Warning: copy(.htaccess): failed to open stream: Permission denied in /home/jp321/public_html/header.php on line 8
石膏組成物及び金属鋳造用石膏埋没材 - 株式会社ノリタケカンパニーリミテド
米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 加工処理操作 -> 株式会社ノリタケカンパニーリミテド

発明の名称 石膏組成物及び金属鋳造用石膏埋没材
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−113745
公開日 平成10年(1998)5月6日
出願番号 特願平8−289359
出願日 平成8年(1996)10月11日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】加茂 裕邦
発明者 福田 洋一 / 伊藤 貴弘 / 坂 清子
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】半水石膏に対して、含水無晶形二酸化ケイ素又はMgSO4・7H2Oを石膏の分解抑制剤として添加してなることを特徴とする石膏組成物。
【請求項2】上記含水無晶形二酸化ケイ素が、pH8以下の含水無晶形二酸化ケイ素である請求項1記載の石膏組成物。
【請求項3】半水石膏に含水無晶形二酸化ケイ素又はMgSO4・7H2Oを石膏の分解抑制剤として添加してなる石膏組成物と金属酸化物よりなる耐熱材を含んでなることを特徴とする金属鋳造用石膏埋没材。
【請求項4】半水石膏に含水無晶形二酸化ケイ素又はMgSO4・7H2Oを石膏の分解抑制剤として添加してなる石膏組成物と金属酸化物よりなる耐熱材を含んでなる金属鋳造用石膏埋没材において、該金属鋳造用石膏埋没材100重量部に対して、石膏ウィスカー0.5〜30重量部を外添加し、且つZrCの粉末0.5〜10重量部を外添加してなることを特徴とする金属鋳造用石膏埋没材。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石膏組成物及び金属鋳造用石膏埋没材に関し、より具体的には耐高温分解性に優れ、例えばロストワックス法等における埋没材(鋳型材)として使用される石膏組成物及び金属鋳造用石膏埋没材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エポキシ樹脂やポリエステル樹脂などの合成樹脂や各種金属等の鋳造法には各種のものがあるが、例えばロストワックス法は精密鋳造法の一種として知られ、この方法は精密さが要求される歯科用金属補綴物(クラウン、ブリッジ、インレー等)の作製などにも適用されている。図1はその一例として人工歯冠を作製する場合を例としたロストワックス法の概略を示す図である〔技報堂出版(株)「セラミック工学ハンドブック」1989年、p.1586〕。図1(a)中、符号1は歯型であり、歯型1は例えば口腔内で採取した印象母型から採得された模型から印象材により作製される。
【0003】上記印象材の材料としては石膏系、金属系、樹脂系、セメント系などが用いられる。これら材料からなる歯型1の面上にワックスを加熱軟化して注入することにより、ワックスからなる鋳造用パターン2が形成され、次いで鋳造用パターン2は埋没工程に移される。図1(b)はその埋め込み工程を示すものである。鋳造用パターン2を容器内に図示のように懸架し、これに鋳型用材料(=埋没材)3が、好ましくはスラリーとして鋳造用パターン2が埋没する程度に流し込まれる。鋳型用材料すなわち埋没材3は、例えば石英、クリストバライトなどの耐熱材と石膏、リン酸塩、或いはシリカゲルなどの結合材によって構成される。
【0004】埋没材3が固結した後、鋳造用パターン2を構成するワックスを溶融、或いは燃焼させて除去する工程に移される。図1(c)はそのワックス除去工程前の状態を示し、図1(d)はワックス除去工程終了時の状態を示す図である。図1(c)〜(d)中符号4は固結した埋没材3で形成された鋳型であり、図1(d)中符号5はワックスが除去されて形成された空洞部分(すなわち空洞型)を示している。次いで、上記ワックスの溶融、或いは燃焼による除去工程により形成された空洞型5内にNiーCr系もしくはプレシャス系或いはセミプレシャス系金属などの融液の鋳込みが行われる。
【0005】図1(e)は該融液の鋳込み状態を示すもので、この鋳込み工程終了後、冷却され、鋳型用材料すなわち埋没材3を除去して(鋳造成形体を掘り出して)鋳造成形体を取り出し、加工研磨工程が行われる。図1(f)は加工研磨工程前の状態を示し、図1(g)はその工程終了後に得られた製品、すなわち本説明例の場合人工歯冠である。以上はいわゆる間接法と称される方式であるが、口腔内で採取した印象母型に直接埋没材を注入して埋没材模型を作り、その上にワックス模型を築造し、そのワックス模型を取り外すことなく、さらにその上に埋没材を注入してワックス模型を埋設して鋳型とする直接方式も行われている。
【0006】例えば、上記のようなロストワックス法の鋳型用材料3、すなわち埋没材(=ワックス除去工程後、鋳型となる)として石膏系を使用する場合、石膏自体は操作性が良好で取り扱いが容易であるが、その反面、鋳造温度が高いものについては石膏の熱分解により鋳造体が脆化あるいは汚染されるという問題があり、例えば石膏は、その種類により異なるが、温度800℃もしくは850℃程度から分解が起こり、特に減水剤等の存在によりその石膏系複合体に還元が生じることにより石膏の分解が促進されることが知られている。
【0007】このため、例えばロストワックス法に適用し得る埋没材としては、金合金、銀合金など比較的溶融点の低い合金(すなわち低溶合金)の場合には、石膏系の埋没材が使用され、陶材焼付用の貴金属系合金、陶材焼付用のセミプレシャス系合金、或いはNiーCr系合金(例えばNi:75wt%、Cr:15wt%、Mo:5wt%、その他:Al等)など比較的溶融点の高い合金(すなわち高溶合金)の場合には、リン酸塩系の埋没材が使用されている。しかし、高温融点合金用の上記リン酸塩系の埋没材は使用時に粘性の高いコロイドシリカ溶液を用いる必要があるため、その操作性に難があり、また凝結膨張が不均一であるためワックスパターンが変形することや鋳型強度が大き過ぎて掘り出し時に目的とする鋳造体を破損するなどの欠点を有している。
【0008】一方、石膏系の埋没材の場合には、その操作性については良好であるが、耐熱性に劣り、高溶合金の溶湯が石膏と接触すると上述のように石膏が熱分解してガスを発生し、これが焼き付けや鋳巣の原因となり、また目的とする鋳造体が脆化し、或いは汚染されることになるなど、どうしても越えられないマイナス面の物性を持つという課題があった。
【0009】本発明者等は、石膏系の埋没材における上記課題を克服し、改良した埋没材として、金属鋳造時に生じる石膏の分解を抑制する化合物としてコバルト化合物、チタン化合物、タングステン化合物、ニッケル化合物、クロム化合物、マンガン化合物、亜鉛化合物、セレン化合物又はスズ化合物を添加してなる石膏系埋没材を先に開発し出願しているが(特願平8ー29123号)、本発明においては、さらに石膏の分解抑止上有効な分解抑制剤として各種化合物について検討、追求したところ、特定の含水化合物がその分解抑制剤としてきわめて有効であることを見い出し、本発明に到達するに至ったものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、本発明は、従来の技術における前記のような諸欠点をなくし、石膏の分解抑制剤として特定の含水化合物、すなわち含水無晶形二酸化ケイ素又は硫酸マグネシウム7水和物からなる含水化合物を添加することにより、石膏の分解温度を上げ、従来の熱分解抑制剤に比べてその熱分解性を大幅に改善してなる石膏組成物及び金属鋳造用石膏埋没材を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、半水石膏に対して、石膏の分解抑制剤として含水無晶形二酸化ケイ素又はMgSO4・7H2O(硫酸マグネシウム7水和物)を添加してなることを特徴とする石膏組成物を提供する。また、本発明は、半水石膏に含水無晶形二酸化ケイ素又はMgSO4・7H2Oを石膏の分解抑制剤として添加してなる石膏組成物と金属酸化物よりなる耐熱材を含んでなることを特徴とする金属鋳造用石膏埋没材を提供する。
【0012】さらに、本発明は、半水石膏に含水無晶形二酸化ケイ素又はMgSO4・7H2Oを石膏の分解抑制剤として添加してなる石膏組成物と金属酸化物よりなる耐熱材を含んでなる金属鋳造用石膏埋没材において、該金属鋳造用石膏埋没材100重量部に対して、石膏ウィスカー0.5〜30重量部を外添加し、且つZrCの粉末0.5〜10重量部を外添加してなることを特徴とする金属鋳造用石膏埋没材を提供するものである。なお、本明細書中「外添加」とは金属鋳造用石膏埋没材100重量部に加えて、すなわちオンしてという意味であり、例えば外添加5重量部の場合、全体としては100+5=105重量部となる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の石膏組成物は、上記特定の分解抑制剤を使用することにより、例えば温度850〜900℃、或いは1000℃以上というような高温においても優れた耐熱特性が得られる。このため例えば1350℃〜1400℃での高温鋳造に際して焼き付けや鋳巣が生じず、目的とする鋳造体について鋳造不良のない(脆化や汚染されることのない)埋没材が可能となり、例えば歯科用のプレシャス(貴金属)系、セミプレシャス系、或いはNiーCr系などの高融点金属用の石膏埋没材への使用はもちろん、低融点金属ないし中融点金属用としても適用でき、また石膏ボード等、耐熱性が要求される石膏系複合体の主成分又はその添加成分としても使用することができる。
【0014】本発明に係る石膏組成物は、半水石膏に対して、石膏の分解抑制剤として含水無晶形二酸化ケイ素又はMgSO4・7H2Oを添加してなるが、このうち含水無晶形二酸化ケイ素としては無定形二酸化ケイ素、ガラス状二酸化ケイ素又はコロイド状二酸化ケイ素(例えばシリカゲル)の何れも使用できるが、水分を含有していることが不可欠であり、この点、本発明において該石膏組成物を金属鋳造用石膏埋没材や耐熱性石膏系複合体として適用する場合についても同じである。
【0015】また本発明では、上記石膏組成物に対して金属酸化物からなる耐熱材を添加することにより歯科用金属補綴物を製造する場合などに適用される高融点金属用の石膏埋没材を構成するが、この耐熱材、すなわち金属酸化物としてはアルミナ、電融アルミナ、石英、クリストバライト、マグネシア、ジルコニア、合成珪酸アルミニウム、MgOーAl23スピネル及びこれらの混合物を挙げることができる。このうちMgOーAl23スピネルについては、本発明者等が本発明と相前後してその有効性を見い出し、開発したものである。
【0016】NiーCr系合金やプレシャス系合金(Au:70〜80wt%、他にPd、Pt、Ag等を含む)、或いはセミプレシャス系合金(Au:50wt%以下、他にPd、Pt、Ag等を含む)などの高融点金属の鋳造においては、その鋳型材(埋没材)には凝固膨張と加熱膨張とを合わせた総合膨張が少なくとも2〜3%程度必要であるが、従来の石膏系鋳型材では1.2〜1.9%程度が限界であった。図2は石膏に対して石膏ウィスカーを添加した場合における、石膏ウィスカー添加量と石膏の膨張率との関係を実測してグラフ化した図である。図2のとおり、石膏に対して石膏ウィスカー無添加の場合には−3.2もの膨張があったものが、石膏100重量に対する石膏ウィスカー0.5重量部の添加で0%、10重量部の添加で1.4%の膨張となり、30重量部を超えると再びマスナスの膨張となることを示している。
【0017】本発明者等は石膏を加熱すると例えば温度800℃で3.0〜3.5%もの加熱収縮があることを確認し、上記事実を基にして石膏ウィスカーを添加し、さらに特定金属の炭化物、窒化物、硼化物、珪化物から選択される1種又は2種以上の粉末を添加することにより、そのような加熱収縮の抑制、制御を有効に行う技術を先に開発しているが(特願平5ー310476号)、本発明においても、上記「半水石膏に含水無晶形二酸化ケイ素又はMgSO4・7H2Oを石膏の分解抑制剤として添加してなる石膏組成物と金属酸化物よりなる耐熱材を含んでなる金属鋳造用石膏埋没材」に対して、石膏ウイスカー及びZrCの粉末を加えることにより高温域における加熱収縮を抑制し、適正範囲に制御することができる。
【0018】それら添加成分の量的割合としては、上記金属鋳造用石膏埋没材100重量部に対して、外添加で、石膏ウィスカーについては好ましくは0.5〜20重量部の範囲であり、ZrCの粉末については好ましくは0.5〜10重量部の範囲である。図2によれば総合膨張を2〜3%程度とするには石膏ウィスカーを約0.5〜30重量部の範囲で加え得るが、本発明においてはZrCの粉末をも加える関係から、0.5〜20重量部程度の範囲であればその添加目的を達成することができる。この場合における石膏ウイスカーとしては好ましくは直径=約2〜5μm、平均長さ=50〜100μm、アスペクト比(=繊維長さ/直径)=約20〜50で無水塩型のものが使用される。
【0019】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明をさらに詳しく説明するが、本発明がこれら実施例により制限されないことはもちろんである。試験1(実施例1〜7、比較例1〜14)では、石膏に対して各種成分を添加した場合における石膏の高温分解に対する抑制効果を試験し、また試験2(実施例8〜11、比較例15〜18)では、石膏組成物に対して、耐熱材の一例としてMgOーAl23スピネルを添加し、膨張剤及び収縮抑制剤の一方又は両方を加えた石膏埋没材を用いて鋳造金属を作製した各種試料についての試験結果を記載している。
【0020】《試験1》本試験1では、まずα石膏に対してCaSO4・2H2O、SiO2・nH2O、CoO、TiO2、WO3、NiO、Cr23、ZnO又はMgSO4・7H2Oを添加し、表1〜表2に示すとおりの量的割合の石膏組成物を調合した。次いで、これらの調合物の各試料のそれぞれについて、温度700℃及びそれ以上の温度800℃、850℃、900℃、1000℃の各温度に加熱して1時間保持した後、冷却した。これら各試料について熱分解の有無及び程度を調べた。表1〜表2はこれらの試験の結果を示すものである。なお表1〜表2中、比較例1はα石膏単独の場合の結果であり、またSiO2 ・nH2O 成分としてはコロイドシリカ(ホワイトカーボン)を用いたが、比較例8ではpH値10.6〔強熱減量(H2O):5.0%〕のものを使用し、実施例1及び実施例2においては、それぞれpH値7.0〔強熱減量(H2O):6.2%〕及び5.8〔強熱減量(H2O):4.4%〕のものを使用している。
【0021】表1〜表2中、○印はフェノールフタレイン反応により赤色発色全くなし、△印はフェノールフタレイン反応により僅かな赤色発色有り、×印はフェノールフタレイン反応により強い赤色発色有りの場合を示している。石膏が分解する場合には、下記式に示されるように酸化カルシウム:CaOを生成し、冷却後も残存するので、本試験においてはこのCaOを水和してフェノールフタレイン溶液でとらえて測定したものである。
【化 1】4CaSO4 + 4C → 4CaO + 4CO↑ + 4SO2【0022】表1〜表2から明らかなとおり、α石膏単独の場合(比較例1)では、既に温度850℃で赤色発色が観察され、その温度を超えると急速に分解されることを示している。そしてこの点は、比較例11(α石膏100重量部+WO3 5部)や比較例12(α石膏100重量部+NiO5重量部)の場合にも僅かの改善はあるがほぼ同様である。また、α石膏100重量部に対してZnO5重量部を添加した場合では、700℃で赤色発色が観察され、返って熱分解温度を低下させてしまうことを示している(比較例14)。さらにα石膏100重量部に対してCaSO4・2H2Oを添加したものでは(比較例2〜7)、温度850℃において僅かではあるが赤色発色が観察され、900℃程度まではほぼ同様であるが、1000℃では強い赤色発色が認められ、α石膏100重量部に対してCr23を5重量部添加したものでもほぼ同様の傾向を示している(比較例13)。
【0023】これに対して、α石膏に対してSiO2・nH2O又はMgSO4・7H2Oを添加した場合には、分解温度が高温側に大幅にシフトしていることが分かる。例えば実施例1(α石膏100重量部+SiO2・nH2O5重量部、pH=7、強熱減量=6.2%)や実施例2(α石膏 100重量部+SiO2・nH2O 5重量部、pH=5.8、強熱減量=4.4%)の場合には、温度900℃でも赤色発色は全くなく、また実施例4〜7のようにα石膏に対してMgSO4・7H2Oを添加した場合には、温度1000℃でも僅かな分解が認められるだけである。このように本発明による高温における石膏分解の抑制効果は明らかである。
【0024】また実施例1〜2を比較例8と対比すると、同じSiO2・nH2Oでも、pH値の如何により格段の差異があることが分かる。pH値10.6のSiO2nH2Oを用いた場合である比較例8では、α石膏単独の場合である比較例1よりさらに劣り、返って石膏の熱分解が促進されていることを示している。この点からして、SiO2・nH2Oを用いる場合には、pH=7前後以下である必要があり、この点に関してさらに補足実験をしたところ、少なくともpH値8以下でないと所期の石膏分解抑制効果が得られないことが分かった。
【0025】《試験2》本試験2では、まず−20μmのスピネル(MgOーAl23スピネル)、α石膏及びSiO2・nH2O(pH=7、強熱減量=6.2%)を含む組成物に対して、石膏ウイスカー又はZrCを含む各種組成物、或いは石膏ウイスカー及びZrCの両者を含む各種組成物を調合したが、ZrCは粉末として添加した。これらの各調合物を用いて図1中(b)〜(e)に示すような工程で高融点金属を鋳造した場合について、鋳造性、寸法公差及び表面形状を試験した。表3はこれら試験の結果である。表3中、「鋳造性」及び「表面形状」については、良好である場合を○印とし、また「鋳造性」の欄中におけるNiーCrとは鋳造金属としてNiーCr系の合金を用いた場合、PRとは鋳造金属としてPdーAg系のセミプレシャス合金(Pd:60wt%、Ag:28wt%、In、Sn:12wt%、Ga:微量)を用いた場合を示している。
【0026】表3中における「寸法公差」とは「鋳造された金属物の寸法−ワックス品の寸法」(符号−はマイナス、すなわち差し引くの意味)で示されるが、この値は以下のとおりの測定方法により計測した。(1)精密な寸法の金型を作製する(長さ:7mm)。(2)該金型からワックス型を取る。(3)該ワックス型を用いて、図1(b)〜(e)に示すようなロストワックス法により金属を鋳造する。(4)該鋳造金属物を一個の精密な寸法の金型中へ入れる。(5)光学顕微鏡により該鋳造金属物と金型との間隙を測定する。(6)、(5)における測定基準は以下のとおりとする。プラス側=鋳造金属物がワックス寸法より小さくなっている場合。マイナス側=鋳造金属物がワックス寸法より大きくなっている場合(寸法公差が大きくなる)。この手法により−150〜−400±50μmの範囲の値を合格値の目安とし、表3中、この範囲内の値であった場合には○印、この範囲からはみ出た値の場合には×印として示している。
【0027】表3から明らかなとおり、「鋳造性」及び「表面形状」については何れの実験例でも良好あるが、「寸法公差」については明白な差異が認められる。表3中比較例15は膨張剤としてZrCを添加していない例であるが、この場合には寸法公差が小さく(+で示される、表3中■参照)、一方、膨張剤としてのZrCの添加が多い場合には寸法公差が大きくなっていた(−で示される、表3中比較例16、ZrC量=12重量部、■参照)。また表3中比較例17は収縮抑制剤としての石膏ウイスカーを添加していない例であるが、この場合には寸法公差が小さく(表3中■参照)、一方、収縮抑制剤としての石膏ウイスカーの添加量が多い場合には寸法公差が小さくなっていた(表3中比較例18、石膏ウイスカー量=30重量部、■参照)。
【0028】これに対して、表3中実施例8〜11のとおり、石膏ウイスカー及びZrCの両成分を適正量加えた場合には、鋳造性及び表面形状が良好であることに加え、寸法公差についても許容範囲内であった。また、各実施例で得られた鋳造成形物を目視により観察したところ、何れにも焼き付けや汚染は認められなかった。このように本発明によれば、本発明に係る石膏の分解抑制剤に加え、所定の膨張剤及び収縮抑制剤を加えた埋没材を用いることにより、優れた鋳造成形物が得られる。
【0029】
【表 1】

【0030】
【表 2】

【0031】
【表 3】

【0032】
【発明の効果】以上のとおり、本発明の石膏組成物は、石膏に対して分解抑制の効果のある分解抑制剤として含水無晶形二酸化ケイ素又は硫酸マグネシウム7水和物から選ばれた含水化合物を添加することにより、石膏の分解温度を従来の熱分解抑制剤と比べて大幅に改善することができ、例えば温度850〜900℃、或いは1000℃以上というような高温においても優れた耐熱特性が得られる。このため、例えば歯科用のプレシャス(貴金属)系、セミプレシャス系、或いはNiーCr系などの高融点金属用の石膏埋没材への適用はもちろん、低融点金属ないし中融点金属用としても適用でき、また石膏ボード等、耐熱性が要求される石膏系複合体の主成分又はその添加成分としても使用することができる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013