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発明の名称 木質様成形物、その製造方法、及び成形物用組成物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−309727
公開日 平成10年(1998)11月24日
出願番号 特願平9−122452
出願日 平成9年(1997)5月13日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】若林 忠 (外4名)
発明者 向 信博 / 柴崎 正明 / 上手 正行 / 荷見 このみ
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 ポリメタクリル酸エステルを主成分とする重合体(A)、無機充填材(B)、及びセルロ−ス系微粉粒(C)を含んで成る木質様成形物。
【請求項2】 ポリメタクリル酸エステルを主成分とする重合体(A)が、架橋重合体である請求項1に記載の木質様成形物。
【請求項3】 セルロ−ス系微粉粒(C)が、無機顔料が表面に食い込み状態で担持されたセルロ−ス系微粉粒(D)である請求項1又は2に記載の木質様成形物。
【請求項4】 更に、顔料を含んで成る請求項1〜3の何れか一項に記載の木質様成形物。
【請求項5】 少なくとも2種以上の顔料を混合して、木目模様を形成した請求項4に記載の木質様成形物。
【請求項6】 メタクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルとその重合体の混合物である樹脂成分(a1)、分子内に2つ以上のビニル基を有する架橋性ビニル単量体(a2)、無機充填材(B)、及びセルロ−ス系微粉粒(C)を含んで成る組成物。
【請求項7】 請求項4に記載の組成物を、成形、重合硬化して成る木質様成形物。
【請求項8】 請求項4に記載の組成物を、型注入成形法で成形することを特徴とする木質様成形物の製造方法。
【請求項9】 請求項1、2、3、4、5又は7に記載の成形物の表面を研削処理して成る木質様成形物。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅等におけるキッチン天板、洗面化粧台、バスタブ、テ−ブル、壁材、床材、家具、インテリア小物などに好適に使用できる木質様成形物、その製造方法、及び成形物用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、家具や周り縁、幅木、テ−ブル・カウンタ−等に各種の合成樹脂成形物が使用されている。そして、現代の自然回帰的な風潮に合わせて、これら合成樹脂成形物の外観や風合いを、より天然木材に近づけようと試みられている。
【0003】例えば、合成樹脂成形物の成形、あるいは、その塗膜や皮膜の形成に際して、適量の木粉と所望の色調を発現せしめる顔料を樹脂原料に混合すれば、天然木材に近い外観や風合いを有する合成樹脂成形物が得られる事が知られている。具体的には、特開平6−39893号公報、特開平6−170910号公報等では、塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂等に木粉と顔料を混合せしめたペレットを熱溶融成形する事により木質様樹脂成形物を得ている。
【0004】一般に、樹脂への添加用途に使用される木粉としては、樹脂に対する配合時の分散性が向上するように、また熱溶融成形時の熱により木酸ガスが生じないように改良されたものが多い。その典型的なものとして、フェノ−ルや尿素樹脂等で表面硬化処理が施されたパ−ティクルボ−ドの表面研磨粉がある。この表面研磨粉は、微細であり、しかも表面に繊毛部分が少なく滑性の良い粒形状を有し、粉粒状の樹脂原料に対しては良好な分散配合性を有するとされている。しかし、木質様樹脂成形物に使用する場合は、実際にはまだ繊毛部分が多く、毛羽立ち感が残り、外観上及び塗装工程上等に問題を残している。更に、パ−ティクルボ−ドの原料の素材的特徴の違いにより木質特性が不均一になり、しかも、研削手段(例えばサンドペ−パ−のメッシュ)の違いに起因して粒径にばらつきが生じ易く、均一な色相及び木質様外観を有する成形物を得るのは難しい。
【0005】したがって、木質様樹脂成形物には、木材を直接微粉状に粉砕し乾燥して得られる木粉を使用せざるを得ないのが現状である。しかし、この木粉は、乾式法、湿式法を問わず粉砕効率が悪く、長時間粉砕処理しても大きな木粉が多量に残留するという不都合が有る。更に、この木粉は粒径状をなさず、その多くが繊維状であり、短径が数ミクロンであっても長径が長く、樹脂に配合して用いた際に木粉相互が絡み合って凝集状態を作り出すことが多く、樹脂材料に対する分散が不均一になるという不都合が有る。また、木粉の粒径が極端にバラついているので成形された樹脂製品に成形歪み等をもたらし易く、しかも機械的な強度が部分的に異なる等の不都合が有る。これらの不都合から、木材を直接微粉粒に粉砕して得られる木粉は、配合上、色彩上、品質管理上限界が有る。
【0006】一方、家具や建材等の成形材用としては、一般に、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂等が用いられているが、熱溶融成形による木質様樹脂成形物に関しては、その殆どにおいて塩化ビニル樹脂が用いられている。しかし、塩化ビニル樹脂は、樹脂自体の透明性が優れていない事に加えて、成形性を向上する目的で添加する可塑剤等により更に透明性が低下し、混合した木粉による質感が低減するという問題が有る。更には、塩化ビニル樹脂は耐候性が劣り、使用中に外観変化を起こすという問題も有る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従来技術に鑑みなされたものであり、成形後の表面に毛羽立ちが無く、均一な木質様を呈し、かつ混合した微粉粒に起因する木質感が十分に引き出され、長期間にわたって色むら等の外観変化が無いように保たれる良好な耐候性を有し、更には成形時に熱焼けを生じない木質様樹脂成形物、その製造方法、及び成形物用組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決する為の手段】本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、木質感を発現するのに最適なセルロ−ス系微粉粒及び無機充填材を使用すると共に、透明性に基づく良好な木質感発現性及び耐候性に優れたポリメタクリル酸エステルを主成分とする重合体を使用すること、更にはセルロ−ス系微粉粒に焼けが生じない温度範囲で成形物を得るために型注入成形法で成形すること等が非常に有効であることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明の要旨は、ポリメタクリル酸エステルを主成分とする重合体(A)、無機充填材(B)、及びセルロ−ス系微粉粒(C)を含んで成る木質様成形物にあり、更に、本発明の要旨は、メタクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルとその重合体の混合物である樹脂成分(a1)、分子内に2つ以上のビニル基を有する架橋性ビニル単量体(a2)、無機充填材(B)、及びセルロ−ス系微粉粒(C)を含んで成る組成物、及び、この組成物を、成形、硬化してなる木質様成形物にあり、更に、本発明の要旨は、この組成物を、型注入成形法で成形することを特徴とする木質様成形物の製造方法にあり、更に、本発明の要旨は、これら成形物の表面を研削処理して成る木質様成形物にある。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態を説明する。
【0011】本発明においては、透明性及び耐候性に優れたポリメタクリル酸エステルを主成分とする重合体(A)を用いることにより、セルロ−ス系微粉粒(C)による木質感を十分に引き出すことができ、かつ長期間にわたって色むら等の外観変化を防止できる。この重合体(A)としては、例えば、メタクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルとその重合体の混合物である樹脂成分(a1)、及び、分子内に2つ以上のビニル基を有する架橋性ビニル単量体(a2)を重合硬化する等して得られる架橋重合体が好ましい。
【0012】この樹脂成分(a1)として用いるメタクリル酸エステルの具体例としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸グリシジル等が挙げられる。これらメタクリル酸エステルは、単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。これらのうち、メタクリル酸メチルが特に好ましい。
【0013】また、樹脂成分(a1)として用いるメタクリル酸エステルとその重合体の混合物は、シラップ状であることが好ましい。このシラップを得る方法としては、例えば、メタクリル酸エステルを重合させて途中で重合を停止させる方法や、メタクリル酸エステルを塊状重合や懸濁重合等によって予め重合させた重合体を、メタクリル酸エステル中に溶解する方法等がある。シラップを用いる利点としては無機充填材(B)を添加する際、重合性原料であるシラップの粘度のコントロ−ルにより無機充填材(B)の沈降を簡易に防止できること、重合性原料の硬化時間を短縮でき、生産性が向上すること等が挙げられる。
【0014】分子内に2つ以上のビニル基を有する架橋性ビニル単量体(a2)は、樹脂成分(a1)を架橋させる成分であり、その具体例としては、エチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、ジエチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、トリエチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、テトラエチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、1,6−ヘキサンジオ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、ポリブチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、ネオペンチルグリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、トリメチロ−ルプロパントリ(メタ)アクリレ−ト、テトラメチロ−ルメタントリ(メタ)アクリレ−ト、テトラメチロ−ルメタンテトラ(メタ)アクリレ−ト等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。これらのうち、エチレングリコ−ルジメタクリレ−ト、トリメチロ−ルプロパントリメタクリレ−トが特に好ましい。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル及び/又はメタクリル」を意味する。
【0015】この架橋性ビニル単量体(a2)の使用量は、樹脂成分(a1)100重量部に対して、0.01〜10重量部が好ましく、0.5〜4.0重量部がより好ましい。
【0016】更に、樹脂成分(a1)を硬化させるために、硬化触媒も使用できる。硬化触媒としては、タ−シャリ−ブチルパ−オキシマレイン酸、過酸化ベンゾイル、クメンヒドロペルオキサイド、タ−シャリ−ブチルヒドロペルオキサイド、ジクミルペルオキサイド、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル等が挙げられる。常温で重合硬化させる場合は、例えば、過酸化物とアミン類過酸化物とスルフォン酸類との組み合わせ、過酸化物とコバルト化合物との組み合わせ、タ−シャリ−ブチルパ−オキマレイン酸等のパ−オキシ化合物と、グリコ−ルジメルカプトアセテ−ト等のメルカプタン化合物及び水(脱イオン水等)と、水酸化カルシウムとの組み合わせ等が挙げられる。
【0017】樹脂成分(a1)、架橋性ビニル単量体(a2)、及び重合体(A)を構成するその他の任意成分の全配合量[マトリックス樹脂である重合体(A)の成形物中に占める割合に相当]は、組成物の全重量100重量%を基準として、20〜80重量%が好ましく、30〜70重量%がより好ましく、40〜60重量%が特に好ましい。
【0018】本発明で用いる無機充填材(B)としては、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウムが好ましいが、その他、水酸化カルシウム、酸化アルミニウム、粉末タルク、粉末石英、微細シリカ、珪藻土、石膏、粉末ガラス、粘土鉱物質、粉末チョ−ク、大理石、石灰岩、コロイド状アスベスト、珪酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、ムライト、珪酸カルシウム、硬石膏等も使用できる。これらは単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。これらのうち、水酸化アルミニウムが特に好ましい。
【0019】この無機充填材(B)は、表面を例えばシラン系カップリング剤、チタネ−ト系カップリング剤、ステアリン酸等で処理したものであってもよい。
【0020】無機充填材(B)の配合量は、組成物の全重量100重量%を基準として、1〜90重量%が好ましく、5〜60重量%がより好ましく、10〜50重量%が特に好ましい。この様に無機充填材(B)の配合量を適度に多くすれば、樹脂の重合過程で発生する余分な熱を十分に吸収でき、発泡や同時に混合したセルロ−ス系微粉粒(C)の熱による焼けを抑制でき、適度に少なくすればセルロ−ス系微粉粒(C)による木質感がより優れたものとなる。
【0021】本発明で用いるセルロ−ス系微粉粒(C)としては、例えば木材の粗粉砕物、バカスの粗粉砕物、稲葉の粗粉砕物等の各種植物細胞体の原料材粗粉砕物を粉砕・磨砕処理することによって得たもの等が挙げられる。セルロ−ス系微粉粒(C)の粒径は所望の範囲(例えば100μm以下)に揃えられていることが好ましく、その含有水分は2.0重量%以下であることが好ましい。
【0022】また、このセルロ−ス系微粉粒(C)は、無機顔料が表面に食い込み状態で担持されたセルロ−ス系微粉粒(D)であることが好ましく、またこの無機顔料は白色無機顔料であることが特に好ましい。この白色無機顔料としては、酸化チタン、リトポン、ホワイトカ−ボン、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等が使用可能であるが、特に酸化チタンが、得られる木質様成形物に十分な白色度を付与する上で好ましい。この無機顔料の粒径は、セルロ−ス系微粉粒より十分に小さく調整することが好ましい。また、担持させる無機顔料の量は、母粒子となるセルロ−ス系微粉粒の周囲に重なり合ってその周囲を覆い尽くす量が上限とされるが、下限については木質様成形物の所望する色合いに応じて適宜決定すればよい。
【0023】このセルロ−ス系微粉粒(C)の配合量は、組成物の全重量100重量%を基準として、0.1〜70重量%が好ましく、0.5〜50重量%がより好ましく、1〜20重量%が特に好ましい。この様にセルロ−ス系微粉粒(C)の配合量を適度に多くすれば、成形物の木質感がより優れ、適度に少なくすれば、組成物のスラリ−粘度があまり上昇せず、型注入成形が容易で、成形物の機械物性がより優れたものになる。
【0024】以下に、セルロ−ス系微粉粒(C)[好適にはセルロ−ス系微粉粒(D)]の好ましい作製法の例を説明する。
【0025】原料材粗粉砕物を得る方法としては、そのチップ等を機械的な衝撃破砕により粉砕して、好ましくは150メッシュ、更に好ましくは120メッシュよりも細かい粒径の粗粉砕粉を得る方法が好適である。この機械的な粉砕には、例えばインペラーミルを好適に使用できる。
【0026】次に、この原料材粉砕物を粉砕・磨砕処理する。例えば、乾式ボールミルを用い、ボールミル内部に被粉砕・磨砕処理物(すなわち原料材粗粉砕物)を入れ、冷却水を循環させたジャケットの中で、外経3mm〜5mmのセラミックボールの表面温度を適度に制御しつつ、ボールと被粉砕・磨砕処理物とを撹拌することにより、これらを機械的に接触させる処理方法が好ましい。
【0027】このようなボールミルによる粉砕・磨砕処理によれば、原料材粉砕物はボールの表面に接触した際、機械的に圧潰されかつ磨耗され、またボールミルから離脱した際急速に冷却されることから、加熱―冷却の繰返しを受けることによって原料材粉砕物中の繊維が膨張作用を受けると共に、急速に乾燥され、これによって繊維の先端部が、ボ−ルによって効率良く磨砕され、結果として周囲に繊毛の少ない、独立した粒形状をなす磨砕処理セルロ−ス系微粉粒が得られる。具体的には、粒径が所望する範囲、例えば100μm以下に揃えられ、しかも含有水分が2.0重量%以下に調整できる。
【0028】そして、このようにして得られたセルロ−ス系微粉粒を分級し、所望する範囲の粒径(例えば1〜10μm、10〜20μm、20〜50μm、50〜100μm)に揃えて、セルロ−ス系微粉粒(C)とする。
【0029】なお、以上説明したボールミルを用いた粉砕・磨砕処理方法以外にも、例えば混合容器内において木粉と微粉末材料とを混合して衝撃力を与えて、セルロ−ス系微粉粒(C)を得る方法もある。ただし、本発明で用いるセルロ−ス系微粉粒(C)はその製法により限定されるものではなく、他の如何なる方法で製造されたものであってもよい。
【0030】無機顔料が表面に食い込み状態で担持されたセルロ−ス系微粉粒(D)の作製法としては、上述のようにして作製したセルロ−ス系微粉粒と、無機顔料とを混合し、得られた混合粒子を気相中に分散させながら衝撃力を主体とする機械的熱的エネルギ−を粒子に付与し、セルロ−ス系微粉粒を母粒子とし、この母粒子の周囲に顔料粒子を担持させる方法がある。この方法はセルロ−ス系微粉粒に比べ顔料粒子の方が硬いことを利用した方法であり、このような硬度の違いによって顔料粒子をセルロ−ス系微粉粒の表面に喰い込ませた状態に担持せしめ得る。
【0031】また、他の方法としては、セルロ−ス系微粉粒と顔料との混合粒子をボ−ルミルに投入し、再度粉砕・磨砕処理を施すことによってセルロ−ス微粉粒周囲に白色無機顔料粒子を担持させる方法もある。ただし、本発明で用いるセルロ−ス系微粉粒(D)はその製法により限定されるものではなく、他の如何なる方法で製造されたものであってもよい。
【0032】このようにして得られた、無機顔料が表面に食い込み状態で担持されたセルロ−ス系微粉粒(D)は、無機顔料(好ましくは白色無機顔料)の色調とほぼ同一の色調を有するものとなり、微粉粒(D)の製造過程においても保管の過程においてもその凝集は認められない。
【0033】本発明の組成物においては、以上説明した各成分(a1)〜(D)以外にも、例えば、白色(酸化チタン、硫化亜鉛)、黄色(酸化鉄イエロ−)、黒色(酸化鉄ブラック、カ−ボンブラック)、赤色(酸化鉄レッド)、青色(ウルトラマリンブル−、フタロシアニンブル−)等の各種顔料を更に含むことが好ましく、少なくとも2種以上の顔料を混合して、木目模様を形成した木質様成形物を得ることも好ましい。また、これ以外にも、例えば、染料、紫外線吸収剤、難燃剤、離型剤、流動化剤、増粘剤、重合禁止剤、酸化防止剤、香料等の各種成分も使用できる。
【0034】本発明の木質様樹脂成形物は、例えば、上述した各成分を含んで成る組成物を成形、重合硬化して得られる。重合硬化方法としては、レドックス重合や重合開始剤を添加して加熱重合する方法が挙げられる。特にレドックス重合による方法が、設備コストやプロセスの簡略性など工業的な面で好ましい。
【0035】また、その成形方法としては、型注入成形法が好ましい。アクリル樹脂の溶融成形温度は、木質様成形物に一般に使用されている塩化ビニル樹脂よりもかなり高いので、熱溶融成形するとセルロ−ス系微粉粒(C)との熱焼けが起こり、木質感が損なわれる虞がある。しかし、型注入成形法によれば、熱焼けや熱による着色や形状の変化など変質は生じ難く、同時に配合物の分散性が極めて良好であり、成形歪みが小さい。
【0036】この型注入成形法においては、基本的には配合組成物が、常温で流動性を有し化学反応により重合固化し所定形状の成形物が得られるものであることが要求される。この成形方法としては、ガラスセルなどによるバッチ式注型法、移動するステンレスベルトなどを用いた連続キャスト成形法、リアクションインジェクション成形、プレス成形法などが例示されるが、製造コストや製造物の外観及び物性の安定性などを総合的に判断すると、工業的には連続キャスト成形法が望ましい。ただし、本発明の木質様成形物はその製法により限定されるものではなく、他の如何なる方法で製造されたものであってもよい。
【0037】また、この様にして得た成形物の表面を、更に研削処理することが好ましい。この成形物に研削処理を施したものは、セルロ−ス系微粉粒断面が表面に現れるので、成形物表面がより木質感に富んだものとなる。
【0038】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。なお、以下の記載において「%」は特記の無い限り「重量%」を意味する。
【0039】<実施例1>20%のポリメタクリル酸メチルと80%のメタクリル酸メチルの混合物からなるメタクリル酸メチルシラップ3787g、水酸化アルミニウム粉末(商品名:BS−33、日本軽金属(株)製)3200g、タ−シャリ−ブチルパ−オキシマレイン酸(商品名:パ−ブチルMA、日本油脂(株)製)75.7g、ジメタクリル酸エチレングリコ−ル(商品名:アクリエステルED、三菱レイヨン(株)製)41.7g、及び、その表面に磨砕処理を施すと共に酸化チタンを3%及び水酸化アルミニウムを37%打ち込んだ木粉(商品名:ミサワテクノパウダ−E60−T3A37−3W、テクノマテリアル(株)製、以下「T3」と略す)800gを混合し、ミキサ−で撹拌して、混合スラリ−を得た。
【0040】この混合スラリ−を真空容器内で脱泡した後、更に、グリコ−ルジメルカプトアセテ−ト(商品名:GDMA、淀化学(株)製)12.1g、水酸化カルシウム(商品名:ミクロスタ−T、矢橋工業(株)製)19.7g、及び、脱イオン水7.6gを添加して撹拌した。このスラリ−を、ポリビニルアルコ−ルフィルム(以下PVAフィルムと略す)を敷いた約60cm角の型枠中に注入し、その上から別のPVAフィルムを貼り付けた。これをウレタン保温箱中で約20分間放置し、厚み約13mmのシ−ト状硬化物を得た。
【0041】このようにして得た成形物は、成型時に木粉の焼けを生ずる事もなく、また、木粉が樹脂マトリックス中に均一に分散しており、更には、マトリックス樹脂の透明感により、木粉の質感が十分に引き出されている事から、木質感に富んだものとなっていた。また、その外観は、マトリックス樹脂の元々有する耐候性の良好さから、使用中の長期間にわたって色変化の少ないものであった。
【0042】<実施例2>20%のポリメタクリル酸メチルと80%のメタクリル酸メチルの混合物からなるメタクリル酸メチルシラップ5302g、水酸化アルミニウム粉末(BS−33)1680g、タ−シャリ−ブチルパ−オキシマレイン酸(パ−ブチルMA)106.0g、ジメタクリル酸エチレングリコ−ル(アクリエステルED)58.3g、及び、その表面に磨砕処理を施すと共に酸化チタンを5%打ち込んだ木粉(商品名:ミサワテクノパウダ−E60−T5−3、テクノマテリアル(株)製、以下「T5」と略す)720gを混合し、ミキサ−で撹拌して、混合スラリ−を得た。
【0043】この混合スラリ−を真空容器内で脱泡した後、更に、グリコ−ルジメルカプトアセテ−ト(GDMA)17.0g、水酸化カルシウム(ミクロスタ−T)27.6g、及び、脱イオン水10.6gを添加して撹拌した。このスラリ−を、PVAフィルムを敷いた約60cm角の型枠中に注入し、その上から別のPVAフィルムを貼り付けた。これをウレタン保温箱中で約20分間放置し、厚み約13mmのシ−ト状硬化物を得た。
【0044】このようにして得た成形物は、実施例1と同様に、木粉の焼け、分散性、透明感、木質感、耐候性、色変化の点において優れた結果を示した。
【0045】<実施例3>木粉として、T3に替えてT5を使用した以外は、実施例1と同様にして、シ−ト状硬化物を得た。このようにして得た成形物は、実施例1と同様に、木粉の焼け、分散性、透明感、木質感、耐候性、色変化の点において優れた結果を示した。
【0046】<実施例4〜6>実施例1〜3で得た各シ−ト状硬化物の表面を、#100、#180、#240サンドペ−パ−で順に研削を行った。このようにして表面仕上げを行ったシ−トは、更に暖かく柔らかな木質様の外観、質感を有するものとなった。
【0047】
【発明の効果】本発明の木質様成形物は、表面に毛羽立ちが無く、均一な木質様を呈し、かつ混合した微粉粒に起因する木質感が十分に引き出され、木質感に富んだ柔らかな肌触りを有し、長期間にわたって色むら等の外観変化が無いように保たれる良好な耐候性を有し、かつ寸法安定性に極めて優れている。
【0048】更に、この成形物に研削処理を施したものは、セルロ−ス系微粉粒断面が表面に現れるので、成形物表面がより木質感に富んだものとなる。
【0049】また、本発明の木質様成形物の製造方法は、成形時の熱焼けや着色を生じることなく、微粉粒の分散性が極めて良好で、成形歪みが小さい木質様成形物を与えることができる。




 

 


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