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発明の名称 窒素酸化物除去用酸化物触媒材料及びその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−156182
公開日 平成10年(1998)6月16日
出願番号 特願平8−320492
出願日 平成8年(1996)11月29日
代理人
発明者 由宇 喜裕 / 松之迫 等 / 松本 秀美
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】ニッケル(Ni)とガリウム(Ga)を主たる金属元素として含有するスピネル型結晶性複合酸化物に、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)の一種以上を前記スピネル型結晶性複合酸化物に対して0.5〜20.0重量%担持した触媒材料であって、該触媒材料のX線回折における前記スピネル型結晶性複合酸化物のメインピークに対する担持金属のメインピークの強度比が0.05以上、1.51未満であることを特徴とする窒素酸化物除去用酸化物触媒材料。
【請求項2】ニッケル(Ni)とガリウム(Ga)を主たる金属元素として含有するスピネル型結晶性複合酸化物に、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)の一種以上を前記スピネル型結晶性複合酸化物に対して0.5〜20.0重量%担持した後、650〜900℃の温度で熱処理することを特徴とする窒素酸化物除去用酸化物触媒材料の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、定置式の工場の各種工業炉や、発電所の内燃機関、及び移動式の自動車内燃機関等の各種排気ガス中に含まれる窒素酸化物を直接、窒素と酸素に分解除去することが可能な酸化物触媒材料及びその製造方法に関するもので、とりわけ排気ガス中の炭化水素濃度が低いリーンバーンエンジン等の自動車排ガス浄化用として好適な窒素酸化物除去用酸化物触媒材料及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、定置式の前記各種工業炉や内燃機関及び移動式の自動車に代表される内燃機関等から排出される排気ガス中に含まれる窒素酸化物は、人体に悪影響を及ぼすだけでなく、酸性雨及び光化学スモッグの原因物質であるとされているため、その大気中への放出は大きな環境問題になっている。
【0003】そこで、前記排気ガス中の窒素酸化物の除去方法としては、かねてより主に接触還元法が用いられており、例えば、前記工場及び発電所等の窒素酸化物の固定発生源には、排気ガス中に多量の酸素を含むたことから、還元剤としてアンモニアを用い、バナジア(V2 5 )/チタニア(TiO2 )触媒により窒素酸化物を還元除去している。
【0004】一方、自動車等の移動発生源には、排気ガス中の酸素量が少ないため、該排気ガス中に残存する未燃の一酸化炭素(CO)及び炭化水素(Cx y )を還元剤として用いて窒素酸化物を還元除去する三元触媒が採用されており、そのような方法に用いられる三元触媒としては、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)等の貴金属をγ−アルミナ(Al2 3 )で被覆したコージェライト等の耐火性担体に担持したものが用いられていた。
【0005】しかしながら、前記、固定発生源の窒素酸化物除去方法として用いられているアンモニアによる接触還元法は、アンモニアが高価でかつ危険であり、その取り扱いには十分な注意が必要であるという理由から、移動発生源には用いることができなかった。
【0006】他方、前記自動車等の移動発生源においても、現在、省エネルギー化のために注目されている希薄燃焼エンジン(リーンバーンエンジン)では、排気ガス中の未燃一酸化炭素及び炭化水素量が極端に少ないため、窒素酸化物の還元作用を示さないという問題が残されている。
【0007】そこで、係る問題を解決するためには還元剤を使用せずに窒素酸化物を除去することが最も簡単で理想的であることから、還元剤を必要とせずに窒素酸化物を窒素と酸素に直接分解する触媒の研究が種々行われており、これまでに、銅イオン交換ゼオライト触媒を用いること等が提案されているが、窒素酸化物の分解除去能力が低く、この触媒は銅を含有していることから、該銅成分がSO2 による被毒を受け易いという問題がある。
【0008】そこで、かかる問題を解消するためにGaとゼオライトを除く耐火性酸化物を含有した排気ガス浄化用触媒およびそれを用いた排気ガスの浄化方法が提案されている(特開平7−178338号公報参照)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記Gaとゼオライトを除く耐火性酸化物を含有した排気ガス浄化用触媒を用いる場合には、比較的高温では高い窒素酸化物の分解除去能力を示すものの、600℃以下の低温度では窒素酸化物の分解除去能力は不十分であるという課題があった。
【0010】
【発明の目的】そこで、本発明は工場や発電所等の固定発生源から排出される排気ガス、及び自動車等の移動発生源、とりわけ希薄燃焼エンジン(リーンバーンエンジン)等の排気ガス中に含まれる窒素酸化物を低温度域でも還元剤を用いずに高効率で直接、窒素と酸素に分解除去することができる有用な触媒材料及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解消せんとして、Ni及びGaを主たる金属元素として含有するスピネル型結晶性複合酸化物に、貴金属の一種であるPdを担持した触媒材料が有する問題点を詳細に検討した結果、Pdをスピネル型結晶性複合酸化物に担持した触媒を650〜900℃で熱処理することにより、600℃以下の低い温度での前記触媒の窒素酸化物の分解除去能を増大させることができることを見いだすとともに、同様の現象がPtやRh、Ir等の貴金属を担持した場合においても見られることを確認し、本発明に至った。
【0012】即ち、本発明の窒素酸化物除去用酸化物触媒材料は、NiとGaを主たる金属元素として含有するスピネル型結晶性複合酸化物に、Pd、Pt、Rh、Irの内、一種以上を前記スピネル型結晶性複合酸化物に対して0.5〜20.0重量%担持するとともに、該触媒材料をX線回折した場合に同定される前記担持金属のメインピークとスピネル型結晶性複合酸化物のメインピークの強度比が0.05以上、1.51未満であることを特徴とするものである。
【0013】また、前記窒素酸化物除去用酸化物触媒材料の製造方法は、Pd、Pt、Rh、Irの内の一種以上を、NiとGaを主たる金属元素として含有するスピネル型結晶性複合酸化物に、該スピネル型結晶性複合酸化物に対して0.5〜20.0重量%担持した後、650〜900℃の温度で熱処理することを特徴とするものである。
【0014】
【作用】本発明の窒素酸化物除去用酸化物触媒材料及びその製造方法は、触媒材料としてPd、Pt、Rh、Irの内の一種以上をNiとGaを主たる金属元素として含有するスピネル型結晶性複合酸化物に、0.5〜20.0重量%の範囲で担持したもので、かつ前記担持金属とスピネル型結晶性複合酸化物のX線回折における各メインピークの強度比が0.05以上、1.51未満であることから、X線回折で検出できる程、粗大化したPd粒子と窒素酸化物の相互作用により、N−O間の結合が弱まる効果が発現し、その結果、600℃以下での低温における窒素酸化物の分解除去能力が向上する。
【0015】また、その製造方法としては、前記貴金属を担持した後、650〜900℃の温度で熱処理することから、スピネル型結晶性複合酸化物中に微細な粒子状態で高分散されていた貴金属粒子の凝集が促進されて該貴金属の粒子径が粗大化する結果、X線回折記録図中に貴金属のピークが出現し、前述のような強度比を示して窒素酸化物の分解除去能力が向上することになる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の窒素酸化物除去用酸化物触媒材料及びその製造方法について詳細に説明する。
【0017】本発明において、スピネル型結晶性複合酸化物は、主たる金属元素としてNiとGaを含有し、Ga/Ni原子比nが2.5〜3.3の比率から成るスピネル型複合酸化物であり、NiGan 4+z (n=2.5〜3.3)の一般式で表されるものであり、前記式中の(O4+z )は複合酸化物として安定に存在するために必要な酸素量であり、該酸素量は前記nの値により0.2以下の範囲で随時変化するものである。
【0018】また、本発明で用いられる前記複合酸化物は、Ga/Ni原子比nの値が2.5〜3.3の範囲を逸脱すると触媒活性が低下するため、前記範囲に特定され、とりわけ2.8〜3.0が最も望ましい。
【0019】一方、Pd、Pt、Rh、Irの一種以上の貴金属の担持量が0.5重量%未満の場合には、窒素酸化物の分解除去能力が全温度範囲において低くなり、20.0重量%を越えると600℃以下の低温度域において窒素酸化物の分解除去能力が低下してしまう。
【0020】従って、前記担持量は、スピネル型結晶性複合酸化物に対して0.5〜20.0重量%に特定され、特に触媒活性の点からは1.0〜10.0重量%がより好ましく、更に、3.0〜7.0重量%が最も望ましい傾向を示す。
【0021】更に、本発明の触媒材料は、該触媒材料のX線回折における前記担持金属のメインピーク(2θ=40°付近)とスピネル型結晶性複合酸化物のメインピーク(2θ=36°)の強度比が、0.05未満の場合には窒素酸化物の分解除去能力が全温度範囲において低く実用的でなく、逆に1.51以上になると600℃以下の低温度域における窒素酸化物の分解除去能力が低下することから所期の目的が達成できず、前記強度比は0.05以上、1.51未満であることが必須となる。
【0022】次に、本発明の窒素酸化物除去用酸化物触媒材料の製造方法について詳述する。
【0023】先ず、本発明のスピネル型結晶性複合酸化物は、Ni及びGaを含有する原料粉末を、Ga/Niの原子比nが2.5〜3.3の範囲内となるように秤量し、十分に撹袢混合した後、酸化性雰囲気中、500〜1600℃の温度で5〜30時間加熱することにより、金属元素としてNi及びGaを含有するスピネル型結晶を主結晶相とする複合酸化物粉末として得られる。
【0024】前記原料粉末としては、例えば、Ni及びGaの酸化物や、前記加熱により酸化物を生成するそれらの炭酸塩、硝酸塩、酢酸塩等を用いることができる。
【0025】また前記複合酸化物は、前記以外に酸化物や他の金属塩による固相反応法や、金属アルコキシド等のゾル−ゲル法等によっても合成できるものであり、何等これら製造方法に限定されるものではない。
【0026】前記複合酸化物の製造方法において、加熱温度が500℃より低いと結晶化が不十分となり、逆に1600℃を越えると緻密化してしまうため、500〜1600℃の温度で、酸化雰囲気中、5〜30時間行うが、特に低い温度で加熱することが粉末の比表面積を高めるために有効であり、実用的には、比表面積が35m2 /g以上となるように設定することが望ましい。
【0027】次に、本発明においては前記スピネル型結晶性複合酸化物にPd、Pt、Rh、Irの一種以上を担持するが、前記貴金属の担持方法は特に限定されるものではなく、例えば、貴金属の塩を溶媒に溶解して調製した貴金属溶液に複合酸化物を浸積し、溶媒を蒸発除去後、乾燥して貴金属の担持を行う蒸発乾固法や含浸法等の公知の方法を用いることができる。
【0028】その際、前記貴金属溶液の調製に用いる貴金属の塩は特に限定されるものではないが、通常、その硝酸塩類、硫酸塩類、炭酸塩類、塩酸、臭酸塩類(ハロゲン化物)等の各種貴金属の無機塩類、酢酸塩等の有機塩類、水酸化物、酸化物等が挙げられる。
【0029】また、前記貴金属の塩を溶液にするに際しては溶媒を用いるが、通常、水あるいはアルコール、カルボニル化合物等の有機物が好適に用いられる。
【0030】次いで、前記貴金属担持後の複合酸化物を、例えばヘリウム(He)等の不活性ガス雰囲気中で熱処理するが、その温度が650℃未満の場合にはスピネル型結晶性複合酸化物と担持金属のメインピークの強度比が0.05未満となり、また、900℃を越えた場合には前記メインピークの強度比が1.51以上となり、いずれも600℃未満の窒素酸化物の分解除去能力が低下して目的が達成できない。
【0031】従って、前記熱処理温度は650〜900℃に限定され、好ましくは700〜900℃、更に、スピネル型結晶性複合酸化物の耐熱性、触媒活性、及び貴金属の結晶化性の点からは700〜800℃が最適となる。
【0032】また、前記熱処理の雰囲気は特に制限はないが、通常、ヘリウム(He)、窒素(N2 )、アルゴン(Ar)等の不活性ガス、または空気や不活性ガスによる水素の希釈ガス等も用いることができる。
【0033】更に、前記熱処理温度における処理時間は特に限定されるものではなく、通常、2〜10時間で十分であり、また、熱処理中に温度を段階的に変化させることもできる。
【0034】尚、前記触媒材料は、窒素酸化物を含む排気ガスに接触させることにより、還元剤を用いることなく窒素酸化物を窒素と酸素に直接分解することができる。
【0035】
【実施例】次に、本発明を評価するに際し、出発原料としてNi(NO3 2 ・6H2 O、及びGa(NO3 2 ・9H2 Oの試薬を用い、NiとGaの金属比が1対3になるように秤量し、これらの試薬を蒸留水中に溶解させ、撹拌しながらアンモニア水で中和し、この時、生成した沈殿物を濾過、洗浄し、凍結乾燥させた。
【0036】かくして得られた乾燥粉末を大気中、700℃の温度で30時間、加熱して比表面積が40〜50m2 /gのスピネル型結晶性複合酸化物粉末を得た。
【0037】その後、前記スピネル型複合酸化物に対して表1及び表2に示す割合で貴金属を担持し、各表の温度で3時間熱処理を行ってから、得られた粉末を金型プレス法により成形し、更に冷間静水圧成形法により圧縮してから該成形物を解砕して篩別し、500μmを越え、700μm以下に整粒して評価用の触媒試料を調製した。。
【0038】次いで、模擬排気ガスとしてNOが5260ppm、残部がHeから成る反応ガスを、該反応ガスと触媒材料が接触する条件として、空間速度(SV)を3000/hr.に設定して前記評価用の触媒試料を充填した触媒層に流し、500〜700℃の温度範囲で触媒層を通過して生成したN2 ガスをガスクロマトグラフで測定した。
【0039】触媒のNO分解能は、触媒層出口側のN2 濃度(ppm)の2倍の値を、触媒層入口側のNO濃度(ppm)で除した百分率をNO除去率(%)とし、各温度でのNO除去率を求めた。
【0040】その結果から、500℃の温度でNO分解活性が20%を越えるものを良と評価した。
【0041】また、前記評価用の触媒試料の粉末を用いてX線回折測定(XRD)により結晶相を同定し、結晶相がNi−Gaスピネル結晶相と金属結晶相の2相から成ることを確認するとともに、X線回折測定結果より担持金属のメインピーク(2θがPdでは40.1°、Ptでは39.7°、Rhでは41.1°、Irでは40.6°)と2θが36°付近のスピネル型結晶性複合酸化物のメインピークのピーク強度の比を求めた。
【0042】
【表1】

【0043】
【表2】

【0044】表から明らかなように、本発明の請求範囲外である試料はいずれも所定温度域での窒素酸化物の分解活性が全体的に低く実用的でないか、あるいは500℃で急激な分解活性の低下を示しているのに対して、本発明ではいずれも500〜600℃の温度範囲で十分な窒素酸化物の分解活性を示しており、500℃でも充分な分解除去能力を維持していることが分かる。
【0045】尚、前記評価用の触媒試料の熱処理温度の相違による結晶構造を、熱処理温度が800℃の試料番号4と600℃の試料番号1を代表例としてX線回折記録図を図1及び図2に示す。
【0046】図から明らかなように、本発明の請求範囲外である試料番号1のX線回折記録図の図2ではスピネル結晶相のみが存在しているのに対して、本発明の試料番号4のX線回折記録図の図1では、Pd結晶相とスピネル結晶相の2相から成っていることが分かる。
【0047】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明の窒素酸化物除去用酸化物触媒材料及びその製造方法によれば、ニッケル(Ni)とガリウム(Ga)を主たる金属元素として含有するスピネル型結晶性複合酸化物に、Pd、Pt、Rh、Irの一種以上を0.5〜20.0重量%担持した、スピネル型結晶性複合酸化物と担持金属のX線回折によるメインピークの強度比が0.05以上、1.51未満である触媒材料で、前記貴金属を担持したスピネル型結晶性複合酸化物を650〜900℃の温度で熱処理して製造することから、前記酸化物触媒材料と窒素酸化物を含み還元ガスが存在しない排気ガスを接触させることにより、前記排気ガス中の窒素酸化物を直接、N2 とO2 に分解され、低い温度域まで効率良く排気ガス中に含まれる窒素酸化物を有効に分解除去することができる。
【0048】その結果、省エネルギー、省資源及び地球温暖化防止を目標として開発される今後のリーンバーンエンジン等の各種内燃機関の排気ガスをはじめ、窒素酸化物を含有する各種有害物質の浄化に極めて有用なものとなる。




 

 


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