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発明の名称 挟持具
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−235566
公開日 平成10年(1998)9月8日
出願番号 特願平9−40858
出願日 平成9年(1997)2月25日
代理人
発明者 浜島 浩 / 石井 和夫
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】被挟持物体と接する先端部材を体積固有抵抗103 〜109 Ω・cmのセラミックスで形成するとともに、この先端部材を支持し、かつ把持操作する支持部材が1011〜1016Ω・cmの体積固有抵抗をもった材質で構成されてなる挟持具。
【請求項2】上記先端部材が、遊離炭素の含有量0.5重量%以下であり、曲げ強度300MPa以上のセラミックスよりなることを特徴とする請求項1記載の挟持具。
【請求項3】上記先端部材が、酸化鉄系セラミックス、Al2 3 −TiC系セラミックス、導電性ジルコニアセラミックスのいずれかよりなることを特徴とする請求項1記載の挟持具。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、例えば、半導体装置等の部品を取り扱う際に使用するセラミック材で構成したピンセットの如き狭持具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、半導体装置等の部品を取り扱う挟持具は、金属製例えばステンレス鋼や、合成樹脂製例えば塩化ビニールで一体的に形成された物であった。しかし、金属製の挟持具は導電性を有する為に導通短絡による取り扱い事故不良や金属打痕による異物混入不良等の問題があり、合成樹脂製の挟持具では、耐熱性、耐食性等が低く、静電気を逃がしにくいという問題があった。
【0003】これらに対し、耐熱性、耐食性、絶縁性等を高めるために、本件出願人は、ジルコニア等のセラミックスを用いた挟持具を提案し(特公平4−45300号公報)、近年、広く使用されつつある。
【0004】ところで、このようなセラミックス製の挟持具では、体積固有抵抗が高いために導通短絡を防止できる反面、発生した静電気を逃がしにくいという課題がある。
【0005】そこで、本件出願人は、静電気が容易に除去されるように、体積固有抵抗が102 〜106 Ω・cmと低いセラミックスで挟持部を形成した挟持具を提案した(実公平5−2303号公報参照)。また、同様の目的で、静電気の除去を容易にするために、体積固有抵抗の低いカーボン合成材を使用した挟持具も使用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、挟持部を体積固有抵抗の低いセラミックスで形成した挟持具や、カーボン合成材を用いた挟持具では、静電気を一気に除去してしまうことにより不都合が生じる場合があることがわかった。
【0007】即ち、静電気の性質として、一気に除去すると大気摩擦で超高電圧の放電作用を起こすことがあり、その結果、挟持した電子部品等に悪影響を及ぼす恐れが生じるのである。
【0008】しかも、カーボン合成材を用いた挟持具では、カーボン粉が異物として被挟持物に付着したり、混入するという問題もあった。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、被挟持物体と接する先端部材を体積固有抵抗103 〜109Ω・cmのセラミックスで形成するとともに、この先端部材を支持し、かつ把持操作する支持部材を1011〜1016Ω・cmの体積固有抵抗を持った材質で構成したことを特徴とする。
【0010】即ち、体積固有抵抗103 〜109 Ω・cmのセラミックスからなる先端部材が静電気を誘導し除去する作用を引き起こし、体積固有抵抗1011〜1016Ω・cmの支持部材が短絡防止作用とともに、静電気を徐々に逃がす作用を引き起こすのである。その結果、静電気が一気に除去されることによる超高圧の放電を防止することができる。
【0011】また本発明では、上記先端部材を、遊離炭素の含有量0.5重量%以下であり、曲げ強度300MPa以上のセラミックスで形成したことを特徴とする。
【0012】即ち、遊離炭素の含有量0.5重量%以下とすることによってカーボン粉の異物混入を防止するとともに、曲げ強度300MPa以上あれば通常の使用時において先端部材の破損を防止することができる。
【0013】また、本発明では、上記先端部材として、酸化鉄系セラミックス、Al2 3−TiC系セラミックス、導電性ジルコニアセラミックスのいずれかを用いることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図によって説明する。
【0015】図1に示す挟持具は、一対の先端部材1を体積固有抵抗103 〜109 Ω・cmのセラミックスで形成し、この先端部材1の後端を体積固有抵抗1011〜1016Ω・cmの支持部材2に接着剤等で接合し、この支持部材2の後端を弾性係合体3で支持したものであり、手で把持操作することによって、弾性係合体3が弾性変形して先端の先端部材1、1間で物体を挟持することができる。
【0016】また、図2に示す挟持具は、一対の先端部材1を体積固有抵抗103 〜109Ω・cmのセラミックスで形成し、この先端部材1の後端を体積固有抵抗1011〜1016Ω・cmの支持部材2にビス4で固定したものであり、支持部材2自体が、V字状体に一体形成されている。そのため、この挟持具を手で手で把持操作すると、支持部材2自体が弾性変形して、先端の先端部材1、1間で物体を挟持することができる。
【0017】いずれの挟持具においても、先端部材1が体積固有抵抗の低いセラミックスからなるため、静電気を誘導し除去する作用を成すことができ、しかも体積固有抵抗の高い支持部材2を備えていることによって、短絡を防止するとともに、静電気を徐々に逃がして、大気との摩擦による超高圧の放電を防止することができる。
【0018】ここで、上記先端部材1の体積固有抵抗を103 〜109 Ω・cmとしたのは、103 Ω・cm未満であると短絡を防止する効果が乏しくなり、一方109 Ω・cmを超えると静電気を除去する効果が乏しくなるためである。
【0019】また、この先端部材1を成すセラミックスは、曲げ強度300MPa以上で、遊離炭素含有量0.1重量%以下のものが好ましい。これは、曲げ強度が300MPa未満では、使用時に先端部材1が破損しやすくなるためであり、また遊離炭素含有量が0.1重量%を超えると、カーボン粉末が異物として被挟持物体に付着するなどの問題が生じるためである。
【0020】このような先端部材1を成すセラミックスとしては、好ましくは酸化鉄系セラミックス、Al2 3 −TiC系セラミックスもしくは導電性ジルコニアセラミックスを用いる。
【0021】ここで、酸化鉄系セラミックスとは、Fe2 3 にCa,K、Na、Mg、Zn、Scなどの安定化剤を添加してなる焼結体である。また、上記の体積固有抵抗値、強度の範囲内とするためには、例えば、焼結体中の元素量比で、40〜60重量%のFe、10〜28重量%のCa、24〜36重量%のOからなるCaFe2 4 や、あるいは焼結体中の元素量比で、30〜50重量%のFe、18〜37重量%のZn、24〜36重量%のOからなるZnFe2 4 等を用いる。そして、上記組成比となるように原料粉末を調合し、プレス成形や射出成形等の公知の方法で所定形状に成形した後、還元雰囲気中、1200〜1500℃で焼成し、その後必要に応じて研削、研磨することによって得ることができる。
【0022】また、Al2 3 −TiC系セラミックスは、アルミナ(Al2 3 )を主成分として、炭化チタン(TiC)及び焼結助剤を含有してなる焼結体である。また、上記の体積固有抵抗値、強度の範囲とするためには、TiCの含有量を全体の12〜30重量%とすればよく、その他に必要に応じて、全体に対して8〜25重量%のB4 C、25〜45重量%SiC等を添加することもできる。そして、上記組成比となるように原料粉末を調合し、プレス成形や射出成形等の公知の方法で所定形状に成形した後、還元雰囲気中、1600〜1900℃で焼成し、その後必要に応じて研削、研磨することによって得ることができる。
【0023】さらに導電性ジルコニアセラミックスは、ジルコニア(ZrO2 )を主成分とし、導電性付与剤及び安定化剤を添加してなる焼結体である。具体的な導電性付与剤としては、Fe2 3 にCa,K、Na、Mg、Zn、Scなどの安定化剤を添加してなる酸化鉄系導電性付与剤や、TiCにTiO2 やAl2 3 等の安定化剤を添加してなる炭化チタン系導電性付与剤を用い、酸化鉄系導電性付与剤の場合は全体に対して15〜35重量%の範囲で、炭化チタン系導電性付与剤の場合は全体に対して10〜25重量%の範囲で、それぞれ添加すれば上記の体積固有抵抗値の範囲とすることができる。そして、上記組成比となるように原料粉末を調合し、プレス成形や射出成形等の公知の方法で所定形状に成形した後、大気雰囲気中、1100〜1400℃で焼成し、その後必要に応じて研削、研磨することによって得ることができる。
【0024】また、これらのセラミックスは炭素を含まないことから、遊離炭素の含有量を0.5重量%以下とでき、カーボン粉末の異物混入を防止できる。
【0025】さらに、遊離炭素の含有量を特に問題としない用途であれば、炭化珪素質セラミックスを用いることもできる。炭化珪素質セラミックスは、SiCを主成分とし、焼結助剤としてB,C又はAl2 3 、Y2 3 等を含有する焼結体であり、それ自体が上記範囲の体積固有抵抗を有する焼結体である。
【0026】なお、本発明において、先端部材1が体積固有抵抗値103 〜109 Ω・cmのセラミックスからなるとは、少なくとも先端部材1の表面が上記範囲のセラミックスからなることである。したがって、基体の表面に上記体積固有抵抗値の範囲内のセラミックスをコーティングして先端部材1を構成することもできる。
【0027】一方、支持部材2は、体積固有抵抗が1011〜1016Ω・cmの材質を用いるが、これは1011Ω・cm未満では、短絡防止効果や静電気を徐々に逃がす効果が乏しくなるためであり、一方1016Ω・cmよりも大きくすることは困難であるためである。
【0028】具体的な支持部材2の材質は、アルミナ、ジルコニア、窒化珪素等のセラミックスや、各種合成樹脂を用いれば良い。特に図2にような構造とする場合は、弾性を有している必要があるため、ジルコニアセラミックスまたは合成樹脂で形成する。この場合のジルコニアセラミックスとは、ジルコニア(ZrO2 )を主成分とし、Y2 3 、CeO、Dy2 3 、CaO、MgOなどの安定化剤や周知の焼結助剤を添加してなる原料粉末を所定形状に成形し、焼結させたものであり、正方晶の結晶を主体とし、平均結晶粒径2μm以下の部分安定化ジルコニアセラミックスのことである。さらに、合成樹脂としては、塩化ビニール等さまざまなものを用いることができる。
【0029】上述した各種材質の物性を表1に示す。この表1より、先端部材1としては、Al2 3 −TiC系セラミックス、酸化鉄系セラミックス(CaFe2 4 、ZnFe2 4 )、導電性ジルコニアセラミックス、炭化珪素質セラミックスが好ましく、特に遊離炭素含有量の点から、Al2 3 −TiC系セラミックス、酸化鉄系セラミックス(CaFe2 4 、ZnFe2 4 )、導電性ジルコニアセラミックスが好適である。
【0030】また支持部材2としては、ジルコニアセラミックス及び塩化ビニール等の合成樹脂が適していることが解る。
【0031】なお、上記曲げ強度は、JIS−R1601に基づくものであり、実際の先端部材1より測定する場合は、所定の形状に切断した試験片で3点曲げ試験により測定する。この時、JISで規定する寸法の試験片が得られない場合は、ワイブル係数と有効体積を加味した公知の手法によりJISに規定する試験片での曲げ強度に換算すれば良い。
【0032】また、体積固有抵抗値については、JIS−C2141に規定する超絶縁抵抗計で測定したものである。
【0033】
【表1】

【0034】なお、図1、2では手で把持操作するピンセットについての実施形態を説明したが、本発明の挟持具はピンセットに限るものではない。例えば、自動機等において微小素子を挟持して取り扱うマニピュレータ等として、本発明の挟持具を適用することもできる。この場合、上述したように静電気を徐々に逃がして放電を防止できるため、自動機側に悪影響が生じることも防止できる。
【0035】また、図示していないが、本発明の挟持具に静電気を除去するための端子を備えておいて、この端子をコード等で接地して使用することもできる。
【0036】
【実施例】ここで、図1に示す挟持具を試作した。先端部材1と支持部材2の材質を表2に示すような組合せとして、それぞれ先端部材1から1000Vの付加電圧を加えて、支持部材2で電圧とその降圧時間を測定する試験を行い、静電気の除去の度合いを評価した。
【0037】結果を表2に示すように、No.6は、先端部材1が体積固有抵抗の高いチタン酸バリウム系セラミックスであるため、静電気を除去する効果が乏しかった。また、No.2は先端部材1の体積固有抵抗が低く、No.4は支持部材2の体積固有抵抗が低いことから、いずれも静電気が一気に除去されて放電が生じやすかった。
【0038】これらに対し、先端部材1と支持部材2の体積固有抵抗値が本発明の範囲内であるNo.1,3,5では、いずれも静電気を徐々に逃がすことができ、放電の恐れなく、確実に静電気を除去できることがわかった。
【0039】
【表2】

【0040】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、被挟持物体と接する先端部材を体積固有抵抗103 〜109 Ω・cmのセラミックスで形成するとともに、この先端部材を支持し、かつ把持操作する支持部材を1011〜1016Ω・cmの体積固有抵抗をもった材質で構成したことによって、耐熱性、耐食性に優れ、導通短絡を防止するとともに、確実に静電気を除去することができ、しかも静電気を徐々に逃がすことから、放電が生じる恐れをなくすことができる。
【0041】また、上記先端部材として、曲げ強度300MPa以上で遊離炭素含有量0.5重量%以下のセラミックスを用いれば、使用時に破損する恐れがなく、カーボン粉末の異物混入を防止できる。
【0042】したがって、本発明によれば、電子部品等を挟持しても全く悪影響を及ぼすことのない高性能の挟持具を提供できる。




 

 


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