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発明の名称 ダイヤモンド切断砥石
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−202533
公開日 平成10年(1998)8月4日
出願番号 特願平9−8853
出願日 平成9年(1997)1月21日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小堀 益 (外1名)
発明者 松川 正範
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 砥材粒子の周辺を焼結可能な結合剤によって保持形成するダイヤモンド切断砥石において、前記砥材粒子の周りを低強度の結合剤によって被覆し、更に前記低強度の結合剤によって被覆された前記砥材粒子を高強度の結合剤によって保持してなるダイヤモンド切断砥石。
【請求項2】 前記低強度の結合剤の肉厚が前記砥材粒子の径の10〜35%である請求項1記載のダイヤモンド切断砥石。
【請求項3】 前記低強度の結合剤の強度が前記高強度の結合剤の85〜65%である請求項1記載のダイヤモンド切断砥石。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、結合剤粉末とダイヤモンド砥材粒子を混合して焼結することによってダイヤモンドホイールを形成したダイヤモンド切断砥石に関する。
【0002】
【従来の技術】ダイヤモンド切断砥石は、鉄やステンレス等の円盤状の基板の外周縁にダイヤモンドセグメントチップを固着したものがその基本的な構成であり、たとえばポータブル電動工具に取り付けられてコンクリートや石材等の切断に使用される。このようなダイヤモンド切断砥石においては、裸の砥材粒子と単一の結合剤によって構成されたもので、結合剤によって砥材粒子を被覆して焼結させるものであり、砥材粒子を結合剤で被覆するための様々な方法が従来から知られている。たとえば、特公昭39−9150号公報には、研摩材成形品の製法において、研摩材に金属結合剤を被覆し球状のペレットを形成し、これに圧力や熱を加えて所望の物品の形状に集合的に成形することが記載されている。
【0003】また、特関昭55−65075号公報は、砥材粒子を厚さ10〜30umのチタニウムの第1層と厚さ10〜200ミクロンの銅あるいは銀、ニッケル、タングステンなどの第2層により被覆するメタルボンドダイヤモンド砥石の製造方法を開示している。
【0004】更に、砥材粒子に2層以上の金属被膜を被覆した複合砥材粒子を焼結して作成し、最外層の被膜の融点が内層の融点よりも低融点としたメタルボンド砥石の製造方法が特開昭62−57871号公報に記載されている。
【0005】これらの他にも、特開昭62−57872号公報は、砥材粒子の周囲に複数の層が形成されているメタルボンド砥石であって、複数層の最内層は他層に比して高融点とし、複数層の最外層は他層に比して低融点にした構成を開示している。また、特開昭48−15996号公報には、焼結金属内に埋設した研摩粒を有する研削工具において、焼結金属は研摩相粒を直接つつんでいる粉末焼結金属製封入層と粗粒および封入層により占有されていない工具内空間に充填された金属結合剤とから構成され、この金属結合剤の様相は粉末焼結金属製封入層とは物理学的に相違している研削工具が開示されている。
【0006】更に、米国特許明細書第3826630号には、第1層にモリブテンを第2層に鉄または鉄系金属で被覆したダイヤモンド砥材粒子が記載され、米国特許明細書第3929432号には、チタンで被覆したダイヤモンド砥材粒子が開示されている。
【0007】そして更に、特開昭63−54488号公報には、砥材粒子を核としこの砥材粒子の回りに焼結可能な粉体を付着造粒した切断砥石用の造粒砥材であって、砥材粒子が砥材の保持に適する高強度の造粒結合剤によって被覆され、さらにこの造粒結合剤の周辺を、造粒結合剤より低硬度のマトリックス結合剤によって画定された2重構造の結合剤組織をもつ構成としたものが開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】これらの公報に記載のダイヤモンドホイールを形成する切断用の砥石は、要するに、砥材粒子の寿命を長くすることをその基本的な課題として、いずれも砥材粒子付近の結合剤を高強度とすることで砥材粒子に対する保持力を増強することによって、砥材粒子の脱落を抑制しようとしたものである。
【0009】ところが、砥材粒子は最初の段階では完全な形状をしており、また結合剤レベルより突出しているために有効な切れ刃であるが、使用しているうちに切断時の被削材との衝撃で破砕または磨滅されると共に、結合剤レベルからの突出量はなくなる。
【0010】このように破砕または磨滅された砥材粒子は、切れ刃としての機能は既に消滅していて、逆に切断の際の抵抗となって作用する。そして、このまま継続して使用すると、大きな振動を伴い切れ味を悪くすると同時に切断面も不良となってしまう。
【0011】したがって、重切断の作業には、従来のダイヤモンドホイールでは切味が長く続かず、途中で使用できなくなる状況に陥り、切断砥石を交換する必要があり、作業効率の低下も招く。
【0012】また、一般的に、重切断の作業には摩耗性の高い強度の低い結合剤を用いることになるが、全体を強度の低い結合剤でホイールを形成した場合では、強度不足のために破損等の危険性があり、ダイヤモンドホイールの製造が実質的にできなくなる。
【0013】本発明において解決すべき課題は、破砕・磨滅した砥材粒子の保持力を弱くし脱落を促進させることで、抵抗となる破砕・磨滅した砥材粒子を少なくし、切れ刃となる新しい完全な砥材粒子の数を増進することによって、安定して。良好な切れ味が持続できるようにすることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、砥材粒子の周辺を焼結可能な結合剤によって保持形成するダイヤモンド切断砥石において、前記砥材粒子の周りを低強度の結合剤によって被覆し、更に前記低強度の結合剤によって被覆された前記砥材粒子を高強度の結合剤によって保持してなることを特徴とするこのような構成において、低強度の結合剤の肉厚を砥材粒子の径の10〜35%とすることができ、また低強度の結合剤の強度を高強度の結合剤の85〜65%としてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】砥材粒子の周りを低強度の結合剤によって被覆して破砕または磨滅した砥材粒子の脱落を促進することで、切断の際の抵抗となる破砕または磨滅した砥材粒子を減少させて自生作用を促進させる。これにより、重切断においても切味の良い切断が可能となる。また、低強度の結合剤によって被覆した砥材粒子を高強度の結合剤によって固定することで、安全なダイヤモンドホイールを提供することができる。
【0016】砥材粒子の周りに被覆された低強度の結合剤は、切断時に発生する切粉によって磨耗されやすいために、砥材粒子の埋め込み量を低くできるので、砥材粒子を脱落しやすくする。また、低強度の結合剤には切断時の衝撃で微小なクラックが発生するために、砥材粒子の保持力をより低くでき、破砕あるいは磨滅した砥材粒子を脱落しやすくする。
【0017】
【実施例】図1は電動工具で使用する石材乾式切断用のダイヤモンドカッターの例を示すものであり、金属製の円盤状の基板1の外周に沿ってダイヤモンドセグメントチップ2を固着している。このダイヤモンドカッターの諸元及び砥材粒子と結合剤の仕様は次のとおりである。
【0018】(1)寸法:105D×2.0T×20H×32L×6.5X×8N×1.4Eここで、D:外径,T:ホイールの厚さ,H:穴径,L:砥粒層の厚さ,X:砥粒層の深さ,E:取付け部の厚さとする。
【0019】(2)砥材:人造ダイヤ、粒度:#40/50、集中度:20(3)結合剤:2重構造軟質部:Cu−Sn−Ni−Co−W−C(W量:50%)
硬質部:Cu−Sn−Ni−Co−W(W量;30%)
図2は耐火れんが研用のメタルボンドダイヤモンドホイールの例であり、同様に基板3の外周に沿ってダイヤモンドセグメントチップ4を固着している。このダイヤモンドホイールの諸元及び砥材と結合剤の仕様は次のとおりである。
【0020】(1)寸法:450D×25T×40H×40L×6.5X×33N×10E(2)砥材:人造ダイヤ、粒度:#40/50、集中度:30(3)結合剤:2重構造軟質部:CoにCを添加(C量:5%)
硬質部:Co図3は焼入れ鋼溝入れ用のCBNレジノイドボンドホイールの例であり、円盤状の基板5の外周に沿ってダイヤモンドチップ6を固着している。このレジノイドボンドホイールの諸元及び砥材と結合剤の仕様は次のとおりである。
【0021】(1)寸法:200D×1.8T×30.5H×5X×1.5E(2)砥材:CBN、粒度:#100/120、集中度:75(3)結合剤:2重構造軟質部:レジンボンドにCuを添加(Cu量:25%)
硬質部:レジンボンド図4はガラス研削用のビトリファイドボンドダイヤモンドホイールの例であり、基板7の外周縁を軸線方向に屈曲させた部分の端面に沿ってダイヤモンドセグメントチップ8を固着している。このビトリファイドボンドダイヤモンドホイールの諸元及び砥材と結合剤の仕様は次のとおりである。
【0022】(1)寸法:400D×40T×120H×37L×5X×28N(2)砥材:人造ダイヤ、粒度:#200/230、集中度:35(3)結合剤:2重構造:軟質部:ビトボンドにCを添加(C量:5%)
硬質部:ビトボンド以上の各例において、結合剤を2重構造とする代わりに、3重構造またはそれ以上の多層構造にすることも可能である。
【0023】また、結合剤の強度を低くするためには、W、C、CuやGC等のフィラーを添加させる方法、高温の結合剤を使用する方法や微小気孔をもった結合剤を使用する方法等のように、周囲の結合剤に合わせて選択することができる。
【0024】図5は本発明のダイヤモンド切断砥石における砥材粒子Aと低強度結合剤B及び高強度結合剤Cの関係示す模式図であり、砥材粒子Aはその表面を低強度結合剤Bによって被覆され、この被覆されたものが高強度結合剤Cによって保持されている。
【0025】図5の状態では砥材粒子Aは完全砥粒の形態をとっているが、切断過程によって、図6の(a)に示すように表面が磨滅した磨滅砥粒となったり、同図の(b)に示すように磨滅した磨滅砥粒となったりする。そして、いずれの過程を踏むものにおいても、最終的には低強度結合剤Bの層に微小なクラックが発生した後、同図(c)に示すように砥材粒子Aが高強度結合剤Cによる拘束を解かれて脱落する。
【0026】図1に示したダイヤモンドカッターについて、従来のものと比較した試験を行った。表1において試験No.1のものが図1で説明したものに対応し、No.2は結合剤を単一構造としてNo.1の硬質部のみを持つ組成としたもの、No.3は結合剤を同様に単一構造とすると共にNo.1の軟質部のみを持つ組成としたものである。なお、試験条件は表2に示すものとした。
【0027】
【表1】

【表2】

図7は以上の条件で行った試験により得られた切味と切断長さの関係を測定した結果である。
【0028】この測定結果から判るように、本発明品(No.1)では切断長さが30mまで達しても切味が安定して良好に切断することが可能であった。これに対し、比較品(No.2)では、切断長さが10mを越えたときから切断速度が次第に低下していって切味が悪くなり、切断長さが30mの手前でテスト中止となった。また、比較品(No.3)については、1カットでダイヤモンドチッブが破損してしまい。テスト中止となった。
【0029】図8はNo.1及びNo.2のカッターについて、試験後の直径摩耗量を測定した結果を示すグラフであり、本発明を適用したNo.1では適正な摩耗量であり、自生作用が順調に行われるのに対し、従来品のNo.2は表面の砥粒が摩耗・破砕した分だけしか摩耗しておらず、自生作用が行われていないことが判る。図9はNo.1及びNo.2のカッターについて試験後の砥材粒子の形態を観察した結果を示すグラフであり、No.1のものについては切断長さが30m及びNo.2では30m弱の切断長さを経たものである。
【0030】このグラフから明らかなように、本発明によるNo.1のカッターでは砥材粒子の脱落,破砕・磨滅及び完全のそれぞれの比率がほぼ理想的な値に維持されている。これに対し、No.2のカッターでは脱落及び完全に比べると破砕・磨滅の比率が格段に大きく、切断途中で破砕・磨滅した砥材粒子がそのまま残存して切れ味を悪化させる原因となっていることが判る。
【0031】図10は前記の試験と同様の条件下で、低強度結合剤の肉厚の変化による砥材粒子の形態の関係を調べた試験結果を示すグラフである。この試験においては、砥材粒子の径に対する低強度結合剤厚みの比率(%)とは(1−砥材粒子径/被覆された砥材粒子径)×100として表されるものである。
【0032】このグラフからも明らかなように、低強度の結合剤を大きくすると脱落砥材粒子が増加する傾向にあることが判る。そして、切断中に脱落していく砥材粒子の比率は25〜50%の範囲にあることが望ましいことから、低強度結合剤の厚みの比率は10〜35%とすることが有効であることが判る。
【0033】更に、図11は高強度結合剤についてはその強度を或る一定のものとし、低強度の結合剤についてのみその強度を変化させて試験した結果であって、結合剤の強度がどのように砥粒形態に変化するかを調べたものである。
【0034】このグラフからは、低強度の結合剤の強度が低いほど脱落砥材粒子が増えることが判る。そして、同様に切断中に脱落していく砥材粒子の比率は25〜50%の範囲であることが望ましいので、低強度結合剤の強度は高強度の結合剤のそれに対して65〜85%とすることが有効であることが判る。
【0035】
【発明の効果】本発明では、破砕または磨滅した砥材粒子の脱落を促進するので、これらの破砕及び磨滅して切断に際しては抵抗としてしか作用しなくなる砥材粒子による障害を無くすことができ、安定して低い切断抵抗での切断が可能となり、砥材粒子層を最後まで使用できるので、ダイヤモンドホイールの寿命の向上が図られる。また、砥材粒子が脱落した部分はチップポケットとなるので、空冷効果や切粉排出効果がよくなり、切味が更に向上する更に、マトリックスに高強度結合剤を使用できる為、セグメントチップの欠けや欠損等を生じることがなく、切断砥石の製造及び使用の両面での安全性が増大する。




 

 


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