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発明の名称 繊維ろ材の洗浄方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−305204
公開日 平成10年(1998)11月17日
出願番号 特願平9−116698
出願日 平成9年(1997)5月7日
代理人
発明者 中村 剛 / 佐藤 健博 / 藤井 正博
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 繊維ろ材を充填したろ過塔に懸濁物質含有水を供給して懸濁物質を繊維ろ材に捕捉させ、懸濁物質が捕捉された繊維ろ材を洗浄水で洗浄するに際し、ろ過塔内部を曝気するとともに洗浄水をろ過塔下部より供給し、ろ過塔内部に設置したろ材流出防止板により繊維ろ材の流出を防止しつつ、懸濁物質を含有した洗浄排水をろ過塔上部より排出させることを特徴とする繊維ろ材の洗浄方法。
【請求項2】 繊維ろ材が、単糸繊度が50デニール以下の未延伸フィラメントを50〜1000本集合させてなる糸条を素材とし、無撚りのままバルキー加工した糸条を100〜500本集合させて集束し、この集束部から適当長さを残して切断してなる繊維ろ材である請求項1記載の繊維ろ材の洗浄方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水中の懸濁物質を分離除去するために用いられる繊維ろ材の洗浄方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水中の懸濁物質を分離除去する水処理技術として、ろ過操作は従来から広く用いられている。例えば、上水処理の分野では、微細な懸濁物質を含む原水を凝集剤によって処理して懸濁物質を凝集させて分離しやすくしてからろ過分離する急速ろ過と称する方式が採用されており、この急速ろ過では、砂層の上に破砕無煙炭を形成したろ材を用いて、通水速度5〜7m/時でろ過する二層ろ過が一般的である。また、下水処理の分野では、活性汚泥処理水のような比較的懸濁物質の粒径が大きく、しかも懸濁物質の濃度も高い排水をろ過の対象とすることが多く、ろ過の前に凝集処理を行うのは特殊な場合に限られる。このろ材としては、上水処理と同様に、砂と破砕無煙炭が使用されることが多く、通水速度は4〜25m/時の高速で通水する方式が一般に採用され、下水処理ではこの方式を急速ろ過と称している。
【0003】なお、近年、砂、無煙炭に代わるろ材として、発泡ポリスチレン樹脂製の浮上性ろ材、アクリル系長繊維ろ材、ポリエステル系偏平楕円形繊維ろ材、ポリ塩化ビニリデン球形繊維ろ材、下水汚泥焼却灰を造粒・焼成した軽量細粒ろ材が開発されており、25m/時以上のろ過速度が可能となっている。特開平4−027495号公報、特開平6−292808号公報には、ポリエステル系繊維ろ材を利用した超高速ろ過装置が記載されている。これら何れのろ材を使用する場合でも、通水とともにろ材中に懸濁物質が捕捉され、通水抵抗が上昇し、いずれ使用不能となるため、一定間隔でろ材の洗浄が必要となる。洗浄方法としては、通常、洗浄水をろ過塔内部に供給し、曝気などによってろ材層を振動させることによって、ろ材層をゆるめ、懸濁物質をろ材から剥離し、懸濁物質を高濃度に含んだ洗浄排水をろ過塔から排出して沈殿池等に返送する方法がとられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】二層ろ過で使用される砂や破砕無煙炭等からなるろ材を洗浄する場合、ろ材と懸濁物質の比重差が大きいため、洗浄水をろ過塔下部より供給し、ろ過塔内部に洗浄水の上向流を形成し、比重の軽い懸濁物質のみを浮上させ、ろ過塔上部より懸濁物質を高濃度に含んだ洗浄排水を排出する方法が通常行われている。一方、繊維ろ材を洗浄する場合には、繊維素材と懸濁物質の比重差が小さいため、ろ過塔内部に上向流の洗浄水を供給すると繊維ろ材自身も浮上し、繊維ろ材がろ過塔から流出したり、懸濁物質と繊維ろ材の分離が十分に行われない等の問題があり、繊維ろ材の洗浄には、一旦、ろ過塔内に洗浄水を張り、曝気によりろ材層を振動させることによって、ろ材層をゆるめ、懸濁物質を含有した洗浄排水をろ過塔下部より排出する方法が行われていた。
【0005】しかし、この方法では、洗浄排水をろ過塔下部より排出する際に洗浄排水がろ材層中を通過するために、懸濁物質が再びろ材に捕捉され、ろ材の十分な洗浄が行われないという問題があった。本発明は、繊維ろ材中に捕捉された懸濁物質を、少ない洗浄水量、短い洗浄時間で効率良く繊維ろ材から剥離し、ろ過塔外に排出することができ、ひいては、繊維ろ材を用いた超高速ろ過でのろ材洗浄頻度を低減することができる繊維ろ材の洗浄方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意検討の結果、ろ過塔内部を曝気するとともに洗浄水をろ過塔下部より供給し、ろ過塔内部に設置したろ材流出防止板により繊維ろ材の流出を防止しつつ、洗浄排水をろ過塔上部より排出することにより、繊維ろ材中に捕捉された懸濁物質を、少ない洗浄水量と短い洗浄時間で効率良く繊維ろ材から剥離し、ろ過塔外に排出することができるという事実を見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明は、繊維ろ材を充填したろ過塔に懸濁物質含有水を供給して懸濁物質を繊維ろ材に捕捉させ、懸濁物質が捕捉された繊維ろ材を洗浄水で洗浄するに際し、ろ過塔内部を曝気するとともに洗浄水をろ過塔下部より供給し、ろ過塔内部に設置したろ材流出防止板により繊維ろ材の流出を防止しつつ、懸濁物質を含有した洗浄排水をろ過塔上部より排出させることを特徴とする繊維ろ材の洗浄方法を要旨とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、本発明を具体的に説明する。図1は、本発明の繊維ろ材の洗浄方法に用いられるろ過塔の断面の一例を示す概略図である。図1において、1は、高速でろ過することのできるろ過装置におけるろ過塔であって、このろ過塔1の下部には繊維ろ材2を保持するろ材支持板3が、ろ過塔1の上部には洗浄時の繊維ろ材2の流出を防止するためのろ材流出防止板4が設置されており、ろ材支持板3上に繊維ろ材2が充填されている。この繊維ろ材2中に懸濁物質含有水(原水)6を通過させることにより、原水6中の懸濁物質を捕捉、除去することができ、懸濁物質のない良質の処理水7を得ることができる。ここで、ろ過塔1の大きさとしては、ろ過塔1内での通水速度が25m/時以上となる超高速ろ過が可能となるように、直径等を決定することが好ましい。また、ろ過効果を考慮した場合、通常、繊維ろ材層の高さを約1mとすることが多く、ろ材洗浄時の洗浄効率を考慮すると、繊維ろ材層の上方にろ材層の高さ以上の空間を設けることが好ましい。
【0008】前記ろ材支持板3とろ材流出防止板4としては、その通水孔が繊維ろ材2より小さくてろ材を通過させず水のみを通過させる大きさであれば、材質等は特に限定されるものではないが、洗浄時の空気曝気等を考慮すれば、これに耐え得るだけの強度を持ったものが好ましく、鋼鉄製グリッド、パンチングプレート、スクリーンプレート等を用いることが好ましい。
【0009】また、繊維ろ材2としては、各種素材、各種形状のものが使用可能であるが、繊維ろ材の洗浄効率をより向上させるために、単糸繊度が50デニール以下の未延伸フィラメントを50〜1000本集合させてなる糸条を100〜500本集合させて集束し、この集束部から50〜300mmを残して切断してなる繊維ろ材を用いることが好ましい。また、直径5〜30mmのポリエステル系偏平楕円形繊維ろ材も本発明における繊維ろ材2として適している。さらに、ろ過塔1に充填する繊維ろ材2の個数としては、例えば、直径150mmの繊維ろ材の場合には、ろ過塔1m3 あたり2000〜6000個であることが好ましい。ろ過塔1における原水6の通水方向は下向流でも上向流でもよい。また、ろ過塔1としては、ろ過塔1の上端を密閉し加圧するようにした圧力式でも、上端を開放した重力式でも適用可能である。
【0010】原水6の通水とともに繊維ろ材2中に懸濁物質が捕捉され、通水圧損が上昇し、繊維ろ材2の洗浄が必要となる。通水圧損の上昇の度合いは、原水中の懸濁物質の濃度や種類、通水速度、繊維ろ材の種類によって大きく異なるが、通常、繊維ろ材2のろ材層1m3 あたり、1〜10kgの懸濁物質乾重量を捕捉したとき、通水損失水頭が100〜2000mmH2 Oにまで上昇し、繊維ろ材の洗浄工程に入る。洗浄工程への移行はタイマーによる一定間隔制御も可能であるが、水面高を水位計により感知し、一定水位に達すれば洗浄工程に移行する自動制御が好ましい。
【0011】本発明においては、上記洗浄工程において、ろ過塔1内部を曝気するとともに繊維ろ材を洗浄するための洗浄水9をろ過塔1下部より供給し、懸濁物質を含有した洗浄排水8をろ過塔1上部より排出することが必要である。また、前記したようにろ過塔内部に設置したろ材流出防止板4により繊維ろ材の流出を防止することが必要である。本発明に用いられる洗浄水9としては、原水6を使用してもよいが、懸濁物質の少ない処理水7を使用する方が洗浄効率は高くなる。洗浄水9の水量としては、ろ過塔1内での通水速度が2〜50m/時となるように通水することが好ましい。通水速度が2m/時以下の場合には、懸濁物質の排出が不十分となりやすく、通水速度が50m/時以上の場合には、通水量が増大してしまうため、好ましくない。通水時間は通水量との兼ね合いで決定されるが、2〜30分間が好ましい。2分間以下の場合には、懸濁物質の排出が不十分となりやすく、30分間以上の場合には、洗浄排水量が増加するとともに洗浄時間が長時間となるため、好ましくない。
【0012】また、本発明の洗浄方法においては、洗浄水9の通水時にろ過塔1下部に配装した散気装置5より空気10を供給して曝気することにより、ろ材層を振動させてろ材層をゆるめ、繊維ろ材2からの懸濁物質の剥離を促進することができる。ここで、散気装置5としては、散気管やディスクディフューザー等を用いることが可能であり、ろ材支持板3下部の全面から空気を噴出するものであっても、片面から噴出するものであってもよいが、片面ずつ交互に空気を噴出した後、両面から空気を噴出するような散気装置を用いることが好ましい。散気装置5からの空気10の供給量としては、ろ過塔1のろ過面積1m2 あたり、0.5〜5m3 /分であることが好ましい。空気10の供給量が0.5m3/分以下の場合には、ろ材層の振動が不十分となりやすくなり、懸濁物質の繊維ろ材2からの剥離も不十分となる傾向がある。一方、空気10の供給量が5m3/分以上の場合には、曝気動力ほどには剥離効果が上がらない場合がある。
【0013】上記洗浄水9の通水及び曝気終了後、ろ過塔1内に残留した洗浄排水をそのまま残してろ過工程に移ってもよいが、曝気を継続しながらろ過塔1下部より残留した洗浄排水を排出してから、ろ過工程に移ることでより効果を上げることができる。また、上記の繊維ろ材2の洗浄工程を1回で終了してもよいが、ろ過塔1下部からの残留した洗浄排水の水抜き及び水張りを組み合わせて、上記洗浄工程を数回繰り返し行ってもよい。
【0014】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例によって具体的に説明する。
実施例1単糸繊度が10.4デニールのポリエステル未延伸フィラメントを192本集合させてなる糸条を素材とし、これを無撚りのままバルキー加工して得られた加工糸を400本集合させて集束し、この集束部から75mmを残して略球形状となるように切断してなる繊維ろ材を形成した。縦、横、高さの寸法がそれぞれ1.2m、1.2m、5mで上端を開放した重力式のろ過塔(ろ過面積1.44m2 )の上部には、原水を供給するためのトラフが設置されており、トラフには垂直にスリットスクリーンのろ材流出防止板が設置されている。また、ろ過塔下部には鋼鉄製クリッドのろ材支持板が設置され、その上に上記繊維ろ材を6000個充填し、ろ材層の高さを1mとした。さらに、ろ材支持板の下部には散気管が2本設置してあり、洗浄時にこれらの散気管から空気が供給される。
【0015】このろ過塔の上部から、懸濁物質(SS)の濃度が10mg/Lの活性汚泥処理水(原水)をろ過塔内の通水速度が30m/時となるように供給し、ろ過塔の下端側の排出口から処理水を排出した。全繊維ろ材中に10.1kgの懸濁物質(SS)が捕捉されるまで原水を通水し、洗浄工程に移った。洗浄工程は、ろ過塔下部より洗浄水として原水を48m3 /時(通水速度30m/時)でろ過塔内に上向流で供給すると同時に1本の散気管から空気供給量2.5m3 /分(空塔速度1.7m/分)で片面曝気を1分間行い、次にもう一方の散気管から同条件で1分間の片面曝気を行った。これにより、ろ材層はゆるみ、繊維ろ材はろ過塔内部で旋回を始め、繊維ろ材から懸濁物質の剥離が促進された。次に洗浄排水をろ過塔上部より連続的に排出すると同時に、両方の散気管から空気供給量2.5m3 /分で全面曝気し、ろ過塔下部からの洗浄水の供給を10分間継続した。洗浄水の供給を終了した後、上記条件で全面曝気を行いながら、ろ過塔下部よりろ過塔内に残留している洗浄排水を排出し、ろ過工程に戻った。以上の洗浄方法により、8.5kgの懸濁物質(SS)が排出され、排除率(排出された懸濁物質重量と繊維ろ材に捕捉されていた懸濁物質重量の割合)は、84%となった。なお、ろ過通水再開時の損失水頭は200mmH2 Oであり、新品の繊維ろ材を使用した場合と同程度であった。
【0016】比較例1繊維ろ材、ろ過塔、ろ過条件は実施例1と同様に行った。洗浄工程は、ろ過塔下部の2本の散気管から同時に空気を2.5m3 /分で5分間供給し、曝気を継続しながらろ過塔下部より洗浄排水を排出した。次に曝気を継続しながら、ろ過塔下部より洗浄水をろ過塔内部が満水になるまで供給し、全面曝気、ろ過塔下部からの洗浄排水の排出を2回繰り返した。以上の洗浄方法により、7.1kgの懸濁物質(SS)が排出され、排除率は、70%となった。なお、ろ過通水再開時の損失水頭は335mmH2 Oであり、新品の繊維ろ材を使用した場合や本発明の洗浄方法による繊維ろ材を用いた場合に比べ、100mmH2 O以上損失水頭が上昇してしまい、繊維ろ材の洗浄(懸濁物質の排出)が十分行われていないことが明らかになった。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、繊維ろ材中に捕捉された懸濁物質を、少ない洗浄水量、短い洗浄時間で効率良く繊維ろ材から剥離し、ろ過塔外に排出することが可能となる。




 

 


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