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発明の名称 建物用木質パネルの切削手工具
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−175201
公開日 平成10年(1998)6月30日
出願番号 特願平9−258902
出願日 平成9年(1997)9月24日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】木下 實三 (外1名)
発明者 木下 潔
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 往復動自在な鋸刃が取り付けられる本体部を備えているとともに、この本体部が前記鋸刃の往復動方向と略直交する送り方向に沿って送られる建物用木質パネルの切削手工具であって、前記本体部には前記鋸刃側に延出しかつ前記木質パネルにおける前記送り方向に沿った面に当接される当接部が設けられ、この当接部は、前記鋸刃に対して前記送り方向の前方側に位置されていることを特徴とする建物用木質パネルの切削手工具。
【請求項2】 請求項1に記載された建物用木質パネルの切削手工具において、前記本体部には前記鋸刃側に延出しかつ前記木質パネルの切削開始面に当接される別の当接部が設けられ、この別の当接部は、前記鋸刃に対して前記送り方向の後方側に位置されていることを特徴とする建物用木質パネルの切削手工具。
【請求項3】 請求項2に記載された建物用木質パネルの切削手工具において、前記各当接部のうちの少なくともいずれか一方の当接部側には把持部が設けられ、この把持部が設けられた側の当接部は、前記把持部を握った拳を覆うように設けられていることを特徴とする建物用木質パネルの切削手工具。
【請求項4】 回転自在なドリルが取り付けられる本体部を備えた建物用木質パネルの切削手工具であって、前記木質パネルの穿設開始面に当接される当接面を有する当接部と、前記本体部に設けられて前記ドリル側に延出しかつ前記当接部に摺動自在に嵌合された摺動部とを備え、この摺動部の摺動方向は、前記当接部の当接面に対して直交していることを特徴とする建物用木質パネルの切削手工具。
【請求項5】 請求項4に記載された建物用木質パネルの切削手工具において、前記当接部には、前記穿設開始面と直角をなす他の面に当接される別の当接面が設けられているとともに、この別の当接面から前記ドリルの軸心までの距離寸法は、前記穿設開始面の前記他の面側の端縁から前記ドリルによって穿設される孔の中心までの距離寸法と同じに設定されていることを特徴とする建物用木質パネルの切削手工具。
【請求項6】 請求項4または請求項5に記載された建物用木質パネルの切削手工具において、前記当接部には前記ドリルの軸心からの位置を示す位置表示手段が設けられていることを特徴とする建物用木質パネルの切削手工具。
【請求項7】 請求項4〜6のいずれかに記載された建物用木質パネルの切削手工具において、前記当接部および前記摺動部には互いに当接し合うストッパー部が設けられ、このストッパー部により前記摺動部の摺動が規制されていることを特徴とする建物用木質パネルの切削手工具。
【請求項8】 請求項4〜7のいずれかに記載された建物用木質パネルの切削手工具において、前記ドリルによる穿設で生じる木くずの飛散を防止する集塵カバーが設けられていることを特徴とする建物用木質パネルの切削手工具。
【請求項9】 請求項8に記載された建物用木質パネルの切削手工具において、前記集塵カバーは、前記本体部または摺動部に取り付けられる第1カバー部材と、前記当接部に取り付けられて前記第1カバー部材に対して互いに摺動自在に勘合される第2カバー部材とで構成されていることを特徴とする建物用木質パネルの切削手工具。
【請求項10】 請求項8または請求項9に記載された建物用木質パネルの切削手工具において、前記集塵カバーにはドリルによる穿設開始位置を目視可能な開口部が設けられていることを特徴とする建物用木質パネルの切削手工具。
【請求項11】 請求項8〜10のいずれかに記載された建物用木質パネルの切削手工具において、前記集塵カバーには真空引き用の吸引ダクトが接続されていることを特徴とする建物用木質パネルの切削手工具。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物用木質パネルの切削手工具に係り、電動式の鋸(ジグソー)やドリル等の切削手工具に関する。
【0002】
【背景技術】従来より、プレハブ住宅の建築方法として、床パネル、壁パネル、天井パネル等の各種木質パネルを組み合わせて建てるパネル工法が知られている。このパネル工法に用いられる木質パネルは、芯材や厚手の板材等で四周枠組された枠体を有するとともに、この枠体の片面あるいは表裏両面に面材を貼ることにより形成されている。また、このような木質パネルの端面には、基礎上のアンカーボルトとの干渉を防ぐための切欠きや、パネル同士の接続のために使用されるボルト孔等が設けられ、通常、それらの加工は、電動ジグソーや電動ドリル等の切削手工具を用いて行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した手工具は、一般に市販されている汎用工具であるため、木質パネルを専用に加工する際の操作性が考慮されていない。従って、例えば、電動ジグソーを用いて切欠き用の溝加工を行う場合には、手ぶれが生じることにより、真っ直ぐな溝加工が行えないという問題があった。また、電動ドリルを用いて孔加工を行う場合にも、手ぶれ等により、孔が斜めに形成されてしまうという問題があった。
【0004】本発明の目的は、操作性が良好な建物用木質パネルの切削手工具を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の建物用木質パネルの切削手工具は、後述する第1の実施の形態での符号を用いて説明すれば、往復動自在な鋸刃30が取り付けられる本体部20を備えているとともに、本体部20が鋸刃30の往復動方向と略直交する送り方向に沿って送られる建物用木質パネル100の切削手工具10であって、本体部20に、鋸刃30側に延出しかつ木質パネル100における送り方向に沿った面104に当接される当接部42を設け、この当接部42を、鋸刃30に対して送り方向の前方側に位置させることを特徴とするものである。このような本発明においては、木質パネル100における送り方向に沿った面104に、切削手工具10の当接部42を当接させながら溝加工を行うことにより、加工中の手ぶれが抑えられ、切削手工具10の操作性が向上する。
【0006】また、本発明の切削手工具では、本体部20に、鋸刃30側に延出しかつ木質パネル100の切削開始面105に当接される別の当接部45を設け、この別の当接部45を鋸刃30に対して送り方向の後方側に位置させることが望ましい。ここで、切削開始面とは、加工を行う際、鋸刃の刃先が最初に当接する面をいう。このような場合には、加工途中で別の当接部45が切削開始面105に当接し、この時点で切削手工具10の送りが止められる。従って、切削手合具10の送り量が規定されるため、常に同じ深さ寸法Dの溝加工が行えるようになる。
【0007】そして、本発明の切削手工具では、各当接部42,45のうちの少なくともいずれか一方の当接部42側に把持部43を設け、この把持部43が設けられた側の当接部42を、把持部43を握った拳を覆うように設けてもよい。このような場合には、専用の把持部43を設けることで、切削手工具10の操作性がさらに向上するうえ、当接部42を拳を覆う形状とすることにより、その当接部42が安全ガードとしても機能するようになる。
【0008】さらに、本発明の他の切削手工具は、第2の実施の形態での符号を用いて説明すれば、回転自在なドリル70が取り付けられる本体部60を備えた建物用木質パネル100の切削手工具50であって、木質パネル100の穿設開始面104に当接される当接面81を有する当接部80と、本体部60に設けられてドリル70側に延出しかつ当接部81に摺動自在に嵌合された摺動部90とを含んで構成し、この摺動部90の摺動方向を、当接部80の当接面81に対して直交させることを特徴とするものである。ここで、穿設開始面とは、加工を行う際、ドリルの先端が最初に当接する面をいう。このような切削手工具においては、摺動部90が当接部80の当接面81に対して常に直交する方向に摺動するため、ドリル70の先端が穿設開始面104に対して垂直に当接するとともに、その垂直方向を維持したまま穿設が完了するようになる。このため、加工中の手ぶれが生じ難く、切削手工具50の操作性が良好となる。
【0009】また、本発明の切削手工具では、当接部80に、穿設開始面104と直角をなす他の面108に当接される別の当接面83を設けるとともに、この別の当接面83からドリル70の軸心までの距離寸法yを、穿設開始面104における他の面108側の端縁からドリル70によって穿設される孔の中心Pまでの距離寸法Yと同じにすることが望ましい。このような場合には、当接面83からドリル70の軸心までの距離寸法yが、穿設開始面104における他の面108側の端縁から孔の中心Pまでの距離寸法Yと同じであるから、ドリル70の先端を距離寸法Yに対応した位置に位置決めするには、当接面83を他の面108に当接するだけでよく、その位置決めが容易に行われるようになる。
【0010】さらに、本発明の切削手工具では、当接部80に、ドリル70の軸心からの位置を示す位置表示手段86を設けてもよい。このような場合には、例えば、孔の穿設位置が穿設開始面104内の所定位置からの距離寸法Xで規定されている場合等、ドリル70の先端を距離寸法Xに対応した位置に位置決めするには、位置表示手段86における距離寸法Xに対応する部位xをその所定位置に合わせればよく、位置出しが位置表示手段86を目安にして容易に行われるようになる。
【0011】そして、本発明の切削手工具においては、当接部80および摺動部90に、互いに当接し合うストッパー部84B,90Aを設け、このストッパー部84B,90Aにより、摺動部90の摺動を規制してもよい。このような場合いには、ドリル70の彫込み不足や、彫込み過ぎが防止されるようになる。
【0012】また、本発明の切削手工具では、第3の実施の形態で説明するように、ドリル70による穿設で生じる木くずの飛散を防止する集塵カバー110を設けることが好ましい。このような場合には、作業エリア内に木くずが飛散するのが防止されるため、作業環境が良好に維持されるようになる。
【0013】この際、集塵カバー110を本体部50または摺動部90に取り付けられる第1カバー部材112と、当接部80に取り付けられて第1カバー部材112に対して互いに摺動自在に勘合される第2カバー部材113とで構成することが好ましい。こうすることで、摺動部90を当接部80に対して摺動させても、第1カバー部材112が第2カバー部材113に対して同様に摺動するようになるため、加工中においては、集塵カバー110でドリル70の送り込みが阻害される心配もない。
【0014】さらに、本発明の切削手工具では、集塵カバー110にドリル70による穿設開始位置Pを目視可能な開口部13Aを設けてもよく、このような場合には、穿設開始位置Pの確認が行われるようになるため、より位置ずれのない確実な加工が行われるようになる。
【0015】そして、本発明の切削手工具では、集塵カバー110に真空引き用の吸引ダクト119を接続してもよく、こうすることで、木くずが瞬時に所定の箇所に集められるため、作業環境の向上がより促進される。
【0016】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施の形態〕以下、本発明の第1の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施の形態に係る切削手工具である電動ジグソー10の使用状態を示す斜視図、図2は、電動ジグソー10の正面図、図3は、その左側面図、図4は、平面図である。図1〜4において、電動ジグソー10は、厚さ寸法Tの板材101からなる枠組102の上面に面材103が貼られて形成された木質パネル100の溝加工を行うものであり、平置きされた木質パネル100の端面104には、電動ジグソー10が下方から上方に向かって送られることにより、板材101の切削開始面である下面105から深さ(高さ)寸法Dまで削り込まれる二条の溝106が形成されるようになっている。
【0017】この電動ジグソー10は、図示しないモーター等の原動機が内蔵され、かつ主把持部21を備えた本体部20と、この本体部20に往復動自在に取り付けられた鋸刃30とを含んで構成され、これら本体部20および鋸刃30は、一般の汎用工具を流用したものである。
【0018】本体部20における鋸刃30の付け根部分には、正面凹形状のフレーム40が連結片41を介して、例えば、ボルト止め等されて連結されている。このフレーム40の上部間には、鋸刃30に沿って延出し、かつ木質パネル100の端面104に当接される当接部である第1当接部42が跨設され、第1当接部42は、平面弓形状に設けられているとともに、鋸刃30の上方、すなわち、鋸刃30に対して送り方向の前方に位置されている。そして、第1当接部42における最も延出した部分の面であって、端面104と直に当接する当接面42Aは、鋸刃30の先端から距離寸法Lだけ手前側に位置され、この距離寸法Lは、板材101の厚さ寸法Tよりも十分大きく設定されている。これにより、溝106が板材101の厚さ方向に確実に貫通して形成されるようになっている。
【0019】また、フレーム40の上端間には、把持部である副把持部43が跨設され、この副把持部43を握った拳が前述の弓形状の第1当接部42で覆われるようになっている。なお、副把持部43は、本発明に必須のものではなく、適宜省略可能である。また、第1当接部42の形状は、弓形状に限定されるものではなく、例えば、半球面状等であってもよく、任意である。
【0020】一方、フレーム40の下部側には、鋸刃30に沿ってその先端の近傍まで延出しているとともに、接続片44を介して本体部20のカバー部材22にも接続され、かつ木質パネル100の下面105に当接される別の当接部である第2当接部45が設けられている。この第2当接部45は、鋸刃30の下方、すなわち、鋸刃30に対して送り方向の後方に位置され、第2当接部45における下面105との当接面45Aは、鋸刃30の刃先から距離寸法Hだけ下方側に位置されている。そして、この距離寸法Hは、加工される溝106の深さ寸法Dと同じに設定されている。
【0021】このような本実施の形態においては、以下のようにして電動ジグソー10を操作し、溝106の加工を行う。先ず、一方の手で主把持部21を持ち、他方の手で副把持部43を持ち、鋸刃30の刃先を木質パネル100の下面105に対向させ、そして、第1当接部42の当接面42Aを端面104に当接させる。この後、鋸刃を往復動させるとともに、当接面42Aを端面104に当接させながら、第2当接部45の当接面45Aが下面105に当接するまで電動ジグソー10全体を上方に送る。これにより、深さ寸法Dとされた溝106の加工が完了する。また、この後、溝106間で挟まれた部分を木ハンマー等でたたき折ることにより、図1中の一点鎖線で示すような方形の切欠き部107を設けてもよい。
【0022】このような本実施の形態によれば以下のような効果がある。すなわち、切削手工具10を用いて溝加工を行う際には、第1当接部42を木質パネル100の端面104に当接させながら行うため、加工中の手ぶれが抑えられ、切削手工具10の操作性を向上させることができる。これにより、真っ直ぐな溝加工を行うことができる。
【0023】また、本体部20には、下面105に当接される第2当接部45が設けられているため、加工途中で第2当接部45が下面105に当接し、この時点で切削手工具10の送りが止められる。従って、この第2当接部45で切削手合具10の送り量が規定されるため、常に同じ深さ寸法Dの溝106を形成することができる。
【0024】そして、本体部20には、主把持部21の他、副把持部43が設けられているため、切削手工具10の取扱が容易となり、操作性を一層向上させることができる。さらに、第1当接部42は、副把持部43を握った時の拳を覆う弓形状とされているため、第1当接部42を安全ガードとしても機能させることができる。
【0025】〔第2の実施の形態〕次ぎに、本発明の第2の実施の形態を図面に基づいて説明する。図5は、本実施の形態に係る切削手工具である電動ドリル50の使用状態を示す斜視図、図6は、電動ドリル50の正面図、図7は、その平面図、図8は、側面図である。図5〜8において、電動ドリル50は、前述の実施の形態でも説明した木質パネル100の端面104に貫通孔を穿設するのに用いられるものであり、貫通孔の中心でもある穿設開始位置Pは、この端面104と直角をなす他の端面109側の端縁(側端縁)から距離寸法Xで規定され、かつ端面104と直角をなす他の面である上面108側の端縁(上端縁)から距離寸法Yで規定されている。
【0026】この電動ドリル50は、図示しないモーター等の原動機が内蔵され、かつ主把持部61を備えた本体部60と、この本体部60に回転自在に取り付けられたドリル70と、木質パネル100に当接される長尺な当接部80と、本体部60におけるドリル70の付け根部分にボルト止め等で固定されてこのドリル70側に延出し、かつ当接部80に摺動自在に嵌合された長尺な摺動部90とを含んで構成されており、これらのうち、本体部60およびドリル70は、一般の汎用工具を流用したものである。
【0027】また、それらのうち、当接部80は、穿設開始面である端面104に当接される第1当接面81を備えた垂直部82と、上面108に当接される第2当接面83を備えた水平部84とから構成され、側面略L字形状とされている。
【0028】垂直部82は、摺動部90を境に配置された二つのコ字形状部材85から構成されているとともに、各部材85の上面85Aは、木質パネル100の上面108と平行とされ、各上面85Aにはドリル70の軸心からの位置を示す位置表示手段であるスケール86が記されている。すなわち、図7中において、ドリル70の軸心からスケール86中の目盛りxまでの距離寸法が、前述した穿設開始位置Pの距離寸法Xに対応し、この目盛りxを端面104の側端縁に合わせることで、ドリル70の先端が側端縁から距離寸法Xだけ離れた位置に位置決めされるようになっている。なお、図5および図7中の符号87は、ドリル70の軸心位置を表すマークである。
【0029】一方、水平部84において、第2当接面83は、ドリル70の軸心から距離寸法yだけ上方側に位置され、この距離寸法yは、前述した穿設開始位置Pの距離寸法Yと同じとされている。すなわち、第2当接面83を上面108に当接させることにより、ドリル70の先端が上端縁から距離寸法Yだけ離れた位置に位置決めされるようになっている。また、この水平部84では、その長手方向の略中央に設けられた嵌合口84Aは、摺動部90が第1当接面81に対して直交する方向に摺動するように設けられている。そして、嵌合口84Aの前後側は、ストッパー部84B(図7参照)とされ、各ストッパー部84Bが摺動部90の表裏に設けられたストッパー部90Aに当接することで、当接部80の摺動が規制されるようになっている。すなわち、前方のストッパー部84B,90A(図7中の下側)同士が互いに当接することで、摺動部90の抜けが防止され、後方のストッパー部84B,90A(図7中の上側)同士が互いに当接することで、ドリル70による所定の彫込み深さ寸法D(図8参照)が得られるようになっている。そして、この深さ寸法Dは、板材101の厚さ寸法Tよりも大きく、穿設される孔が確実に貫通するようになっている。さらに、水平部84の上部には、図5中において左手で把持されている副把持部87が設けられている。
【0030】このような本実施の形態においては、以下のようにして電動ドリル50を操作し、孔加工を行う。先ず、一方の手で主把持部61を持ち、他方の手で副把持部87を持ち、摺動部90を摺動させて本体部60を手前側に引いておく。そして、当接部80の第1当接面81を木質パネル100の端面104に当接させ、第2当接面83を上面108に当接させる。この際、当接部80に記されたスケール86の目盛りxを端面104の側端縁に合わせる。この後、ドリル70を回転させながら、摺動部90の手前側のストッパー部90Aが当接部80のストッパー部84Bに当接するまで、そのドリル70を送り込む。これにより、距離寸法X,Yが規定された貫通孔の孔加工が完了する。
【0031】このような本実施の形態では、以下のような効果がある。すなわち、電動ドリル50において、摺動部90は当接部80の第1当接面81に対して常に直交する方向に摺動するため、ドリル70の先端を端面104に対して垂直に当接させることができ、その垂直方向を維持したまま孔加工を行うことができる。従って、加工中の手ぶれが抑えられ、電動ドリル50の操作性を向上させることができる。これにより、貫通孔を端面104に対して垂直に形成できる。
【0032】また、当接部80の第2当接面83からドリル70の軸心までの距離寸法yが、端面104の上端縁から穿設開始位置Pまでの距離寸法Yと同じであるから、その第2当接面83を上面108に当接するだけで、ドリル70の穿設開始位置Pに対する垂直方向の位置出しを確実かつ容易に行うことができる。
【0033】さらに、当接部80を構成する垂直部82の上面85Aは、木質パネル100の上面108と平行とされているうえ、この垂直部82の上面には、ドリル70の軸心からの位置を示すスケール86が記されているため、ドリル70の位置出しを行う場合には、当接部80を木質パネル100に当接させた際、スケール86における距離寸法Xに対応した目盛りxをその端縁に合わせればよく、ドリル70の穿設開始位置Pに対する水平方向の位置出しも確実かつ容易に行うことができるうえ、穿設開始位置Pを予め木質パネル100にけがいておくといった作業も不要にできる。
【0034】そして、このようなスケール86は、各コ字形状部材85に各々記されているため、電動ドリル50を、端面109側の端縁だけではなく、反対側の側端縁からの寸法が規定された貫通孔に対しても適用できる。
【0035】また、当接部80および摺動部90には、互いに当接し合うストッパー部84B,90Aが設けられているため、摺動部90の摺動が規定され、これにより、ドリル70の彫込み不足や、彫込み過ぎを防止することができ、さらには、摺動部90が当接部80から抜けるのを防止できる。
【0036】〔第3の実施の形態〕図9〜図11には、本発明の第3の実施の形態に係る切削手工具である電動ドリル50が示されている。本実施の形態の電動ドリル50では、集塵カバー110が設けられている点で第2の実施の形態とは異なる。
【0037】集塵カバー110は、2条のフランジ111を有する第1カバー部材112と、角筒状の第2カバー部材113とを備えている。第1カバー部材112は、内部に複数のL字形状の支持部114を有しており、支持部114の上面を摺動部90の下面に当接させることでフランジ111の上面と摺動部90の上面とが面一になるように配置されている。そして、この第1カバー部材112は、各フランジ111間に跨設される一対の取付部材115、および複数のボルト116、ナット117で摺動部90に固定されるようになっている。
【0038】一方、第2カバー部材113は、一端側上部に角(つの)状の取付部118を有しており、他端側が第1カバー部材112内に嵌合している。このような第2カバー部材112は、取付部118を介して当接部80の各コ字形状部材85に図示しないボルトで取り付けられ、この際、一端側と当接部80の第1当接面81とが面一とされ、その端部が第1等雪面81とともに木質パネル100の端面104に当接されるようになっている。そして、第2カバー部材113の一端側には開口部113Aが設けられ、ドリル70の先端が穿設開始位置P(図5)に確実に位置しているかを確認できるようになっている。
【0039】このような第1、第2カバー部材112,113では、図10に示すように、当接部80がストッパー部90Aに当接した位置において、第1、第2カバー部材112,113でドリル70が完全に覆われ、この状態で電動ドリル50を安全に持ち運べるようになっている。また、加工中においても、第1カバー部材112が摺動部90の摺動にならって第2カバー部材113の外側を摺動するため、ドリル70の送り込みが集塵カバー110で阻害される心配はない。
【0040】また、第1カバー部材112の下部側に設けられた円筒部分には吸引ダクト119が接続され、図示しない真空ポンプで真空引きすることにより、加工によって生じた木くずが吸引ダクト119を通って所定位置に配置された集塵ボックスに集められるようになっている。そして、図10、図11において、第1カバー部材112内には第2カバー部材113とは反対側から厚手のリング状の継手部材120がはめ込まれ、継手部材120の鉛直面120Aが第1カバー部材112の鉛直な各内面112Aに接触し、下部側湾曲面120Bが各内面112A間に形成された湾曲縁112Bに接触するようになっている。この継手部材120には本体部60の先端側、すなわちドリル70のチャッキング部分が装通され、この部分と継手部材120とがボルト121で固定されるようになっている。これにより、第1カバー部材112が本体部60でも支持されるようになり、第1カバー部材112の剛性が向上する。また、第1カバー部材112と継手部材120とが確実に接触することにより、第2カバー部材113の端部が木質パネル100の端面104に当接されることと相まって集塵カバー110内が真空引きに適した気密状態となる。なお、継手部材120は、第1カバー部材112に対して接触しているだけでなく、ボルト止め等されて取り付けられていてもよい。
【0041】このような本実施の形態によれば、前記第2の実施の形態での効果に加え、以下のような効果がある。すなわち、電動ドリル50には集塵カバー110が取り付けられているため、加工時に生じる木くずが周囲に飛散するのを防止でき、作業エリアの環境を良好にできる。
【0042】また、集塵カバー110は、互いに摺動自在に嵌合し会う第1、第2カバー部材112,113で構成されているため、ドリル70の送り込みを集塵カバー110に干渉されることなく行うことができる。
【0043】そして、集塵カバー110の第1カバー部材112には吸引ダクト119が接続されているため、木くずを集塵ボックス等の所定位置に瞬時に集めることができ、作業環境の向上を一層促進できる。
【0044】この際、厚手の継手部材120が第1カバー部材112の各内面112Aや湾曲縁112Bに確実に面接触し、第2カバー部材113の端部が木質パネル100の端面104に確実に当接されるため、集塵カバー110内を木くずの吸引に適した気密状態にでき、木くずを確実に集塵ボックスに排出できる。
【0045】また、継手部材120が第1カバー部材112と本体部60との間には介装されていることにより、第1カバー部材112を摺動部90のみならず本体部60でも支持でき、第1カバー部材112の剛性を向上させることもできる。
【0046】さらに、第2カバー部材113には開口部113Aが設けられているため、ドリル70の先端を穿設開始位置Pに確実に位置しているかを確認でき、位置ずれのない正確な加工を行うことができる。
【0047】さらにまた、当接部80をストッパー部90Aに当接させて電動ドリル50を持ち運ぶ際には、ドリル70が完全に集塵カバー110で覆われるため、持ち運びをより安全に行えるという効果もある。
【0048】なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。すなわち、前記第1の実施の形態では、副把持部43が第1当接部42側に設けられていたが、本発明では、副把持部43が第2当接部45側に設けられてもよく、そのような把持部をどちら側に設けるかは、切削手工具の送り方向や、操作性等を勘案して任意に決められてよい。
【0049】また、前記第1の実施の形態では、木質パネル100の下面105に当接される第2当接部45が設けられていたが、このような第2当接部45は、本発明に必須のものではなく、省略してもよい。ただし、第2当接部を設けることで、前述した効果が得られるので望ましい。
【0050】一方、前記第2、第3の実施の形態では、当接部80および摺動部90にストッパー部84B,90Aが設けられていたが、それらのようなストッパー部84B,90Aがない場合でも本発明に含まれる。しかしながら、ストッパー部84B,90Aを設けることで、前述した効果が得られるので好ましい。
【0051】また、前記第2、第3の実施の形態では、スケール86がコ字形状部材85の上面85Aに記されていたが、スケール86のような位置表示手段は、例えば、コ字形状部材85のウェブ部分に記されていてもよく、位置表示手段を設ける箇所は、切削手工具を用いる際の作業者の姿勢等を勘案して、作業者から容易に目視できる箇所等に設ければよい。そして、このような位置表示手段は、スケール86でなくともよく、例えば、マーク87から距離寸法X離れた部位(目盛りxに対応した部位)に別のマークを設けてもよい。また、貫通孔が複数穿設される場合には、そのようなマークを各貫通孔の側端縁からの距離寸法に対応させて複数設けてもよい。さらに、位置表示手段は、端縁からの距離寸法が規定されている孔のみならず、例えば、複数の孔が所定間隔で穿設される場合等、隣接する孔を基準として別の孔を穿設する際に用いることもできる。そして、このような場合の複数の孔は、水平な直線上に並んで穿設される必要はない。さらに、この際、例えば、当接部80の垂直部82を透明なアクリル板等で形成し、スケール86等をドリル70の軸心と交差するように記せば、基準となる孔が垂直部82に隠れて見えなくなることを防止できるうえ、基準となる孔の中心から軸心までの寸法がより正確に拾えるから、孔間の寸法誤差を小さく抑えることができる。ただし、このような位置表示手段がない場合でも、本発明に含まれ、このような場合には、例えば、木質パネル100の端面104に側端縁から距離寸法Xだけ離して垂直なけがき線を引いておけばよく、当接部80の第2当接面83を上面108に当接させることで、けがき線上におけるドリル70の位置を決めれば、ドリル70の先端を確実に穿設開始位置Pに位置決めできる。しかしながら、位置表示手段を設けることで、けがき線を引く手間を省くことができるので好ましい。
【0052】また、前記第2、第3の実施の形態では、当接部80には木質パネル100の上面に当接される第2当接面83が設けられていたが、このような第2当接面がない場合でも本発明に含まれる。そして、このような場合には、例えば、木質パネル100の端面104に上端縁から距離寸法Yだけ離して水平なけがき線を引いておけばよく、当接部80のスケール86を利用することで、けがき線上におけるドリル70の位置を決めれば、ドリル70の先端を確実に穿設開始位置Pに位置決めできる。しかしながら、第2当接部を設けることで、そのようなけがき線を不要にできるので好ましい。
【0053】前記第3の実施の形態では、第1カバー部材112が継手部材120によって電動ドリル50の本体部60にも支持されていたが、第1カバー部材112が、例えば、摺動部90にのみ取り付けられて支持されている場合でも本発明の含まれ、また、本体部60にのみ取り付けられている場合でも本発明に含まれる。
【0054】そして、前記第3の実施の形態では、集塵カバー110が互いに摺動する第1、第2カバー部材112,113で構成されていたが、本発明に係るの集塵部材としては、全体あるいは一部が蛇腹状に形成されて送り込みに追従できるように構成されたものであってもよい。
【0055】さらに、前記各実施の形態では、木質パネル100が平置きされていたが、例えば、木質パネル100が縦置きされて加工させる場合でも、本発明に含まれることは勿論である。また、前記各実施の形態では、木質パネル100の端面104に対して溝加工および孔加工が行われていたが、例えば、木質パネル100の上面108等に加工を施す際にも、本発明を適用できる。
【0056】
【発明の効果】以上に述べたように本発明によれば、当接部を木質パネルに当接させながら加工を行うため、加工中の手ぶれ等を防止でき、切削手工具の操作性を向上させることができるという効果がある。




 

 


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