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発明の名称 積層ポリエステルシート及びこれを用いてなる包装容器
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−296936
公開日 平成10年(1998)11月10日
出願番号 特願平9−109969
出願日 平成9年(1997)4月28日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】森本 義弘
発明者 府川 徳雄 / 村上 益男
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 表裏両面の一対のスキン層が、ポリエチレンテレフタレートまたはこれを主体とするポリエステル(A)25〜55wt%とポリアリレート(B)75〜45wt%とからなる第1のポリエステルにて形成され、前記一対のスキン層に挟まれたコア層が、ポリエチレンテレフタレートまたはこれを主体とするポリエステル(A)60〜90wt%と、ポリエチレン−2,6−ナフタレートまたはこれを主体とするポリエステル(C)40〜10wt%とからなる第2のポリエステルにて形成されていることを特徴とする積層ポリエステルシート。
【請求項2】 コア層が、第2のポリエステル100重量部に対して、さらにポリアリレート(B)25重量部以下を配合したポリエステルにて形成されていることを特徴とする請求項1記載の積層ポリエステルシート。
【請求項3】 一対のスキン層とコア層との重量比が、(一対のスキン層の合計)/(コア層)=3/97〜40/60であることを特徴とする請求項1または2記載の積層ポリエステルシート。
【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の積層ポリエステルシートを用いてなることを特徴とする包装容器。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明性や、耐熱性や、加工性等が良好で、しかもガスバリヤー性にも優れた積層ポリエステルシート及びこれを用いてなる包装容器に関し、特に、耐レトルト殺菌処理性の要求されるジャム、ゼリー、プリン、ヨーグルト等の飲食品用容器に好適に利用できる前記ポリエステルシート及び包装容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、食品や飲料に用いられる包装容器を形成するシートには、加工性や機械的特性に優れていることが要求され、また、包装容器に成形した際には内容物が見えやすいようにするための透明性や、飲食品の高温充填や電子レンジ等による加熱調理が行えるような耐熱性が要求される。
【0003】また、上記シートからなる包装容器は、内部に食品や飲料等を充填した後、微生物を完全に殺菌するためにいわゆるレトルト殺菌処理(以下「レトルト処理」と称す。)を行うが、レトルト処理は一般に約90℃の温水で30分間程度行われるため、熱変形等の劣化のないよう耐レトルト処理性に優れていることが要求される。
【0004】上記のような条件を満たすものとして、積層シートが提案されており、例えば、特開平3−155943号公報には、コア層に透明性、加工性等に優れたポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と称す。)を用い、その両側の一対のスキン層には、PETよりも高いガラス転移点を有するPETとポリアリレート(以下「PAR」と称す。)とからなるポリエステルを積層したシートが開示されている。
【0005】しかしながら、この積層シートを、例えばジャム等の飲食品用容器に加工し、レトルト処理を施すと、熱変形はないものの容器に若干の白化が生じるという問題があった。また、飲食品用容器には、チルド保存や常温での長期保存が可能なように、空気中の酸素との接触を絶ち、完全密封して外気を遮断できるガスバリヤー性に優れていることも要求されているが、上記の積層シートからなる飲食品用容器はガスバリヤー性が十分なものではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記問題点を解決し、透明性や耐熱性や加工性等が良好で、レトルト処理を行っても白化することがなく、さらにガスバリヤー性にも優れた積層ポリエステルシート及びこれを用いてなる包装容器を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に至ったものである。すなわち本発明は、表裏両面の一対のスキン層が、PETまたはこれを主体とするポリエステル(A)25〜55wt%とポリアリレート(B)75〜45wt%とからなる第1のポリエステルにて形成され、前記一対のスキン層に挟まれたコア層が、PETまたはこれを主体とするポリエステル(A)60〜90wt%と、ポリエチレン−2,6−ナフタレートまたはこれを主体とするポリエステル(C)40〜10wt%とからなる第2のポリエステルにて形成されていることを特徴とする積層ポリエステルシートを要旨とするものである。
【0008】このように本発明によれば、表裏両面の一対のスキン層に、PETまたはこれを主体とするポリエステル(A)25〜55wt%とポリアリレート(B)75〜45wt%とからなる第1のポリエステルを用い、前記一対のスキン層に挟まれたコア層に、PETまたはこれを主体とするポリエステル(A)60〜90wt%と、ポリエチレン−2,6−ナフタレートまたはこれを主体とするポリエステル(C)40〜10wt%とからなる第2のポリエステルを用いることで、積層シートの耐熱性が向上する。また、コア層にはガスバリヤー性の高いポリエチレン−2,6−ナフタレートまたはこれを主体とするポリエステル(C)が含有されているため、この積層シートのガスバリヤー性が向上する。
【0009】従って、この積層シートからなる包装容器は、レトルト処理を行っても白化することがなくなり、ガスバリヤー性が良く、耐熱性や、透明性にも優れたものとなる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の積層シートは、表裏両面の一対のスキン層と、前記一対のスキン層に挟まれたコア層とより形成される。
【0011】本発明の積層シートを構成するスキン層としては、PETまたはこれを主体とするポリエステル(A)25〜55wt%とPAR(B)75〜45wt%とからなる第1のポリエステルを用いることが必要である。PARの配合割合が45wt%未満であると、耐熱性が低くなり、上記シートからなる容器はレトルト処理時に容器が変形することとなる。また、PARの配合割合が75wt%を超えると、積層シートを容器等に成形する際の加工性が低下することとなる。
【0012】積層シートを構成するコア層としては、PETまたはこれを主体とするポリエステル(A)60〜90wt%とポリエチレン−2,6−ナフタレート(以下「PEN」と称す。)またはこれを主体とするポリエステル(C)40〜10wt%とからなる第2のポリエステルを用いることが必要である。ポリエステル(C)の配合割合が10wt%より少なくなると、ガスバリヤー性に劣るものとなり、また、レトルト処理した際に、容器が白化して外観性に劣るものとなる。ポリエステル(C)の配合割合が40wt%を超えると、積層シートの曲げ弾性率が低下することとなる。
【0013】このコア層には、上記第2のポリエステル100重量部に対して、さらにPAR(B)25重量部以下を配合してもよい。このような構成にすると、積層シートの透明性や加工性やガスバリヤー性を低下させることなく耐熱性を向上させることができる。また、この積層シートからなる包装容器は、耐熱性が良くレトルト処理しても白化することがなくなる。しかしながら、PAR(B)の配合割合が25重量部を超えると、積層シートの曲げ弾性率が低下し、さらにはガスバリヤー性が低下する傾向にある。
【0014】一対のスキン層とコア層との重量比は、(一対のスキン層の合計)/(コア層)=3/97〜40/60であることが好ましい。一対のスキン層とコア層との重量比が40/60を超えると、スキン層の厚みが大きくなるので成形加工時にスキン層に均一に熱をかけることが難しくなり、積層シートを容器等に成形する際の加工性が著しく低下し、ガスバリヤー性にも劣るので好ましくない。また、一対のスキン層とコア層との重量比が3/97より小さいと、スキン層の厚みが小さくなるので、レトルト処理の際に容器の白化や変形を抑えることができなくなる。
【0015】本発明におけるPETまたはこれを主体とするポリエステル(A)は、テレフタル酸成分とエチレングリコール成分とを主成分として溶融重縮合反応、あるいは引き続いて固相重合して得られるものであり、その極限粘度は0.50〜1.20にあるものが望ましい。
【0016】PETには、上記成分の他に、フタル酸、イソフタル酸、 2,5−ジブロムテレフタル酸、2,6 −ナフタレンジカルボン酸、4,4'−ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸成分、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の芳香族多価カルボン酸成分、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸、マレイン酸、イタコン酸等の脂肪族ジカルボン酸成分、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、 1,2−プロパンジオール、 1,3−プロパンジオール、 1,4−ブタンジオール、 1,5−ペンタンジオール、 1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール等の脂肪族ジオール成分、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の脂肪族多価アルコール成分、 1,4−シクロヘキサンジメタノール、 1,4−シクロヘキサンジエタノール等の脂環族ジオール成分、p−キシリレングリコール、ビスフェノールAやビスフェノールSのエチレンオキシド付加体等の芳香族ジオール成分等がPETの特性を損なわない範囲で少量(高々10モル%程度)共重合されていてもよい。本発明におけるPAR(B)は、下記■式で示される芳香族ジカルボン酸成分と下記■式で示されるビスフェノール類との重合により得られる芳香族ポリエステルであり、その極限粘度は0.40〜1.00にあるものが望ましい。
【0017】
【化1】

【0018】
HO−Ar 2 −X−Ar 2 −OH ■(式中、Ar 2 ■式と同じである。また、Xはメチレン基、スルホン基、カルボニル基、シクロヘキシレン基、硫黄原子、又は酸素原子を表し、メチレン基の水素原子はメチル基で置換されていてもよい。)
芳香族ジカルボン酸成分の好ましい例としては、テレフタルクロリド及び/又はイソフタルクロリドが挙げられるが、特にテレフタルクロリドとイソフタルクロリドとの混合物を用いると、得られるPARの溶融加工性及び総合的性能の面で好ましい。かかる混合物のとき、その混合比は任意に選ぶことができるが、テレフタルクロリド/イソフタルクロリド=9/1〜1/9(モル比)が好ましく、特に溶融加工性及び性能のバランスの点で7/3〜3/7(モル比)、さらには1/1(モル比)がより好ましい。
【0019】■式で示されるビスフェノール類としては、ビスフェノールA〔 2,2−ビス(4−ヒドロキフェニル)プロパン〕、 2,2−ビス(4−ヒドロキシ− 3,5−ジメチルフェニル)プロパン、 2,2−ビス(4−ヒドロキシ− 3,5−ジクロロフェニル)プロパン、 2,2−ビス(4−ヒドロキシ− 3,5−ジブロモフェニル)プロパン、ビスフェノールS〔4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン〕、4,4'−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4'−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルメタン、 1,1 −ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、 1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等が挙げられるが、ビスフェノールAが特に好ましい。また、これらは単独で使用してもよいし、2種類以上混合して使用してもよい。さらに、前記のビスフェノール類はパラ体であるが、オルソ体もしくはメタ体のビスフェノール類を使用してもよく、これらビスフェノール類にエチレングリコール、プロピレングリコール等を併用してもよい。
【0020】PARの好ましい例としては、テレフタル酸クロリド/イソフタル酸クロリド=1/1(モル比)とビスフェノールAとの界面重合により得られるユニチカ社製のUポリマー(商品名)が挙げられる。
【0021】本発明におけるPENまたはこれを主体とするポリエステル(C)は、2,6 −ナフタレンジカルボン酸成分とエチレングリコール成分とを主成分として溶融重縮合反応、あるいは引き続いて固相重合して得られるものであり、その極限粘度は0.40〜1.0にあるものが望ましい。
【0022】PENには、上記成分の他に、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、 4,4' −ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸成分、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸、マレイン酸、イタコン酸等の脂肪族ジカルボン酸成分、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、 1,2−プロパンジオール、 1,3−プロパンジオール、 1,4−ブタンジオール、1,5 −ペンタンジオール、 1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオール成分、 1,4−シクロヘキサンジメタノール、 1,4−シクロヘキサンジエタノール等の脂環族ジオール成分、ビスフェノールAやビスフェノールSのエチレンオキシド付加体等の芳香族ジオール成分等がPENの特性を損なわない範囲で少量(高々10モル%程度)共重合されていてもよい。
【0023】本発明におけるスキン層を構成する第1のポリエステル及びコア層を構成する第2のポリエステルを製造する方法としては、従来公知の方法を採用することができる。
【0024】例えば、第1のポリエステルを製造する方法としては、PET又はこれを主体とするポリエステル(A)とPAR(B)と触媒とを反応器に仕込み、減圧下で溶融加熱してエステル交換反応させ、反応が完結した段階で反応器より払出してペレット状にする方法がある。この際、触媒としては酢酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の化合物を用いることが好ましい。
【0025】また、PET又はこれを主体とするポリエステル(A)とPAR(B)と上記の触媒とを、ターンブラーブレンダー等の各種のブレンダーを用いて混合した後、溶融混練してエステル交換反応させ、1軸押出機もしくは2軸押出機を用いてペレット状にする方法(以下、この方法を「溶融ブレンド法」と称す。)がある。さらに、PET又はこれを主体とするポリエステル(A)とPAR(B)とを、溶融成形時に単にブレンドする方法(以下、この方法を「成形ブレンド法」と称す。)もあるが、本発明においては溶融ブレンド法を用いてポリエステルを製造するのがより好ましい。
【0026】また、コア層を構成する第2のポリエステルを製造するには、PETまたはこれを主体とするポリエステル(A)と、PENまたはこれを主体とするポリエステル(C)と、触媒とを用い、上記した方法と同様にしてペレット状にすればよい。なお、上記第2のポリエステルには、必要に応じてPAR(B)を前述の所定の範囲内で配合してもよい。
【0027】本発明の積層ポリエステルシートは、従来のPET系ポリエステルで用いられている成形法をそのまま適用して製造することができ、例えば、第1のポリエステルと第2のポリエステルとをそれぞれ所定の重量割合になるように調整しながら、Tダイを備えた多層押出しシート成形装置で溶融押出し、冷却ローラーで冷却することにより得ることができる。
【0028】積層シートの厚みは0.5〜1.2mmの範囲が好適であり、さらに好ましくは0.7〜0.9mmがよい。積層シートを圧縮成形あるいは真空成形した容器の厚みは、平均厚みで0.2〜0.45mmであることが好ましい。特に好ましくは0.25〜0.35mmが良い。
【0029】また、本発明における積層シートは、コア層と一対のスキン層からなる3層構造だけでなく、スキン層を中間に配置した5層構造等にもすることができる。また、本発明においては、さらにガスバリヤー性を向上させるためにコア層の中心部にさらに別の層としてガスバリヤー性の高いエチレン/ビニルアルコール共重合体、ポリメタキシリレンアジパミド、非晶性ポリアミド樹脂等のガスバリヤー層を設けてもよい。この場合には、ガスバリヤー層の外側にはコア層とガスバリヤー層とを接着させるための接着剤層として、無水マレイン酸グラフト変性したエチレン/酢酸ビニル共重合体や高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン又はポリプロピレン等を用いるのが好ましい。
【0030】また、本発明においては、積層ポリエステルシートを成形加工する際に発生するポリエステル廃材を有効にリサイクルすることもでき、本発明においては、コア層及びスキン層を構成するポリエステルの全部もしくは一部に、このようなリサイクルされたポリエステルを用いることで、コストを低下させることができる。本発明においては、上述のように積層ポリエステルシートを成形加工してジャムやゼリー等の飲食品用の包装容器を作製する。このような包装容器の蓋体としては、耐熱性やガスバリヤー性を有するものであればどのようなものでも良く、例えば、プラスチック材や金属からなるもの、あるいはプラスチック層と金属層との積層材、金属層をコア層としプラスチックをスキン層とした積層材等が挙げられる。プラスチック層と金属層との積層体や、金属層をコア層としプラスチックをスキン層とした積層材は、接着剤を用いて貼り合わせる方法、押出ラミネート法もしくは共押出法により得ることができる。
【0031】また容器本体と蓋体とを接着するためには、容器本体の口部周辺に縁部を形成し、その縁部に熱接着するためのシール材を配置する方法を用いることができる。シール材としては、イージーピール性を有し、かつ容器本体を構成する積層ポリエステルシートよりも低い軟化点を有する熱接着性フィルムを用いることが好ましい。なお、熱接着性フィルムのピール強度については、上述のようにイージーピール性を有するものであるため、1.0〜2.0kg/15mm程度のピール強度を有するもの、特に、1.5〜1.8kg/15mm程度のピール強度を有するものが好ましい。また、熱接着性シール材の厚みとしては、20〜60μm程度の厚みのものが妥当である。
【0032】上記の熱接着性フィルムとしては、ポリオレフィン系フィルムや変性ポリエステル系フィルムあるいはスチレン等に代表される重合性モノマーにより改質された変性ポリオレフィン等からなるフィルム等があり、具体的には、大日本インキ化学工業社製ディファレンE7700T、PP−100や、東セロ社製アドマーXE070、NE050等が挙げられる。
【0033】
【実施例】次に、実施例に基づき本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお実施例における各種物性値の測定は、以下の方法により実施した。
【0034】(1)極限粘度:フェノールと四塩化エタンとの等重量混合物を溶媒として、温度20℃で測定し、dl/g単位で表した。
【0035】(2)積層シートの加工性:未延伸の積層ポリエステルシートを用いて、シート温度160℃でサーモフォーミング成形を行い、[高さ(L)]/[直径(D)]=1/2の容器(ジャム容器)を成形した際に、容器の割れや延伸不良による未成形、容器白化等の不良率が1%以下のものを○、1%より大きく5%より小さいものを△、5%以上のものを×とした。
【0036】なお、延伸不良による未成形とは、通常成形品の底部のエッジ部はシャープに成形されるべきであるが、シートの延伸が十分でないために成形品の底部が丸みを帯びた形になったものをいう。また、成形時の容器白化とは、延伸速度と延伸時のシート温度とのバランスが悪い時に、コア層の結晶化が起こり容器の一部が白化することをいう。
(3)積層シートの酸素ガスバリヤー性:MOCON社製の酸素透過率測定装置(OX−TRON−100型)での酸素ガス通過係数の測定値が1. 5cc mm/m2 24hr atm 以下のものを◎、1. 5cc mm/m2 24hr atm より大きく3cc mm/m2 24hr atm より小さいのものを○、3cc mm/m2 24hr atm より大きく10cc mm/m2 24hr atm より小さいものを△、10cc mm/m2 24hr atm 以上のものを×とした。
【0037】(4)積層シートの耐熱性:積層ポリエステルシートを熱処理した後、シートの曲げ弾性率と白濁度合いを測定することにより耐熱性の指標とした。なお、曲げ弾性率は、ASTM D790に基づいて測定し、熱処理後の曲げ弾性率が5×105 Paを保持できる温度でもって耐熱性を判定し、95℃で30分間の熱処理を行っても、曲げ弾性率が5×105 Pa以上であるものを○、75℃以上〜95℃未満で30分間の熱処理を行った時、曲げ弾性率が5×105 Pa以上であるものを△、75℃未満で30分間の熱処理を行ったときのみ曲げ弾性率が5×105 以上であるものを×で表示した。
【0038】また、シートの白濁度合いは目視によって判定し、95℃で30分間以上の熱処理を行っても白濁せず耐熱性が良好であるものを○、80℃で30分間以上の熱処理を行っても白濁せず耐熱性が普通であるものを△、80℃で30分間未満の熱処理で白濁し耐熱性が不良であるものを×で表示した。
【0039】(5)容器本体の透明性:容器本体の透明性は成形容器のヘイズ値により評価した。すなわち、日本電色社製のカラーメジャーリングシステムにおいて測定したヘイズ値が3以下のものを◎、3 より大きく5以下のものを○、ヘイズ値が5より大きく10より小さいものを△、ヘイズ値が10以上のものを×で表した。
【0040】(6)耐レトルト性:容器を90℃の温水で30分間レトルト処理を行った後、白濁度合と形状変化を測定した。白濁度合は日本電色社製のカラーメジャーリングシステムにおいて測定したヘイズ値が3以下であるときを◎、3より大きく5より小さいときを○、5より大きく10より小さいときを△、10以上のときを×とした。形状変化は、容積変化率が1%以下であるときを○、1%より大きく5%より小さいときを△、5%以上のときを×とした。
【0041】実施例1極限粘度0.81のPET(ユニチカ社製)と極限粘度0.68のPAR(ユニチカ社製、Uポリマー)とを表1に示す仕込み割合で配合し、これに酢酸ナトリウムを0.06重量%添加し、2軸押出機(池貝鉄工社製、PCM-30)を用いて、280〜320℃(PARの割合が大きいものほど温度を高めに設定)で溶融ブレンドした後、ストランド状に押出し、スキン層を構成する第1のポリエステルのペレットを作製した。
【0042】また、極限粘度0.81のPET(ユニチカ社製)と極限粘度0.61のPEN(イーストマンケミカル社製、品番14911)とを表1に示す仕込み割合で配合し、これに酢酸ナトリウムを0.06重量%添加し、上記した2軸押出機を用いて、270〜280℃で溶融ブレンドした後、ストランド状に押出し、コア層を構成する第2のポリエステルのペレットを作製した。
【0043】
【表1】

【0044】次いで、Tダイを備えた多層押出しシート成形装置を用いて、第1のポリエステルがスキン層を、第2のポリエステルがコア層を形成するように、一対のスキン層とコア層との重量比が表1に示す重量比となるようにしてシートを押出し、30℃の冷却ローラーで冷却して、厚み0.8mmの積層ポリエステルシートを得た。
【0045】なお、押出し条件は、コア層側シリンダー温度を270〜300℃、スキン層側シリンダー温度を275〜310℃、ジャンクションブロック、フィーダーブロック及びダイス温度を270〜280℃に設定した。以下、他の実施例においても同様の条件としたが、PARの仕込み割合が大きいものほど温度を高めに設定した。
【0046】図1に示すように、得られた積層シート1は、第2のポリエステルがコア層2を形成し、その両面に第1のポリエステルからなる一対のスキン層3が形成されていた。スキン層3の厚みはそれぞれ等しく、積層シート1の厚みは0.8mmとなった。
【0047】得られたシートの物性等を表1に示す。得られた積層シートをシート温度160℃でサーモフォーミングし、図2に示すようなL/D=1/2のジャム容器の容器本体4を作製した。容器本体4の口部周辺に形成された縁部には、シール材5として東セロ社製アドマーXE070を熱接着し、シール材5を介して蓋体6を容器本体4に取り付けた。
【0048】得られた容器の物性等を表1に示す。
実施例2PET/PENの仕込み割合及びスキン層とコア層との重量比を表1に示すようにした。そして、それ以外は実施例1と同様にして、積層シート及びジャム容器を作製した。
【0049】得られた積層シートと容器の物性等を表1に示す。
【0050】実施例3PET及びPENからなる第2のポリエステル100重量部に対して、さらにPAR5重量部を配合した。第1のポリエステルには実施例1と同様のものを用い、スキン層とコア層との重量比を表1に示すようにした。そしてそれ以外は実施例1と同様にして積層シート及びジャム容器を作製した。
【0051】得られた積層シートと容器の物性等を表1に示す。
【0052】実施例4PET/PENの仕込み比を表1に示すようにした。そしてそれ以外は実施例3と同様にして積層シート及びジャム容器を作製した。
【0053】得られた積層シートと容器の物性等を表1に示す。
【0054】実施例5PET/PENの仕込み比及びPARの仕込み量を表1に示すようにした。そしてそれ以外は実施例3と同様にして積層シート及びジャム容器を作製した。
【0055】得られた積層シートと容器の物性等を表1に示す。
【0056】実施例6PET/PENの仕込み比と、PARの仕込み量と、スキン層とコア層との重量比を表1に示すようにした。そしてそれ以外は実施例3と同様にして積層シート及びジャム容器を作製した。
【0057】得られた積層シートと容器の物性等を表1に示す。
【0058】実施例7PET/PARの仕込み比と、スキン層とコア層との重量比を表1に示すようにした。そしてそれ以外は実施例6と同様にして積層シート及びジャム容器を作製した。
【0059】得られた積層シートと容器の物性等を表1に示す。
【0060】実施例8〜9PET/PARの仕込み比と、PET/PENの仕込み比と、スキン層とコア層との重量比を表1に示すようにした。そしてそれ以外は実施例6と同様にして積層シート及びジャム容器を作製した。
【0061】得られた積層シートと容器の物性等を表1に示す。
【0062】実施例10PET/PARの仕込み比と、第1のポリエステル100重量部に対するPARの仕込み量と、スキン層とコア層との重量比を表1に示すようにした。そしてそれ以外は実施例6と同様にして積層シート及びジャム容器を作製した。
【0063】得られた積層シートと容器の物性等を表1に示す。
【0064】実施例1、2はコア層のポリエステルを構成するPET/PENの仕込み比が、本発明の範囲内であったため、いずれもガスバリヤー性に非常に優れたものであった。また、スキン層のポリエステルを構成するPET/PARの仕込み比、及びスキン層とコア層との重量比が本発明の範囲内であったため、透明性に非常に優れたものであった。また、いずれも良好な積層シート特性と容器特性とを示した。実施例3〜10は、コア層において第1のポリエステル100重量部に対して、PARが25重量部以下配合されているため、コア層全体に対するPENの配合割合が少なくなりガスバリヤー性は実施例1、2に較べるとやや劣っていたが、ジャム容器としては十分なガスバリヤー性を有するものであった。また、耐熱性の高いPARがコア層に配合されているため耐熱性が向上し、レトルト処理を施しても白化することのない優れた容器特性を示した。さらに、その他の積層シート特性や容器特性においても良好なものであった。
【0065】比較例1コア層をPETのみで作製し、スキン層とコア層との重量比を表2に示すようにした。そして、それ以外は実施例1と同様にして、積層シート及びジャム容器を作製した。
【0066】得られた積層シートと容器の物性等を表2に示す。
【0067】
【表2】

【0068】比較例2コア層のポリエステルをPETのみで作製し、このコア層を構成する第2のポリエステル100重量部に対するPARの仕込み量を本発明の上限よりも高くした。また、スキン層を構成する第1のポリエステルはPETの仕込み割合を発明の下限よりも少なくした。さらにスキン層とコア層との重量比を表2に示すようにした。そして、それ以外は実施例1と同様にして、積層シート及びジャム容器を作製した。
【0069】得られた積層シートと容器の物性等を表2に示す。
【0070】比較例3スキン層を構成する第1のポリエステルにおいて、PETの仕込み量を本発明の上限よりも多くした。そして、それ以外は、実施例4と同様にして積層シート及びジャム容器を作製した。
【0071】得られた積層シートと容器の物性等を表2に示す。
【0072】比較例4スキン層とコア層との重量比において、スキン層の量を本願発明の上限よりも多くした。そして、それ以外は実施例6と同様にして積層シート及びジャム容器を作製した。
【0073】得られた積層シートと容器の物性等を表2に示す。
【0074】比較例5スキン層とコア層との重量比において、スキン層の量を本願発明の上限よりも多くした。また、コア層を形成するPET/PENの仕込み比及びPARの仕込み量を表2に示すようにした。そして、それ以外は比較例4と同様にして積層シート及びジャム容器を作製した。
【0075】得られた積層シートと容器の物性等を表2に示す。
【0076】比較例6PET/PENの仕込み比を表2に示すようにして、コア層において第1のポリエステル100重量部に対するPARの配合量を本発明の上限よりも多くした。PET/PARの仕込み比及びスキン層とコア層との重量比を表2に示すようにした。そして、それ以外は比較例5と同様にして積層シート及びジャム容器を作製した。
【0077】得られた積層シートと容器の物性等を表2に示す。
【0078】比較例1は、第2のポリエステルをPETのみで構成したため、得られた積層シートは耐熱性に劣るものとなった。従って、前記シートを成形したジャム容器は耐レトルト性に劣るものとなった。
【0079】比較例2は、比較例1と同様に第2のポリエステルをPETのみで構成しているが、コア層にPARが多量に配合されているため、ジャム容器の耐レトルト性は向上した。しかしながら、コア層にPENが配合されていないためガスバリヤー性にやや劣るものであった。さらに、スキン層を構成するPARの仕込み量が多かったため積層シートの加工性や耐熱性にも劣るものとなった。
【0080】比較例3は、スキン層を構成するPARの仕込み量が少なかったため、耐熱性にやや劣り、ジャム容器の耐レトルト性にも劣るものとなった。比較例4、比較例5は、スキン層が厚くなり過ぎたため、成形加工時にスキン層に均一に熱をかけることが難しくなり、加工性に劣るものとなった。また、コア層が薄くなったため、ガスバリヤー性にもやや劣るものとなった。
【0081】比較例6は、第2のポリエステルに対するPARの配合割合が多すぎたため、積層シートの弾性率が低下して加工性にやや劣るものとなった。また、ガスバリヤー性や耐熱性にも劣るものとなった。
【0082】
【発明の効果】本発明によれば、スキン層を第1のポリエステルで構成し、コア層を第2のポリエステルで構成することで、透明性や耐熱性や加工性等が良好な積層シートを得ることができる。また、上記コア層にはガスバリヤー性の高いPENが配合されているため、得られた積層シートはガスバリヤー性の高いものとなる。
【0083】このような積層シートを成形加工した包装容器は、透明性が高く、耐熱性に優れており、レトルト処理を行っても白化することのないものであり、しかもガスバリヤー性の高いものである。従って、ジャムやゼリー等の飲食品用容器に好適に使用できる包装容器を提供することができる。




 

 


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