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発明の名称 超砥粒研削砥石
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−113875
公開日 平成10年(1998)5月6日
出願番号 特願平8−285986
出願日 平成8年(1996)10月8日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
発明者 伊藤 健二 / 藤井 剛志
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】超砥粒研磨材と窒化珪素質焼結研磨材を研磨材として含み、前記窒化珪素質焼結研磨材は最大寸法1.0μm以下の微結晶から主として成ることを特徴とする研削砥石。
【請求項2】前記窒化珪素質焼結研磨材は加圧焼結によって製造された研磨材であることを特徴とする請求項1に記載の研削砥石。
【請求項3】前記窒化珪素質焼結研磨材は、アルミナ、希土類酸化物(イットリアを包含する)を構成成分とする粒界相を有し、窒化珪素含有量80重量%以上、最大寸法1.0μm以下で、かつ、平均結晶粒径0.2〜1.0μm、相対密度90%以上、及び硬度18GPa以上の特徴を有する焼結粒であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の研削砥石。
【請求項4】研磨材と研磨材を結合する結合剤がビトリファイド質であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の研削砥石。
【請求項5】全研磨材における窒化珪素質焼結研磨材の含有割合が10〜90重量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の研削砥石。
【請求項6】研削砥石における超砥粒研磨材の砥粒率が37.5体積%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の研削砥石。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダイヤモンド砥粒、立方晶窒化ホウ素(cBN)砥粒のような超砥粒を含む超砥粒研削砥石に関する。
【0002】
【従来の技術】研磨材、特に研削砥石を構成する研磨材粒子である砥粒としては、従来、アルミナ質、炭化けい素質の一般研磨材が用いられてきた。しかし、近年より高精度の精密研削加工に対応するため、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素(cBN)から成る超砥粒を用いた超砥粒砥石に徐々にその重要性が移行しつつある。
【0003】かかる超砥粒砥石としては、超砥粒とこれ以外の砥粒を含有させた砥石も知られている。例えば、特開昭58−90466号公報、特公表平2−501209号公報に記載のものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】超砥粒砥石は優れた性能を有する。特に、結合剤としてビトリファイド質ボンドを用いたビトリファイド超砥粒砥石は、砥粒保持力が強く、また気孔を有するため、目立てが容易などの特徴を有するなど、優れた性能をもつ。しかし、超砥粒砥石に用いられているダイヤモンド砥粒や立方晶窒化ホウ素(cBN)砥粒のような超砥粒は、その他の一般研磨材と比較して価格がおよそ100〜200倍程度であり高価なので、超砥粒砥石は価格が高いという問題点を有する。
【0005】超砥粒砥石の価格を低減するためには、超砥粒の含有率を低下させること、例えば超砥粒を結合剤で置き換えて結合剤の量だけを増やすことが考えられる。しかし、本来結合剤は砥粒を保持するための必要最小限あれば良いのであって、それ以上あると研削の邪魔となる。従って、やみくもに増やすわけにはいかない。また、砥粒を減らし結合剤を増やすと焼成収縮が大きくなるため、製造安定上好ましくない。
【0006】また、超砥粒の含有率が低い超ポーラス砥石にすることも考えられる。かかる超ポーラス砥石は、製造可能であるが一般的に砥粒保持力が弱いので、引き続き十分に使用可能な超砥粒も十分に用い尽くさないうちに早期に脱落してしまうから、高価格で高硬度の超砥粒を用いる意味がない。従って、超砥粒砥石における超砥粒の砥粒率が45〜50体積%(以下、Vol%)(集中度180〜200)の高集中度の砥石が適することになる。
【0007】しかし、そのような高集中度の超砥粒砥石は、「専用の研削盤が必要である」、「ドレス条件が難しい」及び「価格が高い」などの理由で、超砥粒とこれ以外の砥粒を含有させることにより超砥粒の集中度を低下させた低集中度ビトリファイド超砥粒砥石が使用されることも多い。
【0008】例えば、超砥粒の集中度の低い(超砥粒の集中度150以下、超砥粒の砥粒率が37.5Vol%以下)ビトリファイド超砥粒砥石を製造する場合には、超砥粒と一般の研磨材(例えばアルミナ質系成分、炭化ケイ素質系成分)を混入することにより、超砥粒の集中度を下げる手段が一般に用いられている。
【0009】しかし、アルミナ質系成分の研磨材を含有させた超砥粒砥石は、前記アルミナ質系成分の研磨材の熱膨張係数が約6〜9×10-6であり、ダイヤモンド、cBNの超砥粒の熱膨張係数3〜5×10-6に比較して大きいため、熱膨張係数の差によって、ダイヤモンド、cBNの超砥粒の保持力が低下してしまう。また、アルミナ質系成分の研磨材を含有させた超砥粒砥石は強度が弱いので、砥石自体の強度が必要である高周速度で使用する用途の砥石には、不向きであった。
【0010】炭化ケイ素質系成分の研磨材とcBNを組み合わせた超砥粒砥石の場合は、被加工物として一般的である鉄を加工する時に、炭化ケイ素が鉄と反応しやすいため磨耗が早く、その上、cBNの保持力が不十分となってしまっていた。さらに、工具鋼のような硬い被加工物に用いた場合、砥石中の一般研磨材(超砥粒以外の研磨材)は一種の充填材として機能し、砥粒としてはほとんど寄与しなかった。
【0011】かかる問題点の解決手段として、「焼結型アルミナ多結晶砥粒」と超砥粒とを組み合わせることで、従来の一般砥粒を組み合わせるより、性能を向上させようとする砥石も存在する(特公表平2−501209号公報)。しかしながら、超砥粒と組み合わせる砥粒は微結晶アルミナなので、超砥粒との熱膨張係数との差は依然として存在し、超砥粒の保持力がなお不十分であるという問題点を残していた。
【0012】特に砥石中の全研磨材(超砥粒とこれ以外の砥粒を含む全研磨材)のうちで、アルミナ質研磨材が20〜80重量%含まれる場合は、熱膨張係数の影響が大きいので、超砥粒の保持力が不十分である。なお、アルミナ質研磨材が20%未満の場合は砥石の価格の低減の効果が減少する傾向にあり、80%を越える場合は超砥粒を用いる効果が著しく低くなる。よって、これらの場合は超砥粒の保持力の著しい低下は防げるものの異なる砥粒を組み合わせる意義がなくなってしまう傾向にある。
【0013】特開昭58−90466号公報には、ホットプレス窒化珪素にCu又はNiコーティングした補助砥粒を超砥粒と共に用いたレジンボンド研削砥石が記載されているが、研削比がなお不十分である。前記レジンボンド研削砥石の樹脂結合剤をビトリファイド結合剤に代える場合は、補助砥粒をCu又はNiコーティングしているため、砥石製造過程の焼成中にCu又はNiが酸化されること、また、熱膨張係数がビトリファイド結合剤と異なるため、補助砥粒の保持力は不十分である。
【0014】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決する研削砥石、特に、超砥粒の集中度の低い場合であっても研削性能の高い研削砥石を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】超砥粒の集中度の低い(超砥粒の集中度150以下、超砥粒の砥粒率が37.5Vol%以下)研削砥石の研削特性は、焼結した最大寸法1.0μm以下の微結晶から主として成る窒化珪素質焼結研磨材を超砥粒研磨材と組み合わせて用いることにより、多くの用途でかなり向上できることを本発明者は見出し本発明を完成するに至った。
【0016】即ち、本発明によれば、超砥粒研磨材と窒化珪素質焼結研磨材を研磨材として含み、前記窒化珪素質焼結研磨材は最大寸法1.0μm以下の微結晶から主として成る研削砥石(請求項1)により、上記目的を達成することができる。本発明の研削砥石において、以下の態様はそれぞれ好ましい。
【0017】前記窒化珪素質焼結研磨材は、好ましくは、加圧焼結によって製造された研磨材にする(請求項2)。前記窒化珪素質焼結研磨材は、好ましくは、アルミナ、希土類酸化物(イットリアを包含する)を構成成分とする粒界相を有し、窒化珪素含有量80重量%以上、最大寸法1.0μm以下で、かつ、平均結晶粒径0.2〜1.0μm、相対密度90%以上、及び硬度18GPa以上の特徴を有する焼結粒にする(請求項3)。
【0018】好ましくは、研磨材と研磨材を結合する結合剤はビトリファイド質である(請求項4)。全研磨材における窒化珪素質焼結研磨材の含有割合は、好ましくは、10〜90重量%にする(請求項5)。好ましくは、研削砥石における超砥粒研磨材の砥粒率を37.5体積%以下にする(請求項6)。
【0019】前記窒化珪素質焼結研磨材は窒化珪素を含有し、この窒化珪素は、熱膨張係数が2〜3×10-6であり、ダイヤモンドやcBNの熱膨張係数と近い。そのため本発明の研削砥石は、ビトリファイド質ボンドを用いた場合において超砥粒研磨材とアルミナ質系成分の研磨材の併用時に問題となっていた超砥粒研磨材の保持力の低下という問題点を解消することができる。
【0020】また、窒化珪素は炭素を含まないため、鉄を含有する被加工物を研削する時に鉄と反応することもないので、cBN砥粒と組み合わせて鉄系の素材の研削に有利である。
【0021】最大寸法1.0μm以下の微結晶から主として成る窒化珪素質焼結研磨材は、結晶粒が非常に細かいため、研削が進行するにつれて、この窒化珪素質焼結研磨材は微小破砕する。これに対し、本発明で特定する窒化珪素質焼結研磨材以外の従来の一般研磨材では結晶粒が大きいため研削が進行するにつれて大破砕しやすい。よって、この窒化珪素質焼結研磨材を超砥粒と併用した場合、研削面での超砥粒の刃先と窒化珪素質焼結研磨材の刃先の高さが、本発明で特定する窒化珪素質焼結研磨材以外の一般研磨材を使用した場合に比較して揃いやすい。
【0022】また、本発明で特定する窒化珪素質焼結研磨材は大破砕をおこさないので、研磨材として働かなくなっても、骨材としても働き続けることになる。よって、本発明で特定する窒化珪素質焼結研磨材以外の一般研磨材を超砥粒と組み合わせた場合よりも、高品位の加工が期待できる。
【0023】また、本発明で特定する窒化珪素質焼結研磨材自体の強度も高いため、砥石強度は高くなり、高周速度でも使用することが可能である。なお、本願発明において数値範囲の記載は、両端値のみならず、その中に含まれる全ての任意の中間値を含むものとする。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の研削砥石は、超砥粒研磨材と窒化珪素質焼結研磨材を研磨材として含有する。窒化珪素質焼結研磨材は、最大寸法1.0μm以下の微結晶から主として成るものを用いる。窒化珪素質焼結研磨材の平均粒子径は、好ましくは超砥粒研磨材の平均粒子径の1/2〜2倍程度とし、より好ましくは3/4〜3/2倍程度とすると良い。超砥粒研磨材には、ダイヤモンド砥粒、立方晶窒化ホウ素(cBN)砥粒あるいはこれらと同等の硬度を有する砥粒が含まれる。
【0025】窒化珪素質焼結研磨材は、例えば特開平3−287687号公報に記載された焼結法によって製造できる。好ましくは、加圧焼結によって製造された研磨材を用いる。
【0026】窒化珪素質焼結研磨材は、アルミナ、希土類酸化物(イットリアを包含する)を構成成分とする粒界相を有することができる。窒化珪素質焼結研磨材の窒化珪素含有量は、70重量%以上であれば良く、好ましくは80重量%以上とする。
【0027】窒化珪素質焼結研磨材は、最大寸法1.0μm以下(より好ましくは最大寸法0.8μm以下、さらに好ましくは最大寸法0.6μm以下)の微結晶から主として成る。窒化珪素質焼結研磨材の平均結晶粒径は、0.2〜1.0μm以下で良いが、より好ましくは0.2〜0.8μm、さらに好ましくは0.2〜0.6μmにする。
【0028】窒化珪素質焼結研磨材の相対密度は、85%以上で良いが、好ましくは90%以上、より好ましくは93%以上、さらに好ましくは95%以上にする。窒化珪素質焼結研磨材の硬度は、16GPa以上で良く、好ましくは18GPa以上、より好ましくは19GPa以上、さらに好ましくは20GPa以上にする。
【0029】研磨材と研磨材を結合する結合剤としては、好ましくはビトリファイド質結合剤を用いる。ビトリファイド質結合剤を用いた場合は、砥粒とビトリファイド質結合剤が製造過程で化学的に反応して結合しているので、樹脂質結合剤や金属質結合剤を用いた場合よりも保持力が大きい。なお、樹脂質結合剤や金属質結合剤も用いることは可能である。
【0030】本発明の研削砥石におけるビトリファイド質結合剤の体積は、12〜32Vol%にすることができ、好ましくは16〜32Vol%にする。
【0031】本発明の研削砥石が結合剤としてビトリファイド質結合剤を用いた場合における気孔の体積(気孔率)は、18〜45Vol%にすることができ、好ましくは18〜40Vol%にする。
【0032】全研磨材における窒化珪素質焼結研磨材の含有割合は、任意の割合にすることができ、好ましくは25Vol%以上とする。
【0033】(窒化珪素質焼結研磨材)本発明の研削砥石における研磨材として用いる窒化珪素質焼結研磨材についてさらに詳細に説明する。
【0034】窒化珪素質焼結研磨材は、好ましくは、1μm以下の平均結晶粒径を有する窒化珪素粉末に1μm以下の平均結晶粒径を有するアルミナ、希土類酸化物(イットリアを包含する)から選択される焼結助剤粉末を3〜20重量%(対窒化珪素)混合し、これを冷間成形後圧潰し、六方晶窒化ほう素を固体圧媒として混在させて1700℃以下の温度で焼成して製造することができる。この場合、好ましくは焼成は加圧焼結によって行う。
【0035】こうして得られる窒化珪素質焼結研磨材は、アルミナ、希土類酸化物(イットリアを包含する)を構成成分とする粒界相を有し、窒化珪素含有量80重量%以上、平均結晶粒径 0.2〜 1.0μm、相対密度(実測密度/理論密度)90%以上、及び硬度21GPa 以上の特性を有する焼結粒である。なお、被覆層(CuやNi等の金属被覆層)を有していない。
【0036】窒化珪素質研磨材を得るにあたり、焼結助剤としてアルミナ及びイットリアを含む希土類酸化物から選択される成分の一種以上を3重量%以上添加する。一方、この助剤の添加によっても精密研削加工用の研磨材として十分な高温高強度、高硬度を有し得ることが必要である。そのため、助剤の合計量は20重量%以下とする。特に、アルミナ3〜10重量%、イットリア3〜10重量%の範囲内で添加することが好ましく、アルミナ約5重量%及びイットリア5重量%を添加したものが最適である。
【0037】この原料粉末の平均結晶粒径は、主成分たる窒化珪素、副成分(助剤成分)たるアルミナ、希土類酸化物のいずれについても1μm以下とする。これによって得られる窒化珪素質焼結粒が1μm以下の微細結晶構造となり、これを研磨材として用いたとき高い研削比を発現することに寄与する。好ましくは原料粉末の平均粒径を 0.2〜 0.4μmにするとよい。
【0038】成形は、公知の種々の方法、例えば加圧成形、スリップキャスティングを、目的に応じて選択して使用できる。冷間成形品はその後かつ焼成前に圧潰されるので、成形品の形状についても塊状、シ―ト状更にはひも状などにすることができる。
【0039】圧潰によって研磨材として適した粒径に略相当する粒径まで粉砕する。鋼の精密研削の場合、例えば 250μm〜 350μm(#60〜#80)程度にすることができる。
【0040】この窒化珪素質粉砕物を焼成するにあたり、各粉末に均一な圧力をかけ、研磨材、特に砥粒として所期の粒度の焼結粒を得るためにも、固体の圧媒を混在させる。この固体圧媒としては低硬度でありかつ安価な六方晶窒化ホウ素(hBN) が好ましく、その平均粒径は1〜2μm、その混在量は窒化珪素粉砕物100重量部に対して80〜120重量部程度にするとよい。他の圧媒、例えば黒鉛(C)を使用した場合、炭化珪素を形成することがある。
【0041】焼成方法としては常圧焼結、加圧焼結、プラズマ放電焼結、マイクロ波加熱のいずれの方法でもよいが、焼結性を高めて高密度、高硬度の窒化珪素質研磨材を得るためには加圧焼結、即ちホットプレス(HP)焼結、静水圧ホットプレス(HIP)焼結、或いは所定の窒素分圧(例えば9kg/cm2以上)で行なう雰囲気加圧焼結が好ましい。焼成温度は窒化珪素の分解を防止する見地から1700℃以下とすることが好ましい。
【0042】こうして得られた窒化珪素質焼結粒は1μm以下、特に0.2〜0.5μm程度の極微細な平均結晶粒径を有する窒化珪素の多結晶体であり、液相焼結によって助剤を主たる構成成分とする粒界相が存在する。この粒界相は、例えばSi34−nY23−mAl23で表わされる化合物からなる結晶相や、窒化ガラス等のガラス相となって存在する。
【0043】窒化珪素質焼結研磨材の製造において、窒化珪素質成形物を焼結する前に予め圧潰し、hBN固体圧媒の存在下で焼結させることにより、焼成物それ自体例えば200〜300μm程度の粒径を有しかつ極めて緻密な窒化珪素質焼結粒として得ることができる。そのため、高破壊エネルギを要する焼結体粉砕を別途行う必要がない。
【0044】窒化珪素質焼結研磨材のより詳細な製造例は、以下のとおりである。平均粒径0.3μmの窒化珪素粉末に平均粒径0.5μmのAl235重量%と平均粒径1.0μmのY235重量%を混合添加して調製してある宇部興産(株)の市販品のSN-C-OA 粉を冷間静水圧加圧成形(以下、C.I.P.という。)用のビニ―ル袋の中へ100〜200g程度つめ脱気して真空パックを施した。
【0045】そして、真空パックの袋ごと2 ton/cm2の圧力をかけC.I.P.した。C.I.P.後、ある程度硬くなった窒化珪素質のC.I.P.品をビニ―ル袋より取り出し乳鉢等で圧潰し、所望の粒径にふるい分けた。この所望の粒径にふるい分けた窒化珪素質成形粉末と圧媒としての六方晶窒化ホウ素(hBN) 粉末とを各 300gづつ取りビニ―ル袋で軽く混合した。
【0046】この混合粉体を内径80mmの黒鉛の金型に充てんし、これをホットプレス焼成炉(富士電波工業(株)製)にセットして20℃/min の昇温速度で1600℃迄加熱し、同温度で圧力 400kg/cm2をかけ、60分間加圧焼成した。焼成後、窒化珪素質焼結粒は圧媒のhBN 粉とふるい分けされ、その後超音波洗浄器にて完全に分離した。洗浄した窒化珪素質焼結粒は、乾燥機にて乾燥して完全に水分を除去した。
【0047】この焼結砥粒は、平均結晶粒径 0.2〜 0.5μmの窒化珪素の微結晶の構造組織を有し、ビッカ―ス硬度は22GPa(2.24×103kg/mm2)、密度は3.3であった。この焼結砥粒より再び#60の砥粒をふるい分けて窒化珪素質焼結研磨材を得た。
【0048】
【実施例】
[実施例1及び比較例1〜6]超砥粒と窒化珪素質焼結研磨材を用いた本発明にかかる回転研削用の研削砥石を作成し、その性能につきテストを行い、その結果を表3及び表4に示した。以下、これらを詳述する。
【0049】まず、本実施例1の研削砥石は、以下のようにして製造した。超砥粒と窒化珪素質焼結研磨材を含有する砥石部1とベース基材2から成る図1に示すビトリファイドセグメントチップ砥石を作成し、このセグメントチップ砥石を図2に示すがごとく円筒形のベース円板22の外周面に接着し、研削試験用砥石(実施例1)とした。接着剤としては、エポキシ樹脂系接着剤を用いた。該ベース円板22は、回転軸に装着するための回転軸用穴20を中央部に有する。なお、ベース円板の材質はスチールを用いた。
【0050】実施例1及び後述の比較例5に使用した窒化珪素質焼結研磨材は、特開平3−287687号公報に記載されたホットプレス焼結法によって製造したものを用いた。以下、実施例において窒化珪素質焼結研磨材をMCSN研磨材と呼称する。
【0051】ここで、このMCSN研磨材の比較対照例として最大寸法1.0μm以上の微結晶から主として成るホットプレス焼結法で製造された窒化珪素質研磨材(以下、BCSN研磨材と称する。)をMCSN研磨材の代わりに用いることを除き実施例1と同様にして研削砥石(比較例1)を製造した。MCSN研磨材とBCSN研磨材の代表的性質を表1で比較した。
【0052】
【表1】

【0053】尚、さらに比較の為、cBNと組み合わせる砥粒として従来の溶融型アルミナ単結晶砥粒(太平洋ランダム(株)製;32A)(比較例3)及び、焼結型アルミナ多結晶砥粒(米国3M社製;Cubitoron−321:以下、CMと略す。)(比較例2)を用いることを除き実施例1と同様な研削砥石を製造し、同じく研削試験に供した。また、砥粒としてcBNのみを用いることを除き実施例1と同様に製造した研削砥石(比較例4)と、砥粒としてMCSN研磨材のみを用いることを除き実施例1と同様に製造した研削砥石(比較例5)と、砥粒としてMCSN研磨材の代わりにBCSN研磨材にニッケルを被覆したBCSN Niコート砥材を用いることを除き実施例1と同様に製造した研削砥石(比較例6)を、それぞれ製造した。
【0054】もちいた砥粒は、ANSI(American National Standard Checking the Sizeof Diamond Abrasive Grain)の標準でcBNは粒度#80/100、その他の組み合わせる砥粒はANSIの標準で粒度#80のものを使用した。
【0055】又、もちいたビトリファイド結合剤としては、長石、粘土、フリットガラス(ホウケイ酸ガラス)から成るものを用いた。
【0056】これらの原料を次の表2の様に配合し、超砥粒を含むビトリファイドセグメントチップ砥石の生砥石を製作し、電気炉に入れて50℃/Hrの昇温速度で900℃まで加熱し、同温度で3時間焼成して実施例1及び比較例1〜6の各々のビトリファイドセグメントチップ砥石を得た。
【0057】
【表2】

【0058】これらのセグメントチップ砥石の寸法は、それぞれ、長さ40mm、幅15mm、厚み7mmである。
【0059】前記実施例1及び比較例1〜6のビトリファイドセグメントチップ砥石の各々を用いて製造した研削試験用砥石は、その外径が305mm、回転軸用の穴の径が76.2mm、厚さが15mmである。
【0060】焼成後に得られた前記実施例1及び比較例1〜6のビトリファイドセグメントチップ砥石の各々の超砥粒層(図1〜2の砥石部1)の構造は下記の表3のようである。
【0061】
【表3】

【0062】なお、表3における砥石の坑折強度は、別途長さ40mm、幅4mm、厚み6mmの砥石を製作し、スパン30mm、ヘッドスピード1mm/minで米倉製万能試験機にて測定した。
【0063】これら製作した実施例1及び比較例1〜6の各々の研削試験用砥石ホイールを用いて研削試験を行った。試験条件は次の通りである。
砥石周速度 2700m/min テーブル送り速度 75m/min 研削能率 3.4mm3/mm・s 比削材 SNCM420H(ニッケルクロムモリブデン鋼)
比削材寸法 φ50φ×t13×30(単位はmm)
【0064】研削試験の結果を表3に示す。なお、上記比削材SNCM420Hは、構造用鋼中で最も強靱性を有する。
【0065】
【表4】

【0066】表4から明らかな様に、本実施例1の研削砥石は、比較例1〜3及び比較例6と比較して研削比が1.5〜3.0倍であり、消費電力、平均面粗さは同程度、また研削焼けに関しては、比較例1〜3と比較して少ない等のきわめて優れた研削性能を示した。
【0067】また、砥粒としてcBN砥粒を100%用いた比較例4の砥石と比較しても実施例1の砥石は研削比が20%しかダウンせず、さらに、砥粒としてMCSN研磨材を100%用いた比較例5の砥石と比較しても実施例1の砥石は約7倍の研削比であり、きわめて優れた研削性能を示した。
【0068】また、本実施例1の最大寸法1.0μm以下の微結晶から主として成るMCSN研磨材を含むcBN研削砥石は、最大寸法1.0μm以上の微結晶から主として成る窒化珪素質研磨材を含むcBN研削砥石(比較例1)と比較して研削比が約3.0倍であり、消費電力は低く、平均面粗さは同程度である等、優れた研削性能を示した。
【0069】
【発明の効果】焼結した最大寸法1.0μm以下の微結晶から主として成る窒化珪素質焼結研磨材と超砥粒研磨材とを組み合わせた研摩材を用いる請求項1〜6に記載の本発明の研削砥石により、以下の基本的な効果を奏することができる。
【0070】■集中度の低い研削砥石、例えば集中度150以下、砥粒率が37.5Vol%以下の研削砥石の場合であっても、その研削性能を飛躍的に高める事ができるようになった。このように研削性能を著しく低下させることなしに砥石における超砥粒の砥粒率を低下させることができるので、価格が安く、専用の研削盤は必須でなく、ドレス条件も難しくない。この結果、研削比は高いものの、「専用の研削盤が必要である」、「ドレス条件が難しい」及び「価格が高い」などの問題点を有する高集中度ビトリファイドcBN砥石にも代わり得る事ができる大変有望なビトリファイドcBN砥石である。
【0071】■また、窒化珪素質焼結研磨材と超砥粒研磨材の保持力が大きいと共に、鉄を加工する時でも鉄と反応しないので、長期間使用することができる。
■さらに、砥石自体の強度が大きいので高周速度用の砥石としても使用することができる。




 

 


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