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発明の名称 分割溝を有するセラミック基板及びこれを用いた抵抗器
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−156823
公開日 平成10年(1998)6月16日
出願番号 特願平8−320520
出願日 平成8年(1996)11月29日
代理人
発明者 反田 健二 / 窪田 明仁
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】表面に縦横の分割溝と、この分割溝上の複数のスルーホールを備えてなるセラミック基板であって、上記スルーホールが平面視長方形状であり、その隅部を、スルーホールの短辺の長さに対して1/10〜1/3の曲率半径の曲面状、又はスルーホールの短辺の長さに対して1/8〜1/3の幅のC面状としたことを特徴とする分割溝を有するセラミック基板。
【請求項2】セラミックス製基体の外周に複数の凸部を有し、該凸部に電極を備え、各電極間に抵抗体を備えてなる抵抗器であって、上記凸部の間に備えた凹部が平面視長方形状であり、その隅部を凹部の幅に対して1/10〜1/3の曲率半径の曲面状、又は凹部の幅に対して1/8〜1/3の幅のC面状としたことを特徴とする抵抗器。
【請求項3】表面に縦横の分割溝と、この分割溝上の複数のスルーホールを備えてなるセラミック基板であって、上記スルーホールが平面視で六角形以上の多角形状であることを特徴とする分割溝を有するセラミック基板。
【請求項4】セラミックス製基体の外周に複数の凸部を有し、該凸部に電極を備え、各電極間に抵抗体を備えてなる抵抗器であって、上記凸部の間に備えた凹部が、平面視で六角形以上の多角形状を半分に切断した形状であることを特徴とする抵抗器。
【請求項5】表面に縦横の分割溝と、この分割溝上の複数のスルーホールを備えてなるセラミック基板であって、上記分割線は基板の片面のみに、厚みの1/5〜1/2の深さで形成したことを特徴とする分割溝を有するセラミック基板。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、分割溝を有するセラミック基板と、これを用いて製造したネットワーク抵抗器等の抵抗器用に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、セラミック基板に複数の分割線を形成し、抵抗体や電極等を印刷した後で分割してチップ抵抗器を作製することが行われ、このチップ抵抗器はハイブリッドIC基板(HIC基板)等に搭載されている。近年、HIC基板等の小型化や配線の微細化に伴い、チップ抵抗器の単体の寸法が3.2×1.6mmから2.0×1.25mm、1.6×0.8mm、1.0×0.5mmと小型化が図られている。
【0003】一方、電子部品実装の密度を向上させるために、図7に示すように、1個の基体13上に2〜8個の抵抗体22と電極21を備えた多連チップ抵抗器や、図示していないが各抵抗体22を接続したネットワーク抵抗器が使用されている。これらの抵抗器20も、図6(a)に示す複数の分割溝11を備えたセラミック基板10を用いて、多数個取りの手法で製造されるものである。
【0004】一般的な抵抗器20の製造方法は、まず、ドクターブレード法等によりセラミックスのスラリーをシート状に成形する。得られたグリーンシートを金型を用いて打ち抜くと同時に複数の分割線とスルーホールを形成する。これを所定条件で焼成することによって、図6(a)に示すように、縦横の分割線11とこの分割線11上に備えられたスルーホール12を有するセラミック基板10を得る。このセラミック基板10上に図7に示すような電極21、抵抗体22、保護膜等を印刷、焼き付けし、所定の抵抗値となるようにトリミングした後、図6(b)に示す単体の基体13となるように、分割線11に沿って分割し、さらに端面に電極21を印刷して抵抗器20を得ることができる。この抵抗器20は、テープに搭載され、又はマガジンボックスに収納されて搬送され、HIC基板等に実装される。
【0005】ところで、分割後の基体13の側面には、スルーホール12によって形成された平面視半円状の凹部13aと、この間の凸部13bが備えられ、この凸部13bに電極21を形成するが、分割後の凸部13bの端面にも半田等を塗布して電極21を形成する。このとき、凹部13aが半円状であるため、この凹部13aを伝わって半田が流れてしまい、隣合う電極21間が短絡してしまうという問題があった。
【0006】そこで、実公平6−32650号公報に示すように、セラミック基板10のスルーホール12を小判型とすることが提案されている。この場合、図8(a)に示すように、分割後の基体13の凹部13aの形状は、端面に垂直な2つの壁面とこれに連続する湾曲底部からなり、隣合う凸部13bに電極21として塗布する半田の流れを防止するようになっていた。
【0007】また、特開平5−243020号公報に示すように、セラミック基板10のスルーホール12を角形状とすることも提案されている。この場合、図8(b)に示すように、分割後の基体13の凹部13aの形状は、角形状となり、隣合う凸部13bに電極21として塗布する半田の流れを防止するようになっていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、小判型のスルーホール12を備えたセラミック基板10では、図8(a)に示すように分割後の基体13の凹部13の底部が湾曲形状であるため、この部分を伝わって半田が流れやすく、隣合う電極21間の短絡を防止する効果が乏しかった。
【0009】また、図8(b)に示す角形状のスルーホール12を備えたセラミック基板10では、隣合う電極21間の半田の流れは防止できるものの、スルーホール12の隅部からクラックが生じやすいという問題があった。即ち、セラミック基板10の製造行程で、グリーンシートに角形状のスルーホール12を形成し、焼成する際に、等方的に収縮しないために応力が発生し、この応力が隅部に集中してクラックが生じやすかった。あるいは、分割線11に沿った分割時にもクラックが生じやすかった。さらに、抵抗器20を作製してHIC基板にマウンターで搭載される際には5〜10個/秒の速い速度でマウントされるために、衝撃によって凹部13aの隅部にクラックが生じやすかった。
【0010】さらに、グリーンシートにスルーホール12を形成する際はピンで打ち抜くが、角形状のスルーホール12を形成するためには、角柱状のピンを用いる必要があり、使用中にピンのエッジ部が摩耗しやすく、頻繁にピンを交換しなければならないという問題もあった。
【0011】また、図9に示すようにこれらのセラミック基板10においては、分割性を良好にするために、通常両面に分割溝11、11’を形成している。
【0012】ところが、分割溝11上にスルーホール12を形成した場合、図10に示すように、スルーホール12から分割溝11に進展するようにクラック19が発生しやすく、分割前の行程で分割溝11が割れてしまうという問題があった。
【0013】また、グリーンシートの両面に分割溝11、11’の位置を完全に一致させて形成することは困難であり、図9に示すように両者の間には30μm程度の微小な位置ずれXが生じることを避けられなかった。そのため、分割後の基体13の端面にバリが発生してしまうという問題があった。
【0014】特に、近年、抵抗器20の小型化が要求され、各分割溝11の間隔や、スルーホール12の間隔が小さくなっており、上記分割溝11、11’の位置ずれやスルーホール12から進展するクラック19の問題が顕著となっている。
【0015】
【課題を解決するための手段】そこで請求項1の発明では、表面に縦横の分割溝と、この分割溝上の複数のスルーホールを備えてなるセラミック基板において、上記スルーホールが平面視長方形状であり、その隅部を、スルーホールの短辺長さに対して1/10〜1/3の曲率半径の曲面状、又はスルーホールの短辺長さに対して1/8〜1/3の幅のC面状としたことを特徴とする。
【0016】また、請求項2の発明では、セラミックス製基体の外周に複数の凸部を有し、該凸部に電極を備え、各電極間に抵抗体を備えてなる抵抗器において、請求項1のセラミック基板を用いて製造することによって、上記凸部の間に備えた凹部が平面視長方形状であり、その隅部を凹部の幅に対して1/10〜1/3の曲率半径の曲面状、又は凹部の幅に対して1/8〜1/3の幅のC面状としたことを特徴とする。
【0017】さらに、請求項3の発明では、表面に縦横の分割溝と、この分割溝上の複数のスルーホールを備えてなるセラミック基板において、上記スルーホールが平面視で六角形以上の多角形状であることを特徴とする。
【0018】また、請求項4の発明では、セラミックス製基体の外周に複数の凸部を有し、該凸部に電極を備え、各電極間に抵抗体を備えてなる抵抗器において、請求項3のセラミック基板を用いて製造することによって、上記凸部の間に備えた凹部が、平面視で六角形以上の多角形状を半分に切断した形状であることを特徴とする。
【0019】さらに請求項5の発明では、この分割溝上の複数のスルーホールを備えてなるセラミック基板において、上記分割線は基板の片面のみに厚みの1/5〜1/2の深さで形成したことを特徴とする。
【0020】
【作用】請求項1のセラミック基板及びこれを用いた請求項2の抵抗器では、スルーホールが角形状であるため、隣合う電極間の半田の流れ込みによる短絡を防止し、しかもスルーホールの隅部が曲面状又はC面状の面取り形状であるためクラックの発生を防止できる。
【0021】請求項3のセラミック基板及びこれを用いた請求項4の抵抗器では、スルーホールが六角形以上の多角形状であるため、隣合う電極間の半田の流れ込みによる短絡を防止し、しかも隅部の角度が鈍角となるためクラックの発生を防止できる。
【0022】請求項5のセラミック基板では、基板の片側のみに分割溝を形成したことから、両面での位置ずれをなくし、かつスルーホールからクラックが進展することを防止できる。
【0023】
【発明の実施の形態】まず請求項1、2の発明の実施形態を図によって説明する。
【0024】図1(a)に示すセラミック基板10は、表面に縦横の複数の分割溝11を有し、この分割溝11上に複数のスルーホール12を形成している。このスルーホール12の形状は、図1(b)に示すように、平面視長方形状であり、その4つの隅部14は曲率半径Rの曲面状となっている。
【0025】このセラミック基板10を分割溝11に沿って分割すると、図2に示すように外周側面に複数の凹部13aと凸部13bを有する基体13を得ることができる。このとき、図2(b)に示すように、凹部13aは上記角形状のスルーホール12を半分に分割した角形状となり、3つの側壁が互いに直交するため、凸部13bに電極21として塗布した半田が凹部13aを伝わりにくく、短絡を防止できる。
【0026】また、凹部13aの隅部14は曲率半径Rの曲面状となっているため、隅部14からクラックが発生することを防止できる。
【0027】なお、この曲率半径Rは、スルーホール12の短辺の長さ(凹部13aの幅)Aに対し、1/10〜1/3の範囲とする。これは、R/Aが1/10未満であると、クラックを防止する効果に乏しく、一方R/Aが1/3を超えると電極21間の短絡を防止する効果が乏しくなるためである。
【0028】なお、このセラミック基板10は、Al2 3 を主成分としSiO2 やMgO等を含むアルミナセラミックスからなるが、その他に、窒化アルミニウム、ムライト、ジルコニア等を主成分とするセラミックスを用いることもできる。そして、これらの原料粉末をドクターブレード法等によってシート状に成形し、得られたグリーンシートを金型を用いて打ち抜くと同時に分割溝11とスルーホール12を形成し、その後、所定条件で焼成することによって得られる。
【0029】このとき、スルーホール12を打ち抜くためのピンは、エッジ部が曲面状となったものを用いることから摩耗を防止することができる。
【0030】また、このセラミック基板10を用いて抵抗器を製造する場合は、図7に示すような電極21や抵抗体22及び保護膜(不図示)等を形成した後、分割線11に沿って分割し、分割後の基体13の凸部13b端面にも電極21を塗布することによって、抵抗器20を得ることができる。
【0031】次に、他の実施形態として、図3(a)に示すように、セラミック基板10に形成するスルーホール12の4つの隅部14を幅CのC面状とすることもできる。なお、スルーホール12の形状以外は、全て上記実施形態と同様である。
【0032】この場合も、図2(b)に示すように、分割後の基体13の凹部13aは上記角形状のスルーホール12を半分に分割した角形状となり、3つの側壁が互いに直交するため、凸部13bに電極21として塗布した半田が凹部13aを伝わりにくく、短絡を防止できる。
【0033】また、凹部13aの隅部14は幅CのC面状となっているため、隅部14からクラックが発生することを防止できるとともに、スルーホール12を形成するためのピンの摩耗を防止できる。
【0034】なお、この幅Cは、スルーホール12の短辺の長さ(凹部13aの幅)Aに対し、1/8〜1/3の範囲とする。これは、C/Aが1/8未満であると、クラックを防止する効果に乏しく、一方C/Aが1/3を超えると電極21間の短絡を防止する効果が乏しくなるためである。
【0035】次に、請求項3、4の発明の実施形態を説明する。
【0036】図4(a)にスルーホール12近傍のみを示すように、このセラミック基板10は上記実施形態と同様であるが、スルーホール12の平面形状を六角形状としてある。
【0037】そのため、このセラミック基板10を分割した後の基体13の凹部13aは、図4(b)に示すように六角形を半分に切断した台形状となり、各側壁が隅部14で分断されるため、凸部13bの端面に電極21として塗布した半田の流れ込みによる短絡を防止できる。しかも、隅部14の角度θが90°より大きい鈍角となるため、この隅部14からクラックが発生することを防止できる。
【0038】なお、半田の流れ込みを防止するためには、凹部13aの側壁を3つ以上備える必要があり、しかも隅部14の角度θを鈍角とするためには、スルーホール12の平面形状を六角形、八角形等、六角形以上の多角形状とすれば良い。
【0039】なお、このスルーホール12の形状は、正多角形である必要はなく、分割線11及びこれに垂直な線の両方に対して対称な形状としておけば良い。また、上記隅部14は微小な曲面状又はC面状となっていても良い。
【0040】次に、請求項5の発明の実施形態を説明する。
【0041】図5に断面図を示すように、このセラミック基板10は、上記実施形態と同様のものであるが、その片面のみに分割溝11を形成してある。
【0042】そのため、製造が容易で、両面の分割溝間で位置ずれが生じることはなく、スルーホール12から分割溝11にクラックが進展することを防止できる。
【0043】ただし、この場合、分割性が悪くなる恐れがあるが、分割溝11の深さDをセラミック基板10の厚みTに対して1/5〜1/2の範囲としておけば良い。即ち、D/Tが1/5未満であると分割溝11が浅すぎるために分割性が悪くなり、一方D/Tが1/2を超えると分割溝11が深すぎるためにスルーホール12からのクラックの進展が生じやすくなるためである。
【0044】なお、この実施形態のセラミック基板1におけるスルーホール12の形状としては、上述した図1〜図4のような形状、あるいは円形や小判型等さまざまな形状とすることができる。
【0045】
【実施例】請求項1、2の発明の実施例として、図1、3に示すセラミック基板10を作製した。
【0046】セラミック基板10はアルミナセラミックスで形成し、分割後の基体13の寸法が1.5×3.2mmとなるように分割溝11を形成し、スルーホール12の短辺の長さAを0.4mmとして、隅部14の曲率半径R及びC面の幅Cを種々に変化させたものを用意した。
【0047】それぞれのセラミック基板10について、グリーンシート打ち抜き時のピンの寿命、焼成行程での歩留り、分割時の歩留り、基体13の凸部13bに電極21を塗布する際の歩留り、得られた抵抗器20を実装する際の歩留りについて、評価を行った。
【0048】結果は表1、2に示す通りである。この結果より、隅部14の曲率半径Rがスルーホール12の端辺の長さAに対して1/10未満の場合、又は隅部14のC面の幅Cがスルーホール12の端辺の長さAに対して1/8未満の場合は、ピンの寿命が短く、焼成時、分割時、実装時に隅部14からクラックが生じて歩留りが悪かった。また、隅部14の曲率半径Rがスルーホール12の端辺の長さAに対して1/3を超える場合、又は隅部14のC面の幅Cがスルーホール12の端辺の長さAに対して1/3を超える場合は、電極21間の短絡を防止する効果が乏しかった。
【0049】これらに対し、隅部14の曲率半径Rがスルーホール12の端辺の長さAに対して1/10〜1/3、又は隅部14のC面の幅Cがスルーホール12の端辺の長さAに対して1/8〜1/3とした本発明実施例では、ピンの寿命が長く、焼成じ、分割時、実装時の隅部14からのクラックを防止し、電極21間の短絡を防止する効果も高いことがわかる。
【0050】
【表1】

【0051】
【表2】

【0052】
【発明の効果】以上のように、請求項1、2の発明によれば、スルーホールを角形状として、その隅部を曲面状又はC面状としたため、隣合う電極間の半田の流れ込みによる短絡を防止し、しかも隅部からのクラックの発生を防止することができる。
【0053】また、請求項3、4の発明によれば、スルーホールを六角形以上の多角形状としたため、隣合う電極間の半田の流れ込みによる短絡を防止し、しかも隅部の角度が鈍角となるためクラックの発生を防止することができる。
【0054】さらに、請求項5のセラミック基板では、基板の片側のみに分割溝を形成したことから、製造が容易で、両面での位置ずれをなくし、かつスルーホールからクラックが進展することを防止できる。
【0055】したがって、本発明の分割溝を有するセラミック基板を用いれば、優れた特性を有する抵抗器を歩留り良く低コストで製造することができる。




 

 


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