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発明の名称 締め付け工具用延長具
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−202552
公開日 平成10年(1998)8月4日
出願番号 特願平9−4758
出願日 平成9年(1997)1月14日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】木下 實三 (外1名)
発明者 河上 栄忠 / 浜田 耕治
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】締結部材とこの締結部材を締め付ける締め付け工具との間に介装される締め付け工具用延長具であって、前記締め付け工具が接続される操作端を備えた棒状の操作側アームと、前記締結部材に接続される作用端を備えた棒状の作用側アームと、前記締結部材の軸線からずれた位置でこれらのアームの各々に接続されかつ各アームを前記操作端および前記作用端が当該軸線上に離間配置させるように係合するリンクロッドと、を含んで形成されていることを特徴とする締め付け工具用延長具。
【請求項2】請求項1に記載の締め付け工具用延長具において、前記締め付け工具用延長具は、延長具本体と、この延長具本体に着脱可能に接続されかつ前記締結部材に装着されるソケット部とを有し、当該ソケット部は、前記締め付け用工具とも着脱自在となっていることを特徴とする締め付け工具用延長具。
【請求項3】請求項1または請求項2に記載の締め付け工具用延長具において、前記リンクロッドは、前記操作側アームおよび前記作用側アームのそれぞれに対してこれらのアームの延出方向に移動自在かつ所定位置で固定可能に接続されていることを特徴とする締め付け工具用延長具。
【請求項4】請求項1〜請求項3のいずれかに記載の締め付け工具用延長具において、前記操作側アームおよび前記作用側アームは、それぞれ前記リンクロッドに形成された挿通孔によって挿通接続され、前記操作側アームおよび前記作用側アームの表面には、その延出方向に沿って雄ねじ部が形成され、前記リンクロッドは、当該雄ねじ部に螺合する2つのナットにより狭持固定されていることを特徴とする締め付け工具用延長具。
【請求項5】請求項4に記載の締め付け工具用延長具において、前記操作側アームおよび前記作用側アームは断面角形の棒状部材であり、前記雄ねじ部は当該角形断面のコーナー部に形成され、前記リンクロッドの挿通孔は前記アームの角形断面に対応する角形孔であり、この挿通孔に前記アームが挿通されて当該リンクロッドに対する前記アームの回転が規制されるとともに、前記雄ねじ部に対応する当該挿通孔のコーナー部には切り欠きが形成されていることを特徴とする締め付け工具用延長具。
【請求項6】請求項1〜請求項5のいずれかに記載の締め付け工具用延長具において、前記操作側アームおよび前記作用側アームには、その側面に前記作用端若しくは前記操作端から前記リンクロッドの接続位置までの距離を測定可能な目盛が設けられていることを特徴とする締め付け工具用延長具。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、締結部材とこの締結部材を締め付ける締め付け工具との間に介装される締め付け工具用延長具に関し、例えば、締結部材の軸線上に障害物がある場合の締め付け工具用延長具として利用することができる。
【0002】
【背景技術】従来より、建築現場における柱、梁部材等の建築要素同士の接合には、ボルトナット等の締結部材が用いられ、このようなボルトナットによる接合であれば、レンチ等の簡易な締め付け用工具により建築要素同士を接合することができ、建築現場における作業の簡単化と工期短縮を図ることができる。例えば、建築要素となる箱状の建物ユニットを複数組み合わせて形成されるユニット式建物において、図5に示すようなユニット式建物1は、本屋部1A、下屋部1Bを建物ユニット11を隣接配置するとともに、下屋部1B上の下屋バルコニ2もバルコニユニット21を並設し、互いに隣接する建物ユニット11、バルコニユニット21をボルトナットからなる締結部材で連結して形成される。
【0003】ここで、建物ユニット11は、図6を参照して説明すれば、軸組構造の鋼製フレーム111を有し、四隅に立設される柱112と、これらの柱112の上端間、下端間を連絡する梁113とを含んで形成され、予め工場において、このフレーム111に内壁材114、床面材115、外壁材116、天井材117、その他の設備部材を必要に応じて組み込んだものである。また、バルコニユニット21も同様に、C形鋼を四角形状に組み合わせたフレーム211上に、予め工場において、床根太212、床面材213、防水シート214を取り付けたものである。
【0004】そして、このようなユニット式建物1であれば、建築現場では主として建物ユニット11、バルコニユニット21の連結作業のみで済ませられ、現場作業が軽減され、建築工期の短縮を図ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このようなボルトナット等の締結部材を用いて、建築現場にて建築要素同士を接合する場合、締結部材の軸線上に障害物があって、締結部材の締め付けがうまく行えない場合がある。すなわち、図6に示すように、建物ユニット11とバルコニユニット21とを連結する場合、建物ユニット11のフレーム111と、バルコニユニット21の下地フレーム211とが締結部材31によって連結接合されるが、バルコニユニット21の床面材213に形成された開口215を締結部材31の軸線上に形成することができず、バルコニユニット21の床面材213が障害物となって締結部材31の締め付け作業が困難になってしまうことがある。。
【0006】尚、このような位置ずれは、主として他部材との取り合いとの関係で生じることが多く、図6の場合で説明すれば、バルコニ2の床面材212と建物ユニット11のフレーム111上に設けられる外壁材116との立ち上がり防水を入念に行う必要があるため、図6のE寸法をなるべく大きくする必要があるのに対して、締結部材31は建物ユニット11の柱112の近傍で強固に接合する必要があるため、図6のF寸法をなるべく小さくする必要があるからである。
【0007】この場合、締め付け工具4等に締め付け工具用延長具105を併用しても、締結部材31に装着しにくいことがあり、締結作業に多くの時間がかかってしまうという問題がある。また、締め付け工具4にユニバーサルジョイント等の特殊な締め付け工具用延長具を装着して前記締結部材31を締め付けることは可能であるが、締め付けトルクを管理しながら締結作業を行うには、締め付け工具用延長具の影響を考慮しつつ、締め付け工具となるトルクレンチの表示トルクを判断しなければならず、締め付け作業が煩雑になってしまうという問題がある。
【0008】本発明の目的は、締結部材の軸線上に障害物があっても、簡易に締結作業を行うことができ、かつトルク管理を確実に行うことのできる締め付け工具具用延長具を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る締め付け工具用延長具は、図面の符号を参照して説明すれば、締結部材31とこの締結部材を締め付ける締め付け工具4との間に介装される締め付け工具用延長具5であって、前記締め付け工具が接続される操作端612を備えた棒状の操作側アーム61と、前記締結部材に接続される作用端622を備えた棒状の作用側アーム62と、前記締結部材の軸線Aからずれた位置でこれらのアーム61、62の各々に接続されかつ各アームを前記操作端および前記作用端が当該軸線上に離間配置させるように係合するリンクロッド63と、を含んで形成されていることを特徴とする。
【0010】このような本発明によれば、リンクロッドが締結部材の軸線からずれた位置で作用側アームおよび操作側アームを接続しているので、締結部材の軸線上に障害物があってもこれを迂回することが可能となり、締め付け作業が簡単化される。また、締結部材に接続される作用端と締め付け工具が接続される操作端とが締結部材の軸線上に離間配置されるので、操作端にトルクレンチを接続して締結部材の締め付けトルクを適正に測定することが可能となり、トルク管理を確実に行うことが可能となる。
【0011】以上において、リンクロッドとしては、操作側アームおよび作用側アームのそれぞれに対してこれらのアームの延出方向に移動自在かつ所定位置で固定可能に接続されるリンクロッドを採用するのが好ましい。このようなリンクロッドであれば、締結部材の軸線からのリンクロッドのずれを調整できるので、障害物の大きさに応じて、迂回寸法Dを調節することが可能となり、締め付け工具用延長具の使い勝手が向上し、締め付け作業の一層の簡単化が図られる。
【0012】また、上述した締め付け工具用延長具としては、延長具本体6と、この延長具本体に着脱可能に接続されかつ前記締結部材に装着されるソケット部7とを有し、当該ソケット部が前記締め付け用工具とも着脱自在となっているものが好ましい。すなわち、ソケット部が延長具本体から着脱可能でありかつ締め付け工具に直接接続可能となっていれば、種々のボルト頭径に対応できる締め付け工具の延長具として用いることができるので、その汎用性が一層向上する。
【0013】さらに、操作側アームおよび作用側アームとリンクロッドとの接続は、操作側アームおよび作用側アームがそれぞれリンクロッドに形成された挿通孔632によって挿通接続され、操作側アームおよび作用側アームの表面には、その延出方向に沿って雄ねじ部611Aが形成され、リンクロッドは、当該雄ねじ部に螺合する2つのナット64により狭持固定される構造の接続が好ましい。すなわち、このような接続であれば、上述した迂回寸法の調節を任意に設定することができるので、締め付け工具用延長具の使い勝手が一層向上する。
【0014】また、操作側アームおよび作用側アームは断面角形の棒状部材であり、前記雄ねじ部が当該角形断面のコーナー部に形成されたものとするのが好ましく、リンクロッドの挿通孔はアームの角形断面に対応する角形孔として形成されるのが好ましい。すなわち、このような挿通孔にアームが挿通されれば、当該リンクロッドに対する前記アームの回転が規制されるので、上下のアーム間の位置ずれが生じることもなく使い勝手が一層向上するうえ、締め付けトルクを管理する場合もトルク測定の精度が一層向上される。さらに、雄ねじ部に対応する当該挿通孔のコーナー部には切り欠き632Bが形成されているのが好ましい。すなわち、挿通孔のコーナー部に切り欠きが形成されているので、アームとリンクロッドの接続に際しても、アーム上の雄ねじ部に傷を付けることがない。
【0015】そして、上述した操作側アームおよび作用側アームとしては、その側面に作用端若しくは操作端からリンクロッドの接続位置までの距離を測定可能な目盛611Bが設けられたアームを採用するのが好ましい。すなわち、側面に目盛が設けられていれば、作用端若しくは操作端からリンクロッドの接続位置までの距離を直ちに測定することができるので、締め付け工具用延長具の組立を容易にすることが可能となるうえ、締め付けトルクの管理の高精度化が図られる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。尚、既に説明した部材または部分と同一の部材または部分は、その説明を省略または簡略にする。図1には、本実施形態に係る締め付け工具用延長具が示されており、締め付け工具用延長具5は、延長具本体6およびソケット部7とを含んで形成される。延長具本体6は、締め付け具4が接続される操作側アーム61と、この操作側アーム61から所定寸法離間して配置される作用側アーム62と、これらのアーム61、62の各々に接続されるリンクロッド63と、このリンクロッド63を各アーム61、62に対して狭持固定するナット64と、を含んで形成される。
【0017】操作側アーム61は、図2に示されるように、断面角形の棒状部材からなるアーム部611と、その基端部上面に設けられかつ前記締め付け具4の嵌合突起401が嵌合される操作端612とを含んで形成されている。アーム部611の角形断面の四隅のコーナー部表面近傍には、当該アーム部611の延出方向に沿って雄ねじ部611Aが形成され、この雄ねじ部611Aが前記ナット64と螺合する。
【0018】一方、アーム部611の側面の平滑な部分には、前述した操作端612を基準とする距離測定用の目盛611Bが形成され、これにより操作端612からリンクロッド63の接続位置までの距離を測定できる。操作端612はアーム部611の図2中上面に円柱状の部材を溶接して形成され、円柱の上面には締め付け具4の嵌合突起401を嵌合するための凹部612Aが形成されている。
【0019】また、作用側アーム62も上述した操作側アーム61と同様に、アーム部611の基端部に作用端621が設けられたものであり、この作用端622は円柱状の台座の上に、締め付け具4の嵌合突起401に対応する形状の嵌合突起622Aが設けられており、この嵌合突起622Aに前記ソケット部7の上面に形成された凹部701が嵌合する。尚、作用側アーム62のアーム部611は操作側アーム61のアーム部611と同様に側面およびコーナー部に目盛611B、雄ねじ部611Aが形成されている。
【0020】リンクロッド63は、図3に示されるように、棒状の本体部631の両端に挿通孔632が2つ形成されたものであり、この挿通孔632に上記アーム61、62が挿通接続される。挿通孔632は、前記アーム部611の角形断面に対応する形状を有し、挿通されると当該アーム部611の側面が挿通孔632の側面632Aに当接するので、接続された各々のアーム61、62は、リンクロッド63に対して回転規制を受ける。また、アーム部611のコーナー部に形成された雄ねじ部611Bと対応する挿通孔632のコーナー部には、半円形状の切り欠き632Bが形成され、挿通孔632にアーム部611が挿通された際に雄ねじ部611Bに傷がつかないようになっている。尚、リンクロッド63を狭持固定するナット64は、アーム部611の雄ねじ部611Bに対応する雌ねじ部を有し、かつナットの外形は前記リンクロッド63の挿通孔632よりも大きくなっている。
【0021】締め付け工具用延長具5の組立にあたっては、図4を参照して説明すれば、予め締結部材31の軸線Aから障害物となる床面材213がとぎれる開口215端部までの迂回寸法Dを測定しておき、この寸法Dに基づいて各アーム61、62の図4中左側のナット64の位置設定を行う。そして、各アーム61、62に前記リンクロッド63を接続し、図4中右側のナット64をリンクロッド63に当接させてリンクロッド63を狭持固定する。このようにして組み立てられた締め付け工具用延長具5を使用する場合、まず、操作側アーム61の操作端612に締め付け工具4を取り付け、作用側アーム62の作用端622にソケット部7を取り付ける。次に、ソケット部7を締結部材31に装着して締め付け工具4の回動操作を行う。尚、締め付け工具4の回動操作に伴い、締め付け工具用延長具5も回転してしまうので、リンクロッド63が開口215の端部に当接した場合は、締結部材31からソケット部7をはずして再度装着し直す。
【0022】以上のような第1実施形態によれば次のような効果がある。すなわち、リンクロッド63が締結部材31の軸線Aからずれた位置で作用側アーム62および操作側アーム61を接続しているので、締結部材31の軸線A上に障害物(213)があってもこれを迂回することが可能となり、締め付け作業を容易に行うことができる。締結部材31に接続される作用端622と操作端612とが締結部材31の軸線A上で離間配置されるので、常に適正な状態で締結部材31の締め付けを行うことができ、締め付け工具4としてトルクレンチを用いた場合であっても、締め付けトルクの測定を正確に行うことができ、トルク管理を確実に行うことができる。
【0023】締結部材31の軸線Aからのリンクロッド63のずれを調整できるので、障害物(213)の大きさに応じて、迂回寸法Dを調節することが可能となり、締め付け工具用延長具5の使い勝手が向上し、締め付け作業の一層の簡単化を図ることができる。ソケット部7が延長具本体6から着脱可能でありかつソケット部7が締め付け工具4に直接接続可能となっていれば、種々のボルト頭径に対応できる締め付け工具4の締め付け工具用延長具として使用することができ、汎用性が一層向上する。
【0024】上述したアーム61、62に対するリンクロッド63の位置を当該アーム61、62の延出方向に沿って任意に設定することができるので、迂回寸法Dに対応して自由にリンクロッド63の位置を設定することができ、締め付け工具用延長具の使い勝手を一層向上させることができる。
【0025】アーム61、62のアーム部611が断面角形の棒状材であり、リンクロッド63の挿通孔632がこの角形断面に対応する角形孔なので、リンクロッド63に対してアーム61、62が回転することがなく、両アーム61、62間で位置のずれが生じることもなく、使い勝手が向上するとともに、トルク測定の一層の高精度化を図ることができる。アーム部611の側面に目盛611Bが形成されているので、作用端622若しくは操作端612からリンクロッド63の接続位置までの距離を目視で直ちに測定することができ、締め付け工具用延長具5の設定を容易にすることができる。
【0026】尚、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、次に示すような変形等をも含むものである。すなわち、前述の実施形態では、延長具本体6とソケット部7とは着脱可能となっていたが、これに限らず、延長具本体とソケットとが一体で形成されていてもよい。また、前述の実施形態では、両アーム61、62の角形断面とリンクロッド63の角形の挿通孔632との組み合わせによって回動規制を行っていたが、これに限らず、円柱棒状部材の一部にその延出方向に沿った切り込みが形成されたアーム部とこのアーム部の断面に対応する挿通孔を備えたリンクロッドとの組み合わせによって回動規制を行ってもよい。要するに、アームおよびリンクロッドを接続した際にアームが軸方向に回転しなければ他の構造であってもよい。
【0027】さらに、前述の実施形態では、リンクロッド63は2つのナット64によって狭持固定されていたが、これに限らず、各アームの延出方向に沿って複数形成されるアーム側孔と、リンクロッド63の側面からアームの挿通孔に貫通する貫通孔と、複数のアーム側孔のいずれかとこの貫通孔に挿通されるピンとを含んで形成され、このピンの挿通によりリンクロッドおよびアームが固定されるような構造であってもよい。
【0028】そして、前述の実施形態では、ソケット部7は通常のボックスレンチと同様の構造であったが、これに限らず、ソケット部にラチェット機能を付加したものを使用してもよい。これにより、締結部材からソケット部を取り外すことなく、締め付け作業を行うことができる。その他、本発明の実施の際の具体的な構造および形状等は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等としてもよい。
【0029】
【発明の効果】前述のように、本発明の締め付け工具用延長具によれば、締結部材の軸線からずれた位置で操作端および作用端を接続しているので、締結部材の軸線上に障害物があっても、簡易に締結作業を行うことができ、かつトルク管理を確実に行うことができる。




 

 


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