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発明の名称 ドリルインサート
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−43922
公開日 平成10年(1998)2月17日
出願番号 特願平8−202376
出願日 平成8年(1996)7月31日
代理人
発明者 小島 義秀
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】多角形状をした板状体の、上面稜辺部に切刃が形成されてなるドリルインサートにおいて、上記多角形の隅角部に一対のコーナーR部(4)(5)を有する突出部を備えるとともに、該突出部に切刃から0.15mmまでの位置に前端が位置し且つ高さが0.15〜0.6mmの突起を形成してなるドリルインサート。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、穴加工用の転削工具に装着されるドリルインサートに関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】穴加工を行うドリル工具として、工具本体の先端部に相互の回転軌跡が交叉するように外径側の外刃インサートと内径側の内刃インサートが着脱自在に装着されたものが用いられてきた。
【0003】図7は、そのようなドリル工具に用いられる従来のドリルインサート10と該ドリルインサート10をドリル工具本体Tに装着した際の配置を示す。
【0004】このドリルインサート10は多角形板状体であり、上面11の稜辺部に切刃が形成されたものを示し、同図に示すように一本のスローアウェイドリルの工具本体Tに2個が、それぞれ外刃インサート12、内刃インサート13として、同一回転方向に上面11、11を向けて装着される。また、外刃インサート12、内刃インサート13に形成された切刃のうち底切刃15となった切刃の回転軌跡が相交わり、且つ、工具本体Tの中心軸T1から側面T2までをカバーする。
【0005】図7(b)には、上記ドリルインサート10を装着したスローアウェイドリルにより切削加工を行った場合に上記外刃インサート12と内刃インサート13のそれぞれに発生するラジアル方向の荷重力の合成力を示し、図に示すように上記従来のドリルインサート10では内刃インサート13にかかるラジアル方向荷重が中心軸T1から内刃インサート13の底切刃15に沿って発生するのに対し、外刃インサート12は外壁を切削するコーナーR部14が受ける切削抵抗により、コーナーR部14と工具本体Tの中心軸T1を結ぶ半径を基準として逆回転方向(+の方向)に発生する。
【0006】この結果、上記ラジアル方向の荷重力の合成力は内刃インサート13の側に向き、すなわち加工中に穴径が小さくなる方向にたわみ、ワークからドリル工具を抜く際、外刃インサート12が穴壁と接触し、仕上げ面を傷付けると同時に、早送りで抜けば外刃インサート12のコーナーR部14が壁に強くあたり、他方、切削送りで抜けば接触回数が増え外刃インサート12のコーナーR部14の損傷が大きくなる恐れがあった。
【0007】
【発明の目的】上記従来技術の課題に鑑み、本発明は、ワークからドリル工具を抜く際に外刃インサートと穴壁とが接触したりせず、良好な仕上げ面に加工することができるドリル工具用のインサートを提供することを目的とする。また、本発明の別の目的は、そのようなインサートにおいて切屑処理性を高めることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため本発明は、多角形状をした板状体の、上面稜辺部に切刃が形成されてなるドリルインサートにおいて、上記多角形の隅角部に一対のコーナーR部(4)(5)を有する突出部を形成する。さらに、該突出部に切刃から0.15mmまでの位置に前端が位置し且つ高さが0.15〜0.6mmの突起を形成する。
【0009】
【作用】本発明のドリルインサートは、多角形の隅角部に一対のコーナーR部(4)(5)を有する突出部を形成したもので、このドリルインサートを工具本体の先端において、上記突出部が穴底側に向くように外径側の外刃インサートとして用いることによって、外刃インサートのラジアル荷重の方向が回転方向側(−の方向)に向き、これにより上記合成力方向は中心軸から外刃インサート側に向かう。
【0010】したがって、工具本体は外刃インサート側に撓むこととなり、その結果、加工径が大きくなる。したがって、スローアウェイドリルを加工穴から引く抜く際に、外刃インサートと穴壁とが接触することなくドリル工具をワークから抜くことができる。
【0011】また、本発明のドリルインサートおよびこれを用いたスローアウェイドリルの別の作用として、穴底側に対向する外刃インサートの突出部を構成するコーナーR部のうち、内側のコーナーR部が穴底側からの切屑を分断するので、外刃インサート側の切屑が細い幅で形成されるが、前記コーナーR部の切刃に近接して形成された突起により、切屑の幅方向の断面形状が湾曲して形成される。その結果、幅が細くても、切屑が短めに切断されるようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図を用いて説明する。図1は、本実施形態によるドリルインサート1を示し、このドリルインサート1は多角形をなし、上面2の稜辺部に切刃が形成され、これら切刃のうちインサートの中心軸に対して点対称関係にある2辺が主切刃3としてへの字状に形成され、また残る二辺のそれぞれ一方端、すなわち多角形の隅角部の位置には、一対のコーナーR部4,5が形成され外方に若干突き出た突出部6が形成されている。
【0013】なお、ここでコーナーR部4,5とは、曲線部分に連続する直線がなす角が直角に近く、60°〜105°の範囲のものを言う。
【0014】また、上面2の稜辺部の切刃に沿って、R溝状の全周ブレーカ溝10がランド11の内側に形成され、このうち、上記突出部6の全周ブレーカ溝10内には、切刃12に近接して突起13が設けられている。この突起13は図2の断面図に示すように、前端13aが切刃12から0.15mm以内(間隔d≦0.15mm)に位置し、且つ高さhが0.15〜0.6mmの範囲で設けられる。
【0015】次に、図3および図4は、上記ドリルインサート1を工具本体Tに装着した時の配置例を示す。図3は工具本体の側面T2側から見た透視配置図、そして図4は工具本体の底面側から見た配置図である。なお、図3中、点線で示す外刃インサート7は、外刃インサート7の軌跡と内刃インサート8の軌跡の関係を示すためのもので、実線で表す外刃インサート7が180°回転した位置で示している。
【0016】これらの図に示すように、ドリルインサート1は外刃インサート7と内刃インサート8として2個が一本の工具本体Tに装着され、両者は同一回転方向に上面2を向けて装着される。すなわち、図4のように外刃インサート7の上面2と内刃インサート8の上面2は180°反対方向に向いた状態となっている。そして、底切刃9の回転軌跡が交わり且つ工具本体Tの中心軸T1から側面T2までをカバーするように設置される。
【0017】また、上記外刃インサート7としては、主切刃3を側面T2側で且つ上記突出部6のうち一方が底端外側にくるように装着し、他方内刃インサート8としては、主切刃3を下側に向けて装着する。
【0018】図4中、直線矢印は、上記上刃インサート7および内刃インサート8として設置された前記ドリルインサート1につき、切削加工中に外刃インサート7にかかるラジアル荷重力と内刃インサート8にかかるラジアル荷重力の和としての合成力の方向(合成力方向N)を示し、同図に示すように該合成力は中心軸T1から外刃インサート7の上面2を基準として回転反対方向側(+の方向)に発生する。
【0019】前述のように構成される多角形ドリルインサート1は、多角形の隅角部に一対のコーナーR部4,5を有する突出部6を外刃インサート7の穴底側に配設することにより、外刃インサート7のラジアル荷重の方向が回転方向側(−の方向)に向き、これにより上記合成力方向Nは中心軸T1から外刃インサート7側に向かう。したがって、工具本体Tは外刃インサート7側に撓むこととなり、その結果、外刃インサート7と穴壁とが接触することなくドリル工具をワークから抜くことができる。
【0020】また、本発明のドリルインサート1の別の作用として、穴底側に対向する外刃インサート7の突出部6を構成するコーナーR部4,5のうち、主切刃3とは連続していない内側のコーナーR部5が穴底側からの切屑を巾細に分断する。しかしながら、一般に切屑が巾細の場合、切屑が長く延びてしまい排出性が悪くなる傾向があるため、突出部6に切刃12に近接した突起13を形成し、切屑14の断面形状を図5に示すように波形とすることによって切屑14が短めに切断されやすいようにしてあり、これにより最適な切屑処理が可能となった。
【0021】なお、上記突起13につき、前記間隔dが0.15mm超過の場合、切屑の断面形状が波形となり難くなり、切屑が伸び易くなる恐れがある。また、前記高さhが0.15mm未満の場合も同様に切屑が伸び易くなる恐れがあり、他方、0.6mm超過の場合、切削抵抗が大きくなりビビリ等の原因になる恐れがある。
【0022】なお、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、発明の目的を逸脱しない限り、任意の形態とすることができる。例えば、ドリルインサート1の概略形状として四角形以外の多角形状のものであっても良く、また、全周ブレーカー10を設けないタイプのものであっても良い。さらに、突出部6に設ける突起13の数は図6のドリルインサートの如く各1個や、その他、任意の数のものを用いることができる。
【0023】
【実験例】以下、本発明の実験例を説明する。図1のドリルインサート1であって、突出部6の突起13について前記間隔dと高さhを下記の如く違えたドリルインサート1を作製し、それぞれを前記ドリル工具本体Tに装着して以下の条件で切削加工を行った。
【0024】

そして、外刃インサート7により切削された切屑の状態および切削状況を肉眼で観察した。
【0025】それらの結果は次のとおりであった。
【0026】
間隔d 高さh 切削状況 0.1 0.2 切屑やや長め 0.1 0.1 切屑やや長め 0.15 0.1 切屑やや長め 0.15 0.2 切屑短め 0.15 0.7 ビビリ振動あり 0.3 0.2 切屑やや長め 0.3 0.7 ビビリ振動あり以上の結果から、前記ドリルインサート1において、前端が切刃から0.15mm以内(間隔d≦0.15mm)に位置し、且つ高さhが0.15〜0.6mmの範囲で設けられる好ましいことが判った。
【0027】
【発明の効果】叙上のように本発明は、内刃インサート、外刃インサートのラジアル荷重の合成力の方向が、工具本体の中心軸から外刃インサート側になり、これによりワークからドリル工具を抜く際に外刃インサートと穴壁とが接触したりせず、良好な仕上げ面に加工ることができるという優れた効果を奏し、さらに、切屑を巾細且つ短めに切断するので、最適な切屑処理が達成するという効果を併せ持つ。




 

 


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