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発明の名称 挟持具
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−128676
公開日 平成10年(1998)5月19日
出願番号 特願平8−286999
出願日 平成8年(1996)10月29日
代理人
発明者 白岩 義則
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】第1部材、第2部材の後端部を一体化し、先端部に硬質炭素膜を被着した挟持部を具備したことを特徴とする挟持具。
【請求項2】上記硬質炭素膜の膜厚が0.2〜5μmであることを特徴とする請求項1記載の挟持具。
【請求項3】上記挟持部を成す先端部の母材がチタン、モリブデン、タングステン、ステンレス等の金属の単体または合金、炭化珪素、窒化珪素、アルミナ、ジルコニア等を主成分とするセラミックス、あるいは超硬合金、サーメットのいずれかより成ることを特徴とする請求項1記載の挟持具。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、高温物体、危険物、感染性物体、通電物等、直接手で触れることのできないような物体を掴むに敵したピンセット、火挟み等の挟持具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、微小な物体片や腐食性物質、化学的に活性な物質、高低温物体、細菌等に感染した物体、電磁気を帯びた物体など、手で直接掴むことのできない物体を移動させるような場合には、大型、小型の相違はあるものの、ピンセットのような挟持具を使用している。
【0003】このように、挟持具は、化学、精密機械等を主体とした産業界で広く使用されているが、このほか医療分野、遺伝子組み換え、バイオテクノロジー等の各種研究所等でも広く使用されている最も基本的な道具の一つである。
【0004】また、このような挟持具の材質としては、金属や樹脂が一般的に用いられている。例えば、ステンレス鋼等からなる棒状の第1部材と第2部材の後端部を熔接等によって接合し、手で握ることによって先端の挟持部を開閉させて、物体を把持するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、金属製の挟持具では、挟持部が酸性やアルカリ性等の化学物質に侵されやすく、また長期使用中に錆が発生しやすかった。さらに、熱が伝導しやすいことから、高低温の物体を挟持する場合、熱が挟持具側に伝達して被挟持物の温度に変化をもたらすこともあった。また、導電性があるため、電気装置の修理等に用いる場合、短絡事故や感電事故を引き起こしたり、さらに磁性を帯びやすい等の不都合があった。
【0006】一方、樹脂製の挟持具では、耐熱性が低いことから高温の物体を挟持することができず、耐食性、耐摩耗性等の点でも不充分なものであった。
【0007】そこで、上記挟持具の材質として、ジルコニア等の高強度セラミックスを用いたものも使用されており(特開昭59−224269号、特公平4−45300号公報等参照)、この挟持具は、上述した問題点を解消することができる優れたものである。しかし、セラミックスといえども、ある種の化学薬品に対しては腐食しやすかったり、あるいは長期使用中に表面の粒子が脱粒して摩耗する等の問題があり、使用用途によっては、耐食性、耐チッピング性、耐摩耗性等の点で十分に要求特性を満足するものではなかった。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、第1部材、第2部材の後端部を一体化し、先端部を挟持部とした挟持具において、挟持部を成す先端部に硬質炭素膜を被着したことを特徴とする。
【0009】ここで硬質膜とは、ダイヤモンド膜あるいはダイヤモンド状硬質炭素膜のことであり、いずれもセラミックスに比べて硬度で耐食性に優れた膜であるから、さらに耐食性、耐摩耗性に優れた挟持具とすることができる。
【0010】また本発明では、上記硬質炭素膜の膜厚が0.2〜5μmであることを特徴とする。
【0011】さらに本発明では、上記挟持部を成す先端部の母材をチタン、モリブデン、タングステン、ステンレス等の金属の単体または合金、炭化珪素、窒化珪素、アルミナ、ジルコニア等を主成分とするセラミックス、あるいは超硬合金、サーメットのいずれかで形成したことを特徴とする。
【0012】即ち、これらの母材を用いれば硬質炭素膜との密着強度を高くすることができ、剥離を防止できる。また、母材としてチタン等の金属材を用いれば耐チッピング性を向上させてコストを低くすることができる。あるいは、母材をセラミックスとしておけば、仮に硬質炭素膜が剥がれても優れた耐食性、耐摩耗性を持たせることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施形態を図によって説明する。
【0014】図1に示す挟持具は、金属や樹脂等の弾性材からなる第1部材1、第2部材2の後端部1a、2aを、互いにネジ止め、接着、熔接等の手段で接合して一体化するとともに、第1部材1、第2部材2の先端側に、挟持部を成す挟持部材11、21をそれぞれネジ4で接合したものである。また、この挟持部材11、21は、金属やセラミックスからなり、その表面に硬質炭素膜3を被着したものである。
【0015】この挟持具を使用する場合は、第1部材1、第2部材2の中央部を手で握ることによって、先端の挟持部材11、21間を開閉し、物体を挟持することができる。このとき、物体と接触する挟持部材11、21の表面が極めて高硬度で耐食性に優れた硬質炭素膜3からなるため、腐食したり摩耗することなく長期間良好に使用することができる。
【0016】ここで、硬質炭素膜3とは、ダイヤモンド膜またはダイヤモンド状硬質炭素膜のことを言う。
【0017】ダイヤモンンド膜は、通常マイクロ波CVD法等の気相成長法で形成されるものであり、ビッカース硬度10000kgf/mm2 以上と極めて高い硬度を有しているため、耐摩耗性に優れている。また、耐食性にも優れるとともに、高温でも絶縁性を維持することができる。
【0018】特に、電子サイクロトロン共鳴プラズマCVD法によれば均一にダイヤモンド膜を形成することができる。このダイヤモンド膜は、ラマン分光法によるラマンスペクトルにおいて、1340±40cm-1と1160±40cm-1にピークが存在し、かつ1160±40cm-1に存在する最も強度の強いピーク強度をH1、1340±40cm-1に存在する最も強度の強いピーク強度をH2 としたとき、H1 /H2 で表されるピーク強度比が0.05〜2となるものが好ましい。
【0019】また、ダイヤモンド状硬質炭素膜は、非晶質硬質炭素膜、DLC(ダイヤモンライクカーボン)、I−カーボン等と呼ばれ、CVD法、PVD法によって形成することができ、ビッカース硬度が3000〜5000kgf/mm2 と高硬度を有しているため耐摩耗性に優れるとともに、耐食性、絶縁性等に優れたものである。
【0020】このダイヤモンド状硬質炭素膜は、レーザーラマン分光法によるラマンスペクトルのピークが、1200〜1400cm-1と1500〜1600cm-1の少なくとも一方の範囲にあり、上記ピークは平坦部分に対する強度比が2倍以上であり、かつ上記ピークにおける最大強度の90%以上の頂部の幅が10cm-1以上であることが好ましい。
【0021】これらのダイヤモンド膜又はダイヤモンド状硬質炭素膜からなる硬質炭素膜3は、図1(b)に示すように、挟持部材11(21)の表面に被着するが、その膜厚tは0.2〜5μmの範囲が好ましい。これは、膜厚tが0.2μm未満であると密着性が悪くなり、一方5μmを越えると成膜に時間がかかりコストが高くなるためである。
【0022】次に、上記硬質炭素膜3の母材となる挟持部材11、21の材質としては、例えば窒化珪素(Si3 4 )、炭化珪素(SiC)、アルミナ(Al2 3 )、ジルコニア(ZrO2 )等を主成分とするセラミックス、WCを主成分とする超硬合金、TiC−TiNを主成分とするサーメット、あるいはチタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)等の単体又は合金、ステンレス鋼等の金属材を用いる。
【0023】ここで窒化珪素質セラミックスは、Si3 4 を主成分とし、焼結助剤としてAl2 3 、Y2 3 等を含むものであり、炭化珪素質セラミックスは、SiCを主成分とし、焼結助剤としてB,C又はAl2 3 、Y2 3 等を含むものであり、アルミナセラミックスは、Al2 3 を主成分とし、焼結助剤としてSiO2 、MgO、CaOなどを含むものであり、ジルコニアセラミックスは、ZrO2 を主成分とし、安定化材としてY2 3 、MgO、CaO、CeO、Dy23 等を含むものである。また、超硬合金、サーメットとは、それぞれWC、TiC−TiNを主成分とする硬質相と、Fe、Cr、Co等の金属相からなる複合焼結体である。
【0024】このように、本発明の挟持具では、母材としてセラミックス、超硬合金、サーメット等の硬質材を用いれば、仮に硬質炭素膜3が剥がれたような場合でも、優れた耐摩耗性、耐食性を有することができる。
【0025】一方、本発明の挟持具では硬度の高い硬質炭素膜3を表面に被着することから、母材としてチタン等の金属材を用いても充分な耐食性、耐摩耗性を有することができる。したがって、母材として金属材を用いれば、耐チッピング性に優れ、加工性を良好にし、機械的強度も大きく、かつコストを低下することができる。
【0026】なお、硬質炭素膜3の密着性を高めるためには、上記母材の材質の中でも、チタン又はチタン合金、窒化珪素又は炭化珪素を主成分とするセラミックスのいずれかが最適である。
【0027】さらに、硬質炭素膜3の密着性を高めるためには、母材となる挟持部材11との間に中間層を介在させることもできる。この中間層としては、母材と硬質炭素膜の両方に対して密着性に優れた材質を用いればよく、具体的には炭化珪素や炭化硼素等の金属炭化物と炭素の複合材を用いることが好ましい。
【0028】あるいは、挟持部材11の表面を適当な粗面とするか微小な凹凸を形成しておいて硬質炭素膜3を形成すれば、アンカー効果によって密着性が高くなるとともに、硬質炭素膜3の表面も同様の粗面又は微小な凹凸を有する形状となり、被挟持物体を確実に把持することができる。
【0029】次に本発明の他の実施形態を説明する。
【0030】図2に示す挟持具は、一本の長尺体を折り曲げること等によって、第1部材1と第2部材2が、それぞれの後端部1a、2aで繋がり、予め一体的に形成されたものである。また、第1部材1と第2部材2の先端側に備えた凹部2cには、挟持部を成す挟持部材11、21の凸部21aを挿入し、接着剤等で接合してあり、この挟持部材11、21の表面には硬質炭素膜3を被着してある。
【0031】このように、挟持部材11、21と第1部材1、第2部材2との接合方法は、ネジ止め、接着等さまざまな手段とすることができる。さらに、挟持部材11、21を脱着自在にしておけば、万一硬質炭素膜3が剥離したり挟持部材11、21に欠け、割れが生じたような場合でも、挟持部材11、21のみを交換すれば良い。
【0032】また、これらの実施形態では、挟持部材11、21を別体で形成し、別途硬質炭素膜3を被着したものを接合したため、第1部材1、第2部材2自体は、一般的な金属や樹脂で形成しても良く、適度に弾性変形する材質を用いれば良い。
【0033】さらに他の実施形態を説明する。
【0034】図3に示す挟持具は、第1部材1、第2部材2の後端部1a、2aを接合一体化するとともに、自らの先端部を挟持部1b、2bとし、この挟持部1b、2bの表面に硬質炭素膜3を被着したものである。
【0035】この実施形態では、第1部材1及び第2部材2自体が硬質炭素膜3の母材となるため、その材質として、前述したような各種セラミックス、金属等を用いる。特に第1部材1及び第2部材2は弾性変形させる必要性があるため、チタンまたはチタン合金を用いることが好ましい。
【0036】なお、本発明の挟持具は上述した実施形態に限るものではなく、使用用途に応じて、さまざまな形状、構造とできることは言うまでもない。
【0037】また、以上のような本発明の挟持具は、電子機器、精密機械、化学、医療等のさまざまな分野で好適に使用することができる。
【0038】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、第1部材、第2部材の後端部を一体化し、先端部を挟持部とした挟持具において、挟持部を成す先端部に硬質炭素膜を被着したことによって、耐食性、耐摩耗性、絶縁性が非常に優れた挟持具とすることができる。
【0039】特に、上記硬質炭素膜を形成する母材として、チタン、モリブデン、タングステン、ステンレス等の金属の単体または合金、炭化珪素、窒化珪素、アルミナ、ジルコニア等を主成分とするセラミックス、あるいは超硬合金、サーメットのいずれかを用いれば、硬質炭素膜との密着性に優れ、長期間剥離することなく使用することができる。
【0040】また、挟持部を別体で形成し、脱着自在にしておけば、硬質炭素膜の剥離や挟持部の欠け、割れ等が生じた場合でも、挟持部のみを交換することによって、新品同様に機能を回復させることができる。




 

 


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