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発明の名称 吸着盤及びその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−128634
公開日 平成10年(1998)5月19日
出願番号 特願平8−287976
出願日 平成8年(1996)10月30日
代理人
発明者 寺本 宏司
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】被吸着物を吸着保持する吸着面が、複数個の多孔質セラミックスからなる吸着部材と、これら吸着部材同士を接合するガラス融着壁とからなり、該ガラス融着壁の幅が0.5〜2.0mmであることを特徴とする吸着盤。
【請求項2】被吸着物を吸着保持する吸着面が、複数個の多孔質セラミックスからなる吸着部材と、これら吸着部材同士を接合するガラス融着壁とからなる吸着盤の製造方法において、上記ガラス融着壁に対応する凸壁部を有する金型内にセラミック原料を充填して加圧成形することで上記凸壁部に対応する溝を備えた成形体を製作し、この成形体をセラミック原料が完全に焼結するのに必要な温度より若干低い温度で焼成して多孔質セラミック体を製作したあと、該多孔質セラミック体の溝にガラスペーストを充填して硬化させ、しかるのち、切削加工を施すことにより、多孔質セラミックスからなる吸着部材とガラス融着壁とを交互に配設してなる板状の吸着盤を形成することを特徴とする吸着盤の製造方法。
【請求項3】被吸着物を吸着保持する吸着面が複数個の多孔質セラミックスからなる吸着部材と、これら吸着部材同士を接合するガラス融着壁とからなる吸着盤の製造方法において、上記ガラス融着壁に対応する凸壁部を有する金型内に焼失材を加えたセラミック原料を充填して加圧成形することで上記凸壁部に対応する溝を備えた成形体を製作し、この成形体をセラミック原料が完全に焼結するのに必要な温度で焼成して多孔質セラミック体を製作したあと、該多孔質セラミック体の溝にガラスペーストを充填して硬化させ、しかるのち、切削加工を施すことで、多孔質セラミックスからなる吸着部材とガラス融着壁とを交互に配設してなる板状の吸着盤を形成することを特徴とする吸着盤の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空吸着装置の吸着面を構成する吸着盤とその製造方法に関するものであり、特に、サイズの異なる半導体ウエハやガラス基板等の被吸着物を保持するのに適するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体や液晶基板の製造工程では被吸着物である半導体ウエハや液晶用ガラス基板等を固定したり搬送するために真空吸着装置が使用されている。
【0003】例えば、図9(a)、(b)にマルチタイプと呼ばれる真空吸着装置81の構造を示すように、中央の円盤状をした吸着部材83のまわりに第1の仕切部材87を介して第2の環状吸着部材84を有するとともに、さらにそのまわりに第2の仕切部材88を介して第3の環状吸着部材85を備えた板状体からなる吸着盤82と、該吸着盤82を囲繞する凹部95を有する保持基体91とからなり、上記吸着盤82は吸着部材83、84、85を多孔質セラミックスで形成するとともに、仕切部材87、88を緻密質セラミックスで形成し、それぞれをガラス89で接合したものがあった。
【0004】また、上記保持基体91の凹部95の底面には吸着盤82の各吸着部材83、84、85と対応する位置に環状の溝92、93、94を備え、これらの溝92、93、94に連通する吸気孔102、103、104を介して真空ポンプ(不図示)により真空吸引することで、吸着面86に載置する被吸着物(不図示)を吸着保持するようになっている。
【0005】そして、吸着盤82は各吸着部材83、84、85が仕切部材37、38により仕切られて独立していることから、各吸気孔102、103、104の開閉を制御することで大きさの異なる被吸着物を一つの真空吸着装置81で保持できるようになっている。
【0006】このような真空吸着装置81を構成する吸着盤82は、吸着部材83をなす多孔質セラミック製の円盤体と、吸着部材84、85をなす多孔質セラミック製のリング体、および仕切部材37、38をなす緻密質セラミックスからなるリング体とを別々に成形・焼成して形成したあとそれぞれをはめ込み、接合部分をガラス89でもって溶着により一体化して形成されたものがあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、吸着盤82を製作する場合、吸着部材83をなす円盤体及び吸着部材84、85をなすリング体と、仕切部材87、88をなすリング体とをそれぞれ隙間なくはめ込む必要があるのであるが、精密に切削加工を施したとしても必ず隙間ができ、両者を接合するためにガラス89による融着を行ったとしても接合部分に0.1mm以上の隙間が残ることから吸着盤82の接合強度が弱く、このような吸着盤82でもって被吸着物を保持しようとすると上記隙間から空気が漏れ、所望の吸着力が得られないといった恐れがあった。
【0008】また、吸着部材83、84、85と仕切部材87、88とが同じ組成のセラミックスで形成されていたとしても多孔質セラミックスは緻密質セラミックスに比べ強度、硬度が小さいことから、緻密質セラミックスからなるリング体(仕切部材87、88)に多孔質セラミックスからなる円盤体(吸着部材83)及びリング体(吸着部材84、85)を嵌め込む時に欠けやチッピングを生じ、酷い場合には吸着面82に大きな窪みができるため、吸着保持する被吸着物が半導体ウエハのように薄肉のものである時にはウエハの平坦精度が低下するといった恐れもあった。
【0009】しかも、上記吸着盤82の吸着面86は、被吸着物を高精度に保持するために優れた平坦精度に仕上げる必要があるのであるが、吸着盤82は緻密質セラミックスからなる仕切部材87、88と多孔質セラミックスからなる吸着部材83、84、85およびガラス89とからなるために研摩加工を施すと硬度差の違いにより緻密質セラミックスからなる仕切部材87、88に比べて硬度の小さい多孔質セラミックスからなる吸着部材83、84、85およびガラス38が大きく削られ、吸着面86の平坦度を10μm程度にしかできず、これ以上平坦精度を高めることは難しいものであった。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記課題に鑑み、被吸着物を吸着保持する吸着面が複数個の多孔質セラミックスからなる吸着部材と、これら吸着部材同士を接合するガラス融着壁とからなり、該ガラス融着壁の幅を0.5〜2.0mmとして吸着盤を構成したものである。
【0011】また、本発明は上記吸着盤の製造方法において、ガラス融着壁に対応する凸壁部を有する金型内にセラミック原料を充填して加圧成形することで上記凸壁部に対応する溝を備えた成形体を製作し、この成形体をセラミック原料が完全に焼結するのに必要な温度より若干低い温度で焼成して多孔質セラミック体を製作したあと、多孔質セラミック体の溝にガラスペーストを充填して硬化させ、しかるのち、切削加工を施すことで、多孔質セラミックスからなる吸着部材とガラス融着壁とを交互に配設してなる板状の吸着盤を製造するものである。
【0012】さらに、本発明は焼失材を添加したセラミック原料を、ガラス融着壁に対応する凸壁部を有する金型内に充填して加圧成形することで上記凸壁部に対応する溝を備えた成形体を製作し、この成形体をセラミック原料が完全に焼結するのに必要な温度で焼成して多孔質セラミック体を製作したあと、多孔質セラミック体の溝にガラスペーストを充填して硬化させ、しかるのち、切削加工を施すことで、多孔質セラミックスからなる吸着部材とガラス融着壁とを交互に配設してなる板状の吸着盤を製造するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を説明する。
【0014】図1は本発明の吸着盤2を具備する真空吸着装置1を示す図であり、(a)は斜視図、(b)はX−X線断面図である。
【0015】この真空吸着装置1は、中央の円盤状をした吸着部材21のまわりに、環状のガラス融着壁24を介して第2の環状をした吸着部材22を有するとともに、さらにそのまわりに環状のガラス融着壁25を介して第3の環状をした吸着部材23を備えた円板状の板状体からなり、該板状体の一表面を吸着面5としてなる吸着盤2と、該吸着盤2の外周を囲繞する環状壁35を備え、該環状壁35の内側に上記吸着盤2を嵌入する凹部34を備えた保持基体3とからなり、上記吸着盤2は吸着面5が保持基体3の環状壁35と同一平面上に位置するように配置してある。
【0016】上記吸着盤2を構成する吸着部材21、22、23は、いずれも同一組成でかつ気孔率30〜40%、平均気孔径5〜200μmの多孔質セラミックスにより形成してあり、これらの吸着部材21、22、23同士を接合するガラス融着壁24、25の幅tは0.5〜2.0mmとしてある。なお、ガラス融着壁24、25の幅tとは、各吸着部材21、22、23間にのみ介在するガラス部分の厚みのことである。
【0017】また、保持基体3の凹部34の底面中央には、上記吸着盤2の円盤状をした吸着部材21と連通するホール31を穿設するとともに、該ホール31を中心に吸着盤2の環状をした吸着部材22、23と各々連通する同心円状の環状溝32、33をそれぞれ穿設してあり、これらのホール31及び環状溝32、33と連通する吸気孔41、42、43を介して真空ポンプ(不図示)により真空吸引することで、吸着面5に載置した被吸着物(不図示)を吸着保持するようになっている。
【0018】また、この吸着盤2は各吸着部材21、22、23がガラス融着壁24、25により仕切られて独立していることから、各吸気孔41、42、43の開閉を制御することで大きさの異なる被吸着物を一つの真空吸着装置1で保持することができる。
【0019】このように、本発明に係る吸着盤2は、各吸着部材21、22、23がいずれも同一組成の多孔質セラミックスからなり、同じ平均気孔径及び気孔率を有するとともに、従来の吸着盤82のような緻密質セラミックスからなる仕切部材87、88を有していないことから、吸着面5に研摩加工を施せば、各吸着部材21、22、23とも同じ量だけ削ることができる。しかも、各吸着部材21、22、23を接合するガラス融着壁24、25の幅tは0.5〜2.0mmと非常に小さいことから、ガラス融着壁24、25が吸着部材21、22、23に比べて削られたとしても、吸着面5の平坦精度に与える影響が少なく、吸着面5の平坦精度を大幅に高めることができる。
【0020】その為、本発明に係る吸着盤2を具備する真空吸着装置1を用いれば、半導体ウエハのように薄肉で変形し易い被吸着物を吸着保持したとしても吸着面5の平坦精度にならわせて精度良く保持することができ、保持した被吸着物の表面に研摩加工等の処理を施したとしてもガラス融着壁24、25の形状が模様として写し出されることはなく、吸着面5の平坦精度にならわせて平坦に仕上げることができる。
【0021】また、本発明に係る吸着盤2は、吸着面5における吸着部材21、22、23の占める割合が大きく、被吸着物のほぼ全面を吸着保持することができるため、従来の同径をした吸着盤82と比べてより大きな吸引力でもって被吸着物を吸着保持することができる。
【0022】なお、ガラス融着壁24、25の幅tを0.5〜2.0mmとしたのは、幅tが2.0mmより大きくなると、多孔質セラミックスからなる吸着部材21、22、23に比べて削られるガラス融着壁24、25の割合が多くなりすぎるために吸着面5の平坦精度をそれほど高めることができず、また、吸着盤2の強度が低下するために、被吸着物を真空吸引すると吸着面5が凹状に変形し、被吸着物を精度良く保持することができなくなるからであり、逆に、幅tを0.5mm未満とすることは製造上難しいからである。
【0023】次に、図1に示す真空吸着装置1に備える吸着盤2の製造方法について説明する。
【0024】まず、図2(a)に示すようなガラス融着壁24、25に対応する環状の凸壁部54、55を同心円状に突設させてなる金型50を用意し、この金型50内に図3(a)に示すようにセラミック原料70を充填したあと、図3(b)に示すような上パンチ60を下降させて加圧成形することで、図4(a)、(b)に示すような金型60の凸壁部54、55に対応した環状溝74、75を同心円状に備えてなる成形体71を製作する。
【0025】ここでセラミック原料70とは、アルミナ、炭化珪素などを主体とし、これらの原料にバインダーと溶媒を添加混合して形成した造粒体のことであり、例えば、アルミナを主体とする時には焼結助剤としてMgO、SiO2 、CaO、TiO2 等を添加したセラミック原料70を用いれば良く、炭化珪素を主体とする時には焼結助剤としてAl2 3 とY2 3 又はBとCを添加したセラミック原料70を使用すれば良い。
【0026】また、上パンチ60の先端面には金型50の底面に突設する凸壁部54、55間に対応する環状の凸部61、62、63を設けてあり、加圧成形時に金型50に備える凸壁部54、55上部に充填されたセラミック原料70aと凸壁部54、55以外の部分に充填されたセラミック原料70bに加える圧力を一定にし、原料粉末の詰まりが均一となるようにしてある。
【0027】次に、後述する環状溝74、75へのガラスペーストの注入時にガラスペーストが成形体71内に流れ込むことを防ぐため、図4(a)、(b)に示す成形体71をセラミック原料70を完全に焼結させる温度よりも若干低い温度にて焼成し、気孔率30〜40%、平均気孔径5〜200μmの多孔質セラミック体を形成する。
【0028】具体的には、アルミナを主体とするセラミック原料70を用いた時には、大気雰囲気にて1100〜1200℃程度の温度で2時間程度焼成すれば良く、炭化珪素を主体とするセラミック原料70を用いた時には、不活性ガス雰囲気にて1800〜1900℃程度の温度で2時間程度焼成すれば良い。
【0029】しかるのち、焼結した多孔質セラミック体の環状溝74、75に粘度調整したガラスペーストを注入し、1100〜1200の温度で焼成することでガラスを硬化させ、図5(a)、(b)に示すようなガラス融着壁24、25を有する多孔質セラミック体76を形成したあと、ガラス融着壁24、25のない部分を研削加工により取り除くことで、図6(a)、(b)に示すような複数個の多孔質セラミックスからなる吸着部材21、22、23と、これら吸着部材21、22、23同士を接合するガラス融着壁24、25とを交互に配設してなる板状の吸着盤2を得ることができる。
【0030】このように本発明では、予めガラス融着壁24、25に対応する溝77、78を有する多孔質セラミック体76を形成し、上記溝77、78にガラスペーストを充填して焼成することでガラスを硬化させたあと、所定の形状に研削加工を施して製作するようにしたことから、従来の吸着盤82のように別々に形成した吸着部材83、84、85と仕切部材87、88とを高精度に加工して嵌め合わせるといった作業が必要がなく容易に製作することができる。
【0031】しかも、多孔質セラミック体76の溝77、78には十分な量のガラスを充填してガラス融着壁24、25を形成することができるため、吸着盤2を構成する吸着部材21、22、23とガラス融着壁24、25との間には隙間がなく、両者を強固に接合することができる。
【0032】その上、多孔質セラミック体76の溝77、78の幅を小さくしてもガラスペーストの粘度を調整することで十分な量のガラスを充填することができるため、ガラス融着壁24、25の幅tが0.5〜2.0mmと非常に小さな吸着盤2の製作も可能である。
【0033】一方、上記吸着盤2の製造工程において、多孔質セラミック体76の他の製造方法として、セラミック原料70に、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、酢酸ビニール、アクリル樹脂、セルロース、炭化カルシウム、炭化マグネシウムなどの焼成時に燃えてなくなる焼失材を添加し、この原料を吸着盤2のガラス融着壁24、25に対応する環状の凸壁部54、55を有する金型50内に充填して加圧成形することで図4(a)、(b)に示すような金型60の凸壁部54、55に対応した環状溝74、75を同心円状に備えてなる成形体71を製作し、しかるのち、この成形体71を構成するセラミック原料70を完全に焼結させる温度にて焼成することで形成することもできる。
【0034】この方法によれば、セラミック原料70を完全に焼結させる温度にて焼成することができるため、より高硬度、高強度を有する吸着盤2の製作が可能である。
【0035】具体的には、セラミック原料70に対し、2〜30重量%の範囲で焼失材を添加した原料を所定の形状に成形し、セラミック原料70がアルミナを主体とするものである時には、大気雰囲気にて1600〜1800℃程度の温度で1〜2時間程度焼成すれば良く、炭化珪素を主体とするセラミック原料70を用いた時には、1900〜2000℃程度の温度で1〜2時間程度焼成することで三次元網目構造を有する多孔質セラミック体76を得ることができる。
【0036】また、この方法を用いれば、セラミック原料70としてアルミナや炭化珪素以外に窒化珪素やジルコニアを主体とするセラミック原料70を使用することもでき、例えば、窒化珪素を主体とする場合、焼結助剤としてAl2 3 とY2 3を添加したセラミック原料70を用い、窒素雰囲気にて1700〜1800℃程度の温度で2時間程度焼成すれば良く、ジルコニアを主体とする時には安定化剤としてY2 3 、CaO、MgO、CeO2 等添加したセラミック原料70を用い、大気雰囲気にて1400〜1650℃程度の温度で2時間程度焼成すれば良い。
【0037】さらに、前述した製造方法では多孔質セラミック体76の表面に形成する溝77、78を金型50の底面に形成した凸壁部54、55により形成したが、予め板状の多孔質セラミック体75を形成しておき、その表面に研削加工を施すことでガラス融着壁24、25の形状に合致した溝77、78を形成しても構わない。
【0038】なお、図1ではガラス融着壁24、25の形状を環状としたものを示したが、これらについても金型50に突設する凸壁部54、55の形状をそれぞれ変えることで、図7(a)に示すようなガラス融着壁24、25が三角形をしたしたものや、図7(b)、(c)に示すような吸着盤2そのものが角板や楕円板をしたもので、その外形状と相似のガラス融着壁24、25を有するもの、あるいは図7(d)に示すような板状の吸着盤26と細板状のガラス融着壁27とが交互に配設された板状体をしたものなど使用目的に応じて適宜変更することができる。
【0039】次に、本発明の他の実施形態について説明する。
【0040】図8は本発明の他の吸着盤2を具備する真空吸着装置1を示す図であり、(a)は斜視図、(b)はY−Y線断面図である。
【0041】この真空吸着装置1は、基本的な構造は図1と同じであるが、吸着盤2の吸着面5を保持基体3の環状壁35より突出させてあり、吸着盤2の最外周に膜厚が1〜2mm程度のガラスや樹脂からなるシール膜4を被着したものである。
【0042】この構造によれば、吸着盤2の吸着面5のみで被吸着物を保持することができるため、より精度良く被吸着物を保持することができる。
【0043】
【実施例】ガラス融着壁24、25の幅tをそれぞれ変化させた吸着盤2を試作し、これらの吸着盤2の吸着面5に研摩加工を施した時の平坦精度について測定を行った。
【0044】本実験で使用する吸着盤2は、Al2 3 粉末90重量%に対し、焼結助剤としてSiO2 粉末を10重量%添加し、溶媒及びバインダーとともに混練乾燥させたあと、このセラミック原料を2重の環状凸壁部54、55を有する金型50内に充填して300kg/cm2 程度の圧力で加圧成形し、しかるのち、大気雰囲気中で1200℃の温度で2時間焼成することで、表面に2重の環状溝74、75を有するとともに、気孔率38%、平均気孔径50μmのアルミナセラミックスからなる多孔質セラミック体76を形成し、次に、多孔質セラミック体76の環状溝74、75にガラスペーストを注入して1100℃程度の温度で焼成することでガラスを硬化させ、しかるのち切削加工を施すことにより外径200mm、厚み7mmの板状体を切り出したものを使用した。
【0045】そして、この板状体の一表面にダイヤモンド砥粒を用いて研摩加工を施して吸着面5を形成し、この吸着面5の表面状態を真直度測定器で測定した。
【0046】なお、基準試料として気孔率、平均気孔径が上記吸着盤2と同じアルミナセラミックスを用意し、同様にダイヤモンド砥粒を用いて研摩加工を施したところ、その平坦度は0.3μmであった。
【0047】それぞれの結果は表1に示す通りである。
【0048】
【表1】

【0049】この結果、ガラス融着壁24、25の幅tが3mmであると、多孔質セラミックスからなる吸着部材21、22、23に比べて多く削られるガラス融着壁24、25の幅tが長すぎるために吸着面5の平坦度は3μm程度としかできなかった。
【0050】これに対し、ガラス融着壁24、25の幅tが2mm以下であれば、多孔質セラミックスからなる吸着部材21、22、23に比べて多く削られたとしても、その幅tが狭いことから吸着面5の平坦精度に与える影響は少なく、平坦度を1μm以下とすることができた。特に、ガラス融着壁24、25の幅tを0.5mmとしたものにおいては、吸着面5の平坦度を0.3μmとガラス融着壁24、25のない基準試料と同等の平坦精度を得ることができた。
【0051】このことから、ガラス融着壁24、25の幅tを2mm以下とすれば吸着面5を優れた平坦精度に仕上げることができることが判る。
【0052】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、被吸着物を吸着保持する吸着面が複数個の多孔質セラミックスからなる吸着部材と、これら吸着部材同士を接合するガラス融着壁とからなり、該ガラス融着壁の幅を0.5〜2.0mmとして吸着盤を構成したことから、従来の吸着盤のような緻密質セラミックスからなる仕切部材がなく、吸着面の研摩加工時に硬度の低いガラス融着壁が吸着部材に比べて大きく削られたとしてもその幅が非常に小さいことから、吸着面の平坦精度を高精度に仕上げることができるとともに、十分な強度を有することから被吸着物を真空吸引しても吸着面が凹状に変形することがない。
【0053】その為、吸着面に吸着保持した被吸着物の表面を研摩してもガラス融着壁の形状が模様として写し出されることがなく、吸着面の平坦精度にならわせて被吸着物を吸着保持することができる。
【0054】しかも、ガラス融着壁の幅が小さいことから、吸着面における吸着部材の占める割合を大きくすることができ、従来の同径をした吸着盤と比べてより大きな吸引力でもって被吸着物を吸着保持することができる。
【0055】また、本発明は上記吸着盤を製造する方法として、ガラス融着壁に対応する凸壁部を有する金型内にセラミック原料を充填して成形することで上記凸壁部に対応する溝を備えた成形体を形成し、セラミック原料を焼結させるのに必要な温度より低い温度で焼成して多孔質セラミック体を形成するか、焼失材を添加したセラミック原料をガラス融着壁に対応する凸壁部を有する金型内に充填して成形することで上記凸壁部に対応する溝を備えた成形体を形成し、セラミック原料を焼結させるのに必要な温度で焼成して多孔質セラミック体を形成したのち、上記多孔質セラミック体の溝にガラスペーストを注入し、再度焼成してガラスを硬化させたあと、切削加工を施して多孔質セラミックスからなる吸着部材とガラス融着壁とを交互に配設してなる板状の吸着盤を形成するようにしたことから、従来の吸着盤のように別々に形成した吸着部材と仕切部材とを高精度に加工して嵌め合わせるといった作業が必要がなく容易に製作することができる。しかも、多孔質セラミック体の溝には十分な量のガラスを充填してガラス融着壁を形成することができるため、吸着盤を構成する複数個の吸着部材同士を強固に接合することができ、十分な強度を持った吸着盤を得ることができる。
【0056】その上、多孔質セラミック体の溝の幅を小さくしてもガラスペーストの粘度を調整することで十分な量のガラスを充填することができるため、ガラス融着壁の幅が非常に小さな吸着盤2も製作することができる。




 

 


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