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発明の名称 被覆切削工具
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−128602
公開日 平成10年(1998)5月19日
出願番号 特願平8−288754
出願日 平成8年(1996)10月30日
代理人
発明者 青山 幸保
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】窒化珪素質母材表面に、Tiの窒化物、炭化物又は炭窒化物からなる第1層、アルミニウム化合物からなる第2層、Tiの窒化物または酸窒化物とAlの酸化物または酸窒化物の複合化合物固溶体からなる第3層を順次配した硬質被覆膜を備えてなる被覆切削工具。
【請求項2】上記第2層が酸化アルミニウムからなることを特徴とする請求項1の被覆切削工具。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フライス加工工具等の切削工具であって窒化珪素質材料からなる切削工具に関し、特に窒化珪素質の母材表面に、耐摩耗性の優れた硬質被覆膜を形成した被覆切削工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】切削工具には、サーメット工具や超硬工具などのように耐摩耗性を向上させるため工具母材表面にTi等の窒化物や炭化物よりなる硬質被覆膜を形成することが行われているものがある。
【0003】その方法としては、CVD法(化学的蒸着法)及びPVD法(物理的蒸着法)の他、イオンプレーティング法やスパッタリング法によりTiN,TiAlN,,TiAlC,或いはTiAlCN等の被覆が行われてきた。
【0004】特公平4−53642号は、このような被覆切削工具に関連した発明で、WC基超硬合金またはTiCN基サーメットで構成された基体部材の表面に、(Ti,Al)C,(Ti,Al)N,および(Ti,Al)CNのうちの1種の単層または2種以上の被覆からなる硬質被覆層をCVD法やPVD法などを用いて、0.5〜10μm の平均層厚で蒸着してなる耐摩耗性のすぐれた表面被覆工具を内容としたものであった。
【0005】ところで、切削工具として、セラミック工具は、その優れた高温特性、化学的安定性により、一般鋼、高硬度材の高速・高能率加工に優れた性能を発揮している。特に、耐摩耗性、耐クレータ性にも優れているため超高速切削加工が可能であるとともに、被削材との親和性が極めて低いため、長時間安定した仕上げ面が維持されるという特徴をもっている。
【0006】その中でも、窒化珪素質セラミックは、強靱であり、耐欠損性に優れるので、鋳鉄、耐熱合金などの高速荒加工(V=250m/min〜)に用いられ、湿式加工にも、乾式加工のどちらにも対応可能なものであった。
【0007】このようなセラミック工具は、通常、硬質皮膜を表面に形成することなく用いられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら近年、切削速度の一層の高速化が要望されており、切削条件がより過酷化する傾向にある為、従来の切削工具よりもさらに耐摩耗性を向上せしめた切削工具が望まれており、これは窒化珪素質工具でも例外でなかった。。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は、上述のような観点から、従来の被覆超硬合金の耐摩耗性を向上させるべく鋭意検討を続けた結果、Ti,Alの複合化合物固溶体層に変更を加え、耐摩耗性を顕著に向上させることができることを見出した。すなわち、Ti,Alの複合化合物固溶体層をTiの窒化物または酸窒化物およびAlの酸化物または酸窒化物からなるものとし、Al2 3 、Al2 3 N中にTi化合物を分散固溶させたことによって、耐酸化性に加え、耐欠損性および耐摩耗性が優れ、しかも、この複合化合物固溶体層を母材表面に形成したTiN,TiC或いはTiCNのTiの窒化物、炭化物又は炭窒化物からなる第1層よりも外側に形成することによって耐摩耗性を顕著に向上する。
【0010】そして、このような構成に加え、上記Ti,Alの複合化合物固溶体層と第1層の間にアルミニウム化合物を介在させることにより、この効果をさらに助長することができ、アルミミウム化合物としては、特に酸化アルミニウムが耐摩耗性の向上に有効である。
【0011】この発明は、上記研究結果にもとづいてなわれたものであって、窒化珪素質母材表面に、Tiの窒化物、炭化物又は炭窒化物からなる第1層、アルミニウム化合物からなる第2層、Tiの窒化物または酸窒化物とAlの酸化物または酸窒化物の複合化合物固溶体層〔以下、(Ti,Al)(N,O)層という〕の第3層を順次配した硬質被覆膜を備えてなる被覆切削工具に特徴を有するものである。
【0012】また、このような上記(Ti,Al)(N,O)層において、母材表面側にTiを多く存在せしめ、外側に離れていくほどTiが減少し、最外部分ではAlが主となるような構成とすることにより、複合化合物固溶体層とその下のTi化合物層との密着性を高めることができ、結果として耐欠損性を高めることができる。
【0013】なお、上記硬質被覆膜としては、前記第1層〜第3層を同じ順で2回以上積層するのが、一回積層のものよりも耐摩耗性が高い傾向がある。
【0014】また、硬質被覆膜の厚みとしては3.0〜6.0μm の範囲であることが好ましい。すなわち、上記厚みが3.0μm 未満では耐摩耗性および耐欠損性に低くなる恐れがあり、他方6.0μm 以上では、被覆膜の固着力が小さくなり、剥離の恐れがある。
【0015】
【実施例】つぎに、この発明の被覆切削工具を実施例により具体的に説明する。
【0016】実施例1JIS CNGN120408に適合した形状であり且つ京セラ製SN6000材種のセラミック製の切削工具(以下チップと呼ぶ)を母材として、公知のCVD法によって多層硬質膜を形成し、これを実施例品1とした。膜構成をTiN+TiAlN+(Ti,Al)(N,O)+TiN+TiAlN+(Ti,Al)(N,O)+TiC,すなわちTiN+TiAlN+(Ti,Al)(N,O)の膜構成を2段積み重ねた上にTiC膜を形成し、膜厚を約3.5μmとした。
【0017】このチップを用い以下の条件で切削試験を行って主切刃VB 摩耗量と主切刃VB MAX 摩耗量を測定した。
【0018】

その結果、主切刃VB 摩耗量が0.16mmで、主切刃VB MAX 摩耗量が0.19mmであった。
【0019】比較例1実施例1と同様に、膜構成をTiN+(Ti,Al)(N,O)+TiN+(Ti,Al)(N,O)+TiC,すなわちTiN+(Ti,Al)(N,O)の膜構成を2段積み重ねた上にTiC膜を形成し、膜厚を約3.0μmとしたチップを作製し、これを比較例品1とした。この比較例品1を用いて、実施例1と同様の試験を行った。
【0020】この結果、主切刃VB 摩耗量が0.22mmで、主切刃VB MAX 摩耗量が0.33mmと、いずれも実施例品1よりも摩耗量が多かった。
【0021】これは、本比較例ではTiN層上に(Ti,Al)(N,O)層を直接形成したため(Ti,Al)(N,O)の成膜状態が若干不良となり、他方前記実施例1では両層の間にTiAlN層を介在させたことにより(Ti,Al)(N,O)の成膜状態が良好であったためではないかと推測される。
【0022】実施例2JIS CNGN120408に適合した形状であり且つ京セラ製SN6000材種のセラミック製の切削工具(以下チップと呼ぶ)を母材として、公知のCVD法によって多層硬質膜を形成し、これを実施例品2とした。膜構成をTiN+Al2 3 +(Ti,Al)(N,O)+TiN+Al2 3 +(Ti,Al)(N,O)+TiC,すなわちTiN+TiAlN+(Ti,Al)(N,O)の膜構成を2段積み重ねた上にTiC膜を形成し、膜厚を約3.5μmとした。
【0023】このチップを用い、以下の条件で切削試験を行って主切刃VB 摩耗量と主切刃VB MAX 摩耗量を測定した。
【0024】

その結果、主切刃VB 摩耗量が0.10mmで、主切刃VB MAX 摩耗量が0.16mmで、いずれも実施例1よりも少ない摩耗量であった。
【0025】これは、TiN層と(Ti,Al)(N,O)層の間に形成する層を実施例1のTiAlNに対して酸化アルミニウムで構成したことによるものと思われる。
【0026】実施例3実施例2のチップにおいて硬質被覆膜をそれぞれ2.8μm と6.5μm とした2種類のチップを形成し、実施例2と同一条件で加工試験を行った。
【0027】その結果、被覆膜厚み2.8μm のチップは、主切刃VB 摩耗量が0.18mmで、主切刃VB MAX 摩耗量が0.22mmと実施例1,2よりも大きかった。
【0028】また、被覆膜厚み6.5μm のチップでは、被覆膜が剥離する場合があった。
【0029】なお、実施例品1、2、3および実験例品について硬質被覆膜のEPMA組成分析を行ったところ、実施例品2について、上記(Ti,Al)(N,O)層において、母材表面側にTiを多く存在せしめ、外側に離れていくほどTiが減少し、最外部分ではAlが主となるような構成となっていることが確認された。実施例品2の耐摩耗性が優れていたことの理由として、このようなTiの傾斜的分布があることも考えられる。
【0030】なお、本発明はこれら実施例の形態に限定されるものでなく、例えば表面にさらにTiN膜を形成するなど、本発明の目的を逸脱しない限り、任意の形態にすることができるのは言うまでもない。
【0031】
【発明の効果】叙上のように、本発明によれば、窒化珪素質母材表面に、Tiの窒化物、炭化物又は炭窒化物からなる第1層、アルミニウム化合物からなる第2層、Tiの窒化物または酸窒化物とAlの酸化物または酸窒化物の複合化合物固溶体層〔(Ti,Al)(N,O)層〕の第3層を順次配した硬質被覆膜を形成したことにより、切削工具の耐摩耗性、耐欠損性が顕著に向上させた。したがって、経済的であるとともに、切削速度の一層の高速化にも十分対応していくことができる。




 

 


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