塵エレメントは、請求項3又は4において、上記導電性板は、上記露出された極板の端部に嵌め込み固定され、且つ水抜き用開口を有する導電性の樹脂シートを含むことを特徴とするものである。
【0017】この場合、請求項3又は4記載の発明と同様の作用を奏する。しかも、また、導電性の樹脂シートを、露出された極板の端部に嵌め込んで固定することによって、樹脂シートと極板との導通が確保される。また、別途に固定手段が不要で構造を簡素化できる。さらに、上記の導電性の樹脂シートには、水抜き用開口を設けてあるので、イオン化部から分離して水洗いした後の集塵部の水切りを簡単に行うことができる。
【0018】なお、導電性の樹脂シートであれば、例えば露出された極板の端部の形状に合わせた形状に容易に成形できる。例えば極板の端部の形状がR形状をしている場合に、このR形状の極板端部に弾力的に嵌め込めるようなR形状に成形することが容易である。また、導電性の樹脂シートを構成する樹脂としては、導電性の金属粉やカーボン粒子を含有させたポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂を示すことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる電気集塵エレメントを適用した空気清浄機の分解斜視図である。なお、以下の各図には、左右方向を示す矢印Xと、前後方向を示す矢印Yと、上下方向を示す矢印Zとを図示し、この方向に基づいて以下で説明を行う。
【0020】空気清浄機1では、空気清浄機本体2の最前面に、吸込グリル3を配置しており、この吸込グリル3を通して空気清浄機本体2内へ空気を吸い込むようにしている。空気清浄機本体2は、略箱状に形成されたハウジング2cを有し、その前面2aには、凹部2bが形成されている。この凹部2b内に、比較的大きなごみや塵を除去するためのプレフィルタ4と、汚れの粒子を帯電させて捕獲する電気集塵エレメント5と、空気中の臭い成分を除去するための脱臭フィルタ6とが収容されるようになっている。上述の凹部2bの略中央部には、ハウジング2c内と連通する開口が形成されており、この開口には、室内空気を電気集塵エレメント5に循環させる送風ファン7が取り付けられている。送風ファン7は、ファンモータ7aによって回転駆動され、空気清浄機本体2内に吸込グリル3を通じて室内空気を吸い込む。吸込グリル3から吸い込まれた室内空気は、所定の空気流路に沿って流れる。すなわち、空気は、プレフィルタ4、電気集塵エレメント5、脱臭フィルタ6および送風ファン7を通って浄化された後、ハウジング2c内を通り、空気清浄機本体2の上部に設けられた吹出ルーバ8から吹き出される。
【0021】脱臭フィルタ6は、臭い成分を吸着可能な活性炭やゼオライト等の吸着剤を、例えば、ポリエステル系不織布にコーティングしたものである。図2は、図1の電気集塵エレメント5の分解斜視図である。電気集塵エレメント5は、空気流路中の汚れの粒子を帯電させるために放電を行うイオン化部20と、帯電された粒子を捕集する集塵部30とを備えており、イオン化部20と集塵部30とを一体的なユニットに構成したものである。
【0022】イオン化部20は、通気流方向と直交する方向に延び且つ互いに平行な複数の放電線としてのイオン化線21(一部のみ図示)と、各イオン化線21を挟み一対ずつ組をなして配置された互いに平行な対向極板22とを備えており、コロナ放電により生成するイオンシャワーにより通気流中の塵埃粒子を帯電させる。対向極板22は、板金材の切り起こし加工により形成され、その切り抜き部分が空気流路を形成している。対向極板22の左右端部には、一対の片持ち状の挟持部材23が設けられており、両挟持部材23間に、イオン化線21が左右に延びて張設されている。
【0023】挟持部材23は、その前端部が対向極板22を形成している板金材の左右端部に固定された部材、例えば、樹脂板材である。挟持部材23は、空気流路に臨む部分に挟持部23aを有し、この挟持部23aは、一対の挟持部材23同士で対向するように設けられ、対向する挟持部23a間に集塵部30が取り外し可能に装着されている。また、挟持部材23は、集塵部30を装着した際に後述する締め具60が入る凹部23bを有しており、凹部23bは、挟持部材23の上下端部に、電気集塵エレメント5では計4か所設けられている。
【0024】挟持部23aには、装着された集塵部30の後端の位置に係合凸部23cが形成されている。この係合凸部23cは、左側の挟持部材23Aに設けられ、装着された集塵部30の後面左側部分と係合して、集塵部30が前後に移動することを防止し、集塵部30をがたつきなく装着できる。また、挟持部23aには、前後に延びた凹条(図示せず)が形成されている。凹条は、集塵部30の枠体33の左右端部に形成された凸部(図示せず)と係合し、集塵部30を装着時に案内することができ、また、集塵部30が上下に移動することを防止し、集塵部30をがたつきなく装着できる。
【0025】集塵部30は、集塵極板31および印加極板32を有した集塵部本体36と、集塵部本体36に装着される格子状の保護カバー40とを備えており、イオン化部20に対して空気流路の下流側に配置されている。集塵部本体36は、集塵極板31および印加極板32を交互に複数対対向させている。すなわち、集塵部30の上下端部には、一対の長尺板状の枠体33が互いに平行に設けられ、両枠体33は、電極棒を介して互いに固定されている。電極棒は、両枠体33の間で上下に延び、印加用支柱34および接地用支柱35を含んでいる。接地用支柱35に集塵極板31が、また、印加用支柱34に印加極板32が、所定の間隔で配置され、両極板は、枠体33に平行に交互に積層されている。
【0026】集塵極板31は、ステンレスの長尺の薄板によって形成されている。集塵極板31は、集塵部30がイオン化部20に装着された状態で、集塵部30の長手方向の一方の端部となる右側の端部で、枠体33の間で外方に臨んでいる。この状態で、集塵極板31は、保護カバー40の格子の隙間を通じて、挟持部材23に設けられた後述するアース用の電極部50と接触することによって、電気的に接続され、接地される。
【0027】印加極板32は、表面を樹脂被覆されたステンレスの長尺の薄板によって形成されている。印加極板32は、上述の集塵極板31と同様にして、集塵部30の左側の端部で、印加用の電極部50と電気的に接続され、所定の電圧が印加される。また、集塵部本体36単体では、つまり、保護カバー40が装着されていない状態では、枠体33の長手方向の端部同士の間に極板が露出している。なお、この極板の露出は、イオン化部20に装着された状態では、挟持部材23によって回避される。
【0028】保護カバー40は、集塵極板31および印加極板32を保護するために、空気流路の下流側の、集塵部本体36の後面(ここは、イオン化部20に装着された状態で露出している。)に、着脱自在に取り付けられている。保護カバー40は、両極板の後方および右側方を覆うように平面視で略J字状に形成されている。すなわち、保護カバー40は、集塵部30の後面の保護枠としての略平面状の主体部41と、主体部41の右端部に接続されて極板の右端部を覆う第1の覆い部材としての湾曲状の側部42とを備え、主体部41の上下端部には、枠体33に形成された凹部33nに着脱自在に嵌め込むための複数個の引っ掛け爪部43が設けられている。
【0029】また、保護カバー40は、合成樹脂材で格子状に形成されている。それゆえ、格子の隙間(水抜き用開口)によって水抜け性がよく、集塵部本体36に保護カバー40を装着したままでも、集塵部30を水洗いし易い。主体部41は、縦横に交差する格子状に形成されている。それゆえ、主体部41は、集塵部本体36の後面に配置され、極板の長手側面を形成する端部を保護するとともに、空気流路を流れる空気の流れを維持できる。
【0030】図3は、図1の電気集塵エレメント5の一部断面平面図であり、側部42の周辺部を示している。図2および図3を参照する。側部42は、集塵部本体36の右端部に配置され、集塵極板31の長手方向右端部に沿うような、略半円状の湾曲形状に形成されている。それゆえ、側部42は、極板の端部を回り込むようにして、極板の端部近傍の前後を保護できる。また、側部42の外形は、なめらかであるので、集塵部30の長手方向の右端部を掴む際に、外形に突起部がある場合に比べて持ちやすく、集塵部30のメンテナンスに好ましい。
【0031】また、側部42の格子形状は、以下のように形成されている。すなわち、側部42の後部分に設けられた前後に延びる格子42aと、格子42aを互いに接続して側部42の最も右方にある部分に設けられた上下に延びる格子42bと、格子42bから前方に延びて側部42の前部分に設けられた格子42cとで構成されている。格子42aは、主体部41の格子と上下方向(矢印Z方向)に同じ位置に形成されている。格子42cは、格子42aが設けられている上下方向(矢印Z方向)の位置と異なる位置に設けられており、正面視(図2において反矢印Y方向に沿って見た場合)で、格子42aと互いに重なり合わないように配置されている。それゆえ、保護カバー40を一体成形する際の金型の構造を簡単化することができる。例えば、保護カバー40を、主体部40の板面と直交する方向を型抜き方向として成形し易い。なお、上述の金型の構造の簡単化は、主体部41を正面からみた状態で、側部42の格子や、主体部41の格子が互いに重なりを回避していればよい。
【0032】また、電気集塵エレメント5には、集塵部30との電気的接続を行うための上述のアース用又は印加用の電極部50と、装着した集塵部30をイオン化部20に固定するための締め具60とが設けられている。電極部50は、屈曲金具51の一部分として形成され、挟持部23aに配置された部分である。屈曲金具51は、板金材を折り曲げて形成された部材であり、挟持部材23を貫いて嵌め込まれて固定されている。屈曲金具51の一部が、挟持部材23の挟持部23a側に突出して配置されており、この突出した部分が電極部50とされている。電極部50は、装着された集塵部30の極板の端部に、自身の弾性によって確実に当接して、導通を確保できる。また、屈曲金具51には、挟持部材23の凹部23b内に設けられ、後述する締め具60と係合する係合舌片52も一体に形成されている。
【0033】締め具60は、集塵部30の枠体33の上面の左右端部に一対で、また、下面の左右端部に一対で、計4か所に設けられている。各締め具60は、枠体33とそれに隣接する挟持部材23とに跨がって、両者を接続できるように設けられており、係合舌片52と引っ掛け係合して、集塵部30とイオン化部20とを簡単に固定することができる。
【0034】次に、電気集塵エレメント5の組み立て、分解について説明する。図2に示すように、まず、集塵部本体36に保護カバー40を装着する。このとき、引っ掛け爪部43を凹部33nに嵌め込めばよく、工具無しで作業でき、ねじ固定する場合に比べて簡単に装着できる。次に、集塵部30が、イオン化部20に取り付けられる。先ず、左側の挟持部材23Aに集塵部30の左側端部を右側から差し込みつつ嵌め込む。このとき、集塵部30の右側端部は、保護カバー40で覆われており、集塵部30の右側端部を掴みやすく、扱いやすい。次に、集塵部30の左側端部を回動中心としながら、集塵部30を回動させて、集塵部30の右側端部を右側の挟持部材23Bに後方から嵌め込む。このとき、保護カバー40の側部42は湾曲状であることによって、保護カバー40が挟持部材23の挟持部23aに引っ掛かり難く、スムーズに嵌め込むことができる。そして、4個の締め具60を係合舌片52に引っ掛けて集塵部30を固定する。
【0035】また、分解は逆の手順で行うことができる。分解時に、集塵部をイオン化部20から取り出す際に、保護カバー40で覆われた集塵部30の右側端部を掴みやすく、作業し易い。このように、集塵部30をイオン化部20から容易に着脱できるので、集塵部30とイオン化部20とを別々に洗浄、例えば、水洗いしやすい。このとき、集塵部30を、保護カバー40が装着された状態で洗浄できる。集塵部30には、保護カバー40が装着されているので、極板に触れないようするための配慮を軽減でき、集塵部30を扱いやすい。従って、メンテナンスし易い。
【0036】このように本実施の形態によれば、イオン化部20から分離された集塵部30の極板端部は、保護カバー40によって覆われているので、極板の損傷を防止することができる。また、極板の端部に手が触れることを防止できるので、集塵部30のメンテナンス時に、集塵部30を取り扱い易く、従って、集塵部30をイオン化部20から分離して水洗いし易い。この水洗い時に、格子状の保護カバー40は水抜き性が良く、洗浄後の集塵部30の水切りを簡単に行うことができる。
【0037】また、保護カバー40は、イオン化部20に装着された状態でも露出する部分を覆う主体部41と、イオン化部20に装着された状態では露出しない部分を覆う側部42とを一体に形成していることによって、主体部41と側部42との両者を同時に集塵部本体36に着脱できるので、組み立てやメンテナンスに好ましい。また、両者を別体とする場合に比べて、部品点数を削減でき、組み立てコストと部品コストを削減できる。
【0038】また、樹脂成形された保護カバー40は錆びないので、集塵部30を保護カバー40を取り外さない状態で水洗いできる。また、樹脂成形された保護カバー40は金属製のものに比べて軽いので、保護カバー40を取り外さない状態でも集塵部30を取り扱い易い。従って、集塵部30をメンテナンスし易い。また、一体に樹脂成形することによって、一般に製造コストを低減できる。
【0039】また、主体部41の格子や、側部42の格子42が重なり合うことを回避してあるので、保護カバー40の側部42が極板を回り込むような形状に形成した場合でも、樹脂成形のための型の構造を簡単にすることができる。また、従って、保護カバー40の製造コストを安価にできる。また、挟持部材23と集塵部30とが締め具60により引っ掛け係合することによって簡単に着脱されるので、従来採用されていたねじ締結に比べて簡単にイオン化部20と集塵部30とを着脱することができる。従って、イオン化部20と集塵部30とを分離して別々に洗浄し易く、汚れの程度に応じて両者をメンテナンスすることができる。特に、イオン化部20と比較してメンテナンス頻度が、例えば、5〜6倍と高い集塵部30のみを取り外して洗浄することができる。
【0040】また、挟持部材23は、イオン化部20の端部に設けられていることによって、集塵部30をイオン化部20よりも小型化でき、一般に洗浄頻度の高い集塵部30を取り扱い易くできる。また、イオン化部20と集塵部30との両者を空気清浄機本体2から一体に取り外すことができるので、電気集塵エレメント5をまるごと洗浄し易い。従って、両者をともに洗う際には、両者を別々に洗うこととなるイオン化部と集塵部とが別々の場合に比べて、簡単に洗浄することができ、より一層メンテナンスし易い。
【0041】次いで、図4〜図6を参照して、本発明の他の実施形態について説明する。これらの図を参照して、本実施形態が図1〜図3の実施形態と主に異なるのは、第1の覆い部材を構成する保護カバー40の側部42と、集塵極板31の端部との間に、第2の覆い部材としての導電性の鋼板70を介在させ、この導電性の鋼板70を介して集塵極板31をアース用の電極部50に接地させるようにした点である。
【0042】この導電性の鋼板70としては、例えばSUS板を例示することができる。図4および図5を参照して、この導電性の鋼板70は、半筒状の主体部71と、この主体部71の一端に延設された取付部72とを備えている。この取付部72を集塵部30の枠体33の端縁に沿わせた状態で、取付部72のねじ挿通孔73を挿通させた導電性の取付ねじ74を、枠体33を貫通させて電極棒35にねじ込み固定することにより、上記の導電性の鋼板70を、枠体33および電極棒35に固定するようにしている。これにより、集塵極板31は、電極棒35、導電性の取付ねじ74、第2の覆い部材としての導電性の鋼板70、およびアース用の電極部50を通して、アースされるようになっている(図5および図6を参照)。
【0043】図4を参照して、第1の覆い部材としての保護カバー40の側部42は、格子が設けられている部分Aと、格子が設けられていない部分Bとを含んでいる。この格子が設けられてない部分Bは、一対の枠体33の近傍部分である。このように格子が設けられていない部分Bがあるのは、集塵極板31の端部をアース用の電極部50に接触させるために格子42a,42b,42cが邪魔にならないようにするためである。しかしながら、このように格子が設けられていない部分Bにおいて、集塵極板31の端部の露出度が高くなる結果、メンテナンス時に極板端部が損傷を受けるおそれがある。
【0044】これに対して、本実施形態では、導電性の鋼板70を、上記の格子が設けられていない部分Bに主に対応して配置したので、上記部分Bでの極板損傷を確実に防止することができる。しかも、図6に示すように導電性の鋼板70がアース用の電極部50に対して面対向することから、両者間の接触を確実にすることができ、その結果、従来の集塵極板31の端縁でアース用の電極部50と接触させる場合と比較して、集塵極板31のアースをより確実に達成できる。
【0045】また、導電性の鋼板70の一部を、保護カバー40の側部42と集塵極板31の端部との間に介在させてあるので、両者の間で導電性の鋼板70を確実に保持しておくことができる。図7および図8は、図4〜図6の実施形態の変更形態を示している。すなわち本実施形態では、図4における格子が設けられている部分Aに主に対応して(すなわち導電性の鋼板70の配置が回避されている部分に主に対応して)、図7に示すような第3の覆い部材としての樹脂シート75を、図8に示すように配置したものである。
【0046】図7に示すように、樹脂シート75は、矩形状平板からなり、水抜き用開口76を多数形成している。この樹脂シート75は柔軟性に富んでいるので、図8に示すように容易にR状に屈曲させて、保護カバー40の側部2の格子と、集塵極板31の端部との間に挿入して配置することができる。この樹脂シート75を構成する樹脂としては、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂を例示することができる。
【0047】本実施形態では、格子間の隙間を通して指等が極板端部に触れることを樹脂シート75によって確実に防止することができ、しかも、水抜き用開口76によって洗浄後の水抜き性を良好にすることができる。次いで、図9および図10はさらに他の実施形態を示している。本実施形態では、図4や図8の実施形態における導電性の鋼板70や樹脂シート75を廃止し、格子が設けられている部分Aおよび格子が設けられていない部分Bの全域に対応して、第2の覆い部材としての導電性の樹脂シート77を配置した。この導電性の樹脂シートは、予め集塵極板31の端部形状、例えばR形状に対応した湾曲状に成形されており(図9参照)、集塵極板31の端縁に沿うように弾力的にはめ込まれて固定されている。導電性の樹脂シート77は集塵極板31の端縁に密着すると共に、アース用の電極部50によって面接触されている。したがって、この導電性の樹脂シート77およびアース用の電極部50を介して、集塵極板31のアースが達成されている。
【0048】本実施形態においても、指等が極板端部に触れることを樹脂シート75によって確実に防止することができて、極板損傷を確実に防止でき、しかも、導電性の樹脂シート77に形成した水抜き用開口78によって、洗浄後の水抜き性を良好にすることができる。なお、上述の各実施の形態では、空気清浄機について説明したが、これに限定するものではない。例えば、塵埃除去機能を有するエアコン等に組み込まれて構成されてもよい。
【0049】また、上述の実施の形態では、保護カバー40は、その側部42で、集塵極板31の右側端部を覆っていたが、これには限定されない。例えば、保護カバー40は、印加極板32の左側端部を覆ってもよい。また、保護カバー40は、集塵極板31と印加極板32との両者を覆ってもよいし、極板の右側端部と左側端部の両方を覆ってもよい。要は、両枠体33の長手方向の端部同士の間に露出している、少なくとも一方の極板の端部を覆っていればよい。
【0050】その他、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【0051】
【発明の効果】請求項1記載の発明では、イオン化部から分離された集塵部の極板端部の損傷を覆い部材によって防止することができる。また、集塵部のメンテナンス時に極板の端部に手が触れることを防止できるので、集塵部を取り扱い易く、従って、集塵部をイオン化部から分離して水洗いする等のメンテナンス作業を行い易い。
【0052】請求項2記載の発明では、格子状の第1の覆い部材を用いたので、イオン化部から分離して洗浄した後の集塵部の水切りを簡単に行うことができる。請求項3記載の発明では、請求項1又は2記載の発明と同様の効果を奏する。しかも、第2の覆い部材を構成する導電性板をアース用の電極部に接触させることにより、上記露出された極板のアースを容易に達成することができる。
【0053】請求項4記載の発明では、請求項2記載の発明および請求項3記載の発明と同様の効果を奏する。しかも、第2の覆い部材を第1の覆い部材と上記露出された極板の端部との間に介在させてあるので、第2の覆い部材を容易に支持することができる。請求項5記載の発明では、請求項2又は4記載の発明と同様の効果を奏する。しかも、第1の覆い部材と保護枠との両者を同時に着脱できるので、組み立てやメンテナンスに好ましい。また、両者を別体とする場合に比べて、部品点数を削減でき、組み立てコストと部品コストを削減できる。
【0054】請求項6記載の発明によれば、請求項5記載の発明の効果に加えて、以下の効果を奏する。すなわち、集塵部を、一体に樹脂成形することで錆びない保護枠と第1の覆い部材とを取り外さない状態で水洗いできる。また、樹脂成形された保護枠と第1の覆い部材とは金属製のものに比べて軽いので、これを取り付けた状態でも集塵部を取り扱い易く、集塵部をメンテナンスし易い。また、一体に樹脂成形することによって、一般に製造コストを低減できる。また、格子同士の重なり合いを回避してあるので、第1の覆い部材が極板の端部を回り込むようにした場合でも、保護枠および第1の覆い部材を簡単な構造の型で成形でき、ひいては製造コストを安価にできる。
【0055】請求項7記載の発明では、請求項3又は4記載の発明と同様の効果を奏する。しかも、第2の覆い部材を構成する導電性板を、SUS板等の導電性の鋼板により構成して、これを、極板を貫通支持する電極棒に固定してあるので、固定が確実である。また、上記導電性の鋼板を導電性の固定手段を介して電極棒に固定するので、導電性の鋼板と極板との導通が確実に達成される。
【0056】請求項8記載の発明では、請求項7記載の発明と同様の効果を奏する。しかも、極板端部の破損防止とアース機能を果たすための導電性の鋼板が配置されていない部位では、水抜き用開口を有する樹脂シートからなる第3の覆い部材によって、極板端部の破損防止が達成される。請求項9記載の発明では、請求項3又は4記載の発明と同様の効果を奏する。しかも、導電性の樹脂シートを、露出された極板の端部に嵌め込んで固定することによって、樹脂シートと極板との導通が確保される。また、別途に固定手段が不要で構造を簡素化できる。さらに、上記の導電性の樹脂シートには、水抜き用開口を設けてあるので、イオン化部から分離して水洗いした後の集塵部の水切りを簡単に行うことができる。また、樹脂シートであれば、露出された極板の端部の形状に合わせた形状に容易に成形して、極板端部に弾力的に嵌め込むことが可能である。




 

 


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