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発明の名称 硬質粉末含有金属鋳造砥石及びその製法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−249734
公開日 平成10年(1998)9月22日
出願番号 特願平9−56121
出願日 平成9年(1997)3月11日
代理人
発明者 彦坂 武夫 / 福田 洋一
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 超砥粒が金属結合剤で結合されて成る超砥粒メタルボンド砥石の製造方法であって、前記金属結合剤を融点以上の第1温度に加熱して溶解することにより金属溶湯を作製する溶解工程と、該金属溶湯中に前記超砥粒を混合して攪拌することにより、該超砥粒を金属溶湯中に分散させる砥粒分散工程と、該砥粒分散工程に続いて、該金属溶湯を所定の鋳型に流し込み、該鋳型内で加圧しつつ冷却する加圧冷却工程とを、含むことを特徴とする超砥粒メタルボンド砥石の製造方法。
【請求項2】 前記加圧冷却工程の後に、所定の押出成形型を用いて該加圧冷却工程によって得られた鋳塊を前記融点よりも低い第2温度で加熱しつつ押出成形する熱間押出成形工程を、更に含むものである請求項1の超砥粒メタルボンド砥石の製造方法。
【請求項3】 前記砥粒分散工程において、ニッケル、銅、およびクロムの何れかから成る被覆膜で被覆された前記超砥粒を前記金属溶湯に混合するものである請求項1の超砥粒メタルボンド砥石の製造方法。
【請求項4】 前記金属結合剤は、アルミニウム、錫、亜鉛、およびこれらを含む合金のうちの少なくとも一種から成るものである請求項1の超砥粒メタルボンド砥石の製造方法。
【請求項5】 超砥粒が金属結合剤で結合されて成る超砥粒メタルボンド砥石であって、前記金属結合剤を加熱溶解した金属溶湯中に前記超砥粒を分散させ、該金属溶湯を所定の鋳型に流し込んで加圧しつつ冷却することにより、該超砥粒を該金属結合剤で結合したことを特徴とする超砥粒メタルボンド砥石。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダイヤモンドやCBN等の超砥粒が金属結合剤で結合されたメタルボンド砥石およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、石材の研磨や研削加工に用いられる研磨盤、揺動式研磨機用工具等の研磨砥石の一つとして、ダイヤモンドやCBN等の超砥粒が、銅、錫、タングステンカーバイド、鉄、ニッケル、およびアルミニウム等の金属或いは合金から成る金属結合剤で結合された超砥粒メタルボンド砥石(以下、メタルボンド砥石という)が知られている。このようなメタルボンド砥石は、高い砥粒保持力と高い耐磨耗性とを有することから、フェライトガラスの研削、水晶、半導体、セラミックス等の精密切断を含む種々の精密研磨加工に用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のようなメタルボンド砥石は、一般に、金属結合剤の粉末に砥粒を混合し、その金属結合剤の融点程度の温度で加熱しつつ加圧するホットプレス法等によって製造されていた。しかしながら、このような粉末冶金的製造方法では、ホットプレス工程において圧力や熱の高い伝達性を確保する必要性から、成形し得る形状が平板状等の単純な形状に限定されるという問題がある。また、高密度の砥石を得ることが困難であると共に、比重の異なる砥粒と金属粉末とが均一に分散させられた成形体を得ることが困難であるため、金属組成を含む砥石組織の高い均一性が得られないという問題もある。しかも、ホットプレス工程においては金属の酸化を避けるために水素雰囲気等の非酸化性雰囲気下で処理が行われるが、混合工程やそのホットプレス装置に混合粉末を供給する過程においては金属粉末が大気に曝される。このため、常温で酸化し易い金属、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金等のように表面酸化により焼結性が著しく低下させられる金属は、砥粒の保持力が不十分となるため結合剤として利用できないという問題もある。このことは、金属結合剤を選択する上で大きな制約となり、メタルボンド砥石の高い加工性を得るために求められる剛性や硬度等の特性に基づく選択を妨げるのである。
【0004】本発明は、以上の事情を背景として為されたものであって、その目的は、砥粒の分散性が高く、且つ結合剤の種類や砥石形状の自由度が高い超砥粒メタルボンド砥石およびその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための第1の手段】斯かる目的を達成するため、第1発明の製造方法の要旨とするところは、超砥粒が金属結合剤で結合されて成る超砥粒メタルボンド砥石の製造方法であって、(a) 前記金属結合剤を融点以上の第1温度に加熱して溶解することにより金属溶湯を作製する溶解工程と、(b) その金属溶湯中に前記超砥粒を混合して攪拌することにより、その超砥粒を金属溶湯中に分散させる砥粒分散工程と、(c) その砥粒分散工程に続いて、その金属溶湯を所定の鋳型に流し込み、その鋳型内で加圧しつつ冷却する加圧冷却工程とを、含むことにある。
【0006】
【第1発明の効果】このようにすれば、超砥粒メタルボンド砥石を製造するに際しては、溶解工程において、金属結合剤が融点以上の第1温度で加熱溶解されることにより金属溶湯が作製され、続く砥粒分散工程において、その金属溶湯中に超砥粒が混合されて攪拌されることによりその超砥粒がその金属溶湯内に分散させられ、更に、加圧冷却工程において、その金属溶湯が所定の鋳型に流し込まれると共に、その鋳型内で加圧されつつ冷却される。そのため、金属溶湯は、攪拌されることにより超砥粒が均一に分散させられた状態で鋳型内に流し込まれ、その鋳型内で冷却されて速やかに凝固させられることから超砥粒と金属結合剤との分離が抑制されると共に、その凝固の過程で加圧されることから金属溶湯中に気泡が巻き込まれている場合にもその気泡が押し潰され或いは固溶させられて消滅させられるため、金属結合剤中に超砥粒が良好に分散させられた緻密な鋳塊すなわち砥石組織が得られる。また、金属結合剤の溶解工程を密閉系で実施し得ることからその酸化を容易に抑制し得るため、結合剤を構成する金属材料の選択の自由度が高くなる。更に、液状の金属溶湯が加圧されることにより鋳型に倣って成形されるため、鋳塊形状の自由度も高められる。したがって、砥粒の分散性が高く、且つ結合剤の種類や砥石形状の自由度が高い超砥粒メタルボンド砥石を製造し得る。
【0007】
【第1発明の他の態様】ここで、好適には、前記超砥粒メタルボンド砥石の製造方法は、(d) 前記加圧冷却工程の後に、所定の押出成形型を用いてその加圧冷却工程によって得られた鋳塊を前記融点よりも低い第2温度で加熱しつつ押出成形する熱間押出成形工程を、更に含むものである。このようにすれば、鋳塊が熱間押出成形によって任意の形状に成形されるため、加圧冷却工程において用いられる高価な鋳型を複数種類用意しなくとも、様々な断面形状の超砥粒メタルボンド砥石を製造し得る。そのため、例えば棒状に成形した押出成形体を所望の均一な厚さで切断して別途用意した台金に貼り着ける等の手法を用いることにより、本発明を大径のラッピング定盤の製造工程に適用する場合にも、その形状に対応する大きい鋳型を用いることなく製造し得るという利点がある。すなわち、本発明は、全体が金属結合剤で砥粒を結合して成る一体成形された研磨砥石に限られず、ペレット状等の小さい砥石部材が所定の台金等に貼り着けられて構成されるような研磨砥石にも適用される。なお、「熱間」とは、結合剤を構成する金属の再結晶温度よりも十分に高いが融点よりは十分に低い温度、すなわち、容易に塑性変形可能な温度域において処理することをいうものである。
【0008】また、好適には、前記超砥粒メタルボンド砥石の製造方法は、前記砥粒分散工程において、ニッケル、銅、およびクロムの何れかから成る被覆膜で被覆された超砥粒を前記金属溶湯に混合するものである。このようにすれば、ニッケル等から成る被覆膜で被覆されることによって金属溶湯との濡れ性が高められた超砥粒が用いられるため、砥粒の凝集が抑制されて分散性が一層向上させられる。しかも、超砥粒は高温に加熱されると劣化するため製造過程における最高処理温度がその劣化温度によって制限されるが、上記のようにニッケル等から成る被覆膜で被覆された超砥粒は耐熱性も高められるため、結合剤として用い得る金属材料の選択範囲が一層広くなる利点もある。
【0009】また、好適には、前記金属結合剤は、融点が800(℃) 以下の金属或いは合金から構成される。このようにすれば、超砥粒が劣化し得る温度よりもそれほど高くない温度以下の温度で全工程を処理し得るため、超砥粒の熱劣化に起因する超砥粒メタルボンド砥石の特性低下が抑制される。因みに、従来の粉末冶金的製造方法では、焼結可能な温度範囲が狭く、且つアルミニウムやアルミニウム合金等の表面酸化による焼結性阻害等の理由から上記のように融点が低い金属を結合剤として用いることができなかったが、本発明によればそのような問題がないことから、低融点金属をも結合剤として用い得るのである。更に好適には、前記金属結合剤は、アルミニウム、錫、亜鉛、およびこれらを主成分とする合金のうちの少なくとも一種から成るものである。このようにすれば、これらの金属或いは合金は十分に融点が低いことから、金属溶湯の温度を一層低く保って、超砥粒メタルボンド砥石の製造過程において超砥粒の熱劣化を抑制し得る。なお、前記金属は、その融点が、ニッケル等から成る前記被覆膜が砥粒表面に設けられている場合においては650(℃) 以下、設けられていない場合においては450(℃) 以下のものであることが一層好ましい。このようにすれば、金属溶湯の温度を超砥粒の熱劣化温度よりも十分に低くできるため、一層確実に熱劣化を抑制できる。
【0010】また、好適には、前記砥粒分散工程に先立って、前記金属溶湯中にアルカリ金属或いはアルカリ土類金属を添加する濡れ性改善工程が設けられる。このようにすれば、超砥粒と金属溶湯との濡れ性が一層高められるため、砥粒の一層高い分散性が得られる。なお、アルカリ金属等の添加量は、金属溶湯の粘性増加による砥粒の混入と分散粒子の濡れ性改善のために、金属溶湯100(wt%) に対して0.5(wt%) 以下とされることが望ましく、更に、0.1(wt%) 以下とされることが塑性加工時の亀裂防止の点から一層好ましい。また、上記アルカリ金属等としては、例えば、金属カルシウム、マグネシウム、リチウム等が好適に用いられる。
【0011】また、好適には、前記砥粒分散工程に先立って、前記金属溶湯中にアンチモンを添加するアンチモン添加工程が設けられる。このようにすれば、結合剤を構成する金属の結晶成長が抑制されるため、金属結合剤組織が微細化されて、砥粒の分散性が一層高められる。なお、上記の効果は金属結合剤がアルミニウム或いはアルミニウム合金である場合に顕著となるが、この場合、アンチモンが過剰になると溶湯中にガスを吸収して加圧冷却工程における金属溶湯の凝固時にヒケ等の欠陥を発生させるため、添加量は金属溶湯100(wt%) に対して0.1 〜0.2(wt%)以下とされることが望ましく、更に、0.15 (wt%) 程度とされることが結晶粒の微細化に最も効果的である。
【0012】また、超砥粒の平均粒径は用途に応じて適宜設定されるが、前記砥粒分散工程において十分に高い分散性を得るためには、超砥粒の平均粒径が0.1 〜100(μm)程度の範囲にあることが好ましい。但し、その混合量は砥粒の粒径に応じて適宜設定されることが一層好ましく、金属溶湯100(wt%) に対する重量比で、例えば、平均粒径0.6(μm)の場合には30 (wt%) 以下、平均粒径10.0 (μm)以下の場合には50 (wt%) 以下とされることが、容易に攪拌可能且つ超砥粒の分散性を可及的に高め得る程度に金属溶湯の粘性を止めるために好ましい。
【0013】また、好適には、前記砥粒分散工程は、攪拌回転数500 〜800(rpm)程度、攪拌時間1.0 〜3.0(時間) 程度の条件で前記金属溶湯を攪拌するものである。このようにすれば、十分に均一な分散状態が得られる。
【0014】また、好適には、前記溶解工程における第1温度は、前記金属結合剤の融点よりも100 〜200(℃) 程度高い温度である。このようにすれば、金属結合剤が確実且つ速やかに溶解されるため製造効率や砥粒の分散性が高められる。また、第1温度は、前記金属結合剤の融点よりも170(℃) 程度高い温度に設定されることが金属溶湯に添加されるCa等のアルカリ土類金属およびアンチモンと溶湯金属との均一な溶解性および複合化の観点から一層好ましい。したがって、例えば、結合剤を構成する金属としてアルミニウムが用いられる場合には、その融点である580(℃) よりも170(℃) 程度高い750(℃) 程度、Sn92% −Zn8%合金が用いられる場合には、その融点199(℃) よりも170(℃) 程度高い370(℃) 程度に上記第1温度が設定されることが好ましい。なお、Sn92% −Zn8%合金の場合には、Ca等の添加金属の融点まで加熱して合金化した後に上記第1温度まで冷却してもよい。
【0015】また、好適には、前記加圧冷却工程における処理条件は、加圧力が80〜120(MPa)程度、加圧時間が3(分) 以上である。このようにすれば、加圧力が金属結合剤の凝固時の膨張収縮による変形抵抗よりも十分に大きくされているため、超砥粒メタルボンド砥石内の巣(すなわち内部気孔)の発生が一層確実に抑制される。なお、高密度化、マトリックス(金属結合剤組織)の微細化、および分散化の観点から、金属溶湯内に存在する気泡を一層確実に押し潰すと共に冷却速度を十分に速くするために、加圧力は100(MPa)程度とされることが一層好ましい。また、加圧力が100(MPa)程度の場合には、3(分間) 程度の加圧時間で金属溶湯が十分に凝固させられるため、作業効率を高める上で加圧時間は3(分間) 程度とされることが一層好ましい。
【0016】また、好適には、前記砥粒分散工程は、前記超砥粒を混合した後、前記金属溶湯の温度を前記融点よりも僅かに高い第3温度で保持した状態で攪拌するものであり、前記加熱冷却工程は、前記金属溶湯の温度を前記第1温度と略同様な温度に上昇させた後に前記鋳型内に流し込むものである。このようにすれば、金属溶湯は粘性が十分に高い状態で攪拌されることから、金属溶湯と超砥粒とが相互の比重差に基づいて分離することが一層抑制されて、一層砥粒の分散性が高められる。なお、上記第3温度は、前記金属の融点よりも10〜50 (℃) 程度、更に好適には 30(℃) 程度高い温度に設定されることが一層好ましい。
【0017】また、好適には、前記加圧冷却工程は、前記鋳型を前記金属結合剤の融点よりも低い第4温度に加熱しつつ加圧するものである。このようにすれば、金属溶湯が鋳型内面に接触する表層部から部分的に急冷されることが抑制される。そのため、表層部の硬化に起因する凝固中の金属溶湯の変形抵抗の上昇が抑制されることから、凝固が終了するまでの間において、内部に高い加圧力が伝達されるため、一層内部まで緻密且つ均質な超砥粒メタルボンド砥石が得られる。なお、金属結合剤組織の緻密化および凝固スピードの観点から、溶湯中心部側の冷却速度を十分に高く保ちつつ表層部の部分的な急冷を避けるために、上記第4温度は、例えば前記金属結合剤がアルミニウム或いはアルミニウム合金の場合は、その融点よりも150 〜350(℃) 程度、更に好適には280(℃) 程度低い温度に設定されることが一層好ましい。
【0018】また、前記熱間押出成形工程における成形条件は、金属結合剤の種類や砥粒の種類および量等に応じて適宜変更し得るが、結晶粒の大きさが可及的に微細に保たれる範囲で十分に塑性変形を容易とするためには、例えば、前記第2温度が100 〜550(℃) 程度、押出速度1 〜10(mm/s)程度、押出圧力20〜40(MN)程度の範囲が好ましい。
【0019】
【課題を解決するための第2の手段】また、前記目的を達成するための第2発明の超砥粒メタルボンド砥石の要旨とするところは、超砥粒が金属結合剤で結合されて成る超砥粒メタルボンド砥石であって、(a) 前記金属結合剤を加熱溶解した金属溶湯中に前記超砥粒を分散させ、その金属溶湯を所定の鋳型に流し込んで加圧しつつ冷却することにより、その超砥粒をその金属結合剤で結合したことにある。
【0020】
【発明の効果】このようにすれば、超砥粒メタルボンド砥石は、金属結合剤を加熱溶解した金属溶湯中に超砥粒を分散させ、その金属溶湯を所定の鋳型に流し込んで加圧しつつ冷却することにより、その超砥粒がその金属結合剤で結合されて構成される。そのため、超砥粒メタルボンド砥石は、超砥粒が分散させられた金属溶湯が鋳型内で加圧されつつ冷却されることで、その分散状態が好適に維持されたまま速やかに凝固させられたものであることから、高密度且つ均一な砥石組織が得られる。
【0021】なお、以上のような超砥粒メタルボンド砥石は、例えば、ハードディスク装置(HDD)の磁気ヘッド(例えばMRヘッド)部品や光ファイバコネクタの研磨加工等の二種以上の材料が一体化させられた複合材料の超精密加工分野において、異種材料相互の加工段差が可及的に小さくなるように精密に研磨するための砥粒固定型の研磨定盤(すなわちラッピング盤)として好適に用いられる。因みに、従来、これらの超精密ラッピング加工は、錫や亜鉛等の軟質金属から成る定盤の表面に予め遊離砥粒を供給して固定した後、研磨液だけを供給しつつ研磨加工を行っていた。砥粒が遊離状態のままでは、被研磨材のうち容易に除去される部分に砥粒が集中して大きな加工段差が発生するためである。しかしながら、このような加工方法では、砥粒の固定作業に熟練と多大な作業時間とを要すると共に、砥粒は表層に固定されるだけであるため、固定作業を頻繁に行う必要があって高い作業効率が得られないという問題があったのである。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。
【0023】図1は、本発明の一実施例の超砥粒メタルボンド砥石の製造方法を用いて製造された砥粒固定型定盤(以下、単に定盤という)10の全体を示す斜視図である。定盤10は、例えば全体がφ1000×φ 200×t30(mm)程度の大きさの穴明き円盤状を成したものであり、例えば厚さが30mm程度のアルミニウム合金等から高剛性に形成された台金12と、その台金12の一面14上の中央穴部を除く部分に相互に適当な間隔を以てエポキシ樹脂等の接着剤によって固着された多数の円板状砥石16とから構成されている。
【0024】上記の砥石16は、例えばφ10×t5(mm) 程度の大きさで、図2に軸心方向に沿った断面を示すように、例えば6061アルミニウム合金(組成はSi 0.68, Cu 0.29, Fe 0.20, Zn 0.14, Mg 0.75, Mn 0.03, Cr 0.07, Ti 0.02[vol%], 残部Al)から成るメタルボンド(金属結合剤)18によってダイヤモンド砥粒20が結合されて成るものであり、メタルボンド18中に砥粒20が略均一に分散させられている。図においては便宜上大きく描かれているが、この砥粒20は平均粒径が0.1 〜20 (μm)程度のものであり、図3に断面を拡大して示すように、例えば無電解めっきによって表面に固着された厚さが0.1 〜3(μm)程度のニッケル膜22を備えている。本実施例においては、このニッケル膜22が被覆膜に相当する。なお、砥石16は、集中度(コンセントレーション)が20程度すなわち砥粒率5 (vol%) 程度となっている。
【0025】上記の定盤10は、前記の中央部に設けられた穴明き部において図示しないラッピング装置に取り付けられ、砥石16に向かって水等の研削液を供給しつつ、図1に一点鎖線で示されるようにその上に載せられた被研磨材24を砥石16表面すなわち研磨面26に押しつけた状態で軸心回りに自転させる一方、自身も軸心a回りに回転させて用いられる。これにより、被研磨材24の下面が砥石16により高精度且つ平滑にラッピング研磨により仕上げられる。
【0026】この場合において、定盤10は、砥石16が一面14に固着されることによって被研磨材24を研磨する研磨面(すなわち砥石16の研磨面26)に砥粒20が固定されているため、ラッピング研磨を施すに際しては、定盤10が砥石として作用することから遊離砥粒液が不要となり、被研磨材24が硬度の異なる異種材料の組み合わせから成る場合にも、遊離砥粒加工に起因する加工段差の発生が好適に抑制される。しかも、砥石16は、アルミニウム合金から成るメタルボンド18によって砥粒20が結合されている。そのため、砥石16の硬度が低いことから被研磨材24に作用する加工圧力の変動が定盤10側で吸収或いは緩和されると共に、砥石16の剛性が十分に高いことから加工中の砥粒20の変位が極めて小さいため、加工条件が変動し難くなって、被研磨材24の加工段差が一層小さくされる。
【0027】また、定盤10の砥石16は、砥粒20がメタルボンド18中に略均一に分散させられた状態で保持されていることから、複数の砥石16の研磨面26により構成される定盤10の研磨面内における加工条件が一様となって、被研磨材24の研磨精度が高められると共に、加工段差が一層小さくされる。
【0028】すなわち、例えば図4(a) 、(b) に示されるような高硬度のAl2O3-TiC から成るベース78に低硬度のAl2O3 から成る絶縁層80とパーマロイ等の磁性材料から成る磁性層82がCVD法等によって積層された磁気ヘッド用部材84等の被研磨材に定盤10で研磨を施した場合に、ベース78の仕上げ面86bと絶縁層80および磁性層82の仕上げ面86mとの加工段差da 、dm が十分に小さくなって高い表面平滑性を得ることができる。
【0029】ところで、上記の定盤10に固着された砥石16は、例えば図5に示される溶湯攪拌装置28および図6に示される溶湯鍛造装置30等を用いて製造されたものである。図5において、溶湯攪拌装置28は、金属溶湯32を蓄えるための坩堝34と、モータ36によって回転駆動されてその金属溶湯32を攪拌するための攪拌羽根38と、坩堝34の外周側からコイル40によって金属溶湯32を高周波誘導加熱等によって加熱するためのヒータ42と、金属溶湯32の温度を測定するための温度測定装置44と、その測定温度に基づいてヒータ42を制御すると共に、モータ36の回転数すなわち攪拌回転数を制御する制御装置46とを備えている。
【0030】また、図6において、上記の溶湯鍛造装置30は、内寸法がφ65×130 (mm)程度の大きさの金型(鋳型)48と、その金型48内に注湯された金属溶湯32を加圧するための油圧により駆動されるパンチ50と、金型48をコイル52によって所定温度に加熱するためのヒータ54と、その金型48の温度を測定するための熱電対等の温度計56と、その測定温度に基づいてヒータ54を制御すると共に、パンチ50の加圧力を一定に制御するための制御装置58とを備えている。
【0031】以下、上記図5、図6および製造工程を示す図7の工程図を参照して砥石16の製造方法を説明する。
【0032】まず、工程1の溶解工程においては、溶湯攪拌装置28の坩堝34内に6061アルミニウム合金を投入してヒータ42で750(℃) に加熱することにより、その6061アルミニウム合金を溶解して金属溶湯32を作製する。このとき、坩堝34は略密閉状態とされて、溶解は窒素或いはアルゴンガス等の不活性雰囲気下で行われるため、アルミニウム合金は殆ど酸化しない。なお、上記温度は、6061アルミニウム合金の融点650(℃) 程度よりも100(℃) 程度高い値に設定されたものであり、本実施例においては、これが第1温度に相当する。次いで、攪拌羽根38を例えば500(rpm)程度の速度で回転させて金属溶湯32を攪拌しつつ、工程2の濡れ性改善工程に対応するカルシウム添加工程において、0.3(wt%)程度の金属カルシウム(Ca)を添加し、更に工程3のアンチモン添加工程において、0.15 (wt%) 程度のアンチモン(Sb)を添加する。なお、これらの添加量は、アルミニウム合金100(wt%) に対する割合である。
【0033】そして、攪拌回転数を例えば700(rpm)程度に高めた後、工程4の砥粒混合工程において、乾燥機等によって300(℃) 程度に予熱した砥粒20を、金属溶湯32に対する割合で5 (vol%) 程度混合する。なお、ダイヤモンド砥粒20の燃焼温度は、本発明者等が示差熱分析(DTA)によって測定した結果によれば600(℃) 程度であって、金属溶湯32の温度すなわち上記第1温度(750[℃] 程度)よりも低い。しかしながら、上記の砥粒20は前記図3に示されるようにニッケル膜22で被覆されて燃焼温度が800(℃) 程度に高められていることから、砥粒20は金属溶湯32中で燃焼させられないのである。上記のように、砥粒20を混合した後、工程5の攪拌工程においては、溶湯温度をアルミニウム合金の融点よりも高い700(℃) 程度まで低下させると共に、攪拌回転数を例えば800(rpm)程度に更に高め、例えば3 時間程度攪拌することにより、金属溶湯32中に砥粒20を分散させる。本実施例においては、上記工程4の混合工程および工程5の攪拌工程が、砥粒分散工程に対応し、上記の攪拌時の温度が第3温度に相当する。なお、攪拌工程において溶湯温度を融点よりも高い第3温度まで低下させるのは、金属溶湯32の粘性を増大させて砥粒20の分散性を高めるためである。これにより、初晶アルミニウムの固相が複合体中に晶出させられ、固液共存した高粘性状態での攪拌となるため、粒子が単一粒化されることとなる。
【0034】工程6の加圧冷却工程においては、攪拌羽根38で攪拌しつつ、ヒータ42によって上記の金属溶湯32を再び750(℃) 程度の第1温度まで加熱した後、前記溶湯鍛造装置30の金型48内に所定量だけ注湯し、パンチ50を下降させて例えば加圧力100 (MPa) 程度、加圧速度65(mm/s)程度で例えば3 分間程度金属溶湯32を加圧しつつ冷却する。これにより、金型48内の金属溶湯32が加圧されつつ冷却されて、図8に示されるような砥粒20がメタルボンド18に結合されて成る直径d=φ65(mm)程度、長さh=130 (mm)程度の円柱状の鋳造材(鋳塊)60が得られる。このとき、金型48はヒータ54によって加熱されることにより350(℃) 程度の温度に保持されており、金属溶湯32の表層部の部分的な急冷が抑制されている。本実施例においては、この金型48の保持温度が第4温度に相当する。このようにして得られた鋳造材60は、緻密で内部気孔を殆ど有しておらず高密度となっていると共に、マトリックス(メタルボンド18)と砥粒20との密着性が高められている。
【0035】工程7の押出成形工程においては、上記の鋳造材60を切削加工によってφ60×100 (mm)程度の寸法のビレットに加工した後、図9に示されるような熱間押出成形装置62でφ10(mm)程度(すなわち押出比[=元の断面積/押出後の断面積]=36程度)の丸棒64に押出速度10(mm/s)程度で熱間押出成形される。この熱間押出成形装置62は、ビレット66を例えば350(℃) 程度の温度に加熱する加熱炉68と、ビレット66を上記寸法に成形するための成形型70と、シュート72を通して加熱炉68からシリンダ74内に供給されたビレット66を成形型70に向かって押圧するためのピストン76とを備えたものである。このような熱間押出成形装置62によれば、加熱炉68によって上記温度に加熱されたビレット66が速やかにシリンダ74内に供給されることにより、容易に塑性変形可能な温度に加熱された状態で押出成形されるため、任意の断面形状の成形体が得られる。このようにして丸棒64を成形した後、工程8の切断工程において、例えばダイヤモンドカッタ等を用いてその丸棒64を例えば 5(mm)程度の一定長さで切断することにより、前記図2に示される砥石16が得られる。そして、この砥石16を更に前記台金12に固着することによって前記定盤10が得られるのである。
【0036】以上説明したように、本実施例によれば、砥石16を製造するに際しては、工程1の溶解工程において、メタルボンド18を構成するアルミニウム合金が750(℃) で加熱溶解されることにより金属溶湯32が作製され、砥粒分散工程に対応する続く工程4の砥粒混合工程および工程5の攪拌工程において、その金属溶湯32中に砥粒20が混合されて攪拌されることによりその砥粒20がその金属溶湯32内に分散させられ、更に、工程6の加圧冷却工程において、その金属溶湯32が攪拌されつつ金型48に注湯されると共に、その金型48内で加圧されつつ急速に冷却される。そのため、金属溶湯32は、攪拌されることにより砥粒20が均一に分散させられた状態で金型48内に流し込まれ、その金型48内で冷却されて速やかに凝固させられることから砥粒20とアルミニウム合金との分離が抑制されると共に、その凝固の過程で加圧されることから金属溶湯32中に気泡が巻き込まれている場合にもその気泡が押し潰され或いは固溶させられて消滅させられるため、メタルボンド18中に砥粒20が良好に分散させられた緻密な鋳造材60が得られる。また、メタルボンド18の溶解工程を密閉系で実施し得ることからメタルボンド材料の酸化を容易に抑制し得るため、材料選択の自由度が高くなって、本実施例のように酸化し易いアルミニウム合金をも用い得る。更に、液状の金属溶湯32が加圧されることにより金型48に倣って成形されるため、鋳造材60の形状の自由度も高められる。したがって、砥粒の分散性が高く、且つ結合剤の種類や砥石形状の自由度が高い砥石16を製造し得る。
【0037】また、本実施例においては、砥石16の製造方法は、工程6の加圧冷却工程の後に、成形型70を用いて鋳造材60をメタルボンド18を構成するアルミニウム合金の融点よりも低い350(℃) 程度の温度で加熱しつつ押出成形する工程7の押出成形工程を、更に含むものである。このようにすれば、鋳造材60が熱間押出成形によって前述のようにφ10(mm)程度の丸棒64に成形されるため、金型48を複数種類用意しなくとも、成形型70を種々用意することにより、様々な断面形状の砥石16を製造し得る。そのため、本実施例の定盤10のように、棒状に成形した押出成形体(丸棒64)を一様な厚さで切断して台金12に貼り着けることにより、大寸法の金型48を用いることなく前記図1に示されるような大径の定盤10を製造し得るのである。
【0038】また、本実施例においては、工程5、6の砥粒分散工程は、0.1 〜3.0(μm)程度の厚さのニッケル膜22で被覆された砥粒20を金属溶湯32に混合するものである。このようにすれば、ニッケル膜22で被覆されることによって金属溶湯32との濡れ性が高められた砥粒20が用いられるため、砥粒20の凝集が抑制されて分散性が一層向上させられる。しかも、砥粒20は高温に加熱されると劣化するため製造過程における最高処理温度がその劣化温度によって制限されるが、上記のようにニッケル膜22で被覆された砥粒20は前述のように耐熱性も高められるため、メタルボンド材料の選択範囲が一層広くなって、本実施例のように融点がダイヤモンド砥粒20の燃焼温度よりも高いアルミニウム合金等を用い得るという利点もある。すなわち、本実施例においては、被覆された砥粒20が劣化し得る温度よりも低い融点を備えたアルミニウム合金でメタルボンド18が構成されているため、前記各工程の説明から明らかなように、その劣化温度よりも低い温度で全工程を処理し得ることとなって、砥粒20の熱劣化に起因する砥石16の特性低下が抑制されるのである。
【0039】また、本実施例においては、工程5、6の砥粒分散工程に先立って、金属溶湯32中に金属カルシウムを添加する工程2のカルシウム添加工程が設けられる。このようにすれば、砥粒20と金属溶湯32との濡れ性が一層高められるため、砥粒20の一層高い分散性が得られる。しかも、本実施例においては、金属カルシウムの添加量が、0.3(wt%) 程度と十分に少なくされているため、塑性加工時(押出成形工程)に亀裂が生じ難いという利点もある。
【0040】また、本実施例においては、工程5、6の砥粒分散工程に先立って、金属溶湯32中にアンチモンを添加する工程3のアンチモン添加工程が設けられる。このようにすれば、アルミニウム合金の結晶成長が抑制されるため、メタルボンド18の組織が一層微細化された結晶粒が得られる。
【0041】また、本実施例においては、工程6の攪拌工程は、攪拌回転数800(rpm)程度、攪拌時間3.0(時間) 程度の条件で砥粒20が混合された金属溶湯32を攪拌するものであるため、一層高い分散性が得られる。
【0042】また、本実施例においては、工程6の加圧冷却工程における処理条件は、加圧力が100(MPa)程度、加圧時間が3(分) 程度である。このようにすれば、加圧力がメタルボンド18を構成するアルミニウム合金の凝固時の膨張収縮による変形抵抗よりも十分に大きくされているため、砥石16内の巣の発生が一層確実に抑制される。
【0043】また、本実施例においては、工程5の攪拌工程は、砥粒20を投入した後、金属溶湯32の温度をアルミニウム合金の融点よりも僅かに高い700(℃) 程度で保持した状態で攪拌するものであり、工程6の加圧冷却工程は、金属溶湯32の温度を溶解工程における温度と同様な750(℃) 程度に上昇させた後に金型48内に流し込むものである。そのため、ヒケ巣欠陥、不均一な凝固による砥粒の不均一分散等の金属溶湯32の冷却に伴う不具合を生じさせることなく、複合体が凝固成形させられる。
【0044】また、本実施例においては、工程6の加圧冷却工程は、金型48をアルミニウム合金の融点よりも低い350(℃) 程度の温度に加熱しつつ加圧するものである。このようにすれば、金属溶湯32が金型48内面に接触する表層部から部分的に急冷されることが抑制される。そのため、表層部の硬化に起因する凝固中の金属溶湯32の変形抵抗の上昇が抑制されることから、凝固が終了するまでの間において、内部に高い加圧力が伝達されるため、一層内部まで緻密且つ均質な砥石16が得られる。
【0045】なお、上述の実施例においては、砥粒20としてダイヤモンド砥粒が、メタルボンド18として6061アルミニウム合金がそれぞれ用いられていたが、砥粒20やメタルボンド18の材質は適宜変更可能である。以下に、他の材質の一例を製造工程の異なる部分と併せて説明する。
【0046】例えば、砥粒20として平均粒径0.1 〜20 (μm)程度のCBN砥粒が、集中度20程度すなわち砥粒率5 (vol%) 程度となるように、6061アルミニウム合金から成るメタルボンド18によって結合されて構成された砥石16においても、同様な製造方法に従って製造し得る。この場合は、前記図7に示される製造工程上の変更は特に必要ない。
【0047】また、砥粒20として、平均粒径0.6(μm)程度のダイヤモンド砥粒が、集中度20程度すなわち砥粒率5 (vol%) 程度となるように、Sn92% −Zn8%合金から成るメタルボンド18によって結合されて構成された砥石16においても、同様な製造方法に従って製造し得る。なお、この場合には、Sn92% −Zn8%合金の融点が199(℃) 程度であることから、前記工程1の溶解工程における第1温度がそれよりも170(℃) 程度高い370(℃) 程度に、工程7の押出成形工程における第2温度が100(℃) 程度に、工程5の攪拌工程における第3温度が280(℃) 程度に、工程6の加圧冷却工程における第4温度(金型48の温度)が150(℃) 程度にそれぞれ設定される必要がある。但し、工程2のカルシウム添加工程においては、Ca等のアルカリ土類金属或いはアルカリ金属を添加するに際してその添加金属の融点で合金化した後、前記第1温度まで冷却される。また、メタルボンド18材料の融点がダイヤモンドの燃焼温度に比較して十分に低いことから、分散性が特に問題ない場合には、砥粒20はニッケル膜22が設けられたものを用いる必要はない。これら、CBN砥粒が用いられる場合やSn92% −Zn8%合金が用いられる場合にも、前述の実施例と同様に、砥粒の分散性が高く、且つ結合剤の種類や砥石形状の自由度が高い砥石16を容易に製造し得る。
【0048】以上、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明したが、本発明は更に他の態様でも実施される。
【0049】例えば、実施例においては、砥粒20として粒径0.1 〜20 (μm)程度、或いは0.6(μm)程度のダイヤモンド砥粒や、粒径0.1 〜20 (μm)程度のCBN砥粒が用いられ、メタルボンド18として6061アルミニウム合金やSn92% −Zn8%合金が用いられた場合について説明したが、砥粒20の粒径は用途に応じて適宜変更される。但し、良好な分散性を得るためには、0.1 〜100(μm)程度の範囲、更に好適には、1 〜5(μm)程度のものが用いられることが好ましい。また、メタルボンド18の構成金属は砥石16に求められる硬度や剛性等の特性に応じて適宜変更され、例えば、6061アルミニウム合金以外のアルミニウム合金や他の錫合金、亜鉛合金等が用いられる場合にも本発明の効果が同様に得られる。
【0050】また、実施例においては、台金12上に貼り着けられることにより定盤10を構成する砥石16の製造方法に本発明が適用された場合について説明したが、棒状の砥石に軸部が取り付けられる軸付き砥石や、溶湯鍛造装置30に備えられる金型48の形状を適宜変更することにより、全体が定盤10の形状等の所望の形状に成形される砥石等にも本発明は同様に適用される。なお、所望の砥石形状の金型48が用いられる場合には、工程7の押出成形工程および工程8の切断工程は不要であり、工程6の加圧冷却工程によって直ちに砥石が得られることとなる。この加圧冷却工程においては、鋳造材60が高い寸法精度で成形されると共に、金型48の内面に倣った良好な面精度が得られることから、鋳造材60をそのまま砥石としても用い得るのである。
【0051】また、実施例においては、工程2のカルシウム添加工程および工程3のアンチモン添加工程において、金属溶湯32中に微量のカルシウムおよびアンチモンが添加されていたが、砥粒20の十分な混入と分散性が得られる場合には必ずしも添加する必要はない。
【0052】また、実施例においては、工程5の攪拌工程において、砥粒20が混合された後、800(rpm)程度の回転速度で3 時間程度金属溶湯32が攪拌されていたが、回転速度および攪拌時間は適宜変更される。但し、組織の均一性を可及的に高めるためには、回転速度が500 〜800(rpm)程度の範囲に、攪拌時間が1 〜3 時間程度の範囲に設定されることが好ましい。
【0053】また、実施例においては、工程1の溶解工程における第1温度がメタルボンド18の構成金属の融点よりも100(℃) 程度高い750(℃) 程度或いは300(℃) 程度に設定され、工程7の押出成形工程における第2温度が350(℃) 程度に、工程5の攪拌工程における第3温度が700(℃) 程度に、工程6の加圧冷却工程における第4温度(金型48の温度)が280(℃) 程度にそれぞれ設定されていたが、これらの温度は、メタルボンド18を構成する金属材料の種類や砥粒20の混合量等に応じて適宜変更される。
【0054】また、実施例においては、工程6の加圧冷却工程において、加圧力が100(MPa)程度、加圧時間が3(分) 程度とされていたが、これら加圧力や加圧時間は、メタルボンド18を構成する金属材料に応じて、凝固後の変形抵抗に打ち勝って加圧冷却工程の終了時まで十分な加圧が為されるように適宜設定される。
【0055】また、実施例においては、工程5の攪拌工程において、溶湯温度がメタルボンド18を構成する金属材料の融点すなわち凝固点よりも僅かに高い温度(6061アルミニウム合金においては700[℃] 程度、Sn92% −Zn8%合金においては、280[℃] 程度)に設定されていたが、この際の温度は融点よりも高い範囲で適宜変更される。すなわち、砥粒20の十分な分散性が得られる範囲で、例えば溶解工程における温度に保持された状態で攪拌工程が実施されてもよい。
【0056】また、実施例においては、工程6の加圧冷却工程において金型48がメタルボンド18の構成金属の融点よりも低い350(℃) 程度、或いは280(℃) 程度の第4温度に加熱されていたが、金型48は必ずしも加熱されなくともよい。
【0057】その他、一々例示はしないが、本発明はその主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものである。




 

 


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