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発明の名称 レジノイド研削砥石
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−202536
公開日 平成10年(1998)8月4日
出願番号 特願平9−4290
出願日 平成9年(1997)1月14日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】池田 治幸 (外2名)
発明者 永田 晃 / 中根 茂喜
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 砥粒と該砥粒を相互に結合するための樹脂結合剤とを含むレジノイド研削砥石であって、前記樹脂結合剤は、ガラス転移点が130(℃) 以上のエポキシ樹脂から成ることを特徴とするレジノイド研削砥石。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レジノイド研削砥石に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、高速粗研削や自由研削等には、一般にビトリファイド砥石よりも弾性率が低く高強度なレジノイド研削砥石が用いられるが、特に、ベアリングレースの生材研削等のように1パス当たりの取り代が大きい研削加工では砥石の弾性率が一層低いことが望まれることから、結合剤としてフェノール樹脂に比較して弾性率が低いエポキシ樹脂を用いたレジノイド研削砥石が使用されることが多い。このようなエポキシ樹脂で砥粒が結合されたレジノイド研削砥石は、一般に液状のエポキシ樹脂中に砥粒を分散させて硬化させることにより製造されることから、樹脂による砥粒の保持力(濡れ性)が高く、砥粒の脱落が生じ難いという利点もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記のエポキシ樹脂が用いられたレジノイド研削砥石は、フェノール樹脂が用いられたレジノイド研削砥石に比較して耐熱温度が低く、研削液や研削点の温度上昇に起因する加工精度の低下が生じ易いという問題があった。すなわち、例えば、夏期等の環境温度が高い場合や、被研削材の加工中の熱膨張等に起因する寸法変化によって研削抵抗が大きく上昇させられる場合等には、研削液や研削点の温度が例えば研削液温度で60 (℃) 程度以上の高温に上昇させられるが、このとき、エポキシ樹脂が用いられたレジノイド砥石ではその樹脂の劣化によって砥粒が脱落し易いことから、砥石寸法や形状の変化が生じて研削性能が短時間で低下させられ、所期の加工精度が得られなくなるのである。なお、冬期等の環境温度が低い場合や温度管理された室内で研削加工が行われる場合、或いは研削液の温度調節装置等が用いられる場合等には、エポキシ樹脂が用いられたレジノイド研削砥石においてもその耐熱性が問題となる温度まで研削液や研削点が加熱されないことから高い加工精度が得られるが、このことは、エポキシ樹脂を結合剤として用いるレジノイド研削砥石の使用条件を大きく制限し、適用範囲を狭くしている。
【0004】本発明は、以上の事情を背景として為されたものであって、その目的は、エポキシ樹脂で結合されたレジノイド研削砥石において従来よりも高い耐熱性を有するレジノイド砥石を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するため、本発明の要旨とするところは、砥粒とその砥粒を相互に結合するための樹脂結合剤とを含むレジノイド研削砥石であって、(a) 前記樹脂結合剤は、ガラス転移点が130(℃) 以上のエポキシ樹脂から成ることにある。
【0006】
【発明の効果】このようにすれば、レジノイド研削砥石において、樹脂結合剤は、ガラス転移点が130(℃) 以上のエポキシ樹脂から構成される。そのため、ガラス転移点が十分に高いエポキシ樹脂が結合剤として用いられていることから、加工中に研削液や研削点の温度が上昇しても、エポキシ樹脂の結合力が十分に高く維持される。したがって、エポキシ樹脂で結合されたレジノイド研削砥石の耐熱性が従来よりも十分に高められて、特に研削液の温度調節等を行わなくとも容易に研削加工を為し得ることとなる。
【0007】因みに、前述の研削性能の低下の問題は、砥粒を結合する樹脂結合剤の熱的性質に大きく依存する。すなわち、一般に、樹脂結合剤の結合力は温度上昇に伴って低下させられるが、レジノイド研削砥石の寸法や形状の変化は、この結合力が低下させられる結果、樹脂結合剤による砥粒の保持力が不十分となって脱落し易くなると共に、樹脂結合剤自身も被削材との摩擦によって表面から大きく削り取られることに起因すると考えられる。従来のエポキシ樹脂を用いたレジノイド研削砥石では、専ら弾性率や強度等に基づいて樹脂結合剤の種類が決定されていた結果、エポキシ樹脂結合剤では一般にガラス転移点が例えば100(℃) 程度以下のものが用いられていた。そのため、研削液や研削点の温度が軟化によりエポキシ樹脂結合剤の結合力が大きく低下するそのガラス転移点近傍の温度まで上昇させられ得ることから、砥石寸法や形状の変化に基づく研削性能の低下が生じていたのである。
【0008】
【発明の他の態様】ここで、好適には、前記エポキシ樹脂は、主剤がビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ハロゲン化ビスフェノール型、およびノボラック型等のグリシジルエーテル型、脂環型、グリシジルエステル型、グリシジルアミン型、或いは長鎖脂肪族型等の何れかであり、硬化剤が脂肪族ポリアミン、ポリアミドアミン、スピロ環アミン、芳香族ポリアミン、脂環族ポリアミン、長鎖脂肪族ポリアミン、或いは酸無水物系等の何れかである。更に好適には、主剤はノボラック型、脂環型、グリシジルアミン型、或いは長鎖脂肪族型である。これらを主剤として用いた場合には、一層高い耐熱性が得られる。特に、上記のうち脂環型は、低粘度であることから、砥石を鋳込成形により製造する場合に好適に用いられる。なお、これらの組み合わせによって得られるエポキシ樹脂は、例えば最大240(℃) 程度のガラス転移点を有するが、130(℃) 以上、好ましくは140(℃) 以上であればガラス転移点が何れの温度のエポキシ樹脂も本発明に適用し得る。
【0009】また、好適には、前記エポキシ樹脂は、弾性率が5(GPa)以下である。このようにすれば、弾性率が十分に低くされていることから、研削取り代の大きな研削加工に一層好適な研削砥石が得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において各部の寸法比等は必ずしも正確に描かれていない。
【0011】図1は、本発明の一実施例のレジノイド研削砥石10の断面を示す図である。図において、レジノイド研削砥石10は、例えば、外径585 (mm)×厚さ75(mm)程度の寸法で全体が一体的に構成された両頭平面研削用ディスク形研削砥石であって、一点鎖線で上下に区分して示すように、使用面12を備えた使用部分14と、取付面16を備えた取付部分18とから成るものである。レジノイド研削砥石10は、全体が例えば粒度#60程度のアルミナ(Al2O3 )系の砥粒20がエポキシ樹脂結合剤22で結合されて構成されているが、上記の取付部分18には、両頭平面研削盤のフランジに取り付けるために径方向の数カ所の円周上において各々周方向に均等に配置された複数個のナット24が、取付面16に端面が露出した状態で埋め込まれている。なお、使用部分14は、例えば、50容量部の砥粒20、20容量部のエポキシ樹脂結合剤22、および30容量部の気孔から構成されている。また、上記のエポキシ樹脂結合剤22は、例えば、DSC(JIS K 7121-1987 に規定される示差走査熱量測定)法で測定したガラス転移点Tgが140 〜205(℃) 程度で、弾性率が、5(MPa)程度の特性を有している。なお、DSC法による測定値は、TMA法(JIS K 7197-1991 に規定される線膨張率試験方法)による測定値と略同様の値となる。
【0012】上記のレジノイド研削砥石10は、例えば、以下のようにして製造される。すなわち、先ず、例えば、上記砥粒20を70容量部程度と、液状の上記エポキシ樹脂22を30容量部程度とをそれぞれ秤量し、混合機で混合する。その後、所定寸法の型内に混合攪拌した液状物を流し込み、例えば160(℃) 程度の温度で4 時間程度熱処理して、エポキシ樹脂をその硬度が十分に高められるまで硬化させることにより、上記図1に示されるレジノイド研削砥石10が得られる。
【0013】図2は、両頭平面研削盤における上記のレジノイド研削砥石10の使用状態を示す図である。図において、両頭平面研削盤は、互いに対向して備えられてそれぞれ回転軸26、26で回転駆動される一対のフランジ28、28を備えており、上記のレジノイド研削砥石10が、それら一対のフランジ28、28の対向面に複数本のボルト30によって取り付けられている。一対のレジノイド研削砥石10、10の間には、ベアリングレースの外輪等の被削材32を例えば紙面の裏面から表面に向かう一方向に連続的に送るためのガイド34が備えられており、一対のレジノイド研削砥石10、10は、被削材の加工寸法に応じた距離だけ相互に隔てて位置させられている。この両頭平面研削盤においては、一対のレジノイド研削砥石10、10をそれぞれ図に矢印で示される方向に回転させた状態で、被削材32をそれら一対のレジノイド研削砥石10、10間に供給することにより、複数の被削材32が順次所定寸法に加工される。
【0014】上記図2に示される両頭平面研削盤において、種々の組成のエポキシ樹脂が結合剤として用いられたレジノイド研削砥石10によるベアリングレース外輪の幅寸法(軸心方向の長さ寸法)の生材研削結果を、Tgの低いエポキシ樹脂が用いられた従来のレジノイド研削砥石による研削結果と比較して下記の表1および図3に示す。なお、表1には、本実施例および比較例のエポキシ樹脂の組成を併せて示しており、図3では、研削液温度と加工数との関係をガラス転移点Tg毎に示している。なお、表1において、主剤欄の「ビスA型」は「ビスフェノールA型」を意味し、「Tg」は砥粒を含まないエポキシ樹脂結合剤単体の硬化体を作製し、前記DSC法で測定した値である。また、「加工数」は、研削液の温度を項目欄に示されるそれぞれの温度で保持した場合における各研削液温度毎の砥石一組当たり加工可能個数であり、「×」は所期の研削加工が不可能であったことを表す。この「加工数」欄において「減少率」は、15 (℃) における加工数(N15)に対する80 (℃) における加工数(N80)の減少割合([N15−N80}/N15])を百分率で表したものである。また、加工条件は下記のとおりである。
[加工条件]
・砥石周速度:1800(m/min)・被削材材質:SUJ−2(HRB硬度 90〜100 )
・被削材取代:1(mm)【0015】
【表1】

【0016】上記表1および図3から明らかなように、本実施例のレジノイド研削砥石10によれば、研削液温度が60 (℃) 以上の高温になる場合にも加工数は殆ど減少せず、低温( 15[℃] )から高温( 80[℃] )まで高い研削性能が維持される。一般的な加工条件においては、研削液温度は70 (℃) 程度まで上昇し得るが、本実施例においては、上記のようにそれよりも高い80 (℃) 程度の温度まで加工数が殆ど減少しないことから、実用的な加工温度範囲(研削液の温度範囲)である10〜70 (℃) 程度の温度範囲で研削性能が十分に高い範囲に維持されると言える。特に、主剤として脂環型エポキシ樹脂を用いた実施例8では、前記の製造工程において型内に液状物を流し込むに際して好ましい粘度を有することから、レジノイド研削砥石10の組織が一層均一に形成されて上記表に見られるように一層高い研削能力が得られる。
【0017】これに対して、比較例のTgが低いエポキシ樹脂が用いられたレジノイド研削砥石では、40〜60 (℃) 程度で加工可能数が急激に減少し、研削性能の大幅な低下が生じる。したがって、冬期或いは研削液温度が一定範囲に管理されている場合には十分な研削性能が得られるものの、夏期等の研削液温度が上昇し易い環境下では研削性能の低下が生じ易いという問題があった。なお、比較例においてはTgよりも低い温度から加工数の大幅な減少(すなわち研削性能の大幅な低下)が見られるが、これは、被削材32の研削点における温度が研削液温度よりも高く、また、温度上昇に伴うエポキシ樹脂の結合強度低下が研削液中に含まれるアルカリ成分や添加物によって加速されるためと考えられる。エポキシ樹脂はTgよりも低温の範囲でもそれに近い温度になると温度上昇に応じた強度低下が生じることから、このような現象が生じるのである。因みに、実施例のレジノイド研削砥石においては、上記の温度範囲では研削液温度よりもエポキシ樹脂結合剤のTgが十分に高いことから、強度低下が生じる温度に到達していないため、上記のような強度低下の加速は生じ得ない。
【0018】図4は、上記表1におけるTgと加工数減少率との関係を、横軸にTgを、縦軸に減少率をとって表したものである。図から明らかなように、Tgが120(℃)以下の範囲では90 (%) 程度以上の大きな減少率を示すが、Tgが130(℃) 以上の範囲では急速に減少率が低下させられ、研削液が80 (℃) 程度の高温となる場合にも15 (℃) 程度の場合に対する加工数の減少が抑制される。特に、Tgが140(℃) 程度以上、好ましくは145(℃) 以上の範囲では、研削液が高温になっても低温の場合と同様な加工数に維持され、研削性能の低下は実質的になくなることとなる。なお、図において、Tgが80 (℃) 以下の場合には、研削液温度80 (℃) では加工不能であったことから、減少率を100(%) と表示している。また、Tgが190(℃) 以上の場合には、80 (℃) における加工数が15 (℃) における加工数よりも多くなって減少率が負になったが、これは単に測定ばらつきに過ぎず、実質的に加工数が減少しないものと考えられるので、0(%) の位置に表示している。
【0019】要するに、本実施例においては、レジノイド研削砥石10において、樹脂結合剤は、Tgが130(℃) 以上のエポキシ樹脂結合剤22から構成される。そのため、Tgが十分に高いエポキシ樹脂結合剤22が結合剤として用いられていることから、加工中に研削液や研削点の温度が上昇しても、エポキシ樹脂結合剤22の結合力が十分に高く維持される。すなわち、その温度がエポキシ樹脂結合剤22の耐熱性が問題となる温度よりも十分に低い範囲に保たれる。したがって、エポキシ樹脂結合剤22で結合されたレジノイド研削砥石10の耐熱性が従来よりも十分に高められて温度上昇に伴う加工性能(加工数)の低下が実質的に生じないことから、特に研削液の温度調節等を行わなくとも容易に研削加工を為し得ることとなる。
【0020】また、本実施例においては、エポキシ樹脂結合剤22は、弾性率が5(GPa)程度である。そのため、弾性率が十分に低くされていることから、前記図2に示されるような研削取り代の大きなベアリングレース外輪等の幅寸法の生材研削加工において一層良好な研削性能が得られる。
【0021】以上、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明したが、本発明は更に別の態様でも実施される。
【0022】例えば、実施例においては、本発明が両頭平面研削盤用のディスク型レジノイド研削砥石10に適用された場合について説明したが、温度上昇の予測される環境下で用いられるレジノイド研削砥石であれば、リング型の平面研削砥石や、カップ型砥石、円筒研削砥石、心なし研削砥石、内面研削砥石等の種々の研削砥石にも本発明は同様に適用される。
【0023】また、実施例においては、粒度#60程度のアルミナから成る砥粒20が用いられたレジノイド研削砥石10について説明したが、炭化珪素(SiC )砥粒、ジルコニア(ZrO2)砥粒等の他の一般砥粒が用いられるレジノイド研削砥石にも本発明は同様に適用され、砥粒の粒度は適宜変更される。
【0024】また、実施例においては、レジノイド研削砥石10の全体が、砥粒がエポキシ樹脂結合剤22によって結合されて構成されていたが、樹脂やステンレス鋼等から成るコアの周囲にセグメント砥石が貼り着けられたセグメント形砥石にも本発明は同様に適用される。
【0025】また、実施例においては、Tgが205(℃) 以下、弾性率が5(MPa)程度のエポキシ樹脂結合剤22が結合剤として用いられていたが、130 〜240(℃) 程度、好適には140 〜240(℃) 程度のTgを有する一般に知られている種々のエポキシ樹脂がエポキシ樹脂結合剤22に代えて用いられ得、弾性率は適宜変更され得る。
【0026】また、実施例においては、レジノイド研削砥石10の製造工程において型内に液状物を流し込んだ後の養生温度はエポキシ樹脂結合剤22の種類に応じて適宜変更される。
【0027】また、実施例においては、レジノイド研削砥石10は、50重量部の砥粒20、20重量部のエポキシ樹脂結合剤22、および30重量部の気孔から構成されていたが、これらの割合は研削加工用途に応じて適宜変更される。例えば、無気孔のレジノイド研削砥石にも本発明は適用され得る。
【0028】その他、一々例示はしないが、本発明はその主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものである。




 

 


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