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発明の名称 超砥粒ホイール用の台金
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−329036
公開日 平成10年(1998)12月15日
出願番号 特願平9−157496
出願日 平成9年(1997)5月31日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
発明者 田中 吉弘
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 25〜50重量%の錫を含むメタルボンド結合剤の焼結によって外周縁に超砥粒層を固着する台金であって、線膨張係数が18×10-6/℃〜25×10-6/℃の範囲となる組成配合比の青銅系合金を素材としてなる超砥粒ホイール用の台金。
【請求項2】 銅を70〜90重量%及び錫を3〜15重量%として含む青銅系合金としてなる請求項1記載の超砥粒ホイール用の台金。
【請求項3】 残部として鉛および/または亜鉛を含む請求項2記載の超砥粒ホイール用の台金。
【請求項4】 台金の線膨張係数を、メタルボンド結合剤の線膨張係数よりも最大でほぼ5×10-6/℃小さくしてなる請求項1から3のいずれかに記載の超砥粒ホイール用の台金。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダイヤモンドやCBN等の超砥粒をメタルボンドによって固着保持する台金に係り、特に錫含有率が高いメタルボンド砥粒層に対しても高密着度でクラックを発生することなく接合可能とした超砥粒ホイール用の台金に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば超硬やセラミックス及び工具鋼等の難削材の加工に用いられる超砥粒メタルボンドホイールは、ディスク状の台金の周縁に超砥粒をメタルボンドとともに超砥粒層として固着したものがその基本的な構成である。
【0003】台金は強度及び剛性が高い鉄または鉄系合金が従来から主として用いられ、アルミニウム合金も接着法または鉄との貼り合わせによって使われている。特に、アルミニウム合金製の台金では、ホイール重量が鉄製のものに比べてほぼ1/3程度で大幅な軽量化が可能となり、スピンドル剛性の低い研削機械でも安定した研削が可能となった。このようなアルミニウム合金製の台金を持つ超砥粒メタルボンドホイールとしては、たとえば特開平6−55457号公報に記載のものがある。
【0004】一方、超砥粒層による被削材に対する切れ味の向上を目指すため、近来ではメタルボンド(結合剤)組成として錫の含有率を高くするという傾向にある。たとえば、従来における錫の一般的な含有率は10〜25重量%であったのに対し、たとえば特開平8−243926号公報にあるように含有率を18〜55重量%とするものも含めて、25〜50重量%の含有率にまで高めることによって各種の被削材に対しての切れ味の向上を達成している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、メタルボンドにおける錫の含有率が高くなると、従来の鉄または鉄系合金及びアルミニウム合金製の台金をそのまま使用したのでは、超砥粒層の台金に対する密着力が低下して接合不良を招いたり、砥粒層にクラックが発生するという問題がある。
【0006】すなわち、鉄製の台金にメタルボンドによる砥粒層を焼結法によって固着するとき、従来の錫の含有率が低いメタルボンドであれば、焼結温度が650℃以上とすることによって、密着が強固な超砥粒層の固着が可能である。ところが、錫の含有率が従来の10〜25%程度に低いメタルボンドに比べると、50%程度の高含有率のものでは、メタルボンドの収縮率が大きくて脆く割れやすくなる。このため、従来の鉄製の台金では、メタルボンドとの線膨張率との差が大きいので砥粒層にクラックが発生するようになり、製品として供給できないという問題があり、鉄または鉄系合金に代わる素材の台金が必要とされている。
【0007】このように錫含有率が高いメタルボンドに対して鉄製の台金が適用できない理由の一つは、錫の含有率が高いと焼結温度を下げる必要があるため鉄に対する最低焼結温度(650℃程度)で焼結処理できず、砥粒層の密着性が悪くなってしまうからである。
【0008】すなわち、錫含有率が25%程度のメタルボンドであれば650〜700℃程度での焼結温度となるが、錫含有率が50%のメタルボンドの場合はその焼結温度が450〜500℃程度と下がってしまうので、このような温度域で高密着度の焼結ができる素材の台金が必要となる。このような温度条件から、錫の含有率が25%〜50%の範囲であれば、これに対応する焼結操作可能な温度は450℃〜700℃程度である。
【0009】たとえば、先に述べた特開平6−55457号公報に記載の超砥粒メタルボンドホイールは、アルミニウム合金製の台金に対して錫含有率35重量%のメタルボンドと超砥粒とを500℃で焼結するという技術を開示している。しかしながら、アルミニウム合金は530℃を越えると溶融してしまうので、530℃以上の温度範囲での焼結については対応できず、したがってアルミニウム合金製の台金を用いても錫含有率が25%〜30%のメタルボンドの砥粒層についての焼結は困難である。
【0010】また、先の公報において従来技術の項で挙げられているように、台金と砥粒層との間の線膨張係数の関係において、台金の線膨張係数が砥粒層のそれよりも大きいと、台金と砥粒層の接合境界で円周方向に接合外れを起こすことが従来からの問題であった。そして、これを解決するための手法として、台金と砥粒層との間に線膨張係数が砥粒層と同じで高強度の中間層を介在させることが有効であるとしている。
【0011】したがって、このような中間層を持たせることで、錫の含有率が高いメタルボンドによる砥粒層についても、アルミニウムや鉄または鉄系合金を素材とした台金に対する砥粒層の強固な接合の可能性を見いだし得る。しかしながら、このような中間層を砥粒層と台金との間に介在させるためには、中間層と砥粒層を同時に成形するので、それぞれに上押し型及び下押し型を備えると共に砥粒層の外周面を創成するための外型の合計5個の型を必要とし、砥粒層のみを成形する場合に比べて2個の上押し型及び下押し型が増えることになる。このため、金型費用が嵩むだけでなく工程数も増えることになり、製品コストへの影響は大きい。
【0012】本発明は、錫の含有率が25〜50%程度の幅を持つメタルボンドに対しても高密着性で固着でき砥粒層のクラックを引き起こすこともない台金を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】以上のような台金に対するメタルボンドの良好な接合の可否を巡る問題に対して、錫含有率が高いメタルボンドについては、低い温度でメタルボンドの密着性を上げるため、焼結温度が鉄または鉄系合金よりも低い青銅系合金の台金を用いることが一つの対応策となる。すなわち、青銅系の合金であれば、焼結時の組織の拡散が十分なので、メタルボンドによる砥粒層との密着度を強固にすることが可能である。そして台金と砥粒層との間の線膨張係数の関係を適切にすることで、両者の接合外れや砥粒層のクラック発生の防止の効果を得ることもできる。
【0014】本発明の超砥粒ホイール用の台金は、このような知見に基づいて完成されたものであり、25〜50重量%の錫を含む超砥粒層を焼結によって外周縁に固着する台金であって、線膨張係数が18×10-6/℃〜25×10-6/℃の範囲となる組成配合比の青銅系合金を素材としてなることを特徴とする。
【0015】青銅系合金の配合比としては、銅を70〜90重量%及び錫を3〜15重量%として含む青銅系合金とすることができ、更に残部として鉛および/または亜鉛を含む配合比としてもよい。
【0016】また、台金の線膨張係数を、メタルボンド結合剤の線膨張係数よりも最大でほぼ5×10-6/℃小さくすることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明は、メタルボンドの錫の含有率が25%程度のときの焼結温度である約650℃を越えて700℃程度を耐熱温度とする青銅系合金を得ることで、焼結温度が450℃程度となる錫の含有率が50%程度のメタルボンドまでについて、台金に対してメタルボンドによる砥粒層を強固に固着できるようにしたものである。
【0018】そして、このようなメタルボンドの錫含有率25〜50%に対して有効な焼結を可能とする青銅合金の組成配合は、銅:70〜90重量%及び錫:3〜15重量%をベースとしたものである。また、このような組成配合に対して、鉛や亜鉛等のその他の金属を添加したものとしてもよい。
【0019】このような組成配合は、従来の鉄系合金に比較して線膨張係数をメタルボンドのそれに近づけた値として得るものである。すなわち、たとえば錫の含有率が25〜50重量%のメタルボンドの線膨張係数は20×10-6/℃〜28×10-6/℃であって、従来のたとえばS25C〜S45CまたはSS材等の鉄系合金の線膨張係数は11×10-6/℃〜15×10-6/℃である。これに対し、本発明の台金では鉄系合金に比べて値が大きな17×10-6/℃〜25×10-6/℃の範囲の線膨張係数として設定し、台金とメタルボンドとの間の線膨張係数の差を小さくした。
【0020】ここで、解決課題の項においても説明したように、鉄系合金の台金に対するメタルボンドによる砥粒層の固着は、或る程度錫の含有率が少ないものでは650℃以上の焼結温度であれば、良好な密着度が得られる。
【0021】一方、本発明者の知見によれば、錫の含有率が50重量%であるメタルボンドについては、450〜500℃の範囲を上限とする温度での焼結操作であれば、錫の含有率が高いメタルボンドであってもその結合材としての機能が損なわれることがないことを確認した。したがって、錫の含有率が高いメタルボンドの焼結においては、この450〜500℃の範囲内でメタルボンドが密着するような台金の組成とすれば有効である。
【0022】そして、青銅系の合金であれば、焼結温度が低温から高温までの広い範囲で操作することができるので、先の450〜500℃の範囲での焼結によってメタルボンドの機能を損ねることなく、砥粒層を台金に対して高密着度で固着することができる。
【0023】また、本発明の台金では、鉄系合金に比べて値が大きな17×10-6/℃〜25×10-6/℃の範囲の線膨張係数であって、台金とメタルボンドとの間の線膨張係数の差は、従来の鉄系合金のそれに比べて小さい。
【0024】このことは、焼結後の冷却過程において、台金及びメタルボンドが収縮するときに、台金に対するメタルボンドの収縮率は、台金が鉄系合金である場合よりも青銅系合金としたときのほうが大きくなるということである。したがって、冷却の進行に伴ってメタルボンドが台金の周面に食い込むように適度なカシメの効果があり、これによって台金とメタルボンドの接合面での拡散を更に促進させることになる。このため、メタルボンドの適度なカシメによる機械的強度を向上させた接合と同時に、拡散による金属学的な接合強度も増強されることになる。
【0025】このように台金とメタルボンドとの間の線膨張係数の関係は、これらの接合に際してきわめて重要であり、適切な関係を維持することでカシメと拡散の両方の効果によって強固な砥粒層の固着が可能である。そして、その具体的な線膨張数の関係としては、台金の線膨張係数がメタルボンド結合剤の線膨張係数よりも最大で5×10-6/℃の範囲で小さいということである。この線膨張係数が逆に台金のほうが大きいと、焼結冷却後に隙間が発生して台金と砥粒層との間が剥離してしまい好ましくない。また、この差が5×10-6/℃以上になると、カシメの力が大きくなりすぎて結合剤の強度が耐えられなくなり、クラックや割れの原因となり同様に好ましくない。
【0026】このように、本発明によれば、25〜50%という高い含有率の錫を含むメタルボンドに対しても、その含有率の幅に関係なく錫の含有率に適した台金組成によって、メタルボンドによる砥粒層を確実に高い密着度で台金に固着することができる。
【0027】
【実施例】図1に示すように、肉厚10mm及び外径150mmの台金1の外周に、幅3mmで内径150mmのダイヤモンド砥粒層2を接合したものを製作した。
【0028】台金1は、銅:85重量%,錫:8重量%,亜鉛:5重量%及びその他を残部とした組成の青銅系合金としたものである。また、砥粒層2は、ダイヤモンド♯140/170を使用して集中度100として投入するとともに、メタルボンドは銅:70重量%及び錫:30重量%の高錫比組成とした。なお、集中度とは、砥粒の濃度を表すものであって、集中度100とは体積比で25容積%含有するという意味である。
【0029】また、台金1の線膨張係数は19×10-6/℃及びメタルボンドの線膨張係数は24×10-6/℃であり、台金1の物性値は硬度HRB 60及び引張り強度は30kg/mm2 である。そして、電気炉にて焼結を行い、最終温度は600℃及び圧力は200〜500kg/cm2 である。
【0030】比較例として、S45C製の台金(金属メッキ)として超砥粒ホイールを成形したが、この比較例では砥粒層にクラックが発生するとともに、台金との接着性が劣り、その一部分が剥離していた。
【0031】本発明品では、クラックの発生はなく、台金と砥粒層の接合力は引張り強度で25kg/mm2 であって、メタルボンドの強度にほぼ近い値の十分な結果となった。
【0032】図2は本発明品における接合部分の組織を示す顕微鏡写真、図3はその概要を図式化したものである。また、図4は比較品における接合部分の組織を示す顕微鏡写真、図5はその概要を図式化したものである。図2及び図4において(a)は倍率12、(b)は倍率175、(c)は倍率350である。
【0033】図2及び図3から判るように、本発明品は、台金1と砥粒層2の境界部分では、砥粒層のメタルボンド成分が台金1の中に拡散していて、これらの接合力が向上していることが確認できる。これに対して、図4及び図5の比較品では、台金3と砥粒層4との境界が際立っていて拡散が促されていないことが判り、したがってこれらの接合力は本発明品に比べて弱いことが確認できる。
【0034】
【発明の効果】本発明によって以下の効果を奏することができる。
【0035】(1)錫の含有率が25〜50重量%の高錫比メタルボンを台金に対して直接固着する成形が可能となるほか、従来では必要とされていた金属メッキも不要となるので、生産性の向上及びコストダウンが図られる。
【0036】(2)台金の耐熱温度が最大で700℃まで向上するので、砥粒層固着のためのメタルボンドとして適用できる仕様が拡大する。
【0037】(3)台金とメタルボンドが同一系統の組成のため、砥粒層の接合力がより一層向上し、砥粒層の剥離の発生がなくなり安全性が向上する。
【0038】(4)従来の下地付きの金型を用いなくても従来の金型と同様の安価なものでの製作が可能となる。




 

 


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