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発明の名称 切削インサート
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−328911
公開日 平成10年(1998)12月15日
出願番号 特願平9−140620
出願日 平成9年(1997)5月29日
代理人
発明者 石田 琢也
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】すくい面と逃げ面の間の稜辺に切刃を形成し且つノーズ部のブレーカー溝内の中央部位にブレーカー突起を形成してなる切削インサートにおいて、上記ノーズ部の切刃先端と上記ブレーカ溝との段差Eを0.03〜0.08mm、上記切刃先端から上記ブレーカー突起の立ち上がり起点までの距離Fを0.6〜1.0mm、上記切刃先端から上記ブレーカ溝にかけてのすくい角αを4°〜10°、上記切刃先端からの切刃の下り角度βを4〜8°としたことを特徴とする切削インサート。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱間圧延軟鉄や冷間圧延板等、切削加工を行うと切屑が切断されずに連続しやすい材料に用いられる金属加工用の切削インサートに関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来より、延性の大きい上記のような材料を切削加工により切断するには多角形板状体のノーズの先端近傍にブレーカ溝と該ブレーカ溝に連続するブレーカ突起を形成したものが用いられてきた。
【0003】このような切削インサートいおいて、ノーズの形状は、ノーズ先端から上記ブレーカ突起の立ち上がりまでの距離、すなわちブレーカ溝の幅が非常に小さく、且つ幅が小さいわりに深く、また、切刃に連続するブレーカ溝内のすくい面のすくい角が比較的大きく、これに対して、ブレーカ突起の立ち上がり角度は小さく緩やかになっていた。なお、このようなれる切削インサートのノーズ部切刃は通常ほぼ水平に形成されていた。
【0004】代表的には、ノーズ先端から上記ブレーカ突起の立ち上がりまでの距離が約0.4mm、ブレーカ溝の深さが0.1mm、ブレーカ溝内のすくい面のすくい角が15°程度のものが使用されてきた。
【0005】しかしながら、上記従来の切削インサートでは、切屑がブレーカ突起で曲げられることなく、延びたまま排出されることを完全に解決するには到らず、特に、シャフトの段部を加工する際に、この切屑の延びが大いに問題であった。
【0006】これは、段部の隅部にR面が残っていて、水平方向から垂直方向に或いはその反対方向に加工方向を変化させるとき、一時的に切り込み量が増大する。このため、切屑処理能力を越えて切削加工を行うという結果になるためであった。
【0007】此のように切屑が延出してしまうと、工作機械の回転センターに絡みつき作業を中断させたり、或いは、刃先に絡みついて切刃欠損の原因になるなど、重大なる問題を引き起こしていた。
【0008】
【発明の目的】上記従来技術の課題に鑑み、熱間圧延軟鉄や冷間圧延板等、切削加工を行うと切屑が切断されずに連続しやすい材料でも、切刃を螺旋状に確実にカールさせ安定的に排出することができる切削インサートを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記従来技術の課題を解決するため本発明の切削インサートは、ブレーカー溝の中央部位にブレーカ突起が形成されたノーズ部の先端部位において、ブレーカー溝を浅く且つ幅広で、切刃からのすくい角の小さなものとし、さらに、切刃がノーズ部の切刃先端から両側に一定角度で下るようになした。すなわち、上記ノーズ部の切刃先端と上記ブレーカ溝との段差Eを0.03〜0.08mm、上記切刃先端から上記ブレーカー突起の立ち上がり起点までの距離Fを0.6〜1.0mm、上記切刃先端から上記ブレーカ溝にかけてのすくい角αを4°〜10°、上記切刃先端からの切刃の下り角度βを4〜8°とする。
【0010】
【作用】本発明の切削インサートは、上記の如く、ブレーカー溝の中央部位にブレーカ突起が形成されたノーズ部の先端部位において、ブレーカー溝を浅く且つ幅狭で、切刃からのすくい角の小さなものとし、さらに、切刃がノーズ部の切刃先端から両側に一定角度で下るようになしたものであり、切刃からの切屑は浅いブレーカー溝の溝底に確実に当たり、滑るようにバウンドしてからブレーカー突起に当たり、ブレーカー溝が幅狭なので減速されることなく小さな曲率半径で螺旋状にカールする。この時、上述の如く切刃がノーズ部の切刃先端から両側に一定角度で下るようになっていることにより、引きの加工でも、押しの加工でも、切屑がブレーカー突起に向かってスムーズに流れるので、切屑が切断され易く、かつ切削抵抗も増大しない。また、ブレーカー溝のすくい角が小さいので刃先強度も大きい。したがって、本発明の切削インサートは、引きの加工においても押しの加工においても、切屑がブレーカー突起に確実に当たり、カールして安定的に排出され、さらに、段部の隅部位を加工する際など急激に切り込み量が変化する場合などでも、良好に切屑を処理する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。図1乃至図4に本実施形態の切削インサート10を示し、この切削インサート10の全体形状はノーズ部4の刃先角度が比較的大きめの菱形形状をなし、すくい面1と逃げ面2の間の稜辺に切刃3が形成されている。
【0012】また、上記ノーズ部4には、切刃先端5に連続してブレーカ溝6そして該ブレーカ溝6の中央部位には座り面7に連続するブレーカー突起8が形成されている。
【0013】図3の断面図に示すように、上記切削インサート10はノーズ部4の先端部位において、上記ノーズ部4の切刃先端5と上記ブレーカ溝6との段差Eが0.03〜0.08mm、上記切刃先端5から上記ブレーカー突起8の立ち上がり起点11までの距離Fが0.6〜1.0mm、上記切刃先端5から上記ブレーカ溝6にかけてのすくい角αが4°〜10°となっている。すなわち、ブレーカー溝6を浅く且つ幅広で、切刃3からのすくい角α°の小さなものとし、切刃3からの切屑が浅いブレーカー溝6の溝底に確実に当たり、滑るようにバウンドしてからブレーカー突起8に当たり、ブレーカー溝6が幅狭なので減速されることなく小さな曲率半径で螺旋状にカールする。
【0014】さらに、図4の部分拡大図に示すように、切刃3がノーズ部4の切刃先端から両側に一定角度、すなわち、下り角度β°=4〜8°で下るようになしたものであり、切刃3がノーズ部4の切刃先端5から両側に一定角度で下るようになっていることにより、引きの加工でも、押しの加工でも、切屑がブレーカー突起8に向かってスムーズに流れるので、切屑が切断され易く、かつ切削抵抗も増大しない。また、ブレーカー溝6のすくい角α°が小さいので刃先強度も大きい。したがって、上記切削インサート10は、引きの加工においても押しの加工においても、切屑がブレーカー突起8に確実に当たり、カールして安定的に排出され、さらに、段部の隅部位を加工する際など急激に切り込み量が変化する場合などでも、良好に切屑を処理する。
【0015】なお、前記段差Eが0.03mm未満の場合、切削抵抗が大きくなり、切刃先端5が酸化摩耗しやすくなる恐れがあり、他方、0.08mm超過の場合、切屑が長く伸びてしまう恐れがある。
【0016】また、前記距離Fが0.6mm未満の場合、切削抵抗が大きくなり、切刃先端5が酸化摩耗しやすくなる恐れがある。他方、1.0mm超過の場合、切屑が長く伸びてしまう恐れがある。
【0017】また、前記すくい角α°が4°未満の場合、切削抵抗が大きくなり、切刃先端5が酸化摩耗しやすくなる恐れがある。他方、10°超過の場合、切屑が長く伸びてしまう恐れがある。
【0018】また、前記下り角度β°が4°未満の場合、切屑の排出方向が不安定で切屑が絡みやすくなる傾向がある。他方、8°超過の場合、切屑が長く伸びてしまう恐れがある。
【0019】上記切削インサート10は、このような構造に加え、引きの加工においても押しの加工においても、切屑がブレーカー突起8に確実に当たるようにする作用を補強するために、図1に示すように切刃3からブレーカー突起8にかけて平面視で湾曲状に連なる複数の巾細堤9を設けてあり、引きの加工の場合には、ノーズ部4の切刃先端5に向かおうとする切屑を湾曲状の巾細堤9で無理なくブレーカー突起8に誘導し、他方、押しの加工の場合には、巾細堤9がノーズ部4の切刃先端5から離れる方向に向かおうとする切屑をカールさせる応力を付勢するための補助突起の役割を果たし、ブレーカー突起8と協働して切屑を安定的に排出する。なお、この巾細堤9の巾としては、1mm〜3mm、また巾細堤9の湾曲形状につき曲率半径はR=0.7mm〜3.5mmの範囲にあることが好ましい。
【0020】また、シャフトの段部隅部位を加工する際など急激に切り込み量が増大する場合でも、上記巾細堤9が一つの切刃3の側に複数並んでいるのでノーズ部4の切刃先端5から離れた位置にも存在し、切屑全体が良好にカールされ、安定的に排出される。
【0021】なお、上記巾細堤9の巾が1mm未満の場合、巾細堤9とその隣接する部位の強度が著しく低下してしまう恐れがあり、他方、3mmより大きい場合、巾細堤9と巾細堤9の間に切屑の一部が沈み込み難くむしろ全体的に巾細堤9の上に切屑が乗り上げてしまうので、前記引きの加工の際の切屑誘導作用、押しの加工の場合の補助突起作用ともに不十分となる恐れがある。
【0022】また、上記巾細堤9の湾曲形状につき曲率半径Rが0.7mm未満の場合、湾曲カーブがきつ過ぎて切削抵抗が増大する恐れがあり、他方、曲率半径Rが3.5mmより大きい場合には、湾曲カーブが緩すぎて前記引きの加工の際の切屑誘導作用が不十分となる恐れがある。
【0023】本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、発明の目的を逸脱しない限り任意の形態とすることができる。
【0024】
【実施例】
実施例1上記図1乃至図4に示す切削インサート10において、前記距離Fをそれぞれ表1のように違えた試料をそれぞれ作製し、以下の切削条件で加工試験を行い、その結果を肉眼で評価した。その結果を表1に示す。なお、前記巾細堤9の巾は2mmとし、またその湾曲形状につき曲率半径Rを3mmとした。
【0025】
【表1】

【0026】切削条件V=400m/mind=1〜4mm(可変)
f=0.7mm/rev被削材:SPHE(JIS)
工具形状:TNMG160404切削液:無表1から明らかなように、前記距離Fが0.6〜1.0の場合には、切屑が細かく分断され良好な加工状態であった。これに対して、距離Fが0.6mm未満の場合、切削抵抗が大きくなり、切刃先端5が酸化摩耗した。また、1.0mm超過の場合、切屑が長く伸びて絡まってしまった。以上の結果から、前記距離Fとしては0.6〜1.0mmであることが好ましいことが判った。
【0027】実施例2上記切削インサート10において、前記段差Eをそれぞれ表2のように違えた試料をそれぞれ作製し、以下の切削条件で加工試験を行い、その結果を肉眼で評価した。その結果を表2に示す。
【0028】
【表2】

【0029】表2から明らかなように、前記段差Eが0.03〜0.08の場合には、切屑が細かく分断され良好な加工状態であった。これに対して、段差Eが0.03がmm未満の場合、切削抵抗が大きくなり、切刃先端5が酸化摩耗した。また、0.08mm超過の場合、切屑が長く伸びて絡まってしまった。以上の結果から、前記段差Eとしては0.03〜0.08mmであることが好ましいことが判った。
【0030】実施例3上記切削インサート10において、前記すくい角α°をそれぞれ表3のように違えた試料をそれぞれ作製し、以下の切削条件で加工試験を行い、その結果を肉眼で評価した。その結果を表3に示す。
【0031】
【表3】

【0032】表3から明らかなように、前記すくい角が4°〜10°の場合には、切屑が細かく分断され良好な加工状態であった。これに対して、すくい角が4°未満の場合、切削抵抗が大きくなり、切刃先端5が酸化摩耗した。また、10°超過の場合、切屑が長く伸びて絡まってしまった。以上の結果から、以上の結果から、前記すくい角α°としては4°〜10°であることが好ましいことが判った。
【0033】実施例4上記切削インサート10において、切刃3の前記下り角度β°をそれぞれ表4のように違えた試料をそれぞれ作製し、以下の切削条件で加工試験を行い、その結果を肉眼で評価した。その結果を表4に示す。
【0034】
【表4】

【0035】表3から明らかなように、前記下り角度が4°〜8°の場合には、切屑が細かく分断され良好な加工状態であった。これに対して、すくい角が4°未満の場合、排出方向が不安定となり切屑が絡みついてしまった。また、8°超過の場合、切屑が長く伸びて絡まってしまった。以上の結果から、以上の結果から、前記下り角度β°としては4°〜8°であることが好ましいことが判った。
【0036】
【発明の効果】叙上のように、本発明の切削インサートによれば、切刃からの切屑は浅いブレーカー溝の溝底に確実に当たり、滑るようにバウンドしてからブレーカー突起に当たり、ブレーカー溝が幅狭なので減速されることなく小さな曲率半径で螺旋状にカールする。この時、上述の如く切刃がノーズ部の切刃先端から両側に一定角度で下るようになっていることにより、引きの加工でも、押しの加工でも、切屑がブレーカー突起に向かってスムーズに流れるので、切屑が切断され易く、かつ切削抵抗も増大しない。また、ブレーカー溝のすくい角が小さいので刃先強度も大きい。したがって、本発明の切削インサートは、熱間圧延軟鉄や冷間圧延板等、切削加工であっても、切屑がブレーカー突起に確実に当たり、カールして安定的に排出され、さらに、段部の隅部位を加工する際など急激に切り込み量が変化する場合などでも、良好に切屑を処理するという優れた効果を奏するものである。




 

 


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