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発明の名称 木質様製品およびその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−305470
公開日 平成10年(1998)11月17日
出願番号 特願平9−114820
出願日 平成9年(1997)5月2日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
発明者 上手 正行
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 直径が1〜100μmの粒形状をなすセルロース系微粉粒と、樹脂と、顔料とを混合し、この混合材料を溶融させ、所望形状に成形してなることを特徴とする木質様製品。
【請求項2】 セルロース系微粉粒の外周面には、該セルロース系微粉粒より小径でかつ硬い表面粒が固定されていることを特徴とする請求項1記載の木質様製品。
【請求項3】 直径が1〜100μmの粒形状をなすセルロース系微粉粒または、セルロース系微粉粒の外周面に該セルロース系微粉粒より小径でかつ硬い表面粒が固定されてなる表面粒付きセルロース系微粉粒と、樹脂と、顔料とを混合し、この混合材料を溶融させ、その後または溶融と同時に所望形状に成形することを特徴とする木質様製品の製造方法。
【請求項4】 セルロース系微粉粒または表面粒付きセルロース系微粉粒を複数種類用意し、これら複数種類から少なくとも一種類を選択して使用することで、木質用製品の表面に、選択されたセルロース系微粉粒または表面粒付きセルロース系微粉粒に応じた表面模様を形成することを特徴とする請求項3記載の木質様製品の製造方法。
【請求項5】 顔料を複数種類用意し、これら複数種類から少なくとも一種類を選択して使用することで、木質用製品の表面に、選択された顔料に応じた表面模様を形成することを特徴とする請求項3記載の木質様製品の製造方法。
【請求項6】 樹脂を複数種類用意し、これら複数種類から少なくとも一種類を選択して使用することで、木質用製品の表面に、選択された樹脂に応じた表面模様を形成することを特徴とする請求項3記載の木質様製品の製造方法。
【請求項7】 セルロース系微粉粒または表面粒付きセルロース系微粉粒と樹脂と顔料とが混合されてペレット化された、複数種類の木質様形成材ペレットと、セルロース系微粉粒または表面粒付きセルロース系微粉粒と樹脂とが混合されてペレット化された、複数種類の生地材ペレットと、樹脂と顔料とが混合されてペレット化された、複数種類の顔料ペレットとを用意し、前記複数種類の木質様形成材ペレットと、複数種類の生地材ペレットと、複数種類の顔料ペレットとのうちの少なくとも二種類を、セルロース系微粉粒または表面粒付きセルロース系微粉粒を含むようにして混合し、この混合材料を溶融させ、その後または溶融と同時に所望形状に成形することを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の木質様製品の製造方法。
【請求項8】 押出成形機として、ホッパと少なくとも1つ以上のベント孔を有するベント式押出成形機を用い、前記複数種類の木質様形成材ペレットと、複数種類の生地材ペレットと、複数種類の顔料ペレットとのうちから少なくとも二種類を、セルロース系微粉粒または表面粒付きセルロース系微粉粒を含むようにして選択し、これら選択された複数種類のペレットを、前記ホッパと複数のベント孔に選択的に供給して押出成形することを特徴とする請求項7記載の木質様製品の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば住宅における回り縁や幅木、家具等の各種化粧板、さらには車両の内装部材などに好適な木質様の製品およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【背景の技術】近年、合成樹脂成形物に天然木材の有する表面特性に近い表面特性を付与し、各種の家具あるいは日用品の表面を天然の木質様にする試みがなされている。このような天然木材に近似した木質様樹脂製品を得るには、木材に近似した色調に着色してその木材的な趣きをだすため、合成樹脂成形物の成形に際し、さらには塗膜あるいは皮膜の形成等に際して、所要量の木粉と所望する色調に対応した顔料を形成樹脂素材に添加して目的とする天然木材に近い色調および風合いの樹脂成形物を得ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記形成樹脂素材に添加される木粉は、例えば、廃材等の木材を直接粉砕することによって得られるが、この木粉は粒径状をなさずに、その多くが繊維状となっており、短径側で計測した粒径が数ミクロンであっても長径側が繊毛状に長く、このため樹脂に配合して用いた際に木粉相互が絡み合って凝集状態を作り出すことが多く、樹脂材料に均一に分散されない不都合を有している。また、木粉の粒径が極端にばらついていることから、成形された樹脂製品に成形歪み等をもたらし易く、しかも機械的な強度が部分的に異なる等の不都合を有していた。したがって、このような不都合から形成樹脂素材に添加される木粉としては、木材を直接微粉状に粉砕して得られるものは配合上、色彩上、品質管理上限界があるとされているのである。
【0004】また、前記木粉が添加された形成樹脂素材を押出成形法や射出成形法で板状に形成し、木質様製品とする場合、当該形成樹脂素材中に木質感を与える色調の顔料を予め添加するが、この顔料が樹脂中に均一に分散されない場合が多く、目的とする色調の製品を得ることが困難であり、また製品表面に色むらが生じるといった不都合がある。
【0005】さらに、前述したような木粉にあっては、樹脂成形時、木粉の分解によって成形機内にリグニンや木酸ガス等の分解生成物が生じることから、成形機内を腐食させたり、樹脂の成形性を損なうといった問題があり、そのため、例えばアンモニアや尿素等による化学処理(中和処理)を施すのが普通である。しかし、このような化学処理を行うのでは、化学処理工程を十分に管理しないと樹脂成形時における木粉の分解を確実に防止することができず、したがってその製造管理(処理工程管理)を厳密に行う必要があることから生産コストを引き上げる大きな要因となり、また処理に用いた廃水なども環境に対して悪影響を及ぼすことからその処理を十分に行う必要があり、結果としてますます生産コストの上昇を招いてしまうといった問題がある。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、天然の木の木目に極めて近い模様を表面に有し、手触り感等の風合いも天然の木に極めて近く、しかも、製造上の不都合を解消して製造コストの低減化を図ることができる木質様製品の製造方法および木質様製品を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の請求項1の木質様製品は、直径が1〜100μmの粒形状をなすセルロース系微粉粒と、樹脂と、顔料とを混合し、この混合材料を溶融させ、所望形状に成形してなるものである。
【0008】前記セルロース系微粉粒は、例えば、木材の粗粉砕物、バカスの粗粉砕物、稲藁の粗粉砕物等の各種植物細胞体の原料材粗粉砕物を出発原料とし、これを磨砕処理することによって得ることができる。ここで、磨砕処理とは、粉砕処理と研磨処理とを併せ持つ処理を言うものであり、これら粉砕処理と研磨処理とを同時に行う処理であっても、粉砕処理を行った後研磨処理を行う二工程からなる処理であってもよい。すなわち、ここで言う磨砕処理とは、後述するように粗粉砕物から微粉砕物にする粉砕処理と、微粉砕された粉粒を、繊維状態のものが絡み合い、その表面が繊毛で覆われている状態の粉粒形状から、表面に繊毛が少ない状態となるように表面研磨する研磨処理とを併せた処理を指しているのである。
【0009】出発原料となる粗粉砕物を得るには、そのチップ等を、例えばインペラーミル(IMP−250;株式会社セイシン企業製)を用いて、機械的な衝撃破砕により粉砕して150メッシュ、好ましくは120メッシュよりも細かい粒径の粗粉砕粉を得る。そして、このような原料材粉砕物(粗粉砕物)の磨砕処理としては、例えば図1に示すボールミルによって行う。
【0010】このボールミルによる磨砕処理では、粗粉状態で投入された原料材粉砕物にボール3が接触することにより、該ボール3に接触した原料粉砕物は粉砕されて微粉砕物となるとともに、その表面が研磨されることによって繊毛部分が非常に少ない表面を有するセルロース系微粉粒となる。このようなセルロース系微粉粒は、粒径が所望する範囲、例えば1μm〜100μmに揃えられ、しかも含有水分が3.0重量%以下程度に調整される。
【0011】また、前記樹脂としては、塩化ビニル樹脂、発泡塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン樹脂等が用いられるが、中でも塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、パリプロピレン樹脂がより好適である。さらに、前記顔料としては、カドミウムイエロー、酸化鉄、カーボンブラックなどの黄色、赤色、黒色の三色の無機顔料からなり、得られる製品の生地自体の色および木目模様の色に応じて適宜選択して用いられる。
【0012】そして、請求項1の木質様製品は、前記セルロース系微粉粒と、樹脂と、顔料とを混合し、この混合材料を溶融させ、所望形状に成形することで、成形品に木質感が与えられたものである。特に、押出成形または射出成形時に、顔料が流れることで、木質感に加えて、木質様製品の表面には天然の木目に極めて近い木目模様が形成される。また、前記セルロース系微粉粒は、直径が1〜100μmの粒形状をなすものであり、従来のような繊毛状の突出部分がないので、従来の木粉のごとく水(湿気を含む)、溶剤を吸着しあるいはこれを放出することに起因する伸縮が極めて少なくなり、よって、このセルロース系微粉粒を含有してなる木質様製品は寸法安定性に極めて優れたものとなる。
【0013】請求項2の木質様製品は、請求項1において、セルロース系微粉粒の外周面に、該セルロース系微粉粒より小径でかつ硬い表面粒を固定したものである。なお、以下においては、セルロース系微粉粒の外周面に表面粒を固定した微紛粒を表面粒付きセルロース系微粉粒と称する。前記表面粒としては、前記セルロース系微粉粒より小径でかつ硬いものであればどのようなものでもよく、例えば、無機質材、金属材またはプラスチック材のうちの少なくなくとも一つの材料を用いることができる。
【0014】このように、セルロース系微粉粒の外周面に表面粒を固定することによって表面粒付きセルロース系微粉粒を形成すれば、成形時の流動性の向上が図れることから作業性が向上するとともに、成形品の特性を表面粒の選択によって変更させることができる。特に、表面粒として、白色無機顔料を用いると、表面粒付きセルロース系微粉粒が白色になるので、成形品を白っぽい木材に似せる場合に使用できるだけでなく、成形品を成形する際に他の色の顔料を用いることによって、黒っぽいあるいは茶色っぽい木材に似せた成形品にも使用することができる。
【0015】また、この木質様製品にあっては、表面粒として、無機質顔料を用いると、耐熱性が向上するので、表面粒がない場合に比べて、成形時の熱影響が少なく、よって色や形状の変化などが抑制される。さらに、表面粒を固定させたことによってセルロース系微粉粒はその表面が覆われ、これにより成形時に熱分解等によって微粉粒中に含まれるリグニンや木酸が放出されることが抑制されるため、該リグニンや木酸の放出に起因する成形不良を防止することができる。
【0016】請求項3の木質様製品の製造方法は、直径が1〜100μmの粒形状をなすセルロース系微粉粒または、セルロース系微粉粒の外周面に該セルロース系微粉粒より小径でかつ硬い表面粒が固定されてなる表面粒付きセルロース系微粉粒と、樹脂と、顔料とを混合し、この混合材料を溶融させ、その後または溶融と同時に所望形状に成形することを特徴としている。このような、木質様製品の製造方法によれば、前記請求項1または2の木質様製品を容易に製造することができる。
【0017】請求項4の木質様製品の製造方法は、請求項3において、セルロース系微粉粒または表面粒付きセルロース系微粉粒を複数種類用意し、これら複数種類から少なくとも一種類を選択して使用することで、木質用製品の表面に、選択されたセルロース系微粉粒または表面粒付きセルロース系微粉粒に応じた表面模様を形成することを特徴としている。
【0018】セルロース系微粉粒の種類とは、該セルロース系微粉粒を製造する際の出発原料の種類であり、例えばツガ、ラワンなどの針葉樹、広葉樹や、バカス、稲藁等が挙げられる。セルロース系微粉粒と樹脂と顔料とを混合してなる混合材料を成形した、成形体の表面には、前記セルロース系微粉粒が露出するが、該セルロース系微粉粒はその種類によって色調が異なるので、セルロース系微粉粒の種類を適宜選択することで、得られる木質様製品の表面に、選択されたセルロース系微粉粒に応じた表面模様を形成することができる。
【0019】一方、表面粒付きセルロース系微粉粒の種類とは、前記セルロース系微粉粒自体の種類に、表面粒の種類を加えたものを意味する。表面粒の種類としては、上述したように、無機質材、金属材またはプラスチック材等が挙げられる。表面粒付きセルロース系微粉粒と樹脂と顔料とを混合してなる混合材料を成形した、成形体の表面には、前記表面粒付きセルロース系微粉粒が露出するが、該表面粒付きセルロース系微粉粒はその種類によって色調が異なるので、表面粒付きセルロース系微粉粒の種類を適宜選択することで、得られる木質様製品の表面に、選択された表面粒付きセルロース系微粉粒に応じた表面模様を形成することができる。
【0020】また、前記表面粒として、白色無機顔料を使用すると、得られる成形体(木質様製品)中において、表面粒付きセルロース系微粉粒が有色の顔料より表面側にくる場合には、その下の有色の顔料の色が隠蔽され、これにより有色の顔料によって形成される成形体表面の着色部はその色や太さなどが極めて不均一なものとなり、天然の木目模様に近いものとなる。さらに、成形体の表面を研削すると、前記表面粒が削り取られてセルロース系微粉粒が露出するので、さらに木質感に富んだものとなるとともに、セルロース系微粉粒の種類を適宜選択することで、得られる木質様製品の表面に、選択されたセルロース系微粉粒に応じた表面模様を形成することができる。
【0021】請求項5の木質様製品の製造方法は、請求項3において、顔料を複数種類用意し、これら複数種類から少なくとも一種類を選択して使用することで、木質用製品の表面に、選択された顔料に応じた表面模様を形成することを特徴としている。
【0022】前記顔料の種類としては、上述したように、カドミウムイエロー、酸化鉄、カーボンブラックなどの黄色、赤色、黒色の三色の無機顔料が挙げられるが、これに限るものでもなく、また、これら顔料を適宜選択して混合したものも含むものである。前記顔料は、前記混合物を成形してなる成形体の生地自体の色を決めるとともに、混合していない一部の顔料が成形中に流れることにより、成形体に天然の木目模様に近い、縞模様を形成するものである。したがって、前記顔料の種類を適宜選択することで、得られる木質様製品の表面に、選択された顔料に応じた表面模様を形成することができる。
【0023】請求項6の木質様製品の製造方法は、請求項3において、樹脂を複数種類用意し、これら複数種類から少なくとも一種類を選択して使用することで、木質用製品の表面に、選択された樹脂に応じた表面模様を形成することを特徴としている。
【0024】前記樹脂の種類としては、上述したように、塩化ビニル樹脂、発泡塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン樹脂等が挙げられる。前記樹脂は、前記混合物を成形してなる成形体の、成形時の流動性や溶融温度を決めるものであり、該樹脂によって前記成形時における顔料の流れや、混合の度合いが異なる。したがって、該樹脂の種類を適宜選択することで、得られる木質様製品の表面に、選択された樹脂に応じた表面模様を形成することができる。
【0025】請求項7の木質様製品の製造方法は、請求項3〜6のいずれかにおいて、セルロース系微粉粒または表面粒付きセルロース系微粉粒と樹脂と顔料とが混合されてペレット化された、複数種類の木質様形成材ペレットと、セルロース系微粉粒または表面粒付きセルロース系微粉粒と樹脂とが混合されてペレット化された、複数種類の生地材ペレットと、樹脂と顔料とが混合されてペレット化された、複数種類の顔料ペレットとを用意し、前記複数種類の木質様形成材ペレットと、複数種類の生地材ペレットと、複数種類の顔料ペレットとのうちの少なくとも二種類を、セルロース系微粉粒または表面粒付きセルロース系微粉粒を含むようにして混合し、この混合材料を溶融させ、その後または溶融と同時に所望形状に成形することを特徴としている。
【0026】前記複数種類の木質様形成材ペレットと、複数種類の生地材ペレットと、複数種類の顔料ペレットとのうちから少なくとも二種類を、セルロース系微粉粒または表面粒付きセルロース系微粉粒を含むようにして混合するとは、木質様形成材ペレットのみを二種類以上混合することや、生地材ペレットのみを二種類以上混合することも含むものである。
【0027】そして、前記種々のペレットのうちから少なくとも二種類を、セルロース系微粉粒または表面粒付きセルロース系微粉粒を含むようにして混合する場合、例えば以下のような場合がある。
(1)前記木質様形成材ペレットを複数種類作り、これら木質様形成材ペレットのうち顔料の異なる木質様形成材ペレットを2種以上混合する。そして、この混合物を溶融させ、その後または溶融と同時に押出成形または射出成形により所望の形状に成形する。この場合、両木質様形成材ペレットが完全に混合しない状態で成形を行うと、両木質様形成材ペレットどうしも完全に混合せず、成形時にこの混合していない顔料が縞模様を呈することで、天然の木目に極めて近い木目模様を形成することができる。
【0028】なお、上記の場合において、混合する木質様形成材ペレットの溶融温度を変化させると、低い溶融温度の木質様形成材ペレットを溶融させるに足る温度に設定すると、高い溶融温度の木質様形成材ペレットが完全に溶融しないままとなり、両木質様形成材ペレットの顔料も完全に混合せず、成形時にこの混合していない顔料が縞模様を呈することで、天然の木目に極めて近い木目模様を形成することができる。同様に、上記の場合において、混合する木質様形成材ペレットの溶融時における流動性に差をつけると、両木質様形成材ペレットの混合が完全には行いにくく、成形時にこの混合しにくい木質様形成材ペレットの顔料が複雑な縞模様を呈することで、天然の木目に極めて近い木目模様を形成することができる。
【0029】(2)前記生地材ペレットと、木質様形成材ペレットとを形成し、これらを混合する。そして、この混合物を溶融させ、その後または溶融と同時に所望の形状に成形する。この場合、両ペレットが完全に混合しない状態で成形を行うと、木質様形成材ペレットの顔料も完全に混合せず、成形時にこの混合していない顔料が縞模様を呈することで、天然の木目に極めて近い木目模様を形成することができる。
【0030】この場合において、生地材ペレットよりも木質様形成材ペレットの方の溶融温度を高く設定し、低い溶融温度の生地材ペレットを溶融させる温度にすると、高い溶融温度の木質様形成材ペレットが完全に溶融しないままとなり、木質様形成材ペレットの顔料も完全に混合せず、成形時にこの混合していない顔料が縞模様を呈することで、天然の木目に極めて近い木目模様を形成することができる。また同様に、生地材ペレットよりも木質様形成材ペレットの方の溶融時の流動性を低くすると、両ペレットの混合が完全には行いにくく、成形時にこの混合しにくい木質様形成材ペレットの顔料が縞模様を呈することで、天然の木目に極めて近い木目模様を形成することができる。
【0031】(3)前記顔料ペレットと生地材ペレットと木質様形成材ペレットとを形成し、これらを混合する。そして、この混合物を溶融させ、その後または溶融と同時に成形する。この場合も、各ペレットが完全に混合しない状態で成形を行うと、木質様形成材ペレットの顔料と、顔料ペレットの顔料との双方とも完全に混合せず、成形時にこの混合していない顔料が縞模様を呈することで、天然の木目に極めて近い木目模様を形成することができる。
【0032】(4)前記生地材ペレットと顔料ペレットとを形成し、これらを混合する。そして、この混合物を溶融させ、その後または溶融と同時に成形する。この場合も、各ペレットが完全に混合しない状態で成形を行うと、顔料ペレットの顔料も完全に混合せず、成形時にこの混合していない顔料が縞模様を呈することで、天然の木目に極めて近い木目模様を形成することができる。
【0033】(5)前記木質様形成材ペレットと顔料ペレットと形成し、これらを混合する。そして、この混合物を溶融させ、その後または溶融と同時に成形する。この場合も、木質様形成材ペレットの顔料と、顔料ペレットの顔料との双方とも完全に混合せず、成形時にこの混合していない顔料が縞模様を呈することで、天然の木目に極めて近い木目模様を形成することができる。
【0034】請求項8の木質様製品の製造方法は、請求項7において、押出成形機として、ホッパと少なくとも1つ以上のベント孔を有するベント式押出成形機を用い、前記複数種類の木質様形成材ペレットと、複数種類の生地材ペレットと、複数種類の顔料ペレットとのうちから少なくとも二種類を、セルロース系微粉粒または表面粒付きセルロース系微粉粒を含むようにして選択し、これら選択された複数種類のペレットを、前記ホッパと複数のベント孔に選択的に供給して押出成形することを特徴としている。
【0035】前記複数種類の木質様形成材ペレットと、複数種類の生地材ペレットと、複数種類の顔料ペレットとのうちから少なくとも二種類を、セルロース系微粉粒または表面粒付きセルロース系微粉粒を含むようにして選択するとは、木質様形成材ペレットのみを二種類以上選択することや、生地材ペレットのみを二種類以上選択することも含むものである。
【0036】請求項8の木質様製品の製造方法にあっては、複数種類の木質様形成材ペレットと、複数種類の生地材ペレットと、複数種類の顔料ペレットとのうちから少なくとも二種類を、セルロース系微粉粒または表面粒付きセルロース系微粉粒を含むようにして選択し、これら選択された複数種類のペレットを、前記ホッパとベント孔に選択的に供給して押出成形するので、ホッパ側に投入されたペレットに比べてベント孔側に投入したペレットの溶融時間が短く、しかも、ベント孔に投入されたそれぞれのペレットにおいては、ホッパに遠い側のベント孔に投入されたペレットほど溶融時間が短くなる。
【0037】したがって、前記選択された投入された各ペレット溶融物間に温度差が生じ、また、これらが混ざり合う時間も各ペレットを同時にホッパに投入した場合に比べて短くなることから、得られる押出成形品についてもペレット間の混合にムラがあるものとなる。したがって、これらペレットに含有される顔料間においても、その混合の度合いにムラが生じてこれらが不均一に流れることから、得られる成形品に不均一な濃淡の着色部が形成されるとともに、これら着色部の多くが連続した筋状のものでなく断続的に独立したものとなる。
【0038】また、木質様形成材ペレット中のセルロース系微粉粒の表面の表面粒が白色顔料をであれば、得られる成形品中において、白色顔料が有色顔料より表面側にくることによってその下の有色顔料の色が隠蔽され、これにより有色顔料によって形成される成形品表面の着色部はその色や太さなどがより不均一なものとなり、得られる成形品は一層天然の木目模様に近い着色部を有したものとなる。また、表面に白色顔料を担持したセルロース系微粉粒を骨材としていることにより、該微粉粒による樹脂の吸着・吸い込みが極めて少なくなって成形歪みを生ずることがほとんどなくなる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態例について説明する。本例では、木質様製品を大きく以下の工程で製造する。
第1工程:原料としてのセルロース材から粒形状をなすセルロース系微粉粒を製造する。
第2工程:前記セルロース系微粉粒の外周面に、該セルロース系微粉粒よりも小径で、かつ硬い表面粒を固定させて表面粒付きセルロース系微粉粒とする。
第3工程:前記表面粒付きセルロース系微粉粒に樹脂および顔料を混合したものを押出成形によって所望の形状に成形する。
【0040】次に、前記各工程を説明する。
(1)第1工程出発原料となる粗粉砕物を得るには、そのチップ等を機械的な衝撃破砕により粉砕して150メッシュ、好ましくは120メッシュよりも細かい粒径の粗粉砕粉を得る。ここで機械的な粉砕には、例えばインペラーミル(IMP−250;株式会社セイシン企業製)が好適に使用される。そして、このような原料材粉砕物(粗粉砕物)の磨砕処理としては、例えば図1に示すボールミルによって行うのが好ましい。このボールミルは、大気解放型のミル本体1の周壁に冷却ジャケット2を設けたもので、供給パイプ8から冷却ジャケット2内に冷却水を供給し、排水パイプ9から排出することで冷却水を循環させ、これによってミル本体1内の温度を予め設定した温度、例えば80℃以下となるようにするものである。
【0041】ここで、ミル本体1の上部にはモータ5が配設されており、このモータ5の底部にはミル本体1内のボール3を攪拌するロータ4が配設されている。ロータ4は、モータ5の駆動によって回転し、ボール3と被磨砕処理物とを攪拌することにより、これらを機械的に接触させるものである。また、ミル本体1の錐形下部にはバルブ6で開閉される取出し口7が設けられており、磨砕処理後の被磨砕処理物を排出できるようになっている。
【0042】このボールミルのミル本体1内に装填されるボール3は、外径3mm〜5mmのセラミックスボール、特にジルコニア系やアルミナ系のセラミックスボールを用いるのが好ましく、ステンレス、スチール等の金属製のボールの使用は避けるのが望ましい。なぜなら、ステンレス、スチール等の金属製のボールでは、木粉等の粉砕セルロース系粉がボールの表面に結着し、あるいは金属製ボール相互の接触に伴う発熱によって粉砕粉に変質をもたらすおそれがあり、また金属製ボールのかけら等が発生し、粉砕セルロースの表面にそのかけらが担持されて所望する微粉粒と異質のものになるおそれがあるからである。なお、この乾式ボールミルは密閉タイプであっても大気解放タイプであっても良いが、密閉タイプを採用した場合にはミル内に窒素ガス等の不活性ガスを充填して用いるのが好ましい。
【0043】また、このボールミルでは、使用ボール3の表面温度が90℃〜120℃の範囲となるように調整され、ミル本体1の室内温度が80℃を超えないよう調整されることにより、前記の原料材粉砕物の磨砕処理に加えてその乾燥処理も同時に行われる。ここで、使用ボール3の温度制御については、ミル本体1の容量と、このミル本体1内に投入されるボール3の量と、ボール3の材質、寸法ならびに投入粉砕物の投入温度、量、含有水分量とに基づき、攪拌速度ならびにミル本体1の周面に設けた冷却ジャケット2による冷却量等を調整することによって行われる。
【0044】なお、ボール3の表面温度は、対象材料によっても異なるものの、例えば木材粉の場合には100℃〜120℃の範囲にするのが、磨砕の効率の点から好ましい。ただし、磨砕に長時間を要する場合には暴爆の防止の点から90℃〜100℃であることが望ましい。また、磨砕において暴爆を生ずる危険のある場合には、ミル本体1内の酸素濃度を15%以内とするのが好ましく、その場合には例えばボールミル内に連続して窒素ガスを供給するといった方法を採用することができる。
【0045】このようなボールミルによる磨砕処理によれば、ボール3の回転に伴って生ずる摩擦熱によりミル本体1の内部温度が上昇し、一方冷却ジャケット2に循環される冷却水よってミル本体1内の温度およびボール3の表面温度が前記した範囲に調節されることにより、原料材粉砕物が粉砕されると同時に適正な加熱条件下におかれて乾燥され、これによって粒径が所望する範囲、例えば100μm以下に揃えられ、しかも含有水分が3.0重量%以下程度に調整されるのである。
【0046】また、この処理によれば、粗粉状態で投入された原料材粉砕物にボール3が接触することにより、該ボール3に接触した原料粉砕物は粉砕されて微粉砕物となるとともに、その表面が研磨されることによって繊毛部分が非常に少ない表面を有する微粉粒となる。すなわち、原料材粉砕物はボール3の表面に接触した際、機械的に圧潰されかつ磨耗されて粉砕・研磨され、これと同時に加熱・乾燥されることから、含有水分が効率良く取り除かれるのである。また、ボール3から離脱した際急速に冷却されることから、加熱−冷却の繰返しを受けることによって原料材粉砕物中の繊維が膨縮作用を受けるとともに、急速に乾燥され、これによって繊維の先端部がボール3によって効率良く磨砕され、結果として周面に繊毛の少ない、独立した粒形状をなす磨砕処理セルロース系微粉粒が得られるのである。
【0047】そして、このようにして得られたセルロース系微粉粒を分級し、所望する範囲の粒径(例えば1〜10μm、10〜20μm、20〜50μm、50〜100μm)に揃えることにより、白色顔料(表面粒)を担持するためのセルロース系微粉粒とする。また、原料粉砕物の磨砕処理としては、図1に示すボールミルに代えて、例えば図2に示すような粉砕機30を用いて行うこともできる。この粉砕機30は、石うすの原理を利用したもので、2枚の砥石31、31を所定の間隙を介して対向させ、これらの間に原料粉砕物を入れた後、一方の砥石31を高速回転させることによって粉砕処理および研磨処理を、すなわち磨砕処理を行うものである。
【0048】ここで、砥石31は、その内面が中心部にいくに連れて漸次上方あるいは下方に傾斜する皿型のものであり、これらはその中央部間が広く、周辺部間が狭くなるよう対向配置されて用いられるものである。また、これら砥石31は、図3に示すようにその中央部に取り付け用の孔32を形成したドーナッツ板状のもので、その内面に多数の送り溝33…を形成したものである。送り溝33は、砥石31の回転によって生じる遠心力により、被処理物を砥石31の半径方向に無理なく案内するためのものである。
【0049】このような粉砕機30によって原料粉砕物の磨砕処理を行うには、2枚の砥石31、31のそれぞれの中央部間に原料粉砕物を投入し、その後一方の砥石31を高速回転する。すると、原料粉砕物は2枚の砥石31、31間で遠心力、衝撃力、剪断力等を受けて漸次粉砕され、小径となるに連れて遠心力により送り溝33…に沿って半径方向外周側に移動せしめられ、さらにその過程で衝撃力、剪断力を受けて粉砕されるとともにその周面(表面)が研磨処理され、結果として磨砕処理されて周面に繊毛の少ない、独立した粒形状をなす磨砕処理セルロース系微粉粒となるのである。そして、このようにして得られたセルロース系微粉粒についても、ボールミルによる場合と同様に分級され所望する範囲の粒径に揃えられることにより、白色顔料を担持するための本発明のセルロース系微粉粒となる。
【0050】(2)第2工程白色顔料(表面粒)を前記セルロース系微粉粒(磨砕処理済微粉粒)へ担持させて表面粒付きセルロース系微粉粒を形成する方法としては、例えば、図1に示したボールミルによってセルロース系微粉粒を得た場合、例えば前記セルロース系微粉粒と白色顔料とを混合し、得られた混合粒子を気相中に分散させながら衝撃力を主体とする機械的熱的エネルギーを粒子に付与し、セルロース系微粉粒を母粒子とし、この母粒子の周面に白色顔料粒子を担持させるといった方法が採用される。すなわち、この方法はセルロース系微粉粒に比べ白色顔料粒子の方が硬いことを利用した方法であり、このような硬度の違いによって白色顔料粒子をセルロース系微粉粒の表面にめりこませ、あるいは喰い込ませた状態に担持せしめ得るのである。
【0051】また、他の担持方法として、特に図2に示した粉砕機30を用いてセルロース系微粉粒を得た場合には、セルロース系微粉粒と白色顔料との混合粒子を図1に示したようなボールミルに投入し、再度磨砕処理を施すことによってセルロース系微粉粒周面に白色顔料粒子を担持させるのが好ましい。なぜなら、ボールミルによる磨砕処理では前述したようにその処理の過程で摩擦熱が生じ、結果として乾燥処理が同時に行われるからである。
【0052】このような担持処理を施すことにより、図4に示すように白色顔料粒子10…がセルロース系微粉粒11の周面に喰い込み状態で担持され、これによって磨砕処理が施されたセルロース系微粉粒11の表面に白色顔料が担持された表面粒付きセルロース系微粉粒が得られる。このようにして得られた表面粒付きセルロース系微粉粒は、白色無機顔料の色調とほぼ同一の色調を有するものとなり、該表面粒付きセルロース系微粉粒の製造過程においても保管の過程においてもその凝集が認められなかった。
【0053】なお、担持させる白色顔料の量としては、母粒子となるセルロース系微粉粒の周面に重なり合って該周面を覆いつくす量が上限とされるが、下限については作製する木質様成形品の所望する色相に応じて適宜決定される。ここで、担持する白色顔料としては、酸化チタン、リトポン、ホワイトカーボン、炭酸カルシウム等が使用可能であるが、特に酸化チタンが、後述するように熱的、化学的に安定であり、しかも着色力、隠蔽力にも優れていることから、得られる木質様成形品に十分な白色度を付与することができ好ましい。また、この白色無機顔料の粒径については、前記セルロース系微紛粒より十分に小さく調整されたものとされ、具体的には0.1μm程度のものが好適とされる。
【0054】(3)第3工程上記のようにして得られた表面粒付きセルロース系微粉粒に樹脂および顔料を混合して一旦溶融させ、その溶融したものを押し出して木質様形成材ペレットを形成し、実際に押出成形により所望形状に成形するには、この木質様形成材ペレットを溶融させて用いる。前記樹脂としては、塩化ビニル樹脂、発泡塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン樹脂等が用いられるが、中でも塩化ビニル樹脂より好適に用いられる。
【0055】さらに、前記顔料としては、カドミウムイエロー、酸化鉄、カーボンブラックなどの黄色、赤色、黒色の三色の無機顔料からなり、得られる製品の生地自体の色および木目模様の色に応じて適宜選択して用いられる。そして、前記樹脂の種類、顔料の種類を適宜選択して、複数種類の木質様形成材ペレットを製造する。なお、複数種類の木質様形成材ペレットを製造するには、前記樹脂および顔料の種類の他、セルロース系微粉粒の原料の種類、表面粒の種類等を適宜選択することでも製造できる。
【0056】また、同様にして、前記表面粒付きセルロース系微粉粒に前記樹脂を混合して一旦溶融させ、その溶融したものを押し出して生地材ペレットを形成し、実際の押出成形の際には、この生地材ペレットを溶融させて用いる。そして、前記樹脂の種類を適宜選択して、複数種類の生地材ペレットを製造する。なお、複数種類の生地材ペレットを製造するには、前記樹脂の種類の他、セルロース系微粉粒の原料の種類、表面粒の種類等を適宜選択することでも製造できる。
【0057】さらに同様にして、前記樹脂と顔料とを混合して一旦溶融させ、その溶融したものを押し出して顔料ペレットを形成し、実際の押出成形の際には、この顔料ペレットを溶融させて用いる。そして、前記樹脂および顔料の種類を適宜選択して、複数種類の顔料ペレットを製造する。
【0058】次に、本発明では、上記のようにして得られた複数種類の木質様形成材ペレットと、複数種類の生地材ペレットと、複数種類の顔料ペレットとのうちから少なくとも二種類を、セルロース系微粉粒または表面粒付きセルロース系微粉粒を含むようにして選択し、これら選択された複数種類のペレットを、ベント式押出成形機に選択的に供給して押出成形するが、本例では、前記木質様形成材ペレットと生地材ペレットとを供給して成形する方法について説明する。
【0059】すなわち、図5において符号40はベント式押出成形機(以下、押出機と略称する)であり、この押出機40は、円筒状のシリンダ41とこの内部に設けられたスクリュー42と、シリンダ41の後端部に設けられたホッパ(第一のホッパ)43と、シリンダ41の中央部先端側に形成されたベント孔44と、シリンダ41の先端に設けられてペレット溶融物に所望する形状を付与するダイ45とを備えた単軸式の公知の押出機である。
【0060】この押出機40には、ベント孔44に連通して第二のホッパ46が連結されており、この第二のホッパ46には前記生地材ペレットかあるいは木質様形成材ペレットの一方が供給され貯留される。また、前記第一のホッパ43には、第二のホッパ45に貯留されたペレットとは別のペレットが供給され貯留される。なお、これら第一、第二のホッパ43、46は、それぞれ貯留されたペレットを所定量シリンダ41内のスクリュー42上に供給するよう構成されたもので、それぞれホッパローダ(図示略)に連結されこれによってペレットが自動供給されるものとなっている。
【0061】スクリュー42には、ベント孔44が形成された位置と対応する位置に深溝部42aが形成されており、これによって第二のホッパ46からのペレットは、該深溝部42aにて、第一のホッパ43から投入されシリンダ41内を加熱溶融されつつスクリュー42によって運ばれたペレット溶融物中に支障なく投入され混入されるようになっている。ここで、押出機40の成形温度、すなわちペレットの加熱溶融温度としては、ペレットを形成する樹脂の種類によっても異なるものの、例えば塩化ビニルを用いた場合には180〜210℃程度とされる。
【0062】生地材ペレットと木質様形成ペレットとの混合比については、得られる成形品の色相や各ペレット中の有色顔料の比率に基づいて適宜決定されるが、通常は、生地材ペレット:木質様形成材ペレット=90:10〜99:1(重量比)とする。また、これらペレットをそれぞれどちらのホッパに供給するか決定するにあたっては、これらペレットの混合比に基づき、配合比率の高い方を第一のホッパ43に、低い方を第二のホッパ45に供給するのが好ましい。なぜなら、配合比率の高い方を第一のホッパ43に供給して十分に溶融させるようにすれば、逆にした場合に比べ成形不良が生ずるのがより防止できるからである。
【0063】このような押出機40によって成形を行うと、第一のホッパ43から供給されたペレットは、シリンダ41内に投入されここで加熱溶融されつつスクリュー42によって前方に押し出される。また、第二のホッパ46から供給されたペレットは、ベント孔44を通ってシリンダ41内に投入され、スクリュー42の深溝部42aに供給される。すると、第一のホッパ43からの溶融物は、深溝部42a以前に比べ該深溝部42aのシリンダ41内容積が大きくなることから、該深溝部42aにて十分な空隙を形成するものとなり、これによって第二のホッパ46からのペレットは、ペレット溶融物による大きな応力を受けることなく該空隙に供給され、該溶融物中に混入せしめられるものとなる。また、第二のホッパ46からのペレットは、シリンダ41内にて加熱溶融されつつ、スクリュー42によって第一のホッパ43からのペレット溶融物に混合されて該ペレット溶融物とともに押し出される。そして、このようにして生地材ペレットと木質様形成材ペレットとは、溶融され混合されてダイ45から押し出され、所望する形状に成形された木質様成形品となる。
【0064】このような製造方法によれば、生地材ペレットと木質様形成材ペレットとが溶融して成形方向に流れ、これにより各樹脂、担持セルロース微粉粒(表面粒付きセルロース系微粉粒)、第一の有色顔料、第二の有色顔料がそれぞれ混ざり合う。しかし、一方のペレットをダイ45に近いベント孔44から供給して両ペレットの溶融時間に差をつけ、これによりペレット間の温度にも差をつけていることから、これらペレットは十分均一に混ざり合うまでには至らず、また、当然両ペレット中の第一の有色顔料と第二の有色顔料も十分均一に混ざらず、したがって得られる成形品には、図6に示すようにその内部および表層部にて有色顔料による着色部20…が不均一に散在し、また、成形品表面では、例えば板状に成形した場合に図7に示すように筋状であるものの連続的でなく断続的に独立したものであり、またその濃淡が不均一でしかも筋の太さも不均一な着色部20…が形成される。
【0065】また、特に成形品の表層部においては、木質様形成材ペレット中の白色顔料を担持してなるセルロース系微粉粒が着色部20の上にくると、白色顔料により着色部20の色が隠蔽されることから、図7に示した表面に見える着色部20(筋状の模様)の濃淡にさらに不均一さが増し、これによって着色部20は一層天然の木目模様に近いものとなる。また、特に白色顔料として酸化チタンを用いた場合、セルロース系微粉粒が熱的、化学的に安定な酸化チタンを担持していることにより、セルロース微粉粒にアルカリ処理等の化学処理を施すことなく、成形時におけるセルロース微粉粒の分解を抑制することができる。
【0066】なお、上記の例では、木質様形成材ペレットと生地材ペレットとをホッパ43とベント孔44から供給するようにしたが、これに加えて、顔料ペレットをホッパ43あるいはベント孔44から供給するようにしてもよいし、ベント孔44の数を2つに増やし、増やしたベント孔に顔料ペレットを供給するようにしてもよく、さらに、ベント孔44の位置を変えて、各ペレットを供給するようにしてもよい。
【0067】また、上記の例では、押出機として単軸式のものを用いたが、二軸式の押出機を用いてもよいのはもちろんであり、その場合に同方向二軸式、異方向二軸式のいずれも使用可能である。さらに、上記の例では、表面粒付きセルロース系微粉粒に樹脂および顔料を混合して木質様形成材ペレットを形成したが、表面粒がないセルロース系微粉粒に樹脂および顔料を混合して木質様形成材ペレットを形成してもよく、また、表面粒がないセルロース系微粉粒に樹脂を混合して生地材ペレットを形成してもよい。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1の木質様製品によれば、セルロース系微粉粒と、樹脂と、顔料とを混合し、この混合材料を溶融させ、所望形状に成形することで、木質感を得ることができるとともに、成形時に顔料が流れることで、木質感に加えて、木質様製品の表面に天然の木目に極めて近い木目模様を得ることができる。また、前記セルロース系微粉粒は、直径が1〜100μmの粒形状をなすものであり、従来のような繊毛状の突出部分がないので、従来の木粉のごとく水(湿気を含む)、溶剤を吸着しあるいはこれを放出することに起因する伸縮が極めて少なくなり、よって、木質様製品が寸法安定性に極めて優れたものとなる。
【0069】請求項2の木質様製品によれば、請求項1と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、セルロース系微粉粒の外周面に表面粒を固定したので、成形時の流動性の向上が図れることから作業性が向上するとともに、成形品の特性を表面粒の選択によって変更させることができる。また、表面粒として、無機質顔料を用いると、耐熱性が向上するので、表面粒がない場合に比べて、成形時の熱影響が少なく、よって色や形状の変化などが抑制することができる。さらに、表面粒を固定させたことによってセルロース系微粉粒はその表面が覆われ、これにより成形時に熱分解等によって微粉粒中に含まれるリグニンや木酸が放出されることが抑制されるため、該リグニンや木酸の放出に起因する成形不良を防止することができる。
【0070】請求項3の木質様製品の製造方法によれば、前記請求項1または2の木質様製品を容易に製造することができる。
【0071】請求項4の木質様製品の製造方法によれば、セルロース系微粉粒または表面粒付きセルロース系微粉粒と樹脂と顔料とを混合してなる混合材料を成形した、成形体の表面に、前記セルロース系微粉粒または表面粒付きセルロース系微粉粒が露出するが、これら微粉粒はその種類によって色調が異なるので、これら微粉粒の種類を適宜選択することで、得られる木質様製品の表面に、選択された微粉粒に応じた表面模様を形成することができる。
【0072】請求項5の木質用製品の製造方法によれば、顔料を複数種類用意し、これら複数種類から少なくとも一種類を選択して使用するが、該顔料は、前記混合物を成形してなる成形体の生地自体の色を決めるとともに、混合していない一部の顔料が成形中に流れることにより、成形体に天然の木目模様に近い、縞模様を形成するものであるので、顔料の種類を適宜選択することで、得られる木質様製品の表面に、選択された顔料に応じた表面模様を形成することができる。
【0073】請求項6の木質様製品の製造方法によれば、樹脂を複数種類用意し、これら複数種類から少なくとも一種類を選択して使用するが、該樹脂は、混合物を成形してなる成形体の、成形時の流動性や溶融温度を決めるものであり、該樹脂によって前記成形時における顔料の流れや、混合の度合いが異なるので、樹脂の種類を適宜選択することで、得られる木質様製品の表面に、選択された樹脂に応じた表面模様を形成することができる。
【0074】請求項7の木質様製品の製造方法によれば、複数種類の木質様形成材ペレットと、複数種類の生地材ペレットと、複数種類の顔料ペレットとを用意し、これらペレットのうちの少なくとも二種類を、セルロース系微粉粒または表面粒付きセルロース系微粉粒を含むようにして混合し、この混合材料を溶融させ、その後または溶融と同時に所望形状に成形するので、得られる木質様製品の表面に、選択されたペレットに応じた表面模様を形成することができるとともに、選択されたペレットに含まれていて、成形時に混合していない顔料の一部が流れて縞模様を呈することで、木質様製品の表面に天然の木目に極めて近い木目模様を形成することができる。
【0075】請求項8の木質様製品の製造方法によれば、複数種類の木質様形成材ペレットと、複数種類の生地材ペレットと、複数種類の顔料ペレットとのうちから選択された複数種類のペレットを、押出成形機のホッパと少なくとも1つ以上のベント孔に選択的に供給して押出成形するので、得られる木質様製品の表面に、選択されたペレットに応じた表面模様を形成することができる。
【0076】また、押出成形機のホッパとベント孔に供給された各ペレット溶融物間に温度差が生じ、また、これらが混ざり合う時間も各ペレットを同時にホッパに投入した場合に比べて短くなることから、得られる押出成形品についてもペレット間の混合にムラがあるものとなる。したがって、これらペレットに含有される顔料間においても、その混合の度合いにムラが生じてこれらが不均一に流れることから、得られる成形品に不均一な濃淡の着色部を形成するとともに、これら着色部の多くを連続した筋状のものでなく天然の木目模様に近い断続的に独立したものにすることができる。




 

 


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