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発明の名称 光触媒機能を有する積層シート材及びその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−337801
公開日 平成10年(1998)12月22日
出願番号 特願平9−147536
出願日 平成9年(1997)6月5日
代理人
発明者 当麻 克行 / 鷲見 高弘 / 奥村 新司 / 佐原 哲也
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 光触媒機能を有するシートの片面又は両面に光、気体及び液体が透過する補強用シートを設けたことを特徴とする光触媒機能を有する積層シート材。
【請求項2】 補強用シートが織物、編物、不織布又はネットであることを特徴とする請求項1記載の光触媒機能を有する積層シート材。
【請求項3】 織物がガラスクロスであることを特徴とする請求項2記載の光触媒機能を有する積層シート材。
【請求項4】 光触媒機能を有するシートが(A)半導体光触媒粉末と(B)(b1)熱可塑性フッ素樹脂の繊維、(b2)熱可塑性フッ素樹脂の繊維及び熱可塑性フッ素樹脂の粉末、(b3)熱可塑性フッ素樹脂の繊維及び強化用繊維、(b4)熱可塑性フッ素樹脂の粉末及び強化用繊維又は、(b5)熱可塑性フッ素樹脂の繊維、熱可塑性フッ素樹脂の粉末及び強化用繊維とからなる気孔率が20〜90体積%のシートであることを特徴とする請求項1記載の光触媒機能を有する積層シート材。
【請求項5】(A)半導体光触媒粉末と(B)(b1)熱可塑性フッ素樹脂の繊維、(b2)熱可塑性フッ素樹脂の繊維及び熱可塑性フッ素樹脂の粉末、(b3)熱可塑性フッ素樹脂の繊維及び強化用繊維、(b4)熱可塑性フッ素樹脂の粉末及び強化用繊維又は、(b5)熱可塑性フッ素樹脂の繊維、熱可塑性フッ素樹脂の粉末及び強化用繊維とを均一に分散複合化してシート化し、次いで、このシートの片面又は両面に補強用シートを積層し、前記熱可塑性フッ素樹脂の繊維又は熱可塑性フッ素樹脂の粉末の熱変形温度以上、熱分解温度未満の温度で面圧0.1kgf/cm2 以上の圧力下に加熱加圧し、しかる後に前記範囲の圧力を保持した状態で冷却することを特徴とする請求項4記載の光触媒機能を有する積層シート材の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光触媒機能を有する積層シート材及びその製造方法に関する。さらに詳しくは水中や大気中の汚染物質を光触媒反応で分解除去するのに好適な光触媒機能を有する積層シート材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、二酸化チタンに代表される半導体光触媒を利用した水中の汚染物質(揮発性有機塩素化合物等)や大気中の低濃度汚染物質(窒素酸化物等)の分解除去方法及び浄化材に関する試みが注目されている。一般に、半導体光触媒は比表面積が大きい方が効率が高いため、これらに使用される半導体光触媒は平均粒径1μm以下の微粒子が用いられている。しかし、半導体光触媒を微粒子の状態で使用するには触媒の設置、使用、分離、回収、再生、交換が困難であったり、取扱い難いため、微粒子を何らかの担体に担持固定化して使用するのが好ましい。
【0003】半導体光触媒微粒子を無機材料の担体に担持固定化したものとしては、例えば、特開平5−253544号公報には、タイル表面にバインダー層を塗布し、次いでバインダー層表面に二酸化チタンゾルを吹き付け、この後バインダー層を加熱溶融させた後、冷却固化させる方法が開示されているが、この方法は製作工程が煩雑であり、またタイルを担体とするので、その性質上、用途に制限があった。また、半導体光触媒微粒子を有機材料固体に担持固定化する方法として、特開平5−96181号公報には、球状又は棒状のポリアミド等の合成樹脂と半導体光触媒粉末とをボールミルにより混合し、その衝撃力により固定化する方法が開示されているが、この方法は担体材料であるポリアミド等の合成樹脂が半導体光触媒による酸化分解を受け、使用時間の経過とともに材料の強度が大きく低下したり、担持された半導体光触媒粉末が脱落し易いという問題があった。さらに、半導体光触媒による酸化分解に対する耐性を有する合成樹脂材料としてはフッ素樹脂を用いるものとして、特開平6−315614号公報には、半導体光触媒、粉末活性炭とフッ素樹脂微粒子とを混合・圧延することによりシート状又はパネル状に成形する方法が開示されているが、この方法によって得られるたシートは粉末のみから構成されているため、機械的強度が低く、成形加工性においても十分とはいえなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる状況に鑑み、本発明の課題は、高い光触媒機能を維持しつつ、優れた機械的強度を有するとともに光触媒の脱落が少なくて耐久性に富み、しかも、成形加工性に優れた光触媒機能を有する積層シート材及びその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究の結果、光触媒機能を有するシートの表面に、光、気体及び液体が透過可能な補強用シートを設けた積層シートとすることによって上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。すなわち、第一発明は、光触媒機能を有するシートの片面又は両面に光、気体及び液体が透過する補強用シートを設けたことを特徴とする光触媒機能を有する積層シート材を要旨とするものである。第二発明は、上記の光触媒機能を有するシートが(A)半導体光触媒粉末と(B)(b1)熱可塑性フッ素樹脂の繊維、(b2)熱可塑性フッ素樹脂の繊維及び熱可塑性フッ素樹脂の粉末、(b3)熱可塑性フッ素樹脂の繊維及び強化用繊維、(b4)熱可塑性フッ素樹脂の粉末及び強化用繊維又は、(b5)熱可塑性フッ素樹脂の繊維、熱可塑性フッ素樹脂の粉末及び強化用繊維とからなる気孔率が20〜90体積%のシートであることを特徴とする光触媒機能を有する積層シート材を要旨とするものである。第三発明は、(A)半導体光触媒粉末と(B)(b1)熱可塑性フッ素樹脂の繊維、(b2)熱可塑性フッ素樹脂の繊維及び熱可塑性フッ素樹脂の粉末、(b3)熱可塑性フッ素樹脂の繊維及び強化用繊維、(b4)熱可塑性フッ素樹脂の粉末及び強化用繊維又は、(b5)熱可塑性フッ素樹脂の繊維、熱可塑性フッ素樹脂の粉末及び強化用繊維とを均一に分散複合化してシート化し、次いで、このシートの片面又は両面に補強用シートを積層し、前記熱可塑性フッ素樹脂の繊維又は熱可塑性フッ素樹脂の粉末の熱変形温度以上、熱分解温度未満の温度で面圧0.1kgf/cm2 以上の圧力下に加熱加圧し、しかる後に前記範囲の圧力を保持した状態で冷却することを特徴とする光触媒機能を有する積層シート材の製造方法を要旨とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。まず、本発明の光触媒機能を有する積層シート材は光触媒機能を有するシートの片面又は両面に、光、気体及び液体が透過する補強用シートを設けたものである。この光、気体及び液体が透過する補強用シートとしては織物、編物、不織布又はネット等が挙げられる。本発明において、光、気体及び液体が透過する補強用シートを設けるのは、光触媒機能を有するシートの強度を補強し、光触媒反応に必要な光及び被処理物質である水中や大気中の汚染物質を補強用シートを透過させるためである。したがって、補強用シートの材料としては、十分な強度を有するとともに光触媒による酸化分解に対する耐性を有する材料が用いられる。かかる材料としては、具体的にはガラス繊維、炭素繊維、金属等の無機材料、又は熱可塑性フッ素樹脂等が用いられ、特に、ガラス繊維からなる織物すなわちガラスクロスが好ましい。また、織物、編物、不織布又はネット等の目開きは20%以上が好ましく、特に50%以上であることが好ましい。目開きが20%未満の場合には光触媒反応に必要な光の量が不足したり、被処理物質の透過が妨げられて光触媒反応が有効に行われないことがある。なお、ここで目開きとは、織物を例にとると、以下の方法で決定される。すなわち、織物の面積をScm2 、織物の糸と糸の間の空隙の面積をTcm2 とすると、次の式から算出されるものである。
(T/S)×100(%)
【0007】本発明の光触媒機能を有するシートとしては、半導体光触媒をシート基材の表面や内部担持させて得られるシート又は半導体光触媒物質を他の材料と混合してシート状に成形して得られる複合シート等が挙げられる。特に、可撓性に富み、耐久性を備えている点からして、半導体光触媒粉末と、熱可塑性フッ素樹脂の繊維又は熱可塑性フッ素樹脂の粉末とを含み、半導体光触媒粉末が熱可塑性フッ素樹脂のバインダー作用によって捕捉されてなるシートが好ましく用いられる。その様なシートは気孔率が20〜90体積%であることが好ましく、特に50〜80体積%であることが好ましい。気孔率が20体積%より小さい場合には、光触媒反応による処理容量が小さくなることがあり、一方、気孔率が90体積%より大きい場合には、シートの強度が低下し、取り扱いや使用上に問題が生じることがある。ここで気孔率とは、以下の方法で決定するものとする。すなわち、シートの気孔を有しない場合の理論密度をAg/cm3 とし、本発明の光触媒機能を有するシートの見かけ密度をBg/cm3 とすると、気孔率は次の式から算出されるものである。
〔(A−B)/A〕×100(%)
【0008】前記の半導体光触媒粉末としては、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、硫化カドミウム、酸化亜鉛、テルル化カドミウム、セレン化カドミウム、珪素、酸化タングステン、酸化鉄、硫化モリブデン等が挙げられ、これらを目的に応じて単独または混合して用いることができる。半導体光触媒粉末の形状としては、その平均粒子径が150μm以下のものが好ましい。平均粒子径が150μmを超えると、シート中に均一に分散させることが困難になる傾向があり、また、シートの取り扱い及び使用時にシートから脱落しやすい傾向がある。
【0009】また、前記の熱可塑性フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニルフルオライド、クロロトリフルオロエチレン・エチレン共重合体等が挙げられる。特にテトラフルオロエチレン成分を95モル%以上含有するものが、耐久性の面から好ましく用いられる。
【0010】本発明において、熱可塑性フッ素樹脂の繊維又は熱可塑性フッ素樹脂の粉末を光触媒機能を有するシートに用いる際に、これらは、上記の(b1)、(b2)、(b3)、(b4)又は(b5)の組み合わせで用いられる。更に、光触媒機能を有するシートの機能をさらに高める目的で、粉末活性炭、活性炭素繊維、ゼオライト等をシートの性能を損なわない範囲で添加することもできる。
【0011】本発明の光触媒機能を有する積層シート材は例えば次のような方法で製造することができる。まず、半導体光触媒粉末と、熱可塑性フッ素樹脂の繊維、熱可塑性フッ素樹脂の粉末又は強化用無機繊維を上記の組み合わせとしたものとを、所定の割合で水等の水性媒体中において分散、混合したのち、シートを形成する。熱可塑性フッ素樹脂の繊維としては、延伸繊維又は未延伸繊維のいずれでもよいが、後述する熱プレス工程において樹脂の熱変形温度以上に加熱した際のシートの寸法変化がより少ないと言う点で、未延伸繊維がより好ましい。熱可塑性フッ素樹脂の繊維の繊維長は、1〜50mmのものが用いられ、特に3〜25mmが好ましい。繊維長が50mmよりも長い場合には半導体光触媒粉末と繊維とが均一に分散されにくい傾向があり、一方、1mmより短い場合にはシートに充分な強度が得られにくい傾向がある。また、その繊維径は100μm以下が好ましく、さらに好ましくは30μm以下である。繊維径が100μmより太い場合には、均一なシートが得られにくい傾向があり、また半導体光触媒粉末を多量に捕捉することが困難になる傾向がある。
【0012】また、熱可塑性フッ素樹脂の粉末は、平均粒子径が500μm以下のものが好ましい。平均粒子径が500μmを超える場合には、均一なシートが得られにくい傾向があり、また半導体光触媒粉末を多量に捕捉することが困難になる傾向がある。
【0013】さらに、強化用繊維としては、ピッチ系又はポリアクリロニトリル系のカーボン繊維、活性炭素繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維等が単独又は混合して用いられる。その平均繊維長は、1〜50mmのものが好ましく、特に3〜25mmが好ましい。平均繊維長が1mmより短い場合には、強化用繊維としての作用を発揮しにくい傾向にあり、一方、50mmを超える場合には、シート中に均一に分散され難い傾向にある。また、平均繊維径としては、2〜100μmが好ましく、特に5〜50μmが好ましい。平均繊維径が2μmより小さい場合には、強化用繊維としての作用を発揮しにくい傾向にあり、一方、100μmを超える場合には、シート中に均一に分散され難い傾向にある。
【0014】熱可塑性フッ素樹脂の繊維を半導体光触媒粉末のバインダーとして用いる場合、半導体光触媒粉末100重量部に対して、熱可塑性フッ素樹脂の繊維は25〜1900重量部であり、これに加えて、強化用繊維を使用する場合は、上記半導体光触媒粉末に対して2〜1500重量部である。また、熱可塑性フッ素樹脂の粉末を半導体光触媒粉末のバインダーとして用いる場合、好ましくは、半導体光触媒粉末100重量部に対して、熱可塑性フッ素樹脂の粉末は400〜1700重量部、強化用無機繊維は200〜1500重量部であり、これに加えて、熱可塑性フッ素樹脂の繊維を使用する場合は、上記半導体光触媒粉末に対して300〜1600重量部である。上記範囲の組成において、十分なシート強度及び光触媒機能を有するシートが得られ、また、気孔率を20〜90体積%に確保することができる。
【0015】半導体光触媒粉末と熱可塑性フッ素樹脂の繊維、熱可塑性フッ素樹脂の粉末又は強化用無機繊維とを水性媒体中で分散混合する際には、例えば、結合剤を用いることが好ましく、結合剤を複合シートの1〜10重量%、特に3〜5重量%添加させることが好ましい。そのような結合剤としては、例えば、結合したスルホニウム基、イソチオウロニウム基、ピリジニウム基、第四アンモニウム基、サルフェート基、スルホネート基又はカルボキシレート基を含有するアクリルポリマー又はスチレン・ブタジエンポリマーのような結合した陰イオンもしくは陽イオン電荷を有する実質的に水に不溶な有機ポリマーからなるポリマーラテックスが挙げられる。
【0016】この他、半導体光触媒粉末と熱可塑性フッ素樹脂の繊維、熱可塑性フッ素樹脂の粉末、強化用無機繊維とを水性媒体中に分散させて複合化する方法においては、澱粉、特に天然澱粉又はコーンスターチのような線状澱粉及び陽イオン澱粉を含む酵素的又は化学的に変性した澱粉を含めた澱粉を結合剤として使用することができる。さらに、この結合剤を使用する好ましい方法としては有機凝集剤を併用する。適当な有機凝集剤としては、アルミニウム・ポリクロリド(アルミニウム・ヒドロオキシクロリド)、一部加水分解したポロアクリルアミド、変性陽イオンポリアクリルアミド、ジアリルジエチルアンモニウムクロリドなどの種々の有機凝集剤が挙げられる。この凝集剤の添加量は、光触媒機能を有するシートの約3重量%未満、好ましくは1重量%未満である。また、分散性を向上させるために、例えばキサンタンガム等のスラリー粘度調整剤を用いることもできる。このような増粘剤の添加量は光触媒機能を有するシートの2重量%未満であることが好ましい。
【0017】このようにして、水性媒体中で半導体光触媒粉末と熱可塑性フッ素樹脂の繊維、熱可塑性フッ素樹脂の粉末又は強化用無機繊維とを複合化した後、望ましくは抄紙機等を用いて抄紙の要領で、水性媒体中の固形分をシート状となすように固液分離する。これにより、半導体光触媒粉末と熱可塑性フッ素樹脂の繊維、熱可塑性フッ素樹脂の粉末又は強化用無機繊維とが十分に分散混合されて、半導体光触媒が均一に分散したシートが得られる。得られた湿ったシートを乾燥して、光触媒機能を有するシートとなし、このシートの片面又は両面に光、気体及び液体が透過する補強用シートを配し、熱可塑性フッ素樹脂の繊維又は熱可塑性フッ素樹脂の粉末の熱変形温度以上、好ましくは熱変形温度より10℃高い温度から該熱可塑性フッ素樹脂の融点又は軟化点より20℃高い範囲の温度で、面圧0.1kg/cm2 以上、好ましくは1〜1000kg/cm2 のプレス圧力下に加熱し、次いで前記範囲のプレス圧力を保持した状態で冷却して本発明の光触媒機能を有する積層シート材を得る。この加熱プレス工程において熱可塑性フッ素樹脂の融点近傍の温度に加熱されることにより半導体光触媒粉末が該熱可塑性樹脂によって接着され、光触媒機能を有するシート中に強固に捕捉された状態となる。なお、光触媒機能を有するシートの気孔率を20〜90体積%の範囲内とするためには、上記のプレス圧力で調整するか、所定のシート厚みとなるような金型もしくはスぺーサーを使用することもできる。
【0018】また、光触媒機能を有するシートに補強用シートを積層して一体化する方法は、上記方法に限定されるものではなく、例えば接着剤による接着法、テープ等による接着法、圧着法等が挙げられ、光、気体及び液体の透過が確保される条件で、目的に応じて選択される。また、本発明の光触媒機能を有する積層シート材においては、片面にのみ上記の補強用シートを積層する場合には、機械的強度を更に向上させる等の目的で光触媒反応が行われない他方の面に補強のための他のシートを配してもよく、この場合に他のシートには光、気体及び液体を透過させる性質を有しないものが用いられる。本発明の光触媒機能を有する積層シート材においては、光触媒機能を有するシートの片面又は両面に、光、気体及び液体が透過する補強用シートを設けることにより、光触媒機能を維持しつつ機械的強度が向上し、使用時や使用途中での洗浄時における光触媒機能を有するシートの破損やそれに伴う光触媒の脱落を防止することができる。さらに、本発明において、可撓性に富むシート材料を選ぶと、切断や加工がより容易になり、また他の材料の表面に貼る等して使用に供することもできる。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
実施例1水12.25リットル中に、攪拌しながらスラリー粘度調整剤としてキサンタンガム0.47gを加えた後、主成分がテトラフルオロエチレンからなる平均繊維長が5mm、平均繊維径が12μmの熱可塑性フッ素樹脂の繊維[東レファインケミカル(株)、商品名トヨフロン]17.42g、強化用無機繊維として平均繊維長5mmのピッチ系炭素繊維[ドナック(株)、商品名ドナカーボS−231]8.71gをこの水に加え、5分間攪拌してよく分散させた。次いで、この分散物に平均粒子径0.02μmの二酸化チタン粉末[石原産業(株)、商品名ST−21]17.42gと、固体アクリルポリマーラテックス2gを加えた後、0.41重量%の陽イオン凝集剤[Betz Laboratories 社製、商品名Betz1260]26.56gを徐々に加えることによって凝集させてスラリーを得た。このスラリーを水12.25リットルを含有するシートマシン[熊谷理機工業(株)製]に加え、0.18mmのスクリーン上で脱水して湿ったシートを得、135℃で乾燥し、目付424g/m2 の光触媒機能を有するシートを得た。この時、二酸化チタン粉末100重量部に対し、熱可塑性フッ素樹脂の繊維は100重量部、炭素繊維は50重量部であった。
【0020】この光触媒機能を有するシートの両面に目付50g/m2 、目開き50%の平織のガラスクロスを配し、面圧100kgf/cm2 、温度320℃にて3分間加熱プレスし、この圧力を保持しつつ室温まで冷却し、厚みが0.74mmの光触媒機能を有する積層シート材を得た。この光触媒機能を有する積層シート材中の光触媒機能を有するシートの厚みは0.67mmであり、気孔率は70%と計算された。
【0021】得られた光触媒機能を有する積層シート材(10cm角)1枚をテドラーバッグ中に入れて密閉し、450ppmのアンモニアガス3リットルを注入した。次いで、上方から光化学用蛍光灯(10W×3本)で近紫外光を2時間照射した。照射後、テドラーバッグ中のアンモニアの残留濃度をガス検知管にて測定したところ、0.1ppm以下であった。また、この光触媒機能を有する積層シート材は手では容易に引き裂くことはできず、十分な引き裂き強度を有するものであった。また、鋏やカッターで容易に切断でき、加工が容易であり、また可撓性も十分に備えているものであった。
【0022】比較例1実施例1で得られた光触媒機能を有するシートのみを面圧100kgf/cm2 、温度320℃にて3分間加熱プレスし、この圧力を保持しつつ室温まで冷却し、光触媒機能を有するシート材を得た。この光触媒機能を有するシート材の厚みは0.67mmであり、気孔率は70%であった。得られた光触媒機能を有するシート材に実施例1と同様にして近紫外光を照射してアンモニアの残留濃度を測定したところ、0.1ppm以下であった。しかし、この光触媒機能を有するシート材は比較的容易に手で引き裂くことができた。
【0023】以上の結果から明らかなように、本発明の実施例1の光触媒機能を有する積層シート材は、補強用シートが積層されていない比較例1の光触媒機能を有するシート材と同等の光触媒機能を有し、補強用シートが積層されていない比較例1の光触媒機能を有するシート材と比べて優れた引き裂き強度を有するものであった。
【0024】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明の光触媒機能を有する積層シート材は、特定の補強用シートを設けたので、高い光触媒機能を維持しつつ、優れた機械的強度を有するとともに光触媒の脱落が少なくて耐久性に富み、しかも、成形加工性にも優れている。また、本発明の製造法によると、上記光触媒機能を有する積層シート材を容易に製造することができる。




 

 


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